 |
主な研究分野
|
1) 色彩と心理、色彩と文化
2) フランスバロック期の研究:(言葉、マナー、女性)
3) リスク認知:リスク感、リスクとベネフィットとの関係、リスクコミュニケーションなど
|
「学びの扉」の授業内容
|
色彩が持っている力(潜在力)――たとえば暖色(赤、橙色など)は、実際の温度より暖かく感じ、寒色(青色など)は、実際の温度より寒く感じます。このような私たちの感覚器官への色彩の働きかけは、温度のみならず、距離(体感距離)、重さ(体感重力)、時間(体感時間)、味(味覚感)などに、うかがえます。色彩から受ける印象について、さまざまな視点から考察してみたいと思います。
色彩と人間関係――色彩は表現伝達の重要な役割を持ちます。感謝の気持、哀悼の気持、お祝いの気持ちなど、私たちは、実にさまざまな心情を色に託して表わし、伝えています。色は言葉の表現限界を越えて、直接心に語りかけ、人に感動を呼び起こします。色彩は、しばしば私たちにとって最も雄弁な、感情の伝達手段となります。色彩によるコミュニケーションが人間関係において果たす役割を検討します。
|
「知へのパスポート」の授業内容
|
「知へのパスポート」のI
1)「色」という言葉 2) ピンク色の誕生3) 黄色と紫色 4) ピンク、黄色、白などの色と心理
5)色と人間関係
「知へのパスポート」のII
1) 花と文化 2) 花ことば 3) 花と色 4) 花と人のかかわり
|
新入生へのひとこと
|
日常生活のなかで、気にとめないで使用している言葉や事物、習慣、風習など、身近な事柄に関心を持って、興味ある事柄を調べて欲しいと思います。意識しなければ、知覚されません。
身近な事柄から始め、それに対する関心を深めてゆく過程で、学問的広がりと深まりがでてくるのです。高校教育と大学教育の端的な違いの一つは、高校教育は、記憶する(覚える)ことが主体の教育であるのに対して、大学教育は、知識を生み出す方法や物の考え方を学ぶ教育であろうと思われます。それゆえに、大学では、関心があり、興味を引く事柄を様々な観点から自主的に調べてみる姿勢が大切です。
|
2年生以上で展開される授業内容
|
1)色彩と人の感情
色彩は言葉を越えたサインです。カラー・コミュニケーションとは、色彩が人間の感覚器官に働きか
け、色彩のシグナルやメッセージを伝え、人の心に個有の感情を引き起こす作用のことをいいます。
色彩が人間に与える影響とその色彩が持つ特性との関係を、授業で調査、考察します。そして、その考 察結果を踏まえて、色彩表象と人間関係について考えてみたいと思います。
2)マナー文化史(フランスのマナーを中心に)
マナーには、他者をおもいやる配慮があります。言葉を変えていえば、マナーには、人々が共生してゆく智恵が込められているのです。マナーの欠如が叫ばれる今日、人間社会の多様化の中で、自分が属する社会集団の中で、人々が互いにどのように他者を配慮し、共生して行くか、共生しやすい生活環境作りへのヒントを、マナー史より模索して考えます。明治期に西洋のマナーが流入してきましたが、そのマナーと西洋のマナーとの比較も授業で取り上げてみたいと考えています。
3)リスク管理の形態とリスク感
自分で管理できるリスクと他者にリスク管理を委ねざるをえないリスクがあり、どの管理形態にリスクが属するかで、私たちのリスク感が異なります。それにともない、リスク・コミュニケーションにも基本的な差が生じます。フィールド調査を行い、その調査データを分析しながら、リスク認知や文化が深くかかわるリスク判断、リスク・コミュニケーションの諸問題を考察し、人々の共生の道を探ります。
|
おすすめ図書
|
ミシェルパストウロー(石井・野崎共訳)『ヨーロッパの色彩』(パピルス社、1996年)
金子隆義『色彩の心理学』(岩波新書、1990年)
大山正『色彩心理学入門』(中公新書、2005.年)
千々岩英彰『色彩学概説』(東京大学出版会、2005.年)
松岡武著『色彩とパーソナリテイー』(金子書房、1999年)
城 一夫『色彩の宇宙誌』(明現社、1995年)
日本色彩学会編『色彩用語辞典』(東京大学出版会、2003年)
アト・ド・フリース(山下圭一郎 他訳)『イメージシンボル事典』(大修館、1998年)
春山行夫『エチケットの文化史』(平凡社、1988年)
赤木昭三・赤木富美子『サロンの思想史』(名古屋大学出版会、2003年)
リスク研究学会編『リスク学事典』(TBSブリタニカ、2000年)
大坊郁夫『しぐさのコミュニケーション』(サイエンス社、2000年)
吉川肇子『リスク・コミュニケーション』(福村出版、1999年)
|