関西大学文学部英米文化専修 小林剛ゼミ

Department of Cross-Cultural Studies, Faculty of Letters, Kansai University

グローバリゼーション概要

グローバリゼーションチーム

*メンバー
江頭・奥田・岸田・北橋

*対象
グローバリゼーションには興味があるが、どこから取り組んでいいかわからない学生

*目的
①興味→WEBページ→更に興味→アクションを促すことができるようなWEBページ
②私たちのイメージしている「グローバリゼーション」と、実際の状況には差が生じているということを認識してもらえるWEBページ
(思っていること←乖離、GAP→実際 しているという現実を知らせる)

*スケジュール
4週目まで
配布した文献の日本語要約を読んでもらい、わからないところを確認してもらう。
またわかりやすい具体例を考えてFacebookにのせてもらう。

4週目
枠組みの確認とディスカッション。
具体例について議論
WEBページのレイアウト配布

5週目
WEBページの最終確認


*WEBページ

<1>問題提起
近年、「グローバリゼーション」という言葉をニュースなどでよく耳にしますが、みなさんはグローバリゼーションに対してどのようなイメージを持ちますか? 私たちが思うよりもグローバリゼーションは進展しており、与える影響は想像以上に大きく複雑になっています。それに伴い、現代の社会では、貧富の格差や文化の画一化のような様々な問題も生じています。これらの問題を考えるためには良い面だけでなく悪い面もしっかりと理解する必要があるのではないでしょうか。


<2>グローバリゼーションについて
・概要
・辞書辞典の意味
・グローバリゼーションの考え方『Globalization:the reader』
・用語説明

<3>具体例「米」
・日本の農業の歴史と現状
・語句の説明
・TPPの現状、問題点
・諸外国の状況
・情報のリンク
・まとめ
・アクション(ディベートの結果)


<4>他の具体例(チョコレート、マクドナルド、ツーリズムなど)
情報のリンク

<5>全体のまとめ
グローバリゼーションとはメリットもあるがデメリットもある。
私たちは、数ある情報を自分で考えて情報を選別すべきである。

Posted by go| 2011-08-04 (Thu)

グローバリゼーション

近年、“グローバリゼーション”という言葉をニュースなどでよく耳にしますが、みなさんはグローバリゼーションに対してどのようなイメージを持っていますか?私たちが行ったアンケートによると、多くの人が良いイメージしか持っていないという結果になりました。しかし、私たちが思うよりもグローバリゼーションは進展しており、与える影響は想像以上に大きく複雑になっています。それに伴い、現代の社会では、貧富の格差や文化の画一化といった様々な問題も生じています。これらの問題を考えるためには良い面だけでなく悪い面もしっかりと理解する必要があるのではないでしょうか?


グローバリゼーションとは何か?
良い面、悪い面を知る前にまずグローバリゼーションとは一体何でしょうか?

1.グローバリゼーションいつ始まったか
グローバリゼーションとは、国家や地域を超えての経済的、政治的、文化的な地球規模化です。現代のグローバリゼーションが始まったのは第二次世界大戦後、冷戦時に、アメリカ合衆国を中心とした西側諸国において、多国籍企業が急成長した時期であると言われています。グローバリゼーションという言葉は1970年代から存在していましたが、より広まった時期は、ソビエト連邦が崩壊した冷戦後の1992年以後であると言われています。


2.グローバリゼーションの定義
<2-1.辞書>

広辞苑(第六版)
国を超えて地球規模で交流や通商が拡大すること。
世界全体にわたるようになること

Oxford ADVANCED LEARNER’S Dictionary 7th edition
the fact that different cultures and economic systems around the world are becoming connected and similar to each other because of the influence of large MULTINATIONAL companies and of improved communication

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<2-2.新聞>

・朝日新聞「コトバンク」(2011/07/15)ASCII.jpデジタル用語辞典の解説
「グローバリゼーション」によって生じたといわれる社会問題に対して、合法、非合法的な反対運動を行なうこと。「地域主義」「市民社会運動」「テロリズム」の3つに大分される。1つめの「地域主義」は、EUのように地域統合を進め、しかし同時に、各地域への適正な価値配分、国内産業の保護を進めようという運動をいう。2つめの「市民社会運動」は、グローバリゼーションにともなう一方的な市場経済化の世界的拡大の流れを、積極的に政策へ意見することで是正しようという運動である。例えば1999年、WTO初の貿易自由化ラウンドが、NGO、NPO運動の高まりによって流れたことがある。3つ目は「グローバリゼーション」の進行によって発生したと考えられる貧困に反発し、現体制をテロによって揺るがし、グローバリゼーションの流れを止めようとする運動(不法行為)である。

・毎日新聞「毎日JP」(2011/07/15)<日本企業のグローバル化>
急激な円高や日米貿易摩擦を背景に、日本企業は1980~90年代にも経営のグローバル化を迫られた。この時は米国やアジアでの現地生産拡大で乗り切った。これに対し、今迫られているグローバル化はより深刻。少子高齢化で内需が縮小する中、アジアなど海外の成長を取り込まなければ日本企業は生き残れないが、そのためには米欧勢や韓国、中国勢に対抗できる国際競争力が不可欠。日本企業は経営体制から人材活用までより高度なグローバル化を求められている。


