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Cultural Symbiotic 2005
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学びの扉(文化共生学)

授業科目名 学びの扉(文化共生学)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志/森 貴史/伊藤 誠宏/柏木 治/澤井 茂夫
講義概要  この授業は文化と共生を考えるための入門講義です。文化共生学専修の5名の担当者がそれぞれの切り口から、リレー形式で講義を行います。われわれが扱う地域は主としてヨーロッパと日本ですが、異文化理解、比較文化論、共生の問題についてどのようなアプローチをすればいいのかを提示します。この講義によって、文化共生学の多様なあり方と、その研究の楽しさをお伝えできればと願っています。
講義計画 1 日本人が驚くヨーロッパの暮らし
  消費税が25% 婚外子が50%以上 有料トイレ レストランの犬 小学5年生で進
  路を決める ハグという習慣 スピード制限なしで無料の高速道 
2 外国人が驚く日本の暮らし
  ドアの開ける方向 車内での化粧 学校の制服 レストランの料理見本 子どもの塾
  通い
3 顔の文化史
  化粧の歴史 ヨーロッパ人相学 日本の正面顔の文化とヨーロッパの横顔の文化 
4 黄色を文化・歴史的観点から考える。
  黄色と花ことば 黄色のイメージ 国旗と黄色など
5 黒を文化・歴史的観点から考える。
  黒と喪服 シャネルと黒 相撲の黒星など
6 赤を文化・歴史的観点から考える。
  血の赤と火の赤 赤と病気治療 赤飯など
7  身体文化の東西
  「スマイル0円」 着物とドレスの身体技法 床座と椅子座の比較文化論
8 万国博覧会を考える
  なぜ万博はうまれたか 文化装置としての万博 植民地主義イデオロギー ジャポニスム
9  日本人の西洋発見
  天文暦 シーボルト 解体新書 蘭学 翻訳語
10 西洋人の日本発見
  岩倉使節団 万博博覧会 礼儀作法 
11 電車男と源義経とイエス・キリスト
12 ヨーロッパ中世の放浪芸人の暮らし

授業科目名 学びの扉(文化共生学)
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志/森 貴史/伊藤 誠宏/柏木 治/澤井 茂夫
講義概要  この授業は文化と共生を考えるための入門講義で、3名の担当者がリレーで講義を行います。
 まず、日常的な習慣や色彩の捉えかたなどをとおしてヨーロッパと日本の文化の違いを観察し、それぞれの文化の特徴を比較して異文化理解とはどういうことかを考えます。また、とくにEU諸国が抱える問題や環境問題を検討しながら、文化と共生がどのような関係にあるのかを考察し、それを踏まえつつ共生のありかたを提示したいと思います。
講義計画 1 発信型ヨーロッパ文化と受信型日本文化の特質
  一神教と多神教 悪魔と鬼 二者択一かファジーか ヨーロッパの個人主義的共生思
  想 日本の家族主義的共生思想
2 ヨーロッパの祭りと日本の祭り
  異教とキリスト教の祭り 冬至祭、春祭り、夏祭り、秋祭りの比較 ヨーロッパと日本の
  類似祭の謎(怪物クランプスと秋田のナマハゲの習俗)
3 モードと文化
  アクセサリーはなぜ身に付けるのか ハイヒールの文化史 コルセットという身体加工 
4 青を文化・歴史的観点から考える。
  宗教と青 マリアの青 青の色彩評価など
5 白を文化・歴史的観点から考える。
  ウェディングドレスの白 白無垢 女性の足袋はなぜ白かなど
6 ピンクと情感を考える。
  ピンクと幸福感 ピンク色の誕生 ピンクと女性など
7 南太平洋のユートピアと「野蛮人」
8  明治期の日本文化と妖怪談義
9 茶の湯
  輸出品 千利休 精神性 茶の湯の文化 ヨーロッパ人の驚き
10 味覚
  美味学 味の表現 ショート・ケーキ シュークリーム
11 スポーツをめぐる文化衝突
  オリンピック 人気スポーツと文化 スポーツと国家 上流階級のスポーツと庶民のスポーツ
12 環境と共生
   環境問題の現在 京都議定書 EUの環境政策 IPCC エコロジーの文化 環境意識


知へのパスポート1(文化共生学)

授業科目名 知へのパスポートIa(1組)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  最初の授業でプレゼンテーションの仕方やレポートの書き方を説明します。次に異文化理解、ヨーロッパと日本の文化の比較、祭りと習俗、女性論、文化共生学など、5つの主要テーマの概要を解説しますので、各人はその中から自分の関心のある個別テーマ見つけてください。その後、グループ分けをして、ほぼ全員が報告できるようにプログラムを組みます。毎時間、報告形式で授業をおこないますが、仲間の報告を聞いて、知識や関心がさらに広がるような授業を目指します。
講義計画 1 異文化理解グループ:ヨーロッパの食文化  ヨーロッパ世界遺産紀行  モードとファッショ
   ン  占星術  中世都市の文化  ケルトとゲルマンの文化  フリーメーソンと秘密結社
2 比較文化グループ:ヨーロッパの結婚式と日本の結婚式  ヨーロッパの庭園と日本の庭園 
ヨーロッパの魔女と日本の山姥  ヨーロッパの巡礼と日本の巡礼  森の文化と里山の文

3 祭りと習俗グループ:クリスマス  カーニヴァル ハロウィーン バレンタインデー 祭りと仮面
の習俗
4 女性論グループ:女神信仰  母権制と父権制  娼婦という職業  マグダラのマリアと聖
   母マリア 非婚と婚外子 ジェンダー論 女性の社会進出の実態
5 文化共生学グループ:ボランティア  EUと多文化共生  マイノリティ(ユダヤ人、ロマ)と外
   国人問題  自然エネルギーの利用  使い捨てと環境問題  市電と自転車  食の安全

授業科目名 知へのパスポートIa(2組)
授業形態 柏木 治
担任者名 春学期
講義概要  この授業では、具体的な事例や個々のテーマをとりあげて、関係する問題を演習形式で掘り起こします。演習形式というのは、たとえばあるテーマについて自分で調査したことを発表したり、意見交換するといった大学生の研究スタイルを指します。
 とり上げるテーマと授業の進めかたは「講義計画」に示すとおりです。大きく言って、EUの「いま」にこだわり、それを「文化と共生」というテーマで考え抜くこと、また、ごく日常的な生活文化の比較をとおして日欧の文化的差異を議論し、そこから文化のバックボーンを推論すること、の二点を中心的な課題とします。
なお、この授業の到達目標は、あるテーマについて情報を収集し、それを整理し、じぶんの視点を定めて分析を加え、その結果を報告(口頭と文章)できるようになることです。
講義計画  授業は以下の点を中心に展開します。とりあげるテーマについては、授業の進み具合、履修者数によって若干の変更が加えられることもあります。
1. 授業の概要とねらい
  演習の進めかたと注意点 ガイダンス 「文化と共生」のまわりにはどんなテーマがあるのか
2. 具体的なテーマについて考える。
  今期取り上げる予定のテーマは以下のとおり(順不同)。
  a 「EUを知ろう」(EUの文化的諸問題 グローバリゼーション イスラームへの視線 
   各国の移民問題 加盟国間格差 etc.)
  b 「ヨーロッパのなかの日本」(ヨーロッパ人の日本へのまなざし ブームとしての日本文化
   「オタク」と「カワイイ」のJAPAN 文化イメージの転換 パリの日本人社会 etc)
  c 「生活文化の日欧比較」(電車のなかの化粧 「清潔」を比較する 人前の居眠り 
   生活とスポーツ etc)
3. インプットとアウトプットの方法について
  a 図書館をどう使うか
  b 新聞記事をどう扱うか
  c インターネットをどう利用するか
  d 参考書や研究書をどのように利用するか
  e 発表のしかた、レジュメのつくりかた
4. 学生による研究発表(グループ発表)
5. 最終的に発表した内容からレポートの作成へ

