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訳者ノート 「ワイン編」 (Part1)

A.O.C.(原産地統制呼称)とフランスにおけるワイン格付け

A.O.C.(アー・オー・セー):原産地統制呼称ワイン
AOC(Appellation d'Origine Contrôlée:アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)。1935年の法律に基づきINAO(国立原産地呼称機関)が制定したワインの格付け制度に基づくワイン。一定の地域あるいは地区のワインが,法律の規定する条件を備えたときに,その地域・地区名を表示することを認める制度。AOCは,ブドウの品種や栽培方法・醸造方法からラベルの表記法までを細かく規定したフランスの格付け制度に基づく最上級カテゴリーに位置づけられる。生産地区,ブドウ品種,栽培・剪定方法,醸造方法などについて,INAOによる厳しい審査を受けて,合格したワインのみがAOCと名乗ることができる。フランスで生産されるワインの約35%。
A.O.V.D.Q.S.(アー・オー・ヴェー・デー・ク・エス):地域指定上級ワイン
AOVDQS(Appellation d'Origine Vin Délimité de Qualité Supérieure:アペラシオン・ドリジンヌ・ヴァン・デミリテ・ド・カリテ・シュペリュール)。フランス格付け制度における2番目のランク。AOCへの準備段階にあるワインに位置付けられ,またヴァン・ド・ペイの発展の影響もあって,フランスで生産されるワインの1%にすぎなくなっている。
ヴァン・ドゥ・ペイ(地ワイン) :地ワイン
フランス国内の限定された地域でのみ生産されたブドウを使って作られたワイン。フランス格付け制度における3番目のランク。1979年の法律で制定された。フランスで生産されるワインの約25%。1990年以降,ヴァン・ド・ペイが多く造られるようになった。現在,ヴァン・ド・ペイの半分以上が,ラングドック・ルシヨン地方のヴァン・ドゥ・ペイ・ドック(Vin de Pays d’Oc)である。
ヴァン・ドゥ・ターブル(Vin de table):日常用テーブル・ワイン
日常用ワイン。生産地域やヘクタールあたりの収穫量の制限もない。フランス格付け制度における一番下のランク。フランスで生産されるワインの約40%。
フランスのワイン分類の各カテゴリーごとの規制内容
  生産
地域
品種
規定
最大
収獲量
最低
酒精分
栽培
方法
剪定
方法
醸造
方法
熟成
方法
分析
・試飲
AOC
AOVDQS    
ヴァン・ドゥ・ペイ          
ヴァン・ドゥ・ターブル                
フランスのワイン分類の各カテゴリーごとのラベル記載義務事項
  各カテゴリー
の名称
原産地名 産地名 瓶詰め元の
名称・住所
容量 アルコール
度数
AOC  
AOVDQS  
ヴァン・ドゥ・ペイ  
ヴァン・ドゥ・ターブル    

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