ハレ便り2018


役所への登録

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 9年前もそうだったが、大家さんは早く市役所に登録(sich anmelden)しろと言う。9年前、私の前に住んでいた人が、契約を終えて住居を引き払ったとたん、警察の人がやってきて大家さんはいろいろ聞かれたという。何か犯罪に関わっていたのかもしれない。そんなことがあってか、公に居所をはっきりさせておいてくれということなのだろう。sich  polizeilich anmelden
 (警察のために登録する?)と言っていた。9年前は登録をしたあと、滞在許可の申請をした。今回、私の世話役であるゾルムス先生を通して先に滞在許可の話が進んでいたので、ついでに係官に登録が必要かどうか聞いてみようと思っていた。前回は1年の滞在だったが、今回のようにわずか4ヶ月の場合でも、市役所に申し出る必要があるのか、疑問だったからである。私にとっては滞在許可のほうがずっと大事なんだと言っても、大家さんにはわからないようだ。しかし彼女の手前、最初に市役所へ行ってみることにした。
 9年前を思い出しながら、整理券をとろうとしたが、その発券機がない。書いてある説明を見ると、市役所に用のある人はみな事前に、インターネットか電話で予約をとるようにと書いてある。すわって待っている人に聞くと、そうだと言う。たまたま窓口の一つに係員だけがすわっていたので聞くと、3年前からこういうシステムになったとのこと。今日は無理だが明日は空いているというので、その場で予約した(電話予約をせずに済んだ)。渡された紙には番号が書いてある。
 翌日、モニターに私の番号が表示されたので、その窓口に行った。登録をしたいのですが、必要なのですかと尋ねると、係員の女性は6ヶ月以内ならば、登録の必要はないと言う。Sie können, aber müssen nicht…(登録できるが、する必要もない)。登録しておいたほうが便利なこともあるので、登録しますと私は言った。パスポートを見せたりしたあと、結婚しているかと聞かれ、はいと答え、奥さんの名前はと聞かれ、それも答え、今度は生年月日はと聞かれたので、私のですかと問うと、いや妻のだと言う。思い出しながらゆっくり答えていると、係員はにやにやしている。どうやら私が本人かどうかただ確認しようとしているだけのようだ。パソコンの画面を見せながら、9年前はハレ、そしてもっと前はハイデルベルクに住んでいたんだねと言う。きちんと登録していると、このようにドイツ在住の外国人の来歴がみなはっきりわかるというわけだ。無事、登録証(Anmeldebestätigung)をもらったが、さらに大家さんからの証明書をもらってきてくれと言われた。
 市役所のシステムが変わったと大家さんに言うと、以前はいつもごったがえしていたという。ドイツには印鑑証明も戸籍謄本もないと思うが、それでも利用者は多いようだ。確かにロビーは人でごったがえすこともなく、次々とモニターに番号が表示され、人々は粛々と用事を済ませ、帰っていった。しかしかつて長蛇の列で並んでいた人が事前予約をすれば、当然予約の日は相当あとになると思うが、翌日と言われた私はラッキーだったのだろうか。
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1:手狭になった市役所(Rathaus)の裏に建てたのでRatshofと言うらしい。本来のRathausは1945年空爆に遭い、取り壊されたために、Ratshofを市役所として使っている。
2:呼び出し用のモニターが見える。
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