KANSAI UNIVERSITY

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2010.05.31

「産学連携による実践型人材育成事業」情報交換会が開催されました。

◆日程:2010年5月21日(金)
◆時間:PM 13:30 - 17:00 (17:00 より懇親会)
◆場所:関西大学東京センター
(東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9F)
◆概要
文部科学省「産学連携による実践型人材育成事業」(サービス・イノベーション人材育成)
におけるプロジェクト実施13大学による情報交換の場を設けることにより、各大学の密な連携を図り、
今後の効果的・効率的なプロジェク推進に資する。
◆参加者
平成19年度選定6大学 
(東北大学、筑波大学、東京工業大学、京都大学経営管理大学院、明治大学、西武文理大学)関係者
平成20年度選定6他大学 (滋賀大学、京都大学大学院薬学研究科、神戸大学、北陸先端科学技術大学院大学、慶應義塾大学、早稲田大学)関係者
文部科学省高等教育局専門教育課
関西大学関係者

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情報交換会プログラム
前半 プログラム内容
13:30-13:35 開会挨拶 矢田勝俊 関西大学商学部
13:35-13:40 挨拶 荒木孝治 関西大学商学部長・理事・教授
13:40-13:45 挨拶 文部科学省高等教育局専門教育課 ご担当者
13:40-13:50 関西大学におけるプログラムの取組(矢田勝俊)
13:50-14:30 関西大学商学部 DSI履修学生による研究発表(2名)
14:30-14:35 講評  元田浩 外部評価委員 
休 憩
後半 プログラム内容
15:00-15:30 平成19年度採択6大学報告
※1.東北大学、2.筑波大学、3.東京工業大学、4.京都大学経営管理大学院、
5.明治大学、6.西武文理大学
15:30-16:00 平成20年度採択6大学報告
※1.滋賀大学、2.京都大学大学院薬学研究科、3.神戸大学、
4.北陸先端科学技術大学院大学、5.慶應義塾大学、6.早稲田大学 
16:00-16:05 挨拶 文部科学省高等教育局専門教育課 ご担当者
16:00-17:00 オープンディスカッション
17:00 閉会

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◆ 開会挨拶 矢田勝俊 関西大学商学部

◆ 荒木孝治 関西大学商学部長による挨拶

 関西大学商学部の矢田勝俊教授による情報交換会開催の挨拶から始まり、次いで、関西大学商学部長の荒木教授より、DSIプログラムの関西大学商学部における位置づけを踏まえた挨拶が行われた。関西大学商学部では、いくつかのプロジェクトを先行のものからスピンオフさせて新しいものを生み出すことに取り組んでおり、DSIプログラムは、そうした取り組みの成果の1つである。また、現在は、DSIプログラム以外に、文科省のプロジェクトとして、BLSPと呼ばれるビジネスリーダーを養成するためのプログラムが動いているとのことであった。商学部では、そのようなプログラムを人的、資金面からもサポートして関西大学商学部によるプロジェクトとして成功させたいという強い思いを表明された。

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◆ 文部科学省高等教育局専門教育課 ご担当者による挨拶

 これまでに当該プロジェクトを長い間ご支援していただいている文部科学省の担当者の方からご挨拶をいただいた。サービス・イノベーションに関しては、近年、期待の高い分野であり、これから需要を生み出していかなければならない中で、創造的な人材を育てることは使命であり、この事業についてもよいプログラムをたくさん作っていただきたいと思っている。また、プログラム修了生に関しては社会に出て即戦力として活躍していただきたいと、この事業に関する想いを述べられた。


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◆ 矢田勝俊 「関西大学におけるDSIプログラムの取組」

 関西大学商学部におけるDSIプログラムの取組として、当該プログラム統括責任者の矢田より本プログラムの説明を行った。DSIプログラムは、ビジネス知識と分析スキルを持った人材の育成が目的の1つであるが、人材育成に関してプログラムから得られる成果を調査しており、その結果を報告した。また情報交換会では、各大学が実施しているプログラムによって実際にどのような成果が得られたかという点の報告が不足していたため、今回は、実際に当該プログラムによって生み出される人材とはどのようなものかを見ていただくために、DSIプログラム履修学生による発表を行う点を述べた。
また、これまでにDSIプログラムを修了した学生の活躍状況として、DSIプログラムの前身であるHIPプロジェクトの修了生約30人を対象にした調査を実施し、その中の3割強の卒業生が、自ら新商品の開発や、起業することでマスメディアに取り上げられた経験があることを示した。これらの結果は、学生時代から企業で蓄積されたデータを利用し、ビジネスを意識した学習の効果である。

