今年の演習の共通テーマは、メディア世界と現実世界の融合である。ゼミ生はこのテーマの中で自由に自分の研究テーマを設定する。メディア世界と現実世界が融合する状況としては、メディアがイベントを伝えるのではなく、メディアがイベントを作り出す「メディアイベント」、リアルとバーチャルが融合する「複合現実感」などをイメージすること。近代的な二元論が成立しなくなったような状態を見つけ、その行方をメディアとの関係で研究することがゼミ生に課された課題である。受講生は各自で「○○○○とモバイルメディア」という研究テーマを設定し研究を進め卒業論文を作成すること。「○○○○」の部分には、上記の事項のほか、各自が関心を持つ事項を当てはめて考えてほしい。研究テーマの一例（過去のゼミ生の研究テーマも含む）を紹介しておく。

「スマートフォンのARアプリ研究」「スマートグラスで変わる都市空間」「初音ミクとDGM」「トモダチをコレクションする現代人」「ゆるキャラと地域おこし」「出会い系サイト：コミュニケーションに飢える私たち」「AKB48：ソーシャルメディアを味方につけた戦略」「『けいおん』と新たな消費行動」「新しい美少女戦士：少女が戦う理由」「僕の彼女はラブプラス」「お笑いブームと萌え」「声優のアイドル化」「恋愛シミュレーションゲーム研究：乙女ゲー女子が求めるもの」「アニメ聖地巡礼」「ディズニー教」「ライブビューイング人気の秘密」「ガチャガチャ研究 －人気の理由とは？－」「書店の未来 〜１００年後に書店は存在するのか〜 」

本ゼミでの研究テーマは先行研究が少ない。受講生には、先行研究の少なさを補うために、詳細な資料の収集、近接分野との関連についての深い分析力が求められる。また、研究方法も確立していないため何度も試行錯誤を繰り返す根気強さが必要とされる。そして、なによりも困難を克服するためのアイディアとオリジナリティが求められる。