授業科目名 知へのパスポートIb(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要  授業タイトル:『劇場版 鋼の錬金術師』の舞台設定を読み解く

 『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(監督:水島精二2005年)はTV版を引き継いだオリジナルのストーリーですが、それゆえに、スタッフのこだわりがよくわかるほど、物語のディテールには第1次世界大戦後のヨーロッパ文化がなかなかうまく散りばめられています(史実とちがう部分もありますが)。この時代の西欧文化は、大正時代の日本にも多くの影響を与えたものでもありました。
 本授業では、この作品で描かれているヨーロッパの文化(および日本とも関係する文化)をひとつずつ取り上げて、授業履修者のみなさんに自由な発想で発表してもらうことになります。それゆえ、この映画の設定の細部に目が行き届くようになることも、授業の目的のひとつだといえます。

講義計画  授業の第1回目はオリエンテーションで、授業の進行や成績評価について説明したり、発表担当を決めます。2回目以降は、授業履修者による口頭発表となります。
 この作品で見られるヨーロッパの文化や歴史のトピックをもとに、発表テーマとして考えられるものの例を以下に挙げます。

@錬金術、占星術、魔術:パラケルスス、西欧のさまざまな科学や学問など
Aロックとビジュアル系:L'Arc?en?Ciel、音楽性、ファッション、ゴスロリとの関係
Bジプシー(ロマ):マイノリティ、少数民族の問題など
Cトゥーレ協会:秘密結社(フリーメイソン、宮殿騎士団、薔薇十字など)
D映画文化:フリッツ・ラング、ウーファ、ハリウッドなど
Eナチスとユダヤ人:ホロコースト、ファシズムなど
Fドラゴンなどの幻獣:ジークフリート、聖ゲオルギウス、リヴァイアサンなど
G白バラ:学生や市民の反戦運動、焚書など
H分身物語:映画『プラーグの大学生』、鏡像、影、ドッペルゲンガー譚など
Iシャンバラ:エデンの園、さまざまな楽園とユートピアの神話
J空を飛ぶ技術:気球、飛行船、ロケット、ツェッペリン、フォン・ブラウンなど
Kミュンヒェンとベルリン:都市化と大衆化 アンチ都市物語『アルプスの少女ハイジ』

授業科目名 知へのパスポートIb(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  この授業では個々のテーマを取り上げ、各自がそのテーマを調査し、調査結果を発表し、皆で意見交換をします。
 積極的に授業に参加し、自分の意見を述べるようにして下さい。
講義計画  取り上げるテーマ

@ 色は心の言葉
  連想色(=言葉から色を連想する)、見るという行為、シャネルと色、など

A 食の安全と安心
   豆腐、味噌、レモン、など

B コミュニケーション
  話す力、 聞く力、非言語コミュニケーション、など

C ジェンダー
   女性と職業、女性のマナー、など


知へのパスポート2(文化共生学)

授業科目名 知へのパスポート2a
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  この授業では、具体的な事例や個々のテーマをとりあげて、関係する問題を演習形式で掘り起こします。演習形式というのは、たとえばあるテーマについて自分で調査したことを発表したり、意見交換するといった大学生の研究スタイルを指します。
 とり上げるテーマと授業の進めかたは「講義計画」に示すとおりです。大きく言って、EUや環境問題を素材に、それを「文化と共生」というテーマで考え抜くこと、また、ごく日常的な生活文化の比較をとおして日欧の文化的差異を議論し、そこから文化のバックボーンを推論すること、の二点を中心的な課題とします。
 なお、この授業の到達目標は、あるテーマについて情報を収集し、それを整理し、じぶんの視点を定めて分析を加え、その結果を報告(口頭と文章)できるようになることです。
講義計画  授業は以下の点を中心に展開します。とりあげるテーマについては、授業の進み具合、履修者数によって若干の変更が加えられることもあります。
1. 授業の概要とねらい
  演習の進めかたと注意点 ガイダンス 「文化と共生」のまわりにはどんなテーマがあるのか
2. 具体的なテーマについて考える。
  今期取り上げる予定のテーマは以下のとおり(順不同)。
  a 「環境と共生」(環境問題と文化 環境難民 さまざまな「エコ」  環境から共生を考える etc)
  b 「身体文化の日欧比較」(歩く姿 椅子の文化 畳の文化 服飾文化 etc)
  c 「EUの文化的諸問題」(各国の移民問題 文化政策 グローバリゼーション イスラームへの視線 etc.)
3. インプットとアウトプットの方法について
  a 図書館をどう使うか
  b 新聞記事をどう扱うか
  c インターネットをどう利用するか
  d 参考書や研究書をどのように利用するか
  e 発表のしかた、レジュメのつくりかた
4. 学生による研究発表(グループ発表)
5. 最終的に発表した内容からレポートの作成へ

授業科目名 知へのパスポート2b(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要  授業タイトル:『劇場版 鋼の錬金術師』の舞台設定を読み解く

『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(監督:水島精二2005年)はTV版を引き継いだオリジナルのストーリーですが、それゆえに、スタッフのこだわりがよくわかるほど、物語のディテールには第1次世界大戦後のヨーロッパ文化がなかなかうまく散りばめられています(史実とちがう部分もありますが)。この時代の西欧文化は、大正時代の日本にも多くの影響を与えたものでもありました。
 本授業では、この作品で描かれているヨーロッパの文化(および日本とも関係する文化)をひとつずつ取り上げて、授業履修者のみなさんに自由な発想で発表してもらうことになります。それゆえ、この映画の設定の細部に目が行き届くようになることも、授業の目的のひとつだといえます。
講義計画  授業の第1回目はオリエンテーションで、授業の進行や成績評価について説明したり、発表担当を決めます。2回目以降は、授業履修者による口頭発表となります。
 この作品で見られるヨーロッパの文化や歴史のトピックをもとに、発表テーマとして考えられるものの例を以下に挙げます。

@錬金術、占星術、魔術:パラケルスス、西欧のさまざまな科学や学問など
Aロックとビジュアル系:L'Arc?en?Ciel、音楽性、ファッション、ゴスロリとの関係
Bジプシー(ロマ):マイノリティ、少数民族の問題など
Cトゥーレ協会:秘密結社(フリーメイソン、宮殿騎士団、薔薇十字など)
D映画文化:フリッツ・ラング、ウーファ、ハリウッドなど
Eナチスとユダヤ人:ホロコースト、ファシズムなど
Fドラゴンなどの幻獣:ジークフリート、聖ゲオルギウス、リヴァイアサンなど
G白バラ:学生や市民の反戦運動、焚書など
H分身物語:映画『プラーグの大学生』、鏡像、影、ドッペルゲンガー譚など
Iシャンバラ:エデンの園、さまざまな楽園とユートピアの神話
J空を飛ぶ技術:気球、飛行船、ロケット、ツェッペリン、フォン・ブラウンなど
Kミュンヒェンとベルリン:都市化と大衆化 アンチ都市物語『アルプスの少女ハイジ』