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★ 関西大学商学部 DSI履修学生による研究発表

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◆ 金 東賢 「ビールの市場分析と販売促進」

 関西大学DSIプログラム履修学生による研究発表として、金 東賢による「ビールの市場分析と販売促進」というタイトルで発表を行った。この研究は、ビール、第3のビール、発泡酒を対象に、月別の販売数量の変化としてネットワーク流量推定と呼ばれる手法を適用し、カテゴリの横断的な販売数量の変化を捉え、第3のビールを中心としたカテゴリの併売が毎月繰り返して行われている点を明らかにしたものである。また、それらの事実から、特に単価の高いビールの売上数を増加させる目的で、顧客のビール消費傾向を明らかにし、特定顧客集合へ効率のよい販売促進方法を提案した。

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◆ 安松谷 高志 「買物時間と購入確率の関連性と売り場戦略」

 次に、安松谷 高志による「買物時間と購入確率の関連性と売り場戦略」というタイトルで発表を行った。この発表は、RFIDデータを利用し、各売場の商品購入確率と買い物時間の関係から、売場の特性を明確にし、各売場の特性に合わせた販売促進方法を提案するという内容である。具体的には、長く滞在してもらうことで購買に結び付く売場と、短い滞在時間でも購買に結び付く売場が存在する点を明らかにした。そして、そのことを利用し、実際に顧客がある売場で滞在した時間と、その売場で理想とされる滞在時間との乖離から、改善すべき売場を特定し、売場の改善案を提案した。

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◆ 外部評価委員 元田浩氏による講評

 本プログラムの外部評価委員であり、米国国防総省空軍科学技術局、アジア宇宙航空研究開発事務所、科学顧問である元田浩氏によって講評をいただいた。元田先生は、アメリカでは従来のコンピュータ・サイエンスとは少し違い、社会科学系の人たちが従来から研究している分野とコンピュータ・サイエンスなどを融合したソーシャル・マーケティングなどの分野に大きな注目と、お金が集まっているとのことであった。「サービス・イノベーション人材育成事業」についてもソーシャル・マーケティングと類似しているところがあり、一人の人間によって全てをカバーするスタイルではなく、複数の人材がカバーし合って物事を成し遂げるというスタイルに移行してきている。今後、日本において、人材を輩出する試みはますます重要になってくるため、サービス・イノベーションの人材育成事業は素晴らしい試みである。また、DSIプログラムは、特任教授として多くの分野の専門家とともに研究や教育をされており、履修学生の発表も商学部らしいアクティビティであり、最終年度の成果も楽しみであるとご意見をいただいた。

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★ 平成19年度採択6大学による成果報告

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◆ 東北大学経済学研究科

 1番目は、東北大学経済学研究科による取り組みに関して吉田教授よりご報告していただいた。東北大学では、「サービス・イノベーション・マネージャーの育成」を行っており、単に上手なサービスを提供する「現場の職人」を育成するのではなく、背景的知識を持ち合わせ、鳥瞰的に指示の出せるワンランク上の管理者をはじめとして、行政担当者、専門的研究者の育成に資する「新たな知」のカリキュラムの開発を目的としているとのことであった。

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◆ 筑波大学大学院システム情報工学研究科

 2番目は. 筑波大学大学院システム情報工学研究科のご報告で、根立助教よりご報告していただいた。筑波大学では、「顧客志向のサービスに関する学際的科学知識とデータ分析能力を有し、新しいビジネスモデルの創出ができる人材」を育成するための教育モデルを開発しているとのことである。また、現実のサービス業に関する顧客調査結果等を基に「教育用統合データベース」の作成などを行われている。

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◆ 東京工業大学大学院社会理工学研究科

 3番目は、東京工業大学 大学院社会理工学研究科のご報告で、荒井特任助教よりご報告していただいた。東京工業大学では、「社会的サービス価値のデザイン・イノベーター育成プログラム」を実施されており、科学技術をベースにした社会的サービス価値の創出と、イノベーションに貢献する国際的人材の輩出を目的にしている。これまで当該事業で開催されたワークショップやシンポジウムに関するご報告をしていただいた。

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◆ 京都大学経営管理大学院

 4番目は、京都大学経営管理大学院のご報告で、前川特定准教授よりご報告していただいた。京都大学経営管理大学院では、「サービス価値創造プログラム」を実施されており、それは、経済のサービス化・情報化が進展している中、無形資産に対する経済的・社会的価値を創出する最新の方法論・理念、そして、コミュニケーションスキルなどの習得を目的としたプログラムである。当該プログラムを通じて、伝統的な人類学的手法をサービスのイノベーションという観点から習得し、サービスに関する統合的なフレームワークを構築・活用し、関連産業への応用展開を図ることができる人材を育成する。