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<2-3.教科書>

※中学生の教科書:啓林館 ELEMENT Lesson1 "One Word, One Language?"より
「新興の支配的言語の一つとしての英語の台頭は、おそらくグローバル化の力の必然的な結果である。」
・ポジティブな発展→将来、以前よりも比較的多くの人々がお互いに意思疎通できるようになる。
・ネガティブな面→言語集団に基づく地域的な対立や競合貿易ブロックが出現し、今以上の紛争を世界にもたらす可能性がある。その上、少数言語と、それらに関わる文化が失われたら悲劇だろう。世界の多様性が次第に消失し、世界は今よりもおもしろくない住まいになるだろう。

「最も力のある言語とは、多分経済的・政治的な意味ばかりでなく、おそらくもっと重要なことには、文化的な意味でも影響力のある国や地域の言語であるということだ。たとえば、コーランの翻訳本を用いることは禁じられているので、世界中のイスラム教徒はアラビア語を学ばなければいけないのである。」

「言語が消滅しそうになっている所では、同時に文化や独自の世界観まで失われるかもしれない。こういったことは、こうした進展を否定的にみている人たちによって「文化帝国主義」と呼ばれるようになっている。」


※高校生の教科書:帝国書院 新詳地理Bより
・産業のグローバル化
「国をこえた流通が盛んになる中で、まったく異なる環境条件でつくられた製品が容易に手に入るようになってきた。一方、資源消費や環境問題など、産業と自然のかかわりが問題になってくる。」

・工業のグローバル化
航空機を例にした国際分業による製造の中で取り上げられており、「主要な部品ごとに、最高度の技術を有する企業に開発と生産をゆだねている。」と発展途上国のみの国際分業が説明されています。一方発展途上国の人々が、安い賃金で働かされているというような悲惨な事実が紹介されておらず、ネガティブな面は紹介されていない。


Posted by mai| 2011-08-04 (Thu)

グローバリゼーション2

3.代表的な人物、考え方
参照:『Globalization: the reader』John Beynon 、David Dunkerley著
出版:Athlone(2000)

3-1. DAVID HARVEY<古典的な考え方>
「場所を征服する」ということには、いつも利益が生まれてきた。例えば、技術の発展(蒸気機関車・船・飛行機・電報等の発達)は、その技術によって移動時間や場所の削減につながる。そのことは商業の利益につながるので、結果財を得ることができる。

・また最近では、コンピュータ・テレビ・電話が開発され、私達は移動せずにコミュニケーションを取ることや、情報を得ることができる。つまり、『「場所」は技術的に取り除かれてきた』のだ。また「仮のリアル」をそこから感じることもできるようになり、もはや、その場所にいなくても「真実の経験」をすることができると述べている。

・代表的な著書として
『ポストモダニティの条件』吉原直樹監訳
出版:青木書店(1999)
『新自由主義――その歴史的展開と現在』渡辺治監修、森田成也、木下ちがや、大屋定晴、中村好孝
出版:作品社(2007)
『ネオリベラリズムとは何か』本橋哲也訳
出版:青土社(2007年)
などがあげられる。

・新自由主義(市場による自由競争や古典的自由主義を再評価し、市場機能を歪めることとなる政府による介入は、民間では適切に行えないものに極力限定すべきとする諸思想諸政策)を批判し、少数の大企業や支配者のみに権力が集中してしまうことやあらゆるものが商品と化してしまうことなども指摘している。


3-2.Roland Robertson
他の解説者が16世紀からだと主張する、ヨーロッパにおけるグローバリゼーションの起源を現代性と資本主義化の前(1400年頃~)から始まっていると主張し、5つの部面を認定した。

・Phase1, 1400-1750
世界探検初期。カトリック教徒・グレゴリオ暦の広まり。国民共同体と週制度。
・Phase2, 1750-1875
ヨーロッパ以外の国々が圧政の「国際社会」に音をあげたことによる国際化の危機。
・Phase3, 1875-1925
グローバリゼーションの踏切地点。オリンピックなどによる国際間のつながりの増加。
・Phase4, 1925-69
国連、第二次世界大戦。優性争奪の時代。
・Phase5, 1969-date
世界制度の危機。マスメディアによる人権、セクシャリティー、ジェンダー、性などを巡って行われる世界規模の論争が巻き起こる。
・Phase6 現在
AIDSやその他の疾患の蔓延、環境の危機、民族間の憎悪等が世界のメディアに影響を与える6つ目の部面に突入したと主張する。


・私たちは世界規模で進むグローバル化はそれぞれの文化、民族、宗教などの多様性を崩すものだと考えがちだが、そうではなくグローバル化はローカルなものと相互に影響しながら新しい文化や考えを生み出し、より多様化させていくものでhighかlowのどちらかで区別することは間違いである。

