OG・OB紹介

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パシフィック・リーグの未来の為に、新しい経営方法を模索し続ける。vol.2森本 譲二さん 関西大学商学部商学科データマイニング・ラボラトリ2003年卒

パシフィック・リーグの野球ビジネス全般に関わる仕事に就いています。野球やJリーグなど、スポーツとしては馴染みがあっても、そのビジネスや経営ってどうなっているのか、外からは見えにくい領域ですよね。野球ビジネスでの収入源は、ナショナルクライアントからのスポンサード、チケット、放映権、グッズ、そして支出の大半は選手の年俸になります。当然ながら、野球もサッカーもビジネスですので、利益をあげることが求められますし、潰れるときは潰れます。事実2004年頃にあった球団の売却、消滅も記憶に新しいと思います。ご存じのように、日本では球団主体の考え方が強くあります。自球団が儲かれば、リーグなんて関係ないよ的体質といえばわかりやすいでしょうか。ところが、アメリカでは逆の考え方で、リーグ自体が活性化しないと各球団も利益が上がらない。リーグが大きな経営母体として存在し、チームはいわばその子会社的存在であると。それぞれの子会社が頑張っても、リーグ全体が儲からないとその産業自体が廃れるというシングルエンティティの考え方が強くあります。日本ではJリーグがシングルエンティティを採用しています。リーグが最初に発足し、そのリーグにチームが加盟することで、リーグが主導権を持ってサッカービジネスを運営する。新しく発足したバスケットリーグであるBJリーグも同様です。アメリカでは、このシングルエンティティで野球やアメリカンフットボールのスポーツビジネスが確実に伸びています。

そして、このシングルエンティティの考え方に従ってパシフィックリーグを運営すればどうなるか、これが私たちのミッションであり事業課題でもあります。常勝A球団と万年B球団ができないように、チーム間の力の均衡も計りながら、ファン全てが楽しめるスポーツビジネスを目指していこう、リーグ全体を盛り上げていこうという理念のもと、パ・リーグ6球団がお金を出し合って、2007年にパシフィック・リーグマーケティング株式会社を設立しました。当初は携帯電話向けの動画配信サービス「プロ野球24」を、昨シーズンからはパ・リーグ全球団のウェブサイト、携帯電話向けウェブサイト、携帯電話向け動画配信を統合管理し、データマイニング技術を活用した共同プロモーション展開を球団の垣根を越えて行っています。

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おかげさまで、昨シーズンはリーグ全体で売上げを伸ばすことができましたし、コストを下げることもできました。今後の課題として、各球団への利益分配等など検討すべきことはたくさんあります。さらに多くの問題も出るでしょう。それでも、目的・目標をしっかりと持っていれば、方法や手段は問わず必ず達成するんだという大きなパワーになります。まだまだこれからも、マイニング技術を活用し、リーグを盛り上げるように頑張っていきます。

森本 譲二 Johji Morimoto

2005年 ソフトバンクマーケティング株式会社入社 楽天チームの立ち上げに貢献後、現在、同社からの出向でパシフィック・リーグマーケティング株式会社に籍を置く。大学卒業直前に渡米。約1年半もの間、マイニングによるスポーツビジネスを模索し放浪したボヘミアン。スポーツで鍛えた身体とキレのある口調、絶妙のビジネスバランスを兼ね備え、パシフィック・リーグ球団を活性化させるための、あらゆる交渉を行う破天荒なデータマイニング・ラボラトリ(矢田研究室)2期生。

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