日々雑記


リーダーシップ

2017-5-2

授業も終わりようやく休み・・・。
と、その前にゼミ・コンパ(久しぶり)の段取り。

厭ならコンパしなけりゃといいと思うのだが、ある程度ゼミ生が集まると自然とそういう話題になる。そこで人数の確定や段取りを誰がするのかというと、誰もじっとうつむいたまま。
「じゃぁ、段取りしましょうか」と教員。

ゼミ旅行に至ってはもっとたいへん。
ドタキャンは普通、当日になっても連絡なし、集合場所に現れない猛者もいる。
うちのゼミだけが特別と思いたいが、こうした話は教員内で広く転がっている。

就活生が自己PRに「リーダーシップをとった経験」を話題にするが、実態ははて? と感じることも。

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手の向き

2017-5-3~4

GWながら米子へ調査と写真撮影。

以前調査した僧形八幡神像。後補、形状不適合であるため手の向きがおかしい。本来は錫杖をもつため親指が上を向くが、現状は掌が下向き。
某所からの依頼も兼ねて手の向きを直して撮影するも今度は上腕との関係がスムーズにいかない。(写真)
あれこれと写真に写らないように小木片、ゴム等を挟んで撮影。
そのほか諸々の撮影もあって、翌日も同様に四苦八苦しながらの調査。

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コンパ

2017-5-9

雨模様。
授業終了後、淡路でゼミ・コンパ。海鮮系、おまかせながら色々と出た。

ここ数年で、関大前通りにもサラリーマン向け風の居酒屋が3軒ほど出来たが、深夜近くまで学生が飲んで騒ぐので、治安が悪くなったともっぱらの評判。酒が飲めない1年生の評判もたいそう悪い。
仕事して疲れ果てて帰る時に出くわすと、学生の本分は勉強だろうが!と憤りすら覚える。早く潰れればよいのに思う。
嘘だと思う人は22:00頃に大学通りを歩いてみればよくわかる。

ほろ酔い加減ながら、淡路から無事に帰宅。

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ヴィトン

2017-5-11

梅田・阪急百貨店にルイ・ヴィトンのディスプレイ。
ヴィトンのデザイナーが無能なのか、アーティスト ジェフ・クーンズと組んだのが悪かったのか、はたまた購買層を馬鹿にしているのか知らないが、醜悪そのもののデザイン。

代表作品をそのまま借用して中央に「VAN GOGH」とか「TITIAN」と入れただけ。何の魅力も感じない。
トリミングするにしてももう少し考えたら採用・不採用がわかりそうなものだが。
バックを持つ人の感性が疑われるシロモノ。
このほかにもゴッホ、ティツィアーノ、フラゴナール、ルーベンスのシリーズ。

近代に至るまでのヨーロッパ絵画はデザイン性に乏しいことを自ら証明しているようなものだ。琳派やら江戸小紋などのほうがずっとデザイン性に優れている・・・とめった切りにしていたら、カバンの横にぶら下がっているウサギのキーホルダーは、過日、買った夏のジャケットよりも高価なことが判明。

大阪向きならいざ知らず、やっぱり消費者をなめきっている。

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梅田

2017-5-13

朝からコンソーシアム大阪。ここしばらく自宅あるいは大学から梅田に日参の態。
迷宮・梅田地下街も慣れてきた。JR東西線も初体験。

授業が終り第2ビルの地下で昼食をとり、大学でお仕事。
夕刻からは再び梅田で旧友らと飲み会。

なんだかサラリーマンに戻ったような気分。

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丹生郵便局

2017-5-14


所用の帰り、ふと見つけた郵便局。
両開きの扉が郷愁を感じさせる。昭和25年竣工。

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優品覚醒

2017-5-15

早起きして午前中、某市文化財審議委員会へ。
これまでの考古学偏重からようやく方針変換。たまたま展示会が開かれており、見学かたがた候補作品の選定。事務局サイドは某高僧の書画を推すが、類例も含めてなかなか結論(真贋はともかくその位置づけ)が出にくい作品である。

ふと、某画帖が目に留まる。筆者もはっきりしているし、詞書筆者も努力すれば全員判明しそう。由緒もわかりそうな気配。なにより上質で上品。これだ!と見学後の会議で推奨。「折みて(基本資料となる)写真撮影させてください」と。