・日本は儒教の教えからくるloyaltyやroutineといった日本の文化を基盤としたビジネスに西欧の生産方法を取り入れたことで適応性や効率性を伸ばし経済成長を遂げた。結果として現在では日本特有のビジネスモデルとして世界中で受け入れられ、影響を世界に与える側になった。

ここで彼が強く主張しているのは、文化の違いというのはグローバル化する上で重要な材料となっているということだ。世界はグローバル化によって小さくなっているのは確かだが(経済やメディアによる伝達の面で)、その一方でより複雑で新しいアイデンティティを生み出し、多様な文化を持ち込むものだと主張している。

・もともと日本市場で使われていたGlocalizationという言葉を現地の市場でグローバルに展開された商品やサービスを示す語として使用し、英語圏に紹介し、学術概念として定義付けた人物でもある


3-3.Paul Virilio
空間(space)と時間(time)の関係はテクノロジーとメディアの発達により常に変容している。テレビ、電話そしてコンピューターなどにより'real time'なコミュニケーションが'real space'なそれを押しのけてしまった。私たちはいまやどこにも行かずにあらゆる媒体を通しさまざまな事象を見ることができ、そのことを'tele-reality'と呼び、それが私たちの'real life'になってしまったとしている。

・このようなテクノロジーのグローバル化により、私たちはテクノロジーやメディアに支配され、無気力・不活発になっており、そのような人たちを'tele-actors in a living cinema'と表現している。そしてそのようなtele-realityがvirtualなものと区別がつかなくなり始め、遂にはreality自体がvirtualになってしまうだろうと主張している。

・そして私たちはsuper modernityあるいはhypermodernityの世界に生きているとも主張している。私たちが日々行っている行動はplace的なものとnon-place的なものに分けることができ、non-place的なものが私たちの時間を占める割合がどんどん大きくなってきている。そしてこのnon-placeこそがsuper modernityな世界の特徴である。

・realityとfictionの境界線は常に曖昧で、realityがグローバルマスメディアによってfictionalizedされているのが現在の世界だと結論づけている。


3-4.JEAN BAUDRILLARD・シュミラークルとシミュレーション
「オリジナルとコピーの区別が付かない世界になる。」と主張。それをオリジナルとコピーの中間形態であるシミュラークルの世界と呼んだ。また「シミュレーションとは起源も現実性もない実在のモデルで形づくられたもの、つまりハイパーリアルだ。」と主張。
ボードリヤールの哲学は映画マトリックスの元にもなっている。

・「現実は、メディアが生み出した“ハイパーリアリティ”によって結び付けられてきて、その結果、文化的価値が変質する結果になった。例えば「消費」。消費する行動は、人々のアイデンティティや意識に決定的な役割がある。だから、消費のスタイルは、昔の階級意識にとって代わるものだ。」

・「本物以上の本物」
例えば、旅行のパンフレットに使われるような写真や、新しく作り直され複製された家具は、それらの「本物」よりも「本物」なのである。仮想現実は、オリジナルよりステレオタイプにフィットする。だから、テレビの映像の中では「幻影」を基にしているから、「本物」とハイパーリアルである「偽物」を区別することがますます難しくなり、偽物はオリジナルより「もっとオリジナル」になっていく。
例えば、ディズニーランドは現実ではないと分かっていながら、空想に思い描いたものを現実化しているからこそ、「夢の国」と呼ばれ多くの人を魅了している。ディズニーランドは完全なるシュミレーションされた仮想現実なのである。

・代表的な著書として
『シミュラークルとシミュレーション』 ジャン・ボードリヤール著、竹原あき子訳
出版:法政大学出版局(1984)
などがあげられる。

3-5. John Tomlinson<新しい考え方>
「グローバル文化がどのように押し付けられるか?」「文化的体験なメディアからのイメージなのか、またはmediationを含めたリアリティなのか?」、という疑問を投げかけている。
・“moment of cultural impact”“focus meaning”といった言葉を提唱。グローバルなテレビに焦点を当て、メディアの単なる描写より人々の暮らしの方が影響力を持っており、それによってメディアは形作られるという考え。culture-as-lived-experience(経験した文化)とculture-as-represented-in-media(メディアで表象された文化)を区別した。文化評論家は大衆の理解力を見誤っているとも考えたが、’effect’そのものを確実に証明するにはまだ不十分であると考え、Angの’interpersonal drama’の考え方が必要であるとした。→異文化ではどのようにmedia productsが解釈されるのかどうか。

3-6.Arjun Appadurai<最も影響力のあるグローバリゼーションの分析者の一人>
手始めから「文化的グローバリゼーションは世界が文化的に同種なことはない」、と主張。
・「どこに焦点を当てるかによって、見える世界(スケープ)は異なる」と主張し、“スケープ”を5つに分けた。→私たちの世界はImagined world(想像された世界)であるとし、それぞれのスケープは乖離的であると主張。

① エスノスケープ(民族のスケープ)
これは移民、亡命者、難民、外国人労働者、旅行者などの人の活動が原因である。様々な理由により移動する人がいるが、人に伴いアイディアや文化も移動する。これにより、国家やその認識が混乱させられている。

