OG・OB紹介

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あなたが何を食べているかで、あなたが何者かがわかる。vol.5 飯田 洋さん 関西大学商学部商学科データマイニング・ラボラトリ2002年卒

FSPという言葉をご存じでしょうか。FSPとは、フリークエント・ショッパーズ・プログラムの略で、ポイントカードなどを用いた購買・顧客情報による販売戦略のためのマーケティング手法の1つです。スーパーのレジでは、どの商品がどのくらい売れたかという販売情報がデータとして蓄積されています。この情報にポイントカードによる顧客情報を連動させ、誰が、いつ、どこで、なにを、どれくらい、どの周期で、何と一緒に買ったかを分析し、販売戦略に繋げていくのがFSPです。簡単な例で言うと、ある人にスーパーからダイレクトメールが届きました。そこには、ドッグフードの案内や子供服の案内が入っています。残念ながら、その人は独身で犬も飼っていません。これでは広告としても無駄ですし、送られてきた人も、「関係ない案内なんか送って来て、気が利かないなぁ」となってしまいます。でも、この人はアイスが大好きで、毎週のようにアイスを買っていたとしましょう。そこに「季節限定商品 新作アイス発売 特価情報」の案内が入っていればどうでしょう。先程とは違う反応が期待できます。このように、顧客の購買状況を分析し、販売店や食品メーカーに対して、新しい販売戦略や企画を提案するのが私の仕事です。

このように言うとデータが全てのように聞こえるかもしれませんが、データは万能ではありません。事実であっても真実でないこともあります。また、せっかく分析しても目標と現実とのギャップに苦しむことも、立てた戦略を「できない」のひと言で断られることもあります。仕事をしていくためには、予算の問題も含めて、その「できない理由」を理解し、さらに乗り越える力が求められます。とてもうらやましいことに、この新しいプログラムでは、学習、研究、実践、そして企業へのプレゼンテーション、スクリーニングというとても恵まれた環境が整っています。いわば、他の人より一歩先に進める環境、必死に頑張れる環境が整っています。厳しいようですが、今頑張れない人は、未来でも頑張れない可能性が大きいですよ。だから、ぜひ頑張れる環境が整っている今、思い切り頑張って欲しい。頑張っている皆さんを見て、私もさらに頑張ります。一緒に新しいステージを切り開いていければいいなと思います。

今現在私は新しいステージとして中古携帯電話の買取・販売事業を展開しています。畑違いと感じるかもしれませんが、学生時代に培った、データを基にしたマーケティング力を最大限に活用しています。
前職で実感したように、経営者は重要課題と認識をしつつも、マーケティングセンス・マーケティングスキルに長けた人材を確保できず、やっきになってシステムを導入しようとしますが結局はうまくいきません。マーケティングは消費者の心をつかむ活動であって、人の気持ちは人でしかわからないからです。
このゼミを通じて培ったデータを駆使した人間系のマーケティングは小売業(サービス業)という大きく、参入障壁の低い市場の中で非常に競争優位に働いています。
私の挑戦はやっとスタートラインに立ったところです。今現在商材を拡大し、海外からの輸入を手掛けていますが、ここでネックとなるのが物流コストの増加です。物流コストの増加は仕入れ原価の増加に直結します。さらに悪いことに仕入原価の増加はキャッシュフローを急速に悪化させます。キャッシュフローの悪化は中小企業にとっては致命的です。今、このネックとなる部分を逆に正のスパイラル、つまりストック収益に変える新しいビジネススキームを構築中です。経営者としてはまだまだよちよち歩きですが、それでも自分の武器があるということは、非常に心強いですね。

飯田 洋 Hiroshi Iida

熱意とバイタリティ溢れる体育会系熱血漢。矢田ゼミに入るために「根性だけは誰にも負けません!」と直訴するも、「ふうん、みんな最初はそういうんだよね」と軽くあしらわれる。それでもくじけず、熱意でゼミ入りを果たしたデータマイニング・ラボラトリ(矢田研究室)の一期生。
学生時代に培ったマーケティング力と、大手食品メーカー・大手食品卸勤務を経て培ったMD(Merchandising)力を武器に、中古携帯販売事業『ケークル(社名アイル)』を開業。

白ロム・中古携帯買取りサイト 『ケークル』:http://www.k-cle.jp/
白ロム・中古携帯販売サイト 『ケークル』:http://www.k-cle.co.jp/

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