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2010.09.28

DSIプログラムが後援しFSP研究会が開催されました

FSP研究会『文部科学省「産学連携による実践型人材育成事業」関西大学DSIプログラム』後援

◆ 日時 2010年9月21日(火) 13:20~16:45
◆ 場所 ベルクラシック甲府 (〒400-0031 山梨県甲府市丸の内1-1-17)

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FSP研究会 会場の様子

 FSP研究会では、データを活用した販売促進と売場活性化の仕組みを構築するためのノウハウを参加企業で共有し、FSPの導入から成功に導くための学習を実施しています。FSPとは、Frequent Shoppers Program(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の略で、ポイントカードなどの顧客カードを発行し、顧客ひとりひとりの購買データを把握する仕組みのことです。FSP研究会は、この領域における国内最大研究の研究会であり、業界の注目度が極めて高いことが伺える研究会です。今回開催されたFSP研究会も、100社を超える日用雑貨業界の製造、小売企業から約300人の参加者を得て、研究会が開催されました。そして、DSIプログラム履修学生による研究発表の機会を設けていいただき、協力企業からご提供していただいたデータを分析して、得られた情報や知識、そして分析手法などに関する研究の成果を、DSIプログラムを履修している学生自らが報告させていただきました。

DSIプログラム履修学生による研究発表

発表 関西大学商学部3回生 掛須亜里沙・疋田夕貴・坂本拓也
「顧客の店内行動と売上分析-購入のための滞在時間からのアプローチ-」

この発表は、顧客の店舗内での時間の使い方と売上の関係を分析したものであり、売上金額は、訪問した売場の数と売場の平均滞在時間からある程度正確に算出することが可能である点を示した。また、売場における時間の使い方に関して、各売場で扱っているカテゴリ単位での分析を行い、カテゴリに依存して顧客は売場での時間の使い方が異なる点を明らかにしていた。

%E7%96%8B%E7%94%B0.JPG 疋田夕貴%E6%8E%9B%E9%A0%88.JPG掛須亜里沙 %E5%AE%89%E6%9D%BE%E8%B0%B7.JPG安松谷高志

発表 関西大学商学部4回生 安松谷高志
「買物時間と購入確率の関連性と売場戦略」

 この発表は、買い物時間と購入確率の関係を分析しており、滞在時間と購入確率の相関を購入感度という指標で表現し、実際に売場で滞在した時間と、各売場の購入感度を用いて理想とされる滞在時間を計算し、それらの乖離を明らかにしていた。次に、チラシ広告が売場の滞在時間に与える影響を分析しており、チラシを出しても滞在時間に影響のない売場とチラシを出すと滞在秒数が短くなる売場が存在することを示していた。そして、チラシによる売場の滞在時間の変化から、売場の滞在時間を改善するためのチラシ広告の出し方に対する提案をしていた。

DSIプログラム統括責任者である矢田教授からの総括

 最初の発表に関しては、訪問売場数と滞在時間を用いた売上モデルの構築であり、重回帰分析による理論値と実測値の値はかなりよいフィッテングであったとのことである。また、売場の滞在時間の違いは、その売場で扱っている商品カテゴリに依存して異なっていることがデータから明らかにできた点を述べられた。
 2つ目の発表は、購入確率と滞在時間の相関を購入感度という指標として表現し、売場のレイアウト戦略に活用しようという試みである点を示された。

講演「FSP研究と先端研究、先端技術の融合」
関西大学商学部 教授 矢田勝俊

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矢田勝俊 教授

 
  最新のRFIDデータを用いた研究に関してのご講演であった。これまで多くの研究で用いられてきたID付POSデータだけでは、顧客の店舗内での買い回り行動は理解できないが、近年の情報通信技術の向上からRFIDタグを用いた顧客動線データが取得できる点を述べられ。矢田研究室で構築されたデータアーカイブの1つである顧客動線データを利用したこれまでの研究の成果を紹介された。

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