②テクノスケープ(技術のスケープ)
通信(メッセージ)は世界中を瞬時に、大量に移動するようになった。技術風景はカネの流れと政治の可能性、低いスキルの労働者と高いスキルの労働者両方の有用性のなかに複雑な関係を生んでしまった。

③ファイナンスケープ(資本のスケープ)
グローバルキャピタルの流れは速く複雑なため、国家経済は単独では耐え切れなくなるが、それは有価証券の世界的格子につながっている。最近の市場は資本を動かしまわって高い利益を得ようとしている。これらから考えると、世界規模で財政上の罪がとても増えていることは驚くべきことではない。

④メディアスケープ(メディアのスケープ)
これはイメージ中心の漫画の記述と少しの現実を足したようなもので、印刷とセル画、電子画面は世界中に広がった。メディア風景にはいい面と悪い面がある。グローバルメディアは“望みの視野”を広げることができ、有益で解放に役立つ。その一方、メディア風景は数少ない巨大な企業の動機の原因になる。

⑤イデオスケープ(観念のスケープ)
思考風景は“大きな”アイディアとイデオロギー、反イデオロギーで構成されている。思考風景はただ資本主義原理の原因ではなく、共産主義、社会主義、自由主義、ファシズムの支えにもなっている。
・代表的な著書として
『さまよえる近代―グローバル化の文化研究』 ルジュン・アパデュアイ著、門田健一訳 
出版:平凡社(2004)
などがあげられる。

4. 語句
・hybridization
ハイブリダイゼーション
 再文脈化のプロセスを意味する。
 A+B=Cという考え方。

・glocalization
グローカリゼーション
 local+global=glocalの派生語。
 世界的に広まったものを地域に適合する形に変化させ取り入れること。
 

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Posted by mai| 2011-08-04 (Thu)

グローバリゼーション3

具体例で見るグローバリゼーション
グローバリゼーションの概要についてはわかりましたか?
それでは次に「米」を例に、グローバリゼーションの枠組みで見て見ましょう。

1.米
1-1.日本の農業の歴史と現状
1961年に農業基本法が制定され、日本の農業の近代化による生産効率を上げることにより、工業の生産額に追随することを目標としました。そして都道府県や市町村別に生産品目を定め、地域専業を推し進めました。その後、経済成長に伴い、農業経営の規模拡大、農地の集団化、機械化、農地保有の合理化などによる農業の近代化を目指しました。それにより、金融、政府による助成等、農家にとって「カネ」や「政府」との関係がより一層深くなりました。
また、農家の高齢化は進む一方です。農業を行うための資金の融通などの対策が政府によって取られているが、総務省発行のデータによると、農業就業人口に対する高齢者(65歳以上)の比率は、1990年の50.5%に対して、2008年は70.3%にまで上昇しているのが現状です。
もし仮に、TPPに加盟するか否かの問題を除いたとしても、日本の農業が抱える問題は大きく、米だけではなく日本農業全体の衰退は、依然懸念されるべき問題であるのです。

1-2.語句の説明
■TPP
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP:Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)。
2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国加盟で発効。
次いで、オーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナム、マレーシアの5カ国の計9カ国が参加。

■ASEAN
東南アジア諸国連合(Association of South‐East Asian Nations)は、東南アジア10ヶ国(ブルネイ、インドネシア、カンボジア、ラオス、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、ベトナム、ミャンマー)の経済・社会・政治・安全保障・文化での地域協力機構。

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1-3.TPPの現状、問題点
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4ヶ国が発効した経済連携協定ですが、アメリカ合衆国の加盟により、現在は実質、主にアメリカ合衆国に主導されるものとなっています。
また、日本の参加に対して国内で賛否が大きく分かれています。例えば、現在日本は貿易を行うことで成り立っているのだから、自由貿易には賛成すべきであるなどの賛成意見や、自由貿易を行うとなると、農家、特に米作農家が打撃を受けるなどの反対意見があります。
外国産の輸入米に関税がつかなくなると、それに比べて高価な日本米が売れなくなることなどを懸念し、日本政府は2010年、TPP加盟に踏み込むことも、また拒否することもできませんでした。
問題点として、日本国内で議論が盛んに行われていない点や、メディアによるTPPに関する情報発信の不足という意見などがあります。


1-4.まとめ
農業の現状の部分にも書いたように、日本の農業は衰退し、様々な問題を抱えています。また、TPPについても一時的な議論しかされておらず、具体的な解決に至っていません。TPPに参加する、しないということを考えることも重要ですが、まずは農業の現状を正しく理解する必要があるでしょう。日本国内の問題をまずは理解し、そして世界全体の現状も把握したうえで、学校などでもさらに議論を深めていくべきではないでしょうか。


1-5.参考文献:TPP関連
小林剛ゼミ、ディスカッションボード(facebook):TPPについて(2011/07/14)
http://www.facebook.com/group.php?gid=41124207185#!/topic.php?uid=41124207185&topic=13992
・農林水産省HP(2011/07/14)
http://www.maff.go.jp/index.html
・農林水産省 TPPについてのPDF(2011/07/14)
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokuryo/110202/pdf/refdata5.pdf