文化共生学基礎演習

授業科目名 文化共生学基礎演習(1組)
授業形態 通年
担任者名 伊藤 誠宏/柏木 治
講義概要 春学期(伊藤)
 個別テーマの文献調査、発表、レポート作成を通して、選択したテーマに関する自分の考えを構築することが、この科目のねらいです。
 そのために、それぞれのテーマの文献から、興味ある箇所を取り上げ、
 @ 文献の記述内容をよく調べて的確に読み取る A 文献の記述内容の要約
 B 文献の記述内容に対して、自分の意見を述べる
 このような方法で授業を展開します。
 受講生は、今回授業で取り上げるテーマ研究グループに属し、そこで学んだ研究結果を報告しなければなりません。
 ゼミ形式の授業ですから、授業に積極的に参加し、自分の意見を述べてください。

秋学期(柏木)
 下記の個別テーマに関する調査・発表・レポート作成をとおして、考える力を養うことがこの「演習」のねらいです。
具体的な作業としては、テーマにかかわる参考書の一部をとりあげ、@そこに書かれてあることを的確に読み取る、A使われている用語を調べる、B内容を要約する、C書かれている内容について自分の意見を述べる、という一連の作業をまず行います。つぎに、この問題について意見交換をおこなったうえで、何を調べたらおもしろいかを考えてもらいます。それが決まったら、各自調査してその結果を報告するというやり方です。なお、多くの作業はグループ単位で行うことになります。
「演習」の主役はみなさんです。大切なことは「考える」こと、そして積極的に授業に「参加する」ことです。たんに出席することではありません。
講義計画  授業で取り上げるテーマは以下のとおりです。
春学期(伊藤)
1 リスク研究グループ リスク感、恐怖感、食のリスクの実情、リスクと共生など
2 衣服・色彩研究グループ 機能的衣服とジェンダー、 衣服と色彩、など
3 マナー研究グループ  「女らしさ」と「男らしさ」 女性のマナー書と男性のマナー書
4 スポーツとジェンダー研究グループ スポーツと商業主義、 スポーツ報道とジェンダー、など

秋学期(柏木)
1 ヨーロッパのなかの「東洋」 異国趣味、旅の文化、他者へのまなざし
2 EU諸国における移民問題 報道にみる移民問題、グローバル化とマイノリティ、言語紛争
3 身体文化の諸問題 モードと階級、身体表象とジェンダー、スポーツと社会
4 娯楽の文化史 酒場、アルコール飲料、カフェ文化、歓楽都市パリ

授業科目名 文化共生学基礎演習(2組)
授業形態 通年
担任者名 浜本 隆志/森 貴史
講義概要 【春学期】 浜本隆志担当
 1年次の「知へのパスポート」をさらに深めるために、ヨーロッパと日本にかかわる以下のテーマをとりあげ、グループ分けをしてゼミ形式の授業をおこないます。学生諸君はグループに属しながら、自分の関心のあるテーマを選んで、全員が発表しなければなりません。積極的な取り組みを期待しています。

【秋学期】森 貴史担当 テーマ:「病気と療養の文化史」
 「食の危険」や「メタボ検診」などのことばをよく耳にしますが、健康についてのわたしたちの関心は、近年ますます高まっています。しかし、現代だけでなく、これまでの人類の歴史において、生と死はつねに隣り合わせで、「健康」や「病」とはなにか、ということがずっと古くから考えられてきました。本授業では、この病気についてのさまざまな考え方や、健康になるための方法について考えます。また、この授業は演習形式であるために、履修者の方には発表してもらうことが前提です。
講義計画 【春学期】
1 ヨーロッパ文化研究グループ
  食文化、生活文化、ファッションとモード、音楽論、風俗文化論、世界遺産、旅行論など
2 習俗・結社研究グループ
  各種の祭り、結婚式、仮面、フリーメイソン、ギルドの制度など
3 比較文化研究グループ
  悪魔と鬼、魔女と山姥、ヨーロッパの竜とアジアの竜、日欧庭園比較など
4 共生研究グループ
  日本とヨーロッパの共生文化、EU、森の文化、リサイクル、都市論、自然観など
5 ジェンダー・福祉研究グループ
  魔女狩り、マイノリティ論、少子高齢化問題、セーフティネットなど

【秋学期】
 第1回目はオリエンテーションで、担当者とテーマを決めます。毎回の発表テーマの例を以下に挙げます。もちろん、これらをもとに、発表担当者がアレンジしてもかまいません。
1 ヒポクラテスの4体液説(血液、粘液、黄色胆汁、黒色胆汁)
2 同性愛と自己愛 3 温泉療養(温泉文化)
4 庭園と森林浴 5 (海)水浴の歴史
6 日光浴と健康 7 病院の歴史
8 性病の歴史 9 貝原益軒『養生訓』(1713)とヒルシュフェルト『長寿学』(1796)
10 ダイエット(食餌療法) 11 死神と死の舞踊(ダンス・マカーブル)
12 SFやユートピアにみる医学と健康


文化共生学基礎研究

授業科目名 文化共生学基礎研究a
授業形態 春学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  リスクを考える。
 最近マスコミでリスクの問題が報道されることが、とくに多いと感じます。薬害の問題、食のリスクの問題、自然環境の問題、原子力発電の問題、など。
 私たちが直面しているリスクの問題を見てみると、私たちはリスクの中で毎日生活していると言っていいでしょう。
 この授業では、さまざまなリスクを考える基礎的知識とリスクに対する考え方を検討したいと思います
講義計画 1 私たちはリスクをどう感じるか = リスク認知の問題
2 私たちはリスクとどうかかわっつているか = リスク管理の形態の問題
3 私たちにリスクがどう伝えられているか = リスク報道の問題
4 私たちはリスクとどう向き合っていきるか = リスクと共生の問題

授業科目名 文化共生学基礎研究b
授業形態 秋学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、ヨーロッパを中心に、人が自然にどうかかわってきたか、自然との共生は可能かを考えます。グリーンマン、メルヘン、動物園。これらが生まれた背景をさぐれば、ヨーロッパにはかつて、驚くべき自然観のあったことがわかります。同時にそれは、ヨーロッパ文化を知る貴重な手がかりにもなります。豊富な図像・映像とともに、ふしぎの森をのぞいてみませんか。
講義計画 1.自然との共生を考える
2.グリーンマンと森のヨーロッパ@−樹木崇拝とキリスト教
3.グリーンマンと森のヨーロッパA−中世の人びとから見た森
4.変身物語のふしぎ@−メルヘンにおける人と動物
5.変身物語のふしぎA−「人狼伝説」と魔女
6.驚きの中世ヨーロッパ@−仰天判決!動物裁判
7.驚きの中世ヨーロッパA−象徴の森に生きる人と動物
8.動物園の文化史@−メナジェリーと「驚異の部屋」
9.動物園の文化史A−植民地支配と動物園
10.ナチス・ドイツの自然観@−ダーウィニズムと人種差別
11.ナチス・ドイツの自然観A−動物保護と支配のかたち
12.自然観の移り変わりから学ぶこと


