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文化共生学 科目一覧
↓の科目名をクリックすると、授業内容が表示されます。

【必修科目】
学びの扉
知へのパスポート1
知へのパスポート2
文化共生学専修研究
文化共生学専修ゼミ
文化共生学専門演習
卒業演習
【選択科目】
文化共生学基礎研究
異文化接触論
風俗文化史
文化共生学専門研究
ジェンダー文化論
文化共生学特殊講義
【大学院 授業科目】
M文化共生学研究 演習1
M文化共生学研究(1) 講義
M文化共生学研究(2) 講義
Mルネサンス学研究 講義



【必修科目】


学びの扉(文化共生学)

授業科目名 学びの扉(文化共生学)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志/柏木 治/澤井 茂夫/森 貴史/溝井 裕一
講義概要  この授業は文化と共生を考えるための入門講義です。文化共生学専修の5名の担当者がそれぞれの切り口から、リレー形式で講義を行います。われわれが扱う地域は主としてヨーロッパと日本ですが、異文化理解、比較文化論、文化接触、共生の問題について、どのようなアプローチをすればいいのかを提示します。この講義によって、文化共生学の多様なあり方と、その研究の楽しさをお伝えできればと願っています。
 なお、この授業の到達目標は、文化共生学専修での学びの概要を知り、とりあげるテーマおよび研究アプローチについての入門的な知識を身につけることです。
講義計画 1 日本人が驚くヨーロッパの暮らし(浜本)
  消費税が25% 婚外子が50%以上 有料トイレ ペットの安楽死 ハグという習慣 
  大聖堂と垂直志向
2 外国人が驚く日本の暮らし(浜本)
  ドアの開ける方向 車内での化粧 4畳半と盆栽の思想 レストランの料理見本 
  クジラを食べる
3 モードと文化(浜本)
  指輪の文化 アクセサリーはなぜ身に付けるのか ハイヒールの文化史 
  コルセットという身体加工
4 言葉の操り方(澤井)
  レトリック 比喩表現 コミュニケーション
5 人体と気質――観想学(澤井)
  霊魂 4つの気質 土星の影響
6 空間の魅力(澤井)
  龍安寺の石庭 禅 からっぽ
7 教会とヨーロッパの世界観(溝井)
  ロマネスク文化とゴシック文化 教会美術とケルト 教会の宇宙像
8 モンスターの博物誌(溝井)
  怪物の神話・伝説 海洋地図の怪物たち 怪物のイメージ・今むかし
9 ヨーロッパの迷信・魔法・呪術(溝井)
  さまざまな占い 魔法のある日常生活 魔術師たちの第二次世界大戦
10 中世の放浪芸人の暮らし(森)
  放浪する熊使いや曲芸師 宗教儀礼と音楽 芸人と中世教会の関係
11 電車男と源義経とイエス・キリスト(森)
  歴史はつくられる グリム童話の成立 イエスの人相書き
12 庵野秀明:演出と省略のはざまで(森)
  アニメ演出の心理描写 「エヴァンゲリオン」のメタ描写と実写挿入 変容する物語
13 「あいまい」への冒険(柏木)
  女と男のあいだ/大人と子どものあいだ 「しきり」の思想 「あいまい」文化とは...
14 グローバリゼーションと文化の共生(柏木)
  英語帝国主義 グローバル化とアメリカ化 マイノリティ文化の現在 多言語主義・多文化主義 
  文化の共生とは
15 総括と到達度の確認(柏木)

授業科目名 学びの扉(文化共生学)
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志/森 貴史/澤井 茂夫/柏木 治/溝井 裕一
講義概要  この授業は文化と共生を考えるための入門講義です。文化共生学専修の5名の担当者がそれぞれの切り口から、リレー形式で講義を行います。われわれが扱う地域は主としてヨーロッパと日本ですが、異文化理解、比較文化論、文化接触、共生の問題について、どのようなアプローチをすればいいのかを提示します。この講義によって、文化共生学の多様なあり方と、その研究の楽しさをお伝えできればと願っています。
 なお、この授業の到達目標は、文化共生学専修での学びの概要を知り、とりあげるテーマおよび研究アプローチについての入門的な知識を身につけることです。
講義計画 1 ヨーロッパの祭りと日本の祭り(浜本)
 異教とキリスト教の祭り クリスマス、カーニヴァル、バレンタインデー ヨーロッパと日本の類似祭の謎(怪物クランプスと秋田のナマハゲの習俗)
2 顔の文化史(浜本)
 ヨーロッパと日本の化粧の歴史 日本の正面顔の文化 ヨーロッパの横顔の文化
3 魔女狩り(浜本)
 女神から魔女へ マグダラのマリア伝説  黒いマリア 魔女の虚像と実像 魔女狩りの実態
4 桃源郷(澤井)
5 鬼(澤井)
6 マフィア(澤井)
7 人と自然の共生(溝井)
 野生と文明 「害獣」問題・今むかし 対立から共生へ
8 ヨーロッパの狩猟文化(溝井)
 王たちの狩り 密猟とロビン・フッド 今日の狩猟とその意義
9 海と異文化接触(溝井)
 船乗りの生活・習慣・迷信 『白鯨』と捕鯨と日本人 『海底二万海里』と植民地支配
10 「おんならしさ」と「おとこらしさ」(柏木)
 スーパーマンと癒し系 すっぴん女性と草食系男子 「らしさ」の文化
11 身体文化の東西(柏木)
 「スマイル0円」 身体と文化イデオロギー 椅子の文化と坐の文化
12 EUの諸問題(柏木)
 拡大と国家間格差 移民問題の現在 ブルカ着用の是非 EUの文化政策
13 ユダヤ人のコミュニティの暮らし(森)
 ユダヤ人差別の歴史 フランクフルトのユダヤ人の実態 現代のユダヤ人問題
14 実相寺昭雄:宇宙人のいる風景(森)
 「ウルトラセブン」と「乱歩地