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2005年07月26日

Product Bias in the Central American Common Market(Schooler 1965)

要約
 この論文では中米市場間を対象とし,原産国に対する認識の違いによって製品の評価に違いが生じるのか,また生じるのであれば,どのような要因が原産国に対する認識の違いを生むのかについて分析がなされている。

仮説
 政治的な統一への様々な試みの失敗は,中央アメリカにおける歴史のひとつである。地域間に存在する他国への妬み,警戒心,敵意が政治的統一を拒んできたのである。これらの要因は経済問題にも影響を与えると考えられ,特に製品の評価に重要な影響を与えていると考えられる。こうした考えを前提として,原産国の製品評価に対する影響や認識の違いを生む要因について検証がなされている。
 まずこの論文では,次のような仮定が示されている。同じ製品であっても,原産国の違いによって製品に対する評価が異なる。さらにある特定国を原産国とする製品は種類が違っても同じ評価を得る。こうした仮定を基に,以下の仮説をたて検証が試みられている。
仮説1.製品の原産国のちがいによって製品評価に差が生じる。
 さらに,第2の仮説として,対象国の政府・産業・労働組織・国民に対する評価や対象国へ旅行経験の有無が,その国に対する評価に影響を与える重要な要因と仮定し検証を試みている。

検証
 グアマテラにあるサンカルロス大学の学生でありアルバイトをしている200名を調査対象とし,その200名を無作為に50人ずつ4つのグループに分類し比較がなされている。ここでは,メキシコ,グアマテラ,エルサドバドル,コスタリカを対象国としている。ミックスジュースと綿と麻で出来た布地を対象製品とし,4つのグループごとに異なった原産国ラベル(メキシコ・グアマテラ・エルサドバドル・コスタリカ)を製品に貼付する。原産国ラベル以外は同一製品である二つの製品に対する評価がグループ間でどのような差が出ているのかについて検証されている。
 さらに,対象国の政府,経済構造,労働組織,国民に対して回答者がどのように評価しているかについてや対象国への旅行の有無についても調査が行われている。

結果
 仮説1.の検証の結果から,グアマテラとメキシコ製品は同一の評価を受けていることが明らかにされている。さらに,グアマテラとメキシコの製品に対する評価はコスタリカやエルサドバドルの製品よりも高い評価を得ていることが示されている。調査の結果から4つの調査国は、メキシコとグアマテラの上位国とコスタリカとエルサドバドルの下位国に分類され、製品評価に対する影響に違いがることが明らかにされている。
 第2の仮説の検証の結果から,経済構造や労働組織,旅行の有無は原産国の評価に対して影響を与えていないことが明らかにされている。その国の国民に対する評価と政府に対する評価が原産国による製品評価の違いに影響を与えていることが明らかにされている。

結論
 原産国ラベル以外は同一の製品であるにもかかわらず,原産国表示の違いによって,製品評価に差が出たことから原産国効果の存在が証明されている。さらに,そうした原産国の評価の違いを生み出す要因として,その国の国民に対する評価や政府に対する評価が重要であることが明らかにされている。

出典:Schooler, Robert D. (1965), "Product Bias in the Central American Common Market," Journal of Marketing Research, Vol. 2, No. 4, pp. 394-397.

投稿者 02daigo : 2005年07月26日 12:43

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