・日本経済団体連合会HP(2011/07/14)
http://www.keidanren.or.jp/indexj.html
・日本経済団体連合会 APECについてのPDF(2011/07/14)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/054/gaiyo.pdf


*アクション
私たちもTPPについて更に理解を深めるために、ディベート大会を開催しました。

<議題> 日本はTPPに参加するべきか?
(賛成派)9名
メンバー:奥田、大原、岸田、隈元、下野、但野、立川、出口、柳井
http://www.facebook.com/group.php?gid=41124207185&v=app_2373072738#!/topic.php?uid=41124207185&topic=14035

(反対派)9名
メンバー:市場、江頭、大賀、北橋、小橋、清水、中川、中村、松村
http://www.facebook.com/group.php?gid=41124207185&v=app_2373072738#!/topic.php?uid=41124207185&topic=14005


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Posted by mai| 2011-08-04 (Thu)

グローバリゼーション4

*グローバリゼーションに対する代表的な考え、枠組みは理解できましたか?
この枠組みを用いて、他の具体例についても考えてみましょう。

2.フェアトレード

グローバリゼーションによって、ヒト・モノ・カネが国境を越えて移動することができるなど、私たちは様々な恩恵を受けてきました。しかし、世界がグローバリゼーション化することは本当に良いことばかりなのでしょうか。私達が、モノを安く買える理由は、発展途上国で作った作物や製品を、先進国が”アンフェア”に取引をすることで、莫大な利益を受けるからです。このことにより、途上国の人々は最低限の生活に必要な賃金さえ受け取ることができず、さらなる貧困や児童奴隷にも繋がっていくという現実があります。この状況を改善するための”フェアトレード”とはどういうものなのか。また、貧困を作るメカニズムや、発展途上国で起こっているグローバリゼーションの裏側を知り、どのようにして知名度をあげていくかを考えることが、先進国に住む私達が行わなければならない第一歩なのではないでしょうか。そのなかでも、コーヒーやチョコレートなどの一次産品を中心に見ていきたいと思います。

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3.マクドナルド化

マクドナルドの経営の形が、レストラン業界にはもちろん、教育、医療、旅行・レジャー、政治など、社会のあらゆる面に影響を与えているという考え方です。
『マクドナルド化する社会』の著者ジョージ・リッツアは、マクドナルド化を以下の四つの特徴として捉えています。

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4.ディズニー化

ディズニー化(ディズニーゼーション)とは、ディズニー・テーマパークの諸原理がアメリカ社会および世界の様々な分野に波及するようになってきているプロセスのことを指します。つまり、多くの日本人が大好きなディズニー、そしてディズニー・テーマパークの特質が現代社会の多くの制度や慣習に見られるということです。
「与えることは最高の喜びなのだ。他人に喜びを運ぶ人は、それによって自分自身の喜びと満足を得る。」、とウォルト・ディズニーはこのような言葉を残しています。しかし社会がディズニー化していくことは本当にメリットばかりなのでしょうか?

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5.iphone

近頃、多くの日本人がスマートフォンを使用しています。現在、日本人の8%がスマートフォンを持ち、その勢いはこれからさらに増えていくと言われています。スマートフォンとはパソコンの機能を使うことのできる携帯電話で、外出先でもインターネットが使用できることから、学生やビジネスマンに特に人気があります。そのスマートフォン人気の先駆けとなったのが、Apple社が発売している”I phone”であり、それは現在世界40カ国で販売されています。各社から様々なスマートフォンが発売されていますが、iphoneが断トツの人気を誇っています。その事実は私達にどのような影響を与えているのでしょうか。下記の通り、様々な見解があります。

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6.ツーリズム

現在様々な形でグローバリゼーションが進んでいますが、観光業もその影響を受けているといえるのではないでしょうか。リゾート開発や最近ニュースでも話題になっている医療ツーリズムなどがその一例だといえるでしょう。技術の進歩やインターネットの普及により、国を超えて旅行をすることが容易になりましたが、それによって現地で生じている問題について考える必要があるのではないでしょうか。

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7.SNS

SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、facebook, Twitter, mixiなどが例としてあげられます。そこにどのような問題があるのかを見ていきたいと思います。

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Posted by mai| 2011-08-04 (Thu)

グローバリゼーションまとめ

●まとめ
グローバリゼーションとは、地球規模で人々の交流や通商を拡大するなど良い面もありますが、これまでの具体例でみたように、見落としがちな悪い面も当然もっています。現代の社会ではインターネットやテレビなどの多くのメディアを通して様々な情報を得ることができます。しかし、私たちはそれをただ受け入れるだけでは、情報に躍らされ、正しい現実を理解できているとはいえません。そのために、自分で考えて良い面、悪い面の両方を知った上で、情報を選別する必要があります。ひとりひとりが自分の考えを持ち、議論していくことが大切なのではないでしょうか。

Posted by mai| 2011-08-04 (Thu)

