関西大学 環境都市工学部 都市システム工学科 都市情報システムコース

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都市情報システムコースでの研究アプローチ

特色

どのような数値やデータを取得し,どのようなモデルとして扱い,どのような 処理プロセスやフレームワークを組み立れば,現実の局面での本質的な問題解 決に繋がるかを考え抜く研究アプローチによって,都市の営みやまちづくりに 内在する問題の解決を図るだけでなく,情報技術に根差した新しいシステムや サービスの提案をしてゆくことができると考えています.
本コースでは,数値計算,シミュレーション,ネットワーク,プログラミング, システム開発といった各個別の情報技術分野をカバーすることによって,多岐 にわたる応用に取り組み,実践的なテーマやプロジェクトを設けています.こ のような研究活動を通して,本学科からの新しい技術の創出を目指すともに, 学生自身が高い問題解決能力を身に付けられることを狙っています.

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研究テーマの例

『緊急連絡のための携帯メールシステム開発と評価』

都市部に台風の襲来が予想される場合や地震などが発生した場合,学校の関係 者に緊急のお知らせを携帯電話のメールにより通知するシステムを開発し,運 用を始めています.加入者が増えるに従い,緊急連絡が必要なピーク時のメー ル送信効率の確保が重要になります.加入者の行動パターンや送信効率を分析 し,サーバの分散などの対応策について実データをもとにシミュレーションを 行い,実際に試すことなどを行っています.



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『食の安全・安心のアカウンタビリティシステム』

生産地から都市の消費者まで,色々な経路と加工業者を経て食品が提供されて います.この経路の最終消費者に対し,安全で安心できる食品であることを説 明できる仕組みを作っています.原材料から始まり,途中の加工段階で入荷物 と出荷物の対応関係,および加工時の衛生状態に関する情報をインターネット を利用してデータベースに蓄積し利用できるようにするシステムです.衛生管 理にはHACCP(ハセップ)を採用するので,システムはWebHACCPと呼んでいま す.物流の中でも厳しい管理が求められる分野を担う情報技術です.





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『工作機械のバーチャル展示場の企画と設計』

中古工作機械の展示会が大都市の展示会場で開催されていますが,工作機械を 展示会場に集めそこで動かしながら展示し商談を成立させるには,多くの経費 がかかります.インターネットで大量の情報が伝達可能になったことから,イ ンターネット上に仮想的な展示会場を設け,その中で購入希望者が動いている 工作機械を見ながら,商品を吟味できる「バーチャル展示場」の企画・設計を 行っています.動画の処理技術を組み合わせ,購入希望者が意思決定できるレ ベルの現実性のあるシステムの実現を目指しています.このような技術は,様々 なマーケットや商品での取引において,誰でも使用できる汎用性が期待されま す.



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『SNSやブログを利用した学校と地域の連携支援』

教育機関とその関係者が参加できるインターネット上のコミュニティの仕組み を企画し,システム開発を行っています.コミュニティの参加者のグループ作 成を用意するための仕組みとして,授業支援型e-LearningシステムCEASからオー プンソースのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やブログシス テムにシームレスに接続できる機能や,コミュニティ独自のグループを運営し やすくする機能の企画や設計を行っています.このシステムを利用することに より,例えば地域にある学校と父母,地域関係者の連携の促進を図ります.






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『セマンティックWeb技術による分散ネットワーク・データベース・システムの開発』

近年のネットワーク技術の発達を背景に,複数企業間の業務連携によって短期 間での設計・開発・構築・運用が行なわれています.このとき,分散された部 署ではそれぞれの業務によってデータが保持されるため,情報を共有し,必要 な情報を他部署のシステムから抽出することは容易ではありません.本研究で はセマンティックWeb技術を利用して,要求されたキーワードや情報に関連す る探索対象の情報を動的に知識構造に関連付けて情報検索するシステムを開発 しています.






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『ロジステックスに関する多目的最適化問題のための進化型最適化法の開発』

製品を製造現場や倉庫から利用者の要求する時刻に適確に配送することは,物流や配送の事業の重要な役割です.しかしながら,現在の都市生活における商品の販売や供給方法の複雑さと顧客要求の多様化や業務のコストダウンや輸送装置が及ぼす環境問題などから,配送や運送の効率化とともに顧客の要求に適確に答えるかが重要な問題となっています.
本研究では, 配送・運送(ロジステックス)に現れる問題を多目的問題として取り扱い,複数の評価指標値を考慮して,配送ルートとともに配送量の最適解を探索するための進化型最適化法の開発を行っています.






