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2006年11月15日

ユニクロのNYフラッグシップ店

UNIQLO@NY_1いつのまにやらニューヨークにいます。と申しますのも2006年9月から1年間在外研究の機会を得,ニューヨーク大学のスターンスクール・オブ・ビジネスにて,国際マーケティング研究の大家,サミュエル・クレイグ先生のスポンサーのもと,研究を行っています。このブログもすっかり放置気味なので,筆無精にむち打ってたまにはNYでのあれこれを投稿しようと思います。というわけで,第一弾はオープン初日(11月10日金曜日)のユニクロ,ニューヨーク店。

UNIQLO@NY_2ユニクロといえば無印やギャップとあわせて家内が私用に購入してくる3大ブランドの一角を占め(その理由は言わずもがなですな),バイトをしているゼミ生が数名,さらには就職したゼミ生までいるという縁の深い企業。02takenakaさんの投稿を見て,まさかNYにまで・・・と驚愕した覚えがあります。

UNIQLO@NY_3NY店の立地は大学から歩いて10分程度のブロードウェー沿いにあります。いわゆるソーホー(SOHO)と呼ばれる地区であれこれ若者向けのファッション関連の店舗が軒を連ねており,NYのおしゃれさんが集まっています。まあ,NYで勝負するならベストの立地でしょう。店内は左の写真の通り1000坪ととても広々としており,初日とあってとても混雑していました。比較的日本人以外のアジア系の人たちが多く見られ,日本人は私も含めてとりあえず見に来ましたという感じ,ときおり白人客がどっさりとまとめ買いをしている姿が見受けられました。

すでに新聞や経済誌ではNY店について多くが語られていると思いますが,若干の観察結果をば。第1に店員がしっかりと教育されている感があります。ほとんどの小売店の出入口にはセキュリティが仁王立ちになっていますが,まずもって彼らの服装(黒系のスーツ)および対応(一方でドスをきかせながら他方でナイス)がしっかりしています。また,家内は現地の店員が店員に顧客の大事さを説いている一場面を目にしたとか。NYでの店員のいいかげんさには辟易していたので,とても新鮮でした。

第2に昨今の円の弱さが起因していることもありますが,価格水準が日本人の目には高く映る気がします。例えば,オックスフォードシャツが29.50ドル=3,471円(11月15日現在のレート)なので,日本のオンラインストアの2,990円に比べて500円弱高いわけです。他方でユニクロマネーと称して75ドル以上の購入に対して15ドル割り引くクーポンが店頭で配布されていた"UNIQLO PAPER"に綴じ込まれていました。

第3に曖昧な表現ですが日本的な何かの伝達方法。ユニクロの製品はなんとなくカルチャー・フリーな気がしますが,"From Tokyo to New York"のテーマが先ほどのフリー・ペーパーの表紙を飾っています。「東京じゃのうて広島(ないしは山口)出身じゃろ」というツッコミはさておき,特筆すべきは料理の鉄人,森本正治氏がフィーチャーされていること。店内には,ソニックユースのベーシスト,キム・ゴードンらとともに,ハチマキっぽいものを頭に巻いた森本氏の写真が大きく飾られています。彼はNYの有名レストランNOBUの総料理長を務めた後,アイアン・シェフになったそうです(フリーペパーではNYのスシのパイオニアと紹介されています)。他にも"Japanese pop culture T-shirt project"と銘打ち,日本人アーティストがデザインしたTシャツをヘアドレッサーや写真家などのダウンタウンのニューヨーカーに着せるという企画もありました。

日本の文化,コンテンツ,製品の移転という観点からは,UNIQLO@NYの事例は興味深いですね。開店直後の喧噪が落ち着いたらインタビューを申し込んでみようかと思います。

投稿者 Baba : 2006年11月15日 20:34

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コメント

ユニクロのNY進出にはかねてから注目していましたが、
基軸となる店舗がついにオープンしていたことは
NYに住んでいながら、すっかり忘れていました。
早速週末に出かけてみようと思います。
ライバルのSPA各ブランドとどう戦っていくのか。
FROM TOKYO?がどれほどの成功を収めるのか
大変興味深いです。

投稿者 青山 : 2006年11月16日 17:11

先生,投稿ありがとうございます。
大変興味深く読ませて頂きました。
写真やホームページ(http://www.uniqlo.com/jp/)
で見ても内装やVMDには目をみはるものがありますね。
ぜひ一度は生で見てみたいものです(笑)
ですが,確かに価格は日本人にとっては高く写りそうですね。
だからこそ価格よりも品質を訴求していくということなのかもしれませんが。
OPEN後の喧騒が落ち着いてからが本当の勝負と言えそうです。

投稿者 02takenaka : 2006年11月18日 00:49

フラッグシップ店だけあって,内装はもう凝り凝りで一見の価値ありです。また,価格については,ZARAはアメリカでは高いとのもっぱらの評判で,ユニクロも似たような状況なのかもしれません。
ところで,なにやら内定者バイトで週6で働いているそうですね。ゼミ長に聞きました。

投稿者 馬場 : 2006年11月18日 02:55

週6ではなく週5です!
きちんと週2日はお休みを頂いてます(笑)
これから年末に向けて繁忙期になるので,
しっかり稼ぐつもりです。

投稿者 02takenaka : 2006年11月18日 22:01

 本日、現在話題?のユニクロ、ニューヨーク店に行って参りました。
 先生のおっしゃる通り、日本のものよりぐっと洗練された印象でですね。店内には意外と日本人モデルの写真も多く飾られており、日本からやってきたブランドであることをほどよくアピールした、なかなかいい雰囲気だったと思います。
 依然として店内は、大勢の人でにぎわっていましたが、
そんな店内を物色中、ある商品を発見しました。
日本のバイクメーカーKawasakiとのダブルネームTシャツです。
アメリカではNinjyaで有名なKawasakiのバイクですが。
本物の忍者がNinjyaにまたがるイラストをプリントした
Tシャツには、つい「にやり」。思わず衝動買いしてしまいました。
 また、同じコーナーには、他にも往年の有名アニメキャラクターを
プリントしたTシャツが取り揃えられており、元ネタを知る日本人としては、懐かしく感じるものから、苦笑いしてしまうものまで数多くのプリントTが取り揃えられていました。
 日本のアニメーションが大変な人気のアメリカですが、このニューヨークの地で、おしゃれなニューヨーカーたちが「セイント星矢」のTシャツを着て歩く姿を見るのが、大変楽しみです。

投稿者 kou0824 : 2006年11月20日 16:21

ユニクロNYはちょくちょく遊びにいこうと思います。
ところでどうでもいいけど,変な改行しないでちょ。
>kou0824
>02takenaka

投稿者 馬場 : 2006年11月20日 17:39

 
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