リンク:アンケート結果

→アンケート結果
質問:〔グローバリゼーションは良いか悪いか?〕

・良いという意見
-グローバリゼーションは良いことだと思う。
 他国のことを知ろう、理解しようとしている前向きなイメージがある。
-良いことだと思う。
 マクドナルドやスターバックスなどは日本にとっては、なくてはならなくなったのでは
ないだろうか。国と国とが理解し合うことは、地球で上手く共存する為に不可欠だと思う。

・悪いという意見
-低コストで物が作られるようになり様々なものが簡単に手に入る反面、
国際競争に負けた国は国内産業が衰退して失業者が増える。
 潤う国もあるがその逆の国もあるので一概に良いとは言えないのではないか。
-グローバリゼーションは、世界の情報を共有できる(インターネットや輸出入など)という面では良いと思うが、世界の貧富の差を助長したり、文化を画一化するという観点など総合的に考えると、グローバル化の過度な推進は文化を破壊すると思うので良くないと私は考える。

Posted by yui| 2011-08-03 (Wed)

リンク:辞書

大辞林(第二版)
世界的規模に広げること。
企業経営で世界各地に複数の本社をおくことなどにいう。

現代用語の基礎知識2009年版
冷戦終結後、市場経済が世界的に拡大し、生産の国際化が進み、資金や人や資源や技術など生産要素が国境を越えて移動し、貿易も大きく伸び、各国経済の開放体制と世界経済の統合化が進む現象。

Unabridged Genius ジーニアス英和大辞典(大修館書店)
(市場・企業などの)国際化、世界化、グローバル化

現代実用外来語辞典(ぎょうせい株式会社)
グローバリズム(Globalism)
超国家主義。国民国家の範囲を超えた相互依存関係の増大に伴い、全地球的、地球規模、全世界規模で問題をとらえようとする立場に立つ観念を指す。この観念 は1940年代のパワーポリティックス対集団安全保障をめぐって議論された現実主義者と観念論者の論争、1950年代から60年代までの国際政治の方法論 をめぐってなされた伝統主義者と行動主義者の論争を経て、1960年代以降に国際情勢の認識をめぐって現実主義者との論争によって明確になった。グ ローバリズムの立場に立つ論者[国際関係論のヤング(Young, O.)ローマ・クラブのペッチェイ(Peccei, A.)ら]は政治、経済面での相互依存の高揚、世界的規模での技術開発、超国家的国際組織、あるいは脱国家組織の出現、多国籍企業化、核兵器の出現によって地球的問題症候群が現われ、これらは一国の解決能力を超えたものとして認識する。このことから国家中心から地球を1つとする人類全体の地球社会という理 念がより現実的観念であると主張する。それに対して現実主義者[国際関係論のウォルツ(Waltz, K.)サリバン(Sulivan, M. P.)ら]の立場に立つ論者は、国際情勢がどのように変わろうともグローバリズムは観念論で国家中心的観念の重要性を主張し、国家間の相互依存性について は限定つきで認めるにしても、今後は増大するどころか、衰退すらすると主張する。グローバリズムとリアリズム(現実主義)との対立はまだ終結していない。

百科事典マイペディア電子辞書版(日立システムアンドサービス)
物事が地球規模に拡大発展すること。グローバル化ともいい世界化、地球規模化などと訳す。 多国籍企業の世界的展開、全地球規模の国際労働分業に伴う相互依存の新化、情報・コミュニケーションおよび運輸技術の急速な発展による時間と空間の観念の 変貌などによってもたらされた。冷戦体制の終結はこれをさらに加速させ、1996年フランスで開催されたリヨン・サミットではこの語がキーワードとなり、 グローバル化がもたらしたさまざまのマイナス面(発展途上国の貧困や累積債務の拡大、環境破壊など)が論議された。こうして経済面での一体化が進む一方で 政治的には(国民国家)が分立したままというギャップが顕著になりつつある。

ブリタニカ国際大百科事典
企業活動が地球規模で行われるようになったり、金融の国際化が世界的規模で進行していることをさす。かつては国際化internationalization多国籍化multinationalizationなどと呼ばれていた。日本でよく使われるが、国際的にも通用する。特に1985年の円高以降、日本企業は経営を世界的視野で展開するようになった。進出先もアジアから先進国へ、進出分野も販売から研究開発、資金調達へ、進出企業も大企業から中小企業へと広がっている。また、各国における金融の自由化に加えて、コンピューターと情報通信技術の発達が金融の世界的なネットワーク化を促進している。

Oxford Dictionary of ENGLISH
noun (mass noun) the process by which businesses or other organizations develop international influence or start operating on an international scale.

RONDOM HOUSE WEBSTER’S COLLEGE DICTIONARY
to extend to other or all parts of the globe.
to make worldwide.

Longman Dictionary of the English Language
to make global
to make worldwide in scope or application.