異文化接触論

授業科目名 異文化接触論a
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要  講義タイトル:「シンボルと記号とイメージと」
 本授業では、ヨーロッパを中心にさまざまなシンボルや記号について論じます。紋章や国旗のほか、さまざまな図像やマークには、多くの意味がこめられているのはすなわち、いろいろな文化がそれぞれ独特の記号やシンボルをもっているのです。このようなシンボルや記号の不思議さやおもしろさを論じていく予定です。
講義計画 1回ごとの講義テーマは、以下のとおりです(予定)。

@記号とシンボルの世界
  しるしと記憶 意味と象徴 メディアとしてのシンボル
A18世紀の絵本の記号
  コメニウス 絵とシンボル 視覚教育 
Bシンボルの集合体としての庭園
  さまざまな要素 記号を隠す 庭園の意味
C秘密結社のシンボルと記号
  フリーメーソン 象徴から感じること 理解と体験
Dヨーロッパ中世のイメージとシンボル
  紋章と町 十字架とキリスト 悪魔のイメージ
Eサブカルチャーにみるオタクの記号
  ガンダムの顔という記号 「萌え」のしるし
F世界地図の歴史と記号
  TO図 木でつくった地図 地図と現実のトレース
Gシンボルとしての「美しいモノ」
  美をあらわすシンボルは決まっている 聖母マリア 神話のモチーフ
H幻獣の描かれ方
  竜のイメージ なぞの四足動物たち 妖精と元素
I野生人とサルのイメージ
  啓蒙主義 オランウータンは人間か 文明とはなにか
J〈大きな世界〉と〈小さな世界〉をあらわすシンボル
  オンラインの世界 縮尺の原理 モノの宇宙をこの手に
Kお守りのシンボル
  お守りのアクセサリー 宝石と意味 さまざまな手のかたち
L人間が認識するための記号とシンボル
  類似と類推 秩序と規範 原始的な記号

授業科目名 異文化接触論b
授業形態 秋学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、日本でもすっかりなじみとなっていたり、ヨーロッパを旅すれば必ず目にしたりするものをとりあげながら、その背景にある異文化接触について考えます。クリスマスからカフェや星占いまで、授業ごとに異なるテーマをとりあげます。
講義計画 1.異文化理解とは何だろう
2.祝祭と異文化接触@−ハロウィーンの謎
3.祝祭と異文化接触A−サンタクロースは怪物をつれている?
4.お城の庭にある木はなぜ三角なのか−ヨーロッパ宮殿の秘密
5.西洋占星術・その起源と伝承
6.マイセン陶磁器と錬金術
7.アイルランドとケルト文化
8.カフェ文化と市民社会
9.イギリス人はお酒好き−パブの社会史
10.色彩の万華鏡−色でよみとく中世美術
11.ガイドブックが教えてくれない教会の謎−迷路、怪物、黒マリア
12.文化の壁を越えて


風俗文化史

授業科目名 風俗文化史a
授業形態 春学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、「ハーメルンの笛吹き男」、「魔法使いファウスト」、「フリーメーソン」などにまつわるヨーロッパの伝説から、その語り手であった人びとの日常生活や世界観をひもといていきます。民衆音楽、魔法、都市伝説−知られざるヨーロッパ文化の一面を、豊富な画像や映像とともに紹介します。
講義計画 1.「伝説」とは何だろう
2.笛吹き男が案内する中世ヨーロッパ@−伝説と中世の世界観
3.笛吹き男が案内する中世ヨーロッパA−放浪楽師と民衆音楽の世界
4.魔法使いファウスト伝説@−占いと日常生活
5.魔法使いファウスト伝説A−魔法を使う人びと、信じる人びと
6.魔法使いファウスト伝説B−悪魔と闇の文化史
7.フリーメーソン伝説@−秘密結社の伝説と実像
8.フリーメーソン伝説A−モーツァルト『魔笛』のコードを読みとく
9.盗賊シンダーハンネス伝説−近世ヨーロッパの貧困と格差
10.都市伝説の世界@−グローバル化する伝説
11.都市伝説の世界A−最新技術と大企業をめぐる不安
12.伝説でよみとく西洋文化史

授業科目名 風俗文化史b
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  食のマナーについて、下記の事柄を考える。
1 フォーク
2 スプーン
3 ナイフ
4 箸
5 食のマナー(フランス、イギリス、日本など)
講義計画 1 食器器具について考える。
  フォークのフランスへの伝播、 今日の食用ナイフの変遷、 今日の箸の形成、など。
2 フランスやイタリヤにおける、昔の食のマナー。
  昔のマナー書に見られるフランスやイタリヤの食のマナー
3 日本の食のマナーを考える。
  昭和前半期のマナー書から、欧米のマナーに関する記述などを紹介しながら、日本の食のマナーを考える。


文化共生学専門演習

授業科目名 文化共生学専門演習(1組)
授業形態 通年
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  この授業は、卒業論文の作成を視野に入れた科目で、「卒業論文演習」への橋渡しとなる科目です。授業は演習形式の授業を行います。
 受講生には以下のテーマから自分のテーマを選び、そのテーマについて調査し、調査結果を報告してもらいます。
 報告の「てがかり」となる文献や資料は紹介し、論文作成の基礎の習得できるように訓練します。
講義計画  取り上げるテーマ
 @ リスクの問題
   輸入食品(大豆、米、牛肉、など)、エネルギー、 自然環境 など
 A マナーの問題ィ
   フランスのマナー書に見る女性、 マナーと食文化、上座と下座、など
 B 衣服・色彩の問題
   コルセットからの解放、 仕事着、 ギャルソンヌ、など
 C 女性と自立(フランス女性史の視点から)
   17世紀におけるフランス女性の状況、18世紀におけるフランス女性の状況、19世紀におけるフランス女性の状況、など

授業科目名 文化共生学専門演習(2組)
授業形態 通年
担任者名 柏木 治
講義概要  この授業は、4年次の「卒業演習」(卒業論文作成の指導)への橋渡しとなる科目です。少人数演習形式でおこなわれ、受講生の積極的な授業参加が求められます。
 春学期は、個々のトピックについて指示されるリーディング資料(最初の授業で示される文献)をあらかじめ読み(予習)、グループごとにその文献をプレゼンテーション形式で解説をする。そのあと、その問題について全員での共同討議をする――これを基本的な授業構成として進めます。資料の読解と討議をとおして、@論述にどのようなタームが使われているか、Aどのような順序で論理が展開されているか、Bどのような資料を用い、どのような手順で結論を引き出しているか、C引用や出典の明示がどんな形式でなされているか、などを吟味しつつ、レポートや卒業論文作成に必要な事柄を実践的に学んでいきます。とりあげるトピックは講義計画に示されているとおり。
 秋学期には、受講生がみずからが選んだテーマについて各自研究発表をおこない、それを論文形式にまとめる基礎訓練が予定されています。
講義計画 春学期
 授業であつかう領域とトピック(それぞれの領域に関してリーディング資料が配布され、それに基づいて授業が展開されます)
T EUにおける移民問題
   拡大政策と摩擦 いくつかの移民政策 イスラーム問題
U 身体の比較文化論
   顔と表情の比較文化 衣装・ファション・化粧 女らしさと男らしさ  
V スポーツと文化
   スポーツと社会階級 国民的スポーツの文化 健康のイデオロギー  
W 日欧文化交流の今昔
   万博という文化装置 西洋の日本文化受容 日本の西洋文化移入

