研究室紹介

私達は「新しい機能は,確かな物性評価」からをモットーに,世界に一つの
評価装置の開発にも力を入れています.
         薄膜フィルム用光弾性定数測定装置
    
「くっきり,はっきり」液晶デイスプレイの高精細化への道をひらく
 液晶デイスプレイ(LCD)に,次々と,大画面,高精細化の要求が寄せられている.特に,「偏光の乱れ」に与える影響が僅かであり従来は問題視されなかったフィルム材料の「光弾性現象」が現在注目されている.光弾性とは,材料が力を受けたり変形すると,偏光を乱す性質である.従って,更なるLCDの高精細化を達成するには,この光弾性現象を正確に制御する材料のmolecular designが今求められている.しかしながら,従来の測定装置では,微少な変形で誘起される「微小な偏光の乱れ」が測定できず,フィルムが破れるぐらいの大きな力を加え,大きな偏光の乱れを作り,評価していた.本来光弾性定数とは物質定数で,分子の構造などが決まればひとつに決まる量であるが,このような測定法では大変形の影響が強く,新規な低光弾性フィルムを分子の構造から設計するためのデータが得られなかった. 我々は,均一微少歪を試料に与える機械系を設計開発し,これによりフィルム試料に「微小な偏光の乱れ」を起こし,更に開発を進めてきた光ヘテロダイン法と同期をとることで,その微少な乱れの方向と大きさを同時に測ることを可能にする装置(光弾性定数測定装置:写真)を開発した.今回開発したシステムでは,従来の千分の一,あるいは,一万分の一以下の力や歪みで,測定が可能である.(ユニオプト(株)及び(株)井元製作所との共同開発)
クリックすると拡大表示
「弾性圧電性測定装置」

 圧電性とは特定の方向に応力を加えると、その大きさに比例した電荷が
生じる性質です.圧電率は温度や周波数など使用条件によって変化するの
で,使用条件に近い環境下での圧電率の評価装置が必要です.電気信号を
処理する電気回路の製作や,装置の制御やパソコンに取り込んだデータを
処理するためのソフトの改良を行っています.
( (株)井元製作所との共同開発)