(2024年度)

 
  



   
   
    
    
   
    


 









 



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(さわい・かずあき)

[専門分野] 地中海史、オスマン帝国史、環境歴史学


主な研究分野


【地中海史】 地中海世界の歴史を再検討することによって、ヨーロッパやイスラーム世界といった枠組みを超えた歴史観の構築をめざしています。

【オスマン帝国史】 16−18世紀のオスマン帝国における社会経済史、とくに都であったイスタンブルを中心に、食糧や物資の流通と消費について研究しています。

【環境歴史学】 過去における自然災害や、人間と自然環境との関係性を歴史学の手法を用いることによって、あきらかにしたいと考えています。

新入生へのひとこと


 大学に入ったら何をしようかと夢をもって入学した人、とりあえず入ってはみたけれど何から手をつければいいのか悩んでいる人、様々だと思います。長い大学生活を経験した(今もしている?)人間としてアドバイスするとすれば、まずは本をたくさん読むこと、それから世界を旅することをお勧めします。

 大学での4年間は、あっという間に過ぎ去ります。後から振り返って後悔のないように、大学でしかできないことに積極的に挑戦してください。たくさん本を読むのは、まだ見ぬ世界についての知識を得ることで、興味や関心の裾野を広げるためです。そして旅をすることによって、実際にその場所、その舞台にたってみること。その時に経験したカルチャーショックは、後の人生にとって大切な糧となるでしょう。

 「百聞は一見にしかず」といいます。しかし「百聞」という事前の準備なくしては、ただ「一見」してみても、そもそも自分が「見たこと」にすら気づいていないことが案外多いものです。

2年生以上の授業展開


 講義では、ヨーロッパとイスラームとの歴史的関係や文化交流について取り上げます。21世紀の日本に住む私たちは、外来の文化はもっぱら欧米から受け入れてきたものだと思い込む癖があります。しかし、欧米に起源をもつと思っていたものの多くが、実はそれ以前に中東からヨーロッパに伝播していたという歴史的事実も忘れるべきではありません。ヨーロッパをヨーロッパたらしめた、イスラームとの交流の歴史は、現在の国際社会の状況や日本のこれからを考えるうえでも非常に重要な示唆を与えてくれます。

 演習では、参加者それぞれの研究報告と、それに対する質疑応答を繰り返すことで、最終的には卒業論文の完成につなげていくことを目指します。2年次には、いくつかの研究テーマを提示しますので、そこから興味関心にあったテーマを選んで、グループ発表を行ってもらいます。3年次には、卒業論文のテーマを絞って、個別の研究報告を繰り返し行い、ゴールである4年次の卒業論文の完成にもっていきます。

 狭い意味での私の専門は、オスマン帝国やトルコの歴史、あるいはイスラーム地域研究ですが、それ以外の地域や時代に興味をもつ皆さんの参加も歓迎します。

おすすめ文献


三木亘『世界史の第二ラウンドは可能か―イスラム世界の視点から』平凡社、1998年

川勝平太(編)『海から見た歴史―ブローデル『地中海』を読む』藤原書店、1996年

梅棹忠夫『文明の生態史観』(中公文庫)中央公論社、1998年(初版1967年)

鈴木董(石毛直道監修)『世界の食文化9トルコ』農山漁村文化協会、2003年

オルハン・パムク(宮下遼訳)『わたしの名は赤〔新訳版〕』(上)(下)、早川書房、2012年

オルハン・パムク(宮下遼、宮下志朗訳)『白い城』藤原書店、2009年

E・ル・ロワ・ラデュリ(稲垣文雄訳)『気候と人間の歴史・入門』藤原書店、2009年