あーしてこう考えて・・・と希望的方針を考えていると、ふと疑問。
たしか所蔵元には近世近代絵画史の担当者がいた(現在退職)はずである。担当者があまり言及していないのは地元に関わる部分のみを強調したのか、はたまた忙しかったのか、あるいは調べて分からなかったのか・・・。
ま、ここはとりあえず写真撮影から。

寝ぼけ眼で会議にのぞんだが、優品をみて覚醒。終了後、大学。

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噂には聞いていたが・・・

2017-5-17

過日、県指定にされた近世仏像の件で同業者からの問合せ。

近世データベースの情報(典拠そのもの)を送付したのだが、伝聞のためか「(当方が)調査した」という偽情報が流れているらしく、知っていることはご存知ないかと。
正直に、当該仏像(東北某県所在)は見たことも調査したこともないと回答。
用なしと思われたのか、以降は音信がぷっつりと途絶える。

こちらは問われたので正直に答えたまでなのだが、国会図書館まで行って入手した資料、ありがとうの一言ぐらいあってもよさそうなのだが。
同業者なんだから、必要ならば自分の足を使って確認すればと思いつつ、座して情報が集まると思うほうがどうにかしていると思う。
噂通りの人物なり。

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買ったぞ~!

2017-5-18

出勤途上、かっぱ横丁(紀伊国屋書店の横に移転)の某古書店へ。

過日の旧友らと飲み会(2次会)の途上、書店の店頭で、旧友と「みたいなぁ、この本(和装本)」と語っていた古典籍。旧友は飲み会の翌日さっそく見に行ったらしい。
今日は小生。
内容を拝見後、値段も手ごろだったので購入することに。

真新しい帙に収まった和装本。
さっそく写真撮影をして分析開始。同本は別本ながら某所にも収蔵。キーワードは「根岸武香」。

授業準備もそこそこにあれこれ調べ中。

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清凉寺

2017-5-20

暑い一日。
午後より嵯峨・清凉寺へ見学会。ちょうど本尊が開扉中。

一通りの説明をして、狩野一信下絵、妙安彩色の五百羅漢図下絵を拝見。清凉寺10幅はすべて「神通」。増上寺の本図をコピーしたものを配布。 下絵と本図は製作過程を知る上で重要な資料ながら指摘している論考は管見では皆無。一信自身の創作だろうが、きっともとになった図像があるものと思うと説明。あれほど有名な作品ながら製作プロセスはもとより残り90幅の下絵の確認もまだまだ。
その後、霊宝館へ行き、阿弥陀三尊像、伝普賢菩薩(帝釈天)半跏像、兜跋毘沙門天像など見学。最後に輪蔵の傳大士・普成・普建像も。

終了後“抹茶ソフト”をご馳走し、阪急嵐山駅で解散。

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PTA

2017-5-21

午後よりPTA。

つつがなく終了。終了後、明日の授業準備。
結局、「海北友松」展へは行けなかった・・・。諸事多忙とはいえ残念至極。

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神のみぞ知る

2017-5-22

シャープ本社(跡)。
今はこの姿がない。現在は白い防音シートに覆われて上には「ニトリ」の看板。

長い間、電車内からこの光景を見てきた。
本社北側にあった「シャープ労組」の建物はいつしか取り壊されてマンションに代わり、鴻海の関係者が動くと、朝からTVなどの取材クルーが本社前に集まっていた。

この春頃から本社ビルの解体が始まり、南側に残る田辺ビルもオフィスビルとマンションに代わる予定。

昨日も就職先について質問が出たが、今は大企業といっても安定性があるとは言えない。「雪印食品」しかり、造船事業をやめた「日立造船」しかり。「巨大企業」「大企業」「中堅企業」という分類はある意味、無意味とも思えるのだが、周囲ではそうでもない。

