関西大学文学部英米文化専修 小林剛ゼミ

Department of Cross-Cultural Studies, Faculty of Letters, Kansai University

卒業論文テーマ紹介

Mai Egashira project 1 "globalization"
「ツーリズムに創られたグアム~グアムに魅せられる日本人~」

現在様々な形でグローバリゼーションが進んでいますが、多くの観光地もその影響を受けていると思います。グアムもそのひとつであり、全観光客の約8割を占める日本人のために、ツーリズムが創り上げたリゾート地であるといえるかもしれません。グアムといえば、青い海、白い砂浜、また免税店などを思い浮かべると思います。どのようにして、戦地であったグアムのイメージをリゾート地としてのイメージに変えていったのか、またなぜ日本人はグアムを訪れるのかという事を、リゾート地の代表ともいえるハワイと比較しながら研究していきたいと思っています。

Yui Kitahashi project 1 "globalization"
「1990年代からのツールとしてのブロードウェイ・ミュージカル~ディズニーが与えた影響~」

1970年代には低迷期をむかえていたブロードウェイ・ミュージカルは、1990年代ウォルト・ディズニー・カンパニーの進出により転機が訪れました。ファミリーエンターテイメントの理念に基づいてまるでテーマパークを作るかのように、ブロードウェイのシステムや都市空間はウォルト・ディズニー・カンパニーによって次々と改革されていったのです。
アライ・ブライマンの『ディズニー化する社会』を参考に、ディズニーによって改革されたブロードウェイとディズニーのテーマパークのシステムを比較しならがどのような共通点、相違点があるのか研究していきたいと思っています。また、ディズニーによるメディア支配も中に含める予定です。

Hiroyuki Okuda project 1 "globalization"
「マクドナルドに食われる社会」

「マクドナルド化する社会(The McDonalization of Society)」の著者、ジョージ・リッツアはマクドナルド化(McDonalization)がレストラン業界やそれ以外のフランチャイズ、雇用機会など、経済の面に良い影響を与えたことは認めつつも、人々の生活様式や各国の文化にネガティブな影響を与えたことについて言及している。
1971年、マクドナルドが日本に展開されてから、アメリカ化、マクドナルド化によって日本のたくさんの企業形態、経営方法、そして文化までもが浸食されていった。それらが更に日本を飲み込んでいってしまう危険性は明らかだ。過去に日本がそれを受け入れ吸収した過程、方法、理由を知ることが、マクドナルド化によるネガティブな影響を抑える方法を探るきっかけになることを期待したい。

Hazumi Shimizu project 2 "music"
「レゲエの商品化とカリブの楽園ジャマイカ」

1960年代後半にジャマイカで誕生したレゲエであるが、現在、多くの国で様々な形をしたレゲエを聞くことができる。歌だけでなく、ファッションやイベントといった分野でも広がっている。その広がり方や各地域に受け入れられるまでの過程、変容の仕方、そしてレゲエ発祥の国ジャマイカに目を向けることで、レゲエという一種のミュージックが世界に与えた影響を見ていきたい。①ジャマイカでの'本物'のレゲエは、どのような背景を持ち、歌の中で何を訴えいるのか、②レゲエがグローバル化によって広がる中、失われ、切り落とされたメッセージは何か、③なぜレゲエは世界各国に広がり受け入れられるのか、④商品化されたレゲエからイメージづけられるジャマイカとは、そして本当のジャマイカとは、という4つの大きなQuetionを軸に考えていきたい。 

貧困問題にも触れていけたらよいと考えています。
レゲエに関する情報、お願いします。

Saori Matsumura project 2 "music"
「日本におけるジャズの変容」

ジャズという音楽は元々19世紀末から20世紀前半にかけて主にアメリカ南部でアフリカ系アメリカ人を中心に発展した音楽です。このジャズという音楽が日本において知られるようになったのは、第二次世界大戦後でした。戦後、アメリカによる日本の民主化とともにジャズという音楽がジャズ喫茶と呼ばれる喫茶店などで日本人の間で親しまれるようになったのです。現在みなさんはジャズという単語を聞いてどのようなイメージを持ちますか?私はこのジャズというアメリカ発祥の音楽が戦後どのように日本文化に受容され、どのように変化してきたのか、について研究しようと思っています。

Rie Oga project 3 "gender & movie"
「戦後のアメリカ映画と日本女性の結婚願望~結婚=女性の憧れ=幸せ?~(仮)」

戦後のアメリカ映画の中で、”結婚”は様々な形で描かれてきました。
幸せな家庭を築くために結婚を夢見る女性、仕事一筋の女性、家庭と仕事を両立する女性。女性の位置づけ、意識は時代によって変化しており、そういった女性のイメージを形作るのに、戦後から現代までのアメリカ映画がどのように関わっているのかを、研究したいと思っています。

Kana Shimono project 3 "gender & movie"
「20世紀アメリカの、自由を求める女性たち~母性を失ったアメリカ映画~」

20世紀アメリカでは、より豊かな生活を求めて、生産労働に参加する女性が増えました。その一方で、出産・育児を中心とする母役割の問題は、解決されないままでした。それにも関わらず、アメリカの女性が世界に先駆けて社会進出している理由として、徹底的な自由主義による、“母性愛”を重視しない傾向があるのではないかと考えます。卒論では、“母性愛”や“自由主義”をテーマにしたアメリカ映画が、人々や社会にどのような影響を与えたのかを研究していきます。