秋学期
 卒業論文に向けて学生自身が選んだテーマによる研究発表、およびレポート作成。

授業科目名 文化共生学専門演習(3組)
授業形態 通年
担任者名 浜本 隆志
講義概要  1、2年次で学んだ文化共生学のテーマをより深め、それを卒業論文に展開するための橋渡しとなる演習です。各人が以下の領域のなかから自分のテーマを絞り込んでください。なおこれら以外の関心があるテーマを選択することも可能です。授業は演習形式でおこない、各人の報告が中心になります。報告の手がかりとなる文献の紹介を含め、プレゼンテーションの仕方、論文作成のための基礎的訓練をします。
講義計画 1 ヨーロッパの祭りと日本の祭り(クリスマス、バレンタインデー、カーニヴァル、復活祭、聖ヨ
   ハネ祭、正月、ナマハゲ、節分、ねぶた祭り、諏訪の御柱祭、神楽など)
2 ヨーロッパの秘密結社(テンプル騎士団、薔薇十字団、フリーメーソン、イルミナーティ、
   黒ミサ)
3 ヨーロッパの生活文化(パン、パスタ、ワイン、ビール、コーヒー、肉食、風呂、鍵、護符、
   陶磁器の食器)
4 モードとファッション(指輪、装身具、紋章、化粧、香水、コルセット、ハイヒール、髪型、
   正面と横顔の文化)
5 魔女狩り(女神のデフォルメ、魔女伝説、黒いマリア、ヴァルプルギスの夜祭、サバト、
   異端審問、魔女裁判、公開処刑)
6 ヨーロッパの結婚の習俗(結婚の歴史、結婚指輪、ケーキの由来、花嫁衣裳、現代
   の結婚式)
7 EUとマイノリティ(EUの歴史、EUの現在、多文化共生、ヨーロッパの少数民族、平和
   論)
8 森の文化と環境問題(森の文化、自然エネルギー、パーク・アンド・ライド制、自転車と
   市電、省エネ住宅、大量生産・大量消費時代を考える、食品の安全)

授業科目名 文化共生学専門演習(4組)
授業形態 通年
担任者名 森 貴史
講義概要  この授業の趣旨は、卒業論文制作の準備をするためのゼミとのことなので、個人的には、ぼくが毎年担当している1年次生用の授業「知ナヴィ」の卒論用バージョンアップ版として位置づけたいと思います。
良質な卒論を書くためには、テーマの選びかた、卒論全体の構想、論文用文章のスキルなどを身につける必要があるので、それなりに時間をかけて、履修者各自が「知ナヴィ」のときと同様に作業するときもあると考えます。その一方で、優れた研究者たちの著作を担当者が紹介することによって、卒業論文制作に必要であるような、興味深い視点や刺激的な考え方に触れたりできるような授業運営も同時におこなっていくつもりです。
講義計画  履修者の希望も取り入れますので、流動的ではありますが、以下のようなテーマやトピックを取り上げていく予定です。

■卒業論文制作スキルのために
@論文とほかの文字メディアとのちがい
A論文のさまざまなスタイル
B論文の決まりごと
Cスケジュール管理
D論文の枠組みと展開
E考察と結論の関係
F説得力のある文章
G文章の引用のしかた
H表現のメディアとしての論文

■卒業論文のテーマをみつけるために
@生活空間の文化
A病気の歴史
B食べ物の文化史
Cサブカルチャー研究の視点
D資料としての図像や映像
E空間の移動とレジャーの歴史
F「性」の問題全般についての取り扱いかた
Gイメージとシンボル
H神話と歴史と物語の研究


文化共生学専門研究

授業科目名 文化共生学専門研究a
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要  講義タイトル:エロスの庭園文化史

 本講義は、さまざまな図版や映像などを提示しながら、ヨーロッパや中近東の庭園を中心に、人間と植物との関係の歴史をお話しするものです。人間の性愛や恋愛がいかに植物や庭園と結合しているかをテーマにした「庭園の文化史」として、太古から近代までの時代を通史的にあつかいます。
講義計画  毎回の予定されるテーマを以下に挙げます。

@古代の豊穣崇拝
  授業方針と成績評価 映画『ノッティングヒルの恋人』のラストシーン 巨岩遺跡と神殿遺跡
A古代エジプトの植物と儀式
  パピルスの文化 花の香りと儀式 伝説にみる楽園の庭 
B古代ギリシャ・ローマの庭1
  アフロディテの神殿の儀式 ディオニュソス崇拝 少年愛の庭
C古代ギリシャ・ローマの庭2
  ポンペイの遺跡 エロティックな工芸品 庭園のプリアポス像
D中世の愛の庭園
  貴婦人との愛と禁欲 『トリスタンとイゾルデ』と『薔薇物語』の愛の園
Eルネサンス庭園の官能の喜び
  『デカメロン』と『ポリフィロス狂恋夢』の愛の園 ボマルツォの庭園
F太陽王の庭園
  ルネサンス期との断絶 バロック庭園 ヴェルサイユ宮
Gロココの庭園
  アフロディテのシテール島 ラインスベルク サンスーシ宮
Hイギリス庭園1
  風景式庭園 中国式庭園の導入 キューガーデン
Iイギリス庭園2
  庭園の変化する構成要素 裸体像の設置 同性愛と庭園
Jデッサウ=ヴェルリッツの庭園王国1
  啓蒙君主の造園 エロティックなモティーフ群 
Kデッサウ=ヴェルリッツの庭園王国2
  美の女神たちとプリアポス タヒチの楽園
L現代の庭園
  さまざまな公園 ふたたびノッティングヒルへ

授業科目名 文化共生学専門研究b
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  フランスのサロン(17世紀のサロン)を考える。
 フランスのサロンが果した役割さまざまな分野に及ぶ。例えば、フランス語学、フランス文学、フランスのマナー、当時の女性の思想、など。
 それで、17世紀フランスのサロンが関係する諸事項を取り上げ、この授業で考える。
講義計画  取り上げる事項
 @ 「サロン」という言葉
 A 17世紀フランスの女性とサロン
 B フランスのマナーとサロン
 C プレシオジテとプレシューズ
 D ランブィエ侯爵夫人とスキュデリー嬢のサロン