どの企業が生き残っていくのか、神のみぞ知るである。

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卒論ゼミ

2017-5-23

1対1の卒論ゼミ。あれこれアドバイスをし雑談に及ぶ。
ゼミ生が真宗のお寺さんの娘だそうである。ちょっと興味本位でお寺のことを聞く。
「由緒あると聞いていますが、詳しいことは・・・」というゼミ生。
真宗の文化財の雑談が続き、「門主さんが来るとそりゃ(準備が)たいへんやで」と軽口。「母の代に来たことがあります」「んっ?『御坊』さん?」
「『御坊』って?」と、曖昧。

ゼミが終わって良くないことだが調べると、「御坊」ではないものの大きな由緒ある中世からの真宗寺院であることが判明。

お宅(お寺)には、多数のの文化財があるものの、卒論はまったくの別テーマ(近代)。
もったいないと思うのは私だけではないと思う、きっと。

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東京

2017-5-24~25

調査と研究打合せ(科研)のため東京出張。

到着後、調べ事をした後、午後から打合せ。
先遣隊の報告を聞きつつ、今後の研究予定と計画。異分野の先生、研究者ばかり。
研究分野について既存の研究では全体の動向を扱われた先生(美術史)が居られるが、個別事例になると・・・。
そもそも真贋相混じるなかで個別事例としてどう位置づけていけばよいのやら。

翌日も終日、もっぱら上野周辺で色々と調べごと。気が付くと既に4時近い。西大寺展はもう難しいので、傍の東博常設展へ。大倉集古館の普賢菩薩像。像自体もさることながら、截金だけを見ても楽しい。その後、「幕府祈願所 霊雲寺の名宝」。両界曼荼羅を見ながら浄厳は、近世仏教美術の上からももっと注目されるべき僧侶だと思う。
その後、閉館近くに辿り着いたのが、英一蝶《雨宿り図屏風》。

にわか雨に遭って門前で雨宿りする重い空気と門柱で無邪気に遊ぶ男の子、左端に、雨もまもなく止みそうなのか、明るい表情で空を見上げる人。
市井に生きる人々の日常の感情表現とその交錯が見事。

閉館後、帰阪。

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快慶展

2017-5-26

午前中の授業(2コマ)を終えてようやく奈良博「快慶」展へ。

国内外の快慶作品と周辺関連資料が一堂に会した展覧会(康知《後白河法王像》も)。
ワクワク感があまりなかったのは、快慶研究の最前線といったところ。しかしながら各像ともじっくりと拝見。

金曜日は7時まで開館しておりゆっくりと拝見できたが、同業者や関係者に多数出会う。

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野迫川村

2017-5-28

所用にて奈良県野迫川村へ。

奈良県というより高野山の東奥。さて、どう行けばよいのだろうかと思案。教えられた住所をカーナビ(旧型)に入れると、鍋谷峠越えのルート(酷(国)道480号線)。むぅ。
今春、「鍋谷トンネル」も出来たことだし・・・とやや不安げに出発。

走ると快適そのもの。トンネルを抜けて道なりにしばらく走ると高野山大門前。山内を走り奥の院から桜峠を経て野迫川村到着。大学への通勤時間とさほど変わらない。 拙宅から高野山までこんなに近かったのかと実感。

拝見した仏像は、高野山の影響よりも大峰・吉野の修験道系と思しきものも。
帰りは、教えられた高野龍神スカイラインにて高野山内に戻る。

カーナビが「奈良県に入りました」「和歌山県に入りました」「奈良県に入りました」と連呼。 確かに文化圏的にもそうかも知れないと思いながらハンドルを握る。

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臨終行儀

2017-5-31

某市からの依頼で某寺調査。

阿弥陀二十五菩薩来迎図。「最近、古い掛軸3本を1本にまとめまして…」と所有者。
みれば、江戸時代(17世紀末)頃の作品。

さっそく写真撮影と法量、細部確認。
確かに画面が合わない箇所が左右2か所。法量を測ると、左幅40.4㎝、中央幅80.5㎝、右幅40.0㎝。ありゃ。
掛幅装の前は、3面の屏風形式。しかも阿弥陀如来の左右掌にはそれぞれ穴の痕跡。
五色の糸が括られて・・・と想像。
原型を保っていれば臨終行儀のよい資料だったのだが。今は大幅として床の間に懸架。

そのほか、前身の律宗系遺品や仏像も拝見。仏像はもと南都から譲与されたものとの由。
夕刻終了、帰阪。

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