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研究テーマ

研究概要

有機化学は、目には見えない分子を自由自在に操り、試験管の中で起こっている反応を想像し、単純な分子からより複雑な構造を持つ分子を創出することができる学問です。皆さんの身近にある有機物の多くは、有機合成によってつくられています。例えば、石油、石炭や天然ガスなどの炭素資源から医薬品、農薬、合成繊維、プラスチック、液晶材料、有機ELなど、現代の日常生活から最先端の科学技術まで、人類の営みを支えている高付加価値化合物や機能性材料をつくりだしているのは有機化学です。

有機化学には、大きく分けて2つの領域に分けて考えることができます。1つ目は「すでに知られている有用な有機分子をいかに効率よく・環境に負荷を与えずにつくること」を探求する領域と、2つ目は「これまで誰も作ったことのない役に立つ(機能性)有機分子をつくること」を目指す領域です。新しい原子をつくることは非常に困難ですが、(役に立つかは別として)誰もつくったことのない新奇な有機分子をつくることはそれほど困難なことではありません。

本研究室では、後者の領域の「これまで誰もつくったことのない役に立つ(機能性)有機分子をつくること」を目標に研究を行っています。新しい有機分子をつくることは「極小かつ究極のものづくり」ともいえます。ものづくりに興味がある人は、一緒にこれまで誰もつくったことのない有機分子を設計し、自らの手で合成を行ってみませんか?

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当研究室で現在行なっている主な研究テーマ

本研究室は、有機機能性材料を志向した有機分子の創出を目標に研究を行っています。 有機機能性材料は様々な有機分子が利用されていますが、我々の研究室では、ベンゼンなどの芳香族化合物がつながった多環式芳香族化合物を基本骨格とした新奇な有機分子をターゲットにしています。芳香族化合物は、共役パイ電子といわれる特異な電子を有しており、これが有機エレクトロニクス材料などの機能を発現させています。また、芳香族化合物の多くは平面かつ剛直な構造を有しているために、有機分子で構造体を構築するときに非常に便利なモチーフとなります。以下に取り組んでいる研究テーマの例を挙げます。

新奇な構造を有する共役パイ電子系化合物の合成と物性解明

分子内に大きな分極構造を有する分子を設計し、溶液の極性に応じて様々な色に発光する「環境応答性発光分子」を合成しました。

ヘテロ原子化学研究室では・・・・・

分子骨格に p-メチレンキノンを有する様々な化合物の簡便な合成法を見出しました。また、アクリジン骨格をもつ化合物は、溶媒の極性により分子内のひずみによる安定化の違いが生じ、溶液の色が大きく変化することがわかりました。

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有機機能性材料を目指した拡張共役パイ電子化合物の合成法の開発

レニウムならびに銅錯体を触媒に用いて、2-(フェニルエチニル)ベンズアルデヒドとアルキンとの反応により、2,3-二置換ナフタレンが合成ができることを見出し、この反応を拡張してブタジインやオリゴアルキンを用いれば複雑な拡張共役パイ電子化合物を合成できることがわかりました。

ヘテロ原子化学研究室では・・・・・

青色発光素子としてよく知られているジナフチルアントラセンに嵩高いアリール基を導入することにより、これまでと同様に溶液・固体中で強く発光するだけでなく安定性が格段に向上しました。

ヘテロ原子化学研究室では・・・・・

酸素含有の7員環構造をもつオキセピン誘導体は、生理活性を示すため様々な誘導体が合成されています。一方、ベンゼン環とナフタレン環とが縮環したジベンゾナフトオキセピン誘導体は、これまで簡便な合成法がほとんど報告されていませんでした。そこで、ベンズアヌレーション反応と、それに続く分子内環化反応を用いたπ拡張ベンゾオキセピン誘導体の効率的な合成法を確立しました。

ヘテロ原子化学研究室では・・・・・

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位置選択的多置換多環式芳香族化合物の合成法の開発

強い蛍光特性や熱的安定性をもつベンズアントロンへの位置選択的アリール基およびアミノ基の導入法を開発しました。また、金属試薬としてリチウムアセチリドを用いることで、これまでほとんど報告されていないベンズアントラセンオンに骨格転移が起こることを見出しました。

ヘテロ原子化学研究室では・・・・・

これまで、2-(フェニルエチニル)ベンズアルデヒドとアルキンを金属触媒とカルボン酸存在下で反応させると、位置選択的な2,3-二置換ナフタレンの合成ができることを見出していますが、カルボン酸の代わりに求電子剤としてハロスクシンイミドを用いることで、1-ハロ-2,3-二置換ナフタレンの位置選択的な合成ができることを明らかにしました。また、この反応で得られた1-ハロ-2-フェニルナフタレンを原料として、様々なカップリング反応により、1位への官能基が導入できることも見出しました。

ヘテロ原子化学研究室では・・・・・

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