ジェンダー文化論

授業科目名 ジェンダー文化論a
授業形態 春学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  ディズニー映画で有名となったメルヘン「白雪姫」や「シンデレラ」。しかしそうした物語をつぶさに見てゆくと、ヨーロッパを生きた女性たち・男性たちの社会的立場が明らかとなります。この授業では有名なメルヘン、伝説をとりあげながら、ヨーロッパにおける男女格差の問題について考えます。また結婚の歴史や、鏡や靴のようなアイテムをとおして、女性と男性のかかわりを見ていきます。
講義計画 1.ジェンダーって何だろう
2.メルヘン・ジェンダー論@−「白雪姫」・鏡と継母の秘密
3.メルヘン・ジェンダー論A−「シンデレラ」・メルヘンのなかの女性像・男性像
4.メルヘン・ジェンダー論B−「いばら姫」・運命の女神と糸つむぎ文化
5.「愛すること」の文化史@−中世ヨーロッパの恋愛と結婚
6.「愛すること」の文化史A−近世−近代ヨーロッパの恋愛と結婚
7. アウトローの女性史@−森の義賊ロビン・フッドとマリアン
8. アウトローの女性史A−女海賊アンとメアリーの神話と実像
9.大英帝国のアーサー王伝説@−19世紀・よみがえるアーサー
10.大英帝国のアーサー王伝説A−植民地時代を生きる女たち・男たち
11.つくられる女性像・男性像−理想と現実のはざまで
12.文化史でよみとくジェンダー問題

授業科目名 ジェンダー文化論b
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  この講義では、古代の女神信仰、父権制によるそのデフォルメ、キリスト教の女性観、聖母マリアと魔女の2極分化、魔女像の形成、魔女裁判や魔女狩りの実態を検証します。その結果、魔女狩りが長いヨーロッパの歴史的経緯から発生したものであったことが理解できるでしょう。 理不尽な裁判によって、無実のまま無念の最期を遂げた女性たちをクローズアップすることによって、ジェンダーの問題を考えたいと思います。
講義計画 1 古代の女神信仰、地母神信仰
2 美女メドゥーサから怪女メドゥーサへ 、ヘビのシンボルとは何か
3 神殿娼婦とマグダラのマリア
4 ジャンヌ・ダルクと異端
5 聖女マリアと魔女の二極分化
6 中世の「賢い女性」と産婆
7 魔女飛行伝説とサバト
8 魔女狩りの狂気、集団妄想の形成
9 魔女裁判のシステム
10 拷問のマニュアルと実際
11 「鉄の処女」の虚像と実像
12 祭りと葬送儀礼としての公開処刑
13 子どもを巻き込んだ魔女狩り


文化共生学特殊講義

授業科目名 文化共生学特殊講義a
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要  講義タイトル:文化としての「大学」と「学問」

 文化研究の対象があらゆる文化であるとするならば、現代の「大学」という制度を文化研究のテーマとすることも可能なはずです。最近の日本における諸大学の改革合戦という社会現象や、もっと身近にいうと、なぜ文化共生学専修の分属希望が多いのかといったこともまた、「文化現象」として考察する発想がありうるのではないでしょうか。本講義では、現代の学生文化、教養主義の崩壊、学生が減っていく文学部の大学院など、現代の大学と(文系)学問がかかえる問題を、ヨーロッパと日本の「大学」と「学問」の歴史および文化とともに考察します。授業の進行は、履修者とできるかぎりインタラクティブにできればと思います。
講義計画  毎回のテーマは、以下のとおりです(予定)。

@「大学」という制度
  授業方針と成績評価 「大学生」という身分 高学歴難民とニートが生まれる理由
Aドイツの大学と学生文化
  ベルリン・フンボルト大学にて 学生の自立と高い税金 ドイツの大学教員の地位
Bいまどきの留学生たち
  森鴎外のドイツ留学 大学生になるために アジアからの留学生 社会人の海外留学
C世界の大学危機の時代
  200年前の大学危機 グランドツアー 通学か旅行体験か 研究と学習の融合形態
D師匠と弟子の関係
  プラトンのアカデメイア ルネサンスの芸術家 幕末の私塾 学ぶための理由
E人文科学の意義と文学部
  なぜ「Ph.D.」なのか リベラル・アーツ(自由七科) 戦後の女子高等教育機関
F「青春小説」における大学生の系譜
  夏目漱石 二葉亭四迷 島尾敏雄 三田誠広 三石由起子 村上春樹 江川達也 よしながふみ 石川 雅之
G学生文化とメディアの変遷
  メディアの変化と読書文化 映画『バブルでGO!』 ワーホリとWEBとケータイ
H「文学」から「文化」へ
  社会学とカルチュラル・スタディーズ 現代文化研究の理論 「文化」という看板
I導入教育の導入
  大学で「学ぶ」技術を「学ぶ」? アメリカの初年次教育研究 大学の泣きどころ
J教養主義とは1

授業科目名 文化共生学特殊講義b
授業形態 秋学期
担任者名 柏木 治
講義概要   ヨーロッパ近代における「他者へのまなざし」がどのように変化してきたかを検討します。
具体的には、18世紀から第二次世界大戦まで、ヨーロッパ社会のなかで非ヨーロッパ人がどのようにイメージされてきたのかを追いながら、そのイメージのまわりで生成、変遷していった文化イデオロギーを分析していきます。
 方法としては、絵画・図版に残されたさまざまな民族・人種を分析対象としてとりあげ、その背後にある「まなざし」を読み取り、また、対象の絵画や図像についての言説を分析・考察します。キーワードは、エキゾティシズム、人種、黒人、植民地、イスラーム、オリエンタリズム、奴隷解放、などです。
講義計画 @ 授業のねらいと進め方
@ 18世紀と人種論
A 美学と人種理論
B 奴隷解放の思想と絵画
C 「メデューズ号の筏」
D 「ホッテントットのヴィーナス」
E 19世紀の骨相学と民族学
F 原住民の風景
G 「黒」と「黒人」のイメージ
H オリエントはどのように描かれるか
I 世紀末のエロティシズム
J 植民地主義のカルチャー
K オリエンタリズム再考
L 総括

授業の進行状況に応じて、若干の変更はあり得る。


卒業演習

授業科目名 卒業演習(100組)
授業形態 通年
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  担当者が関心を持って調査・研究している領域は、色彩、マナー、リスク認知、花言葉です。これらを、文化、心理、言語表現(とくに、比喩表現 )など、さまざまな視点から考察しようと思っています。また、これらのテーマを、例えば、「花言葉と色」のように、それぞれの領域を関連づけて研究することも可能です。 いずれのテーマを選ぶにせよ、共生というキーワードに留意してください。
講義計画  皆さんが選んだテーマについて、毎授業時間に話し合い、相談しながら卒論をつくりあげてゆきたいと思っています。
 二ヶ月に一回、月末にレポート(4000字から6000字程度)の提出と発表を求めます。提出レポートの記述内容に関する検討を重ね、春学期と秋学期にそれぞれ一回ゼミ合宿を行い、論文の作成を加速させたいと考えています。

授業科目名 卒業演習(101組)
授業形態 通年
担任者名 柏木 治
講義概要  この授業は、卒業論文作成のための演習指導科目です。これまで勉強してきたことを基礎に、担当教員と議論を重ねながら4年間の集大成ともいうべき卒論を書き進めていきます。したがって、全体としては受講生のテーマに応じた授業展開がなされます。
 春学期は、卒業論文についての約束事など全体的な説明にはじまり、各受講生のテーマ設定および方法論の吟味、さらに中間発表が予定されています。秋学期は、本格的な執筆時期ですので、時間を区切って個別指導を中心に据える予定です。
講義計画 春学期
1 卒業論文の概要説明とタイムスケジュール(計画)
2 図書館の個別利用手続き等
3 各受講生が設定したテーマと方法論(アプローチ)の吟味
4 資料収集に関して
5 中間報告と共同討議
秋学期
 論文執筆の進捗状況にもよりますが、基本的に各学生のテーマに即した個別指導が中心となります。どうしても時間が不足しますので、添付メールのやりとりができる環境は整えておいてください。