Longman English Dictionary Online http://www.ldoceonline.com/dictionary/globalization
glo‧bal‧i‧za‧tion also globalisation British English [uncountable]
the process of making something such as a business operate in a lot of different countries all around the world, or the result of this:

Cambridge Dictionaries Online http://dictionary.cambridge.org/dictionary/british/globalization
globalization noun (UK usually globalisation)
• the increase of trade around the world, especially by large companies producing and trading goods in many different countries
• when available goods and services, or social and cultural influences, gradually become similar in all parts of the world

Posted by yui| 2011-08-03 (Wed)

リンク:新聞

・日本経済新聞(2009/3/31)1面より <MF強化へG20が合意>
日米欧と新興国など20カ国・地域(G20)は国際通貨基金(IMF)を活用した新興・途上国の支援策で合意する。4月1日夜(日本時間2日未明)ロンドンで開幕する首脳会合(金融サミット)で議論し、IMFの融資枠を現行の2,500億ドル(約24兆円)から3倍超に拡大する方向。麻生太郎首相はIMFによる無条件の融資制度を提案するほか、IMFは初の債券発行などによる資金調達の増強策検討に着手、中国が購入検討を表明する。IMF債が金融サミットの焦点に浮上してきた。

~初のIMF債券も検討~
金融サミットでは新興・途上国支援に向けたIMFの融資枠拡大の目標を協議する方向。IMFは昨年秋時点で2,500億ドル(約24兆円)だった融資能力を少なくとも2倍に引き上げる必要があると主張、従来の3倍となる7,500億ドル超に引き上げる案などが浮上している。具体的な数値目標を盛り込めるかが焦点となりそうだ。IMFは昨年秋以降、すでに500億ドルを超す資金支援を承認した。金融危機の直撃を受けた中東欧などでIMFに支援を求める動きは広がっており、危機対応の支援が膨らめば資金不足に陥りかねないとの懸念が出ている。しかし中国などが求める新興国のIMF出資比率引き上げには米国などの反対が強いため、各国はIMF債の発行など増資以外の方法で緊急に試験調達を拡大する対策の検討に入った。
こうした資金調達の増強策を背景に、麻生首相が提案する途上国の無条件融資は「SDR(特別引き出し権)」と呼ばれるIMFの資産の一部を新興・途上国に新たに配分する仕組み。配分を受けた国はIMFによってSDRをドルやユーロなどに交換してもらう。通常、IMF融資を受けるには財政健全化などの条件を満たす必要があるが、SDRの新規配分はこうした条件なしで必要な資金を調達できる利点がある。IMFの重要案件に拒否権を持つ米国の同意が必要だが、「米国も同意済み」(国際金融筋)という。首相は860億ドル(約8兆円)相当に達するIMF保有の金の売却を通じた資金基盤の増強なども求める方針だ。
IMF自体も融資能力増強に向け、初の「IMF債」の発行検討に着手。国際機関では世界銀行が1947年から「世銀債」を発行。格付けがトリプルAと安定感が強く、2009年6月期は年350億ドル程度を調達する見通し。IMFも市場からの調達手段を導入し、機動的に資金を確保したい考えだ。関係者によると、金融サミットの首脳会談ではIMF債に直接の言及はしない可能性が大きい。ただ、IMFによる市場からの資金調達の必要性では一致する見通し。早ければ金融サミット後に開かれるIMF総会でIMF債の導入が議論される見通しだ。