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『数理計画法による都市の諸問題の解決』

都市に現れる数理的な問題,例えば施設を効率的に配置する問題や,公平な選 挙区の設定などには,数理計画法を用いることが有効です.数理計画法を用い ることで,ある価値基準の下で最適な解(最もお金を使わなくて済む計画,あ るいは最も公平な状態など)を求めることができます.得られた解は,実際の 政策立案の際に参考にすることができます.







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『数理計画法運用支援システムの実装』

数理計画法を実際に運用する際には,「モデル化」「求解」「解の検証」の 3 つのフェーズからなる手順を踏む必要があります(解を検証して問題がある場 合,再度この手順を繰り返します).この手順全体をサポートするためのシス テムを作成しています.このシステムは,様々な数理計画法のソルバ(求解に 用いるソフトウェア)と連携し,数理計画法を統合的・効率的に運用する環境 を提供します.







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『GPSとデジタル地図による歩行者経路データベース』

近年,携帯型のGPS(Global Positioning System)が手軽に利用できるようにな りました.この研究では,歩行者が通り得るルートをGPSで捕捉し,そこから の風景画像と併せて参照できるデータベースを作成しています.歩行者が通行 できるルートや歩行者目線で観える風景は,自動車用のカーナビゲーションシ ステムと比べると,情報の粒度や質が異なります.ここでは,歩行者による情 報収集を行えるモバイルシステムを構成しました.






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『デジタル地図と魚眼風景画像による歩行者案内アーカイブ』

近年,GoogleEarthのような多くのデジタルマップが利用できるようになりま した.この研究では,デジタル地図上でルートをたどりながら歩行者目線での 風景を確認できるアプリケーションを開発しました.ルートを指定すると,ルー ト上の地点に近い場所で撮影された風景画像を,進行方向に合わせて表示しま す.上記のデータベースと連携することによって,道案内をすることができま す.






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『実写画像による景観提示の効率化』

3次元CGで描かれた風景は,自由に視点を動かすことができますが,CGを 用意するのは大変です.特に実在する屋外の様子を広範囲にわたってCG化す るのは困難です.この研究では,魚眼レンズを使って撮った1枚の画像から, 任意の方向を見まわし,景色の中で移動できるような眺めを生成します.あち こちで,画像を撮影しておくことによって,風景の中を移動できるようなアプ リケーションが可能になります.






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『CGと実写との融合による景観デザインシミュレーション』

実写画像で撮影した風景と,位置関係の整合性を計算することによって,仮想 的にCGで描いた物体を実際の背景の中に配置することができます.事前に設 計データを使って,施工予定の景観をシミュレーションしたり,空間のデザイ ンをビジュアルにかつ対話的に行うツールとして利用できる可能性があります.






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『実環境光画像による照光シミュレーション』

超広角レンズを使ったカメラで撮影した画像には,照光環境の情報が含まれて います.さらに,撮影した画像を直接使用して,実際の照光状態を再現したコ ンピュータグラフィクス(CG)を生成することができます.このCGによっ て,日照状況をシミュレーションしたり,CGで新たな構造物や対象物を仮想 的に実写シーンの中に配置して,景観のシミュレーションも可能になります. この研究では,高速かつ柔軟にCGを描く手法を開発します.







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『高性能3Dスキャナによる屋外構造物モデリング』

屋外3D形状スキャナでは,半径数百メートルの範囲内で屋外の構造物や地形 などを計測することができます.計測によって.形状を表す3次元座標点群や 高精細なデジタル画像による色情報が同時に取得できます. この研究では,得られた3次元情報のうち,不要なノイズや被写体(通行人や 車の往来など)を効率良く除去する手法や,測った対象物の形状データを構造 化してパーツごとのオブジェクトを生成する手法を開発します.







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『3D形状スキャンの最適化』

物の形を光学的に測るための3Dスキャナのスキャン(走査)方式には,構造 化光を使うものがあります.構造化光はライン(線)でスキャンするので,ス ポット(点)でスキャンするよりも効率よく計測ができますが,スキャンライ ンと計測対象の表面形状との関係によって得られる形状データに粗密ができて しまいます.この研究では,自動的に粗密を改善する計測手法を開発していま す.







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『防犯ビデオ映像の解析』

防犯ビデオに映った人物の特徴を事後に測定する技術の研究です.特に動いて いる人の様子は曖昧性が有りますが,体格や歩幅,移動速度など,画像計測の 原理により数値データとして抽出することが可能です.また複数のカメラの連 携手法についても研究しています.







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