授業科目名 卒業演習(102組)
授業形態 通年
担任者名 浜本 隆志
講義概要  1年次の入門ゼミ、2年次の基礎ゼミ、3年次の専門ゼミでの学習の集大成として、卒業論文を作成することを授業目的とします。文化と共生に関するテーマを学生諸君が決め、報告を重ねながら、ゼミを進めます。わたしの専門領域はヨーロッパ文化論、比較文化論、ジェンダー文化論、文化共生学ですが、テーマは学生諸君の最も関心のあるものを自由に選んでください。授業は主として学生諸君の発表を中心に展開されますが、仲間の発表に対しても積極的なコメントが求められます。それが自分の論文作成にも大いに参考になるからです。
講義計画 1 卒論を書くにあたっての基本的なルールの説明
2 参考文献の利用の方法
3 各人のテーマに関する報告
4 討論およびアドヴァイス
5 テーマ関連事項の補足講義
6 卒論の個別指導

授業科目名 卒業演習(103組)
授業形態 通年
担任者名 森 貴史
講義概要  本演習の最終目標は、卒業論文を完成させて、無事に提出日に提出するということなので、担当者の仕事としては、それまでのすべての作業の面倒をみるということになるでしょうか。とはいえ、一番大事なのは、履修者自身による自分が楽しんで執筆できるテーマの選定と、文章を論理的に書くための主体的な取り組みです。そのために、担当者としてはできるかぎりのお手伝いをするつもりです。担当者の基本姿勢としては、やはり「知のナヴィゲーター」卒論版を心がけます。
講義計画  履修者のさまざまな事情を考慮しますが、だいたいの予定は以下のとおりです。
 春期中には、できれば、卒論テーマの確定と、最低限の構成および結論の雛形のようなものがある程度はできあがっているような進度を目指します。
 そのあと、夏季休暇の課題として、卒業論文のだいたいの輪郭となるようなものを縮小版で仕上げてもらう予定です。この課題の成果が卒論完成版のプロトタイプになるはずです。
 秋学期は、最終的な卒業論文全体の完成を目指します。というのも、冬期休暇までに、ぼくが一度、目をとおして、さらにブラッシュアップするための時間を確保しできるよう、慮ってのことです。そして、冬期休暇中に手を入れてもらったものを年明けに提出するという進行を理想にしたいと考えています。


大学院 授業科目

M文化共生学研究 演習1

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(1組)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  文化共生学では異文化接触論、ヨーロッパと日本の比較文化論、ジェンダー論、マイノリティ論、自然との共生などをあつかいますが、本演習では最初、これらに関する全体的な概要を紹介します。そのなかから学生諸君の興味のあるテーマをいくつか選択し、これを中心に演習形式で授業を展開していきます。なお次年度、修士論文を書くための準備として、論文の書き方、参考文献のあつかい方なども説明します。
講義計画 1 最初に学生諸君に文化共生学の概要を説明します。
2 学生諸君の関心のあるテーマをいくつかピックアップします。
  例示:旅行論、祭り、食文化、モード、魔女狩り、ユダヤ人、外国人問題、環境論など
3 学生諸君の発表・報告
4 討論およびまとめ 
5 このテーマに関する補足説明をし、参考資料などを紹介します。
6 次のテーマについての発表・報告
7 上記のくり返し

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(2組)
授業形態 春学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  履修生の関心があるテーマにしたがい、授業をおこなう。論文作成の準備をする。
講義計画 @ 受講生が選んだテーマに関する文献調査・講読。
A 随時、レポート提出を求め、その記述内容について検討する。
B 論文につながるレポートを作成する。

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(3組)
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  履修生の研究テーマにそった授業を展開する。
講義計画 全体の流れとしては、
@テーマの決定
A文献・資料の収集にむけて
B資料の読解と分析

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(4組)
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要  演習タイトル:文学研究から文化研究へ
 
 本演習の内容を単刀直入にいうと、文系大学院における文学研究の不人気さの原因を追究していく一方で、それでは、今後はどんな研究をしていくべきなのかを考えていこうとするものである。
 それゆえ、同時代的に日本および世界の大学で文系の学部に所属する(あるいは所属していた)研究者のいくつかの著作を読んで、その研究の内容や視点を分析して発表してもらうといったゼミ形式をとる。
 第1回目には、履修者全員にご自分の予定する研究内容と視点を、これまでの先行研究と関係づけて、説明してもらう。これによって、本授業で取り扱う著作をしぼる予定である。
講義計画  授業担当者が取り扱うべきだと考える研究者を、以下に適当に列挙する(順不同)。かれらの著作が本授業での、いわば研究対象で、このなかから毎回の授業で発表してもらい、討論の糸口にするという段取りになる。

高山宏
巽孝之
富山太佳夫
松浦久輝
工藤庸子
鹿島 茂
種村季弘
藤代幸一
池内紀
若桑みどり
四方田犬彦
岡田温司
中野 美代子
アラン・コルバン
タイモン・スクリーチ
ハルトムート・ベーメ
フリードリヒ・キットラー
バーバラ・スタフォード

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  文化は社会規範をつくり出しますが、とくにヨーロッパでは、キリスト教的な厳しい共同体の規範が設けられ、そこから逸脱した場合、差別や排除の対象となりました。この授業では、ヨーロッパ文化の中で、逸脱したものやデフォルメされたものを取り上げ、その社会との関係を考察することにします。これは逆説的な意味において、ヨーロッパの共生社会を考える第一歩となります。
講義計画 1 デフォルメされた古代の男性神
2 デフォルメされた古代の女性神
3 悪魔の創造
4 メルジーネ伝説
5 妖怪と妖精
6 異端と異端狩り
7 狼人間
8 魔女と魔女狩り
9 権力と処刑
10 儀礼としての処刑

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  履修生が選んだテーマにしたがい授業を行う。春学期に作成したレポートを修士論文へと発展させてゆく。
講義計画  春学期作成したレポートについて、話し合い、検討を重ねる。そして、そのレポートの記述内容の充実に努め、修士論文への準備を進める。

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(3組)
授業形態 秋学期
担任者名 柏木 治
講義概要  春学期に引き続き、履修生のテーマに即して授業を展開する。
講義計画 全体の流れとしては、
@研究発表
A論文執筆に関する技術・形式等
B関係資料の講読
C修士論文前段階としてのレポートの作成と指導

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(4組)
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要  演習タイトル:文学研究から文化研究へ
 
 本演習の内容を単刀直入にいうと、文系大学院における文学研究の不人気さの原因を追究していく一方で、それでは、今後はどんな研究をしていくべきなのかを考えていこうとするものである。
 それゆえ、同時代的に日本および世界の大学で文系の学部に所属する(あるいは所属していた)研究者のいくつかの著作を読んで、その研究の内容や視点を分析して発表してもらうといったゼミ形式をとる。
第1回目には、履修者全員にご自分の予定する研究内容と視点を、これまでの先行研究と関係づけて、説明してもらう。これによって、本授業で取り扱う著作をしぼる予定である。
講義計画  授業担当者が取り扱うべきだと考える研究者を、以下に適当に列挙する(順不同)。かれらの著作が本授業での、いわば研究対象で、このなかから毎回の授業で発表してもらい、討論の糸口にするという段取りになる。