・読売新聞「YOMIURI ONLINE」<内側から見た「サムスン電子」の強さ>
NTTドコモが発売したサムスン電子の「ギャラクシーS」「日本の電機メーカーはどうしてダメなんですか?、あとどのくらいでつぶれるんですか?」吉川さんのところには外資系証券会社のアナリストたちが大挙して押し寄せ、こんな質問をしていくという。日韓を代表する大手電機メーカーに所属し、両方の成功や失敗を知る吉川さんなら答えを持っていると考えるからだろう。こういった証券会社は、日本の電機メーカーはダメになるという読みで動いている。さらに言えば、日本のモノ作り自体、復活はないと考えているようだ。しかし、吉川さんは「復活はある」と答えている。「日本の技術は世界に冠たるものがあり、韓国勢には負けていない。ただ、デジタル化の進展で技術の優位が競争の優位ではなくなった。これまでの物作りは通用しない」 復活のカギはやはり「グローバル化」だ。 日本企業トップとの面談や、企業での講演を通して、吉川さんが日々、痛切に感じているのが、多くの日本企業トップがグローバル化という言葉の意味を全く理解していないことだ。
吉川さんがある企業のトップに「グローバリゼーションとは何か?」と問うと、「海外の市場に打って出ること」とか、「海外に投資すること」といった答えが返ってきたという。そこで「10年前に口にしていた国際化とは何が違うのか?」と問い直すと、しばしの沈黙の後、あきれたことに「(グローバル化は)最近の流行語ですかね?」という答えが返ってきた。吉川さんは、この会社は遠からず市場から消えていくのだろうと思ったという。10年前と比較すると市場だけでなく、競争も調達もR&D(研究開発)も、企業を取り巻くすべてがグローバル化している。産業構造が変化しているのだ。しかし、日本企業の経営者層には、産業構造が変化したという認識がほとんどない。部課長クラスに至ってはまったくない。吉川さんが部課長クラスを対象にグローバル化についての講演をすると、今でも「目からウロコが落ちた」というコメントがたくさん寄せられる。しかし、それでは困るのだ。
 一部には気付いている経営層もいるようだ。吉川さんは先日、ある日本を代表する大手企業でグローバル化をテーマに講演をした。対象は全国から集められた部課長級の社員だ。講演の冒頭、その会社の役員が壇上で「これからはグローバル化だ、がんばれがんばれ」と社員を叱咤(しった)激励したという。環境の変化に気づいてはいる。だが、何をしていいのかわからない。「だから、今どき、全国から社員を集めながらも『グローバル化だ、がんばれ』という訓辞しかできないのだろう」 産業構造がグローバル化したのなら、日本のモノ作りの現場も、組織、開発プロセス、ITの使い方、流通、調達、すべてがグローバル対応しなければならないはずだ。しかし、吉川さんが見ている範囲でも、実践できている企業は非常に少ないという。過去の成功体験を引きずりながら、グローバル化を叫んでいる。それでは海外企業に勝てるわけがない。
サムスン電子が過去最高の売上高を更新した原動力になったのは、スマートフォンなどの世界的なヒットだ。そのサムスン電子製スマートフォンには日本の電子部品が大量に使われており、日本企業も恩恵を受けている。この事実から、日本は中間電子部品や産業材、素材と言った上流を押さえているから大丈夫という議論がある。しかし、吉川さんはこの考え方も間違いだと断ずる。日本の電子部品産業を支えているのは中堅企業。一方、韓国には中小企業が育っていない。韓国の電子部品産業が頼りないから、サムスン電子も仕方なく日本製電子部品を使っている。
しかし、サムスン電子は自ら電子部品作りに着手して、着々と成果を上げつつある。今、日本の中堅電子部品メーカーは、世界ナンバーワンの電機メーカーとの戦いを強いられているのだ。サムスン電子が電子部品作りに取り組むのは将来に対する危機感があるからだ。現在、中国では国内企業が液晶テレビや携帯電話を作り始めている。現在、サムスン電子の携帯電話事業やメモリー事業、液晶パネル事業などはどれも絶好調。しかし、サムスン電子の李健熙(い・ごんひ)会長は、早晩、いずれも中国勢にシェアを奪われるだろうと考えている。 そのときサムスン電子はどうするのか。韓国勢は日本の産業の歩みを研究し、忠実にトレースしている。李健熙会長は多くを語らないが、将来は今の日本のように、中間電子部品や素材を中国企業に提供することを目指しているのだろうと吉川さんは見ている。「日本は企業がどうこうではなく産業で負け始めている。造船は負けた。鉄鋼は負け始めている。次がエレクトロニクスに自動車。そして、やがては電子部品に素材だろう。果たして将来、日本に産業が残るのだろうか、という心配を誰もしていない」
たとえトップは知らなくても、役員クラスが状況を報告して、早くグローバル化に向けた対策をとらなければならないのにそれすらできていない。 ムスン電子の強さの源泉はどこにあるのだろう。日本の電機メーカーの経営トップはどこに舵を切ればいいのだろう。吉川さんは「自分にはサムスン電子はこうでしたとしか言えない」としながら、日本企業にはない、サムスン電子の強みを3つ挙げてくれた。グローバル化に対する危機感、世界市場に対する考え、そして情報技術(IT)活用だ。

Posted by yui| 2011-08-03 (Wed)

リンク:語句

4. 語句
・hybridization
ハイブリダイゼーション
 再文脈化のプロセスを意味する。
 A+B=Cという考え方。

・glocalization
グローカリゼーション
 local+global=glocalの派生語。
 世界的に広まったものを地域に適合する形に変化させ取り入れること。
 
・modernism
 近代主義
 伝統からの脱却を目指す傾向。
 人間性、自我は重要な概念であり、それらを得るために啓蒙活動が行われた。

・post-modernism
 ポストモダニズム
 1950年~1980年代の世界的思潮を概括する言葉。
 モダニズム(近代化)に対する反動。

・cultural homogenization
 文化の同質化
 メディアなどの影響により、文化が画一化してしまうこと。

・Americanization
 政治・経済・社会・文化などの各面がアメリカ化されることをいう。

・consumerism
 消費主義
 
・cultural imperialism
 文化帝国主義
 文化または言語を自国とは別の国に植えつけ、他文化、言語との差別化を図る行為。

・乖離
 本来は密接に関係しているか、またはそう在るべき2つの存在・事象・概念・数値が、離れ離れになっていること、またはその状態を指す。

・シュミラークル
ポストモダン社会における、オリジナルなきコピーのこと。偽者。まがいもの。


・シミュレーション
ある現象を模擬的に現出すること。現実に想定される条件を取り入れて、実際に近い状況をつくり出すこと。

・media imperialism
 情報(メディア)帝国主義
 メディアによって支配していくこと。

・super modernity
≒post modernity
超ポスモダニティ(現代社会の例え)

Posted by mai| 2011-08-03 (Wed)

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