Yukiko Ichiba project 3 "gender & movie"
「ハリウッド映画から見る日本人イメージ」

ハリウッド映画において、早川雪洲は初めて国際的に活躍した日本人であり、日本人男性に対する「集団性」「愛国主義」「残忍性」というイメージを作り上げた。一方で日本人女性の描写は対照的で「蝶々夫人」をはじめ、芸者、かわいそうな存在など同情的なイメージであった。
その後第二次世界大戦などを通じて政治的・経済的要因も関係し、少しずつイメージは変わっていく。そして2003年に「ラスト・サムライ」、2005年に「SAYURI」が公開された。はたしてこれらはステレオタイプなしに本当の日本を表わしている映画といえるだろうか。結局はアメリカ人が見たい「日本」ではないのだろうか。
この代表的2作品をもとにして、日本人描写の変容、また日本人男性と女性のイメージの違いについて研究していくつもりです。

Kyoko Tadano project 3 "gender & movie"
「アメリカドラマ『Sex and the City』と現代女性」

Sex and the City(以下SATC)は、社会現象と言われたほど世界中の視聴者から人気を得たアメリカのテレビドラマであるが、なぜそれほどまで多くの女性を魅了したのだろうか。大都会NYという地で、ホワイトカラー職において成功し、男性から自立した独身女性というのはいわば社会においてはマイノリティのように思えるが、なぜ彼女たちが世界中の幅広い層の女性から共感を得て大ブームを巻き起こしたのだろうか。SATCは何らかの新しい現代女性像を生み出したのか。テレビドラマとしてのSATCと視聴者としての女性の関係性をドラマのメッセージ分析を通して探り、現代女性のライフスタイルやアイデンティティ形成に与えた影響を探りたい。

他のアメリカドラマとの比較や、日本そしてアメリカ女性を対象としたアンケートを取り入れて論じていけたらと考えています。

Shoko Deguchi project3 "gender & movie"
「日本におけるメディアのジェンダー表象と視聴者としての女性(仮)」
日本では1970年代前半に女性解放運動であるウーマンリブが起こった。また、国際連合で1979年に女子差別撤廃条約を採択、日本がこれを批准したことによって、85年改正の男女雇用機会均等法、99年施行の男女共同参画基本法など性差別撤廃に向けての法整備がなされていった。
そのような法整備に伴い、メディアにおけるジェンダー表象も女性が消費者の主体になることによって既存のステレオタイプからある程度の広がりをみせてきた。しかし、2010年現在、メディアにおいて性役割を固定する表現が未だ多くみられる。そして日本の女性はメディアが構築するジェンダー像を肯定的に受け止める傾向があり、ジェンダーへの関心が低いのではないかと考えられる。なぜそのような事態が起こっているのだろうか。日本で1990年代後半から起こり始めたジェンダー・バックラッシュ(※)との関係を探りながらメディアのジェンダー表象が日本女性に与えている影響について研究したい。

私も日本女性のジェンダーに関する意識などを調査するためにアンケートを用いたいと思ってます。

(※)ジェンダー・バックラッシュ・・・1990年代後半、ジェンダー・フリー教育や男女共同参画が男女の性差をなくすものだとして保守派が批判したことによって起こった。(ジェンダー・フリーの本来の意味は「男女の性差をなくす」ではなく、「男女の性役割の固定をなくす」である)

Shuko Kumamoto project 4 "advertisement"
"Consumer Behavior in Real Life Product Placement ~Cultural and Psychological Effects~"
「現実世界でのプロダクトプレイスメントにおける消費者行動~文化的、心理的影響~」

1990年代半ばからパソコンとインターネットが急速に発達、普及するとともに消費者は情報に触れる機会が多くなり、さらに消費者自身から情報を発信できやすくなった。しかしこれは、街や電車の中の広告や、人々が持っている鞄にお店の名前やロゴを目にするなどと、1日に約3000といった広告をreal lifeで目にしていると言われている。さらにTwitter、blog、mix、Facebookといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用することで消費者自身が広告媒体になることを可能にした。(例:アフィリエイト広告、グルーポン、口コミサイト、ある商品やお店についての何気ないツイート)このように消費者が広告媒体と変容しつつある中での、文化的、心理的なプラス点とマイナス点や新しい何かが生まれるかどうかなどを調べていきたい。

Ayaka Yanai project 5 "the others"
「日本におけるメディア・リテラシー教育」

私たちは日々たくさんのメディアに囲まれて暮らしています。たくさんの情報を手軽に入手できる一方、たくさんの問題も起こっています。私は、このような現代に、メディアとの接し方を学ぶ"メディア・リテラシー"が重要であると思っています。しかし、現代の日本において、"メディア教育"という言葉はよく出てきますが、"メディア・リテラシー教育"はあまり知られていません。そこで、"メディア・リテラシー教育"が進んでいるカナダやイギリスの例を基に、日本に合った教育の方法を研究していきたいと思っています。

Posted by go| 2010-11-24 (Wed)

Menu

Search

Creative Commons

Creative Commons License