高山宏
巽孝之
富山太佳夫
松浦久輝
工藤庸子
鹿島 茂
種村季弘
藤代幸一
池内紀
若桑みどり
四方田犬彦
岡田温司
中野 美代子
アラン・コルバン
タイモン・スクリーチ
ハルトムート・ベーメ
フリードリヒ・キットラー
バーバラ・スタフォード


M文化共生学研究 演習2

授業科目名 M文化共生学研究 演習2A(1組)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  この授業では修士論文の作成のための演習指導をします。テーマは担当者と相談の上、最終的には各人で決定してください。まず、本格的に各人がテーマを掘り下げ、参考文献を収集し、それを読みこなしていかなければなりません。論文指導はそのつど個別におこないますが、テーマに関する補足授業も必要があれば実施します。そして学部の卒業論文より、レベルの高い修士論文を完成させることを目指します。
講義計画 1 テーマの設定
2 参考文献の収集
3 報告、討論
4 補足授業
5 論文指導 

授業科目名 M文化共生学研究 演習2A(2組)
授業形態 春学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  履修生の関心のあるテーマにしたがい、授業を行う。 修士論文の作成に留意し授業をする。
講義計画 @ 受講生が選んだテーマに関する文献調査・講読。
A 随時、レポート提出を求め、その記述内容について検討する。
B 修士論文につながるレポートを作成する。

授業科目名 M文化共生学研究 演習2B(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  春学期に続いて、修士論文の作成のための演習指導をします。指導はそのつど個別に毎回おこないますが、テーマに関する補足授業も必要があれば継続して実施します。冬休み前に下書きを完成させ、それを踏まえて冬休み中に清書をするという段取りで、論文にのぞんでください。そして学部の卒業論文より、レベルの高い修士論文を完成させることを目指します。
講義計画 1 文献調査および資料解読
2 論文の中間報告
3 論文の個別指導
4 補足授業
5 論文の書式、注の表記確認

授業科目名 M文化共生学研究 演習2B(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  履修生が選んだテーマにしたがい、授業を行う。春学期に作成したレポートを修士論文に仕上げる。
講義計画  春学期に作成したレポートについて、話し合い、検討を重ね修士論文に仕上げる。


M文化共生学研究(1) 講義

授業科目名 M文化共生学研究(1)A 講義
授業形態 春学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  「17世紀フランスの女性を取りまく状況」について、この授業で考えてみたい。
 上流階級の女性を取りまく状況は、伝記、覚書、日記などからわかる。しかし、一般の女性を取りまく状況を当時の資料や記録から知ることは難しい。
 それで、伝記、日記や当時の社会状況を映した文学作品などから、17世紀において女性に期待され、求められた女性像を探ろうと思う。
講義計画  1 ランブィエ侯爵夫人のサロン
   風俗の洗練、言葉の美的基準、教養人の集い など
 2 17世紀のフランス文学に見られる女性像
   フリュティエールの作品に見られる女性
   モリエールの作品に見られる女性 など
 3 17世紀フランス女性の教育と結婚

授業科目名 M文化共生学研究(1)B 講義
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  ヨーロッパと日本の文化的特質を比較し、それを踏まえて共生のあり方を考察します。授業はレジュメを配布して、講義形式でおこないます。取り上げるテーマは多岐にわたりますが、共生の根底には宗教、文化、風俗、地理的位置、世界観などのファクターが複雑にからんでいることが具体的に理解できるでしょう。
講義計画 1 ヨーロッパ文化の特質
   発信型のヨーロッパ文明:一神教との関係、十字軍の遠征、布教と植民地主義 
   ヨーロッパの共同体文化:中世都市、結社、クラブ、サロン、
   ヨーロッパの祭り:祭りの結社、龍退治、怪物クランプス
   キリスト教的共生思想:隣人愛、ボランティア、救貧施設というセーフティネット 
   ヨーロッパのメルヘンの同類結婚
   ヨーロッパの庭園、幾何学模様、人間の自然支配
2 日本文化の特質 
   受信型の日本文化:外来文化の受容、多神教 
   日本文化の自然観:自然との共生、里山の思想
   日本の祭り:祭りの結社、鬼とナマハゲ
   日本の共生思想:家族主義、村落共同体、村八分
   日本昔話の異類結婚
   日本の庭園:自然のミニチュア、借景 


M文化共生学研究(2) 講義

授業科目名 M文化共生学研究(2)A 講義
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  ヨーロッパ近代における「他者へのまなざし」を検討する。
 今期は、18世紀以降の人種問題を考えながら、「非白人」がどのようなまなざしを向けられてきたかについて、主に絵画作品から検討する。とくに黒人とムスリムの表象が中心となろう。
 授業のスタイルとしては、美術史家ヒュー・オナーの『西洋美術における黒人のイメージ』を部分的に講読しつつ、それにコメントを加えていく形で進める。また、随時ディスカッションをまじえていく予定。
実際に使用するテキストは、英語版とその仏訳版である。したがって、受講生は英語もしくはフランス語のいずれかをある程度読めることが望ましい。
講義計画  おもに取り上げるトピックは以下のとおり。
@ 授業のねらいと進め方について
A 人種理論とその美学的展開
B 奴隷解放論と「黒人」のイメージ
C 描かれた黒人の苦悩と自由への憧憬
D オリエントの誘惑
E ハーレムの描かれ方
F 肉体の氾濫
G オリエンタル・エロティシズム
H 再評価される黒人
I 総括

授業科目名 M文化共生学研究(2)B 講義
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要  講義タイトル:ヨーロッパからの異文化への視線

 本授業において考察対象となるのは、おもに古代ギリシア・ローマ以来のヨーロッパ人が、自分たちにとっての「異文化」を記したテクストである。したがって、授業内容は、これらのテクストにおける視点や思考の軌跡を通史的に追っていくものになる。講義という授業形態ではあるが、「研究者養成機関」であるという大学院の少人数授業であるのを考慮して、履修者とのインタラクティブな意見交換を授業中におこない、活発な討論が発生することを期待する。
講義計画  毎回の授業テーマのテクストは以下のとおり。

@カエサル:ガリア戦記、タキトゥス:ゲルマニア
Aストラボン:ギリシア・ローマ世界地誌、クセノフォーン:ソークラテースの思い出
Bコロンブス関係の文献(特定テクストなし)
Cモンテーニュ:エセー、ルソー:人間不平等起源論
Dモンテスキュー:法の精神、メリメ:タマンゴ、ポウ:モルグ街の殺人事件
Eデフォー:ロビンソン・クルーソー、スウィフト:ガリヴァー旅行記
Fカンペ:新ロビンソン物語、ウィース:スイスのロビンソン
Gクック:太平洋探検、ジロドゥ:クック船長航海記異聞
Hブーガンヴィル:世界周航記、ディドロ:ブーガンヴィル航海記補遺
Iカンパー、ゼメリング、ヴィルヒョーの著作(翻訳テクストなし)
Jジュール・ヴェルヌ:グラント船長の子どもたち、十五少年漂流記
Kポール・ゴーガン:ノア・ノア、ストウ:アンクル・トムの小屋