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◆ 明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科

 5番目は、明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科のご報告で、山村准教授よりご報告していただいた。明治大学では、「サービス・イノベーションの真髄を把握し、活用する人材育成プロジェクト」というタイトルでご報告していただいた。ここでは、2段階のプログラムを採用しており、1段階目では、従業員のサービス・イノベーションへの感度・レディネスを高め、日常業務の改善・革新の素地を醸成する。そして、2段階目に、新サービスの開発およびサービス・プロセス改善を実施するとのことであった。

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◆ 西武文理大学サービス経営学部

 6番目は、西武文理大学サービス経営学部のご報告で、水野専任講師よりご報告していただいた。西武文理大学では、学部生教育にケースメソッド教育を導入し、ミドルマネジャーの育成にフォーカスをあて、そして、100のケース教材を開発しているとのことであった。また、ケース教材を活用した学部生向け授業スタイルを確立しており、演習開始前には、ケース教材を配布し、学生がひとりでケース教材の設問に答えるように学習を促し、そして、演習授業では、ケース教材の内容の理解のもとグループ・ディスカッションを実施し、ケース教材と講義から何を学んだのかを整理する試みを行っているとのことであった。

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★ 平成20年度採択6大学による成果報告

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◆ 滋賀大学経済学部

 平成20年度採択大学の1番目は、滋賀大学経済学部のご報告で、只友准教授よりご報告していただいた。滋賀大学では、滋賀大学経済学部の学部教育プログラムとしてサービス・イノベーション専攻コースを新たに設置することを目的に、知的クラスターの形成と個人・企業・自治体などを超える地域イノベーション・ネットワークの形成を促進し、地域競争力の強化にコミットメントする中核的な人材の育成を行われている。

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◆ 京都大学大学院薬学研究科

 2番目は、京都大学大学院薬学研究科のご報告で、栄田特定教授よりご報告していただいた。京都大学大学院薬学研究科では、「ユビキタス健康社会の最新ニーズに対応した実践型人材育成」を実施しており、病院を中心とした医療から、在宅医療、セルフメディケーションへ移行しつつある医薬サービス分野において、イノベーションを牽引できる人材を育成する教育プログラムを開発されている。

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◆ 神戸大学経済経営研究所

 3番目は、神戸大学経済経営研究所のご報告で、伊藤教授よりご報告していただいた。神戸大学では、経営学に依拠した教材・講義方法の開発を通じてサービス・イノベーションを担う人材を育成する仕組みを創出することを目的にしている。また、理論面はコア科目、実践面はケーススタディ科目により構成され、その特徴としては、創造力の向上を目指し映像・音声による教材を新規に開発しているとのことであった。

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◆ 北陸先端科学技術大学院大学

 4番目は、北陸先端科学技術大学院大学のご報告で、小坂教授よりご報告していただいた。北陸先端科学技術大学院大学では、既存の社会人教育コースであるMOT(技術経営コース)と連携したMOS(サービス経営コース)を新設して、サービス・イノベーションを牽引するサービスイノベータを育成することを目的にされている。また報告では教育成果の調査として様々なアンケート結果のご報告をしていただいた。

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◆ 慶應義塾大学理工学部

 5番目は、慶應義塾大学理工学部のご報告で、山口教授よりご報告していただいた。慶應義塾大学では、理工学専門知識、マーケティング専門知識、実践ITスキル、長期分散型インターンシップによる体感知(エクスペリエンス)、および修士論文の5本柱を有機的に連携させた、スパイラル修士教育プログラムの開発を行っている。

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◆ 早稲田大学大学院ファイナンス研究科

 6番目は、早稲田大学大学院ファイナンス研究科のご報告で、森平教授よりご報告していただいた。早稲田大学大学院では、「金融サービス・イノベーション・マネジメント研究」に取り組まれており、金融市場を担う人材の育成のため、金融経済学、金融数理、会計、法務、コーポレート・ガバナンスなど金融経済の多面性を融合した教育プログラムを開発することを目的としている。そして、本教育プログラムは、座学、ケース、シミュレーション等を融合した参加型の教育メソッドとして実施しているとのことであった。

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◆ 文部科学省高等教育局専門教育課 ご担当者によるご挨拶
◆ オープンディスカッション

 最後にオープンディスカッションとして、各大学のプロジェクト関係者による意見交換が行われた。そして、文部科学省での「産学連携による実践型人材育成事業」の現状についての質問などがあり、文部科学省関係者の方からお答えなどをいただいた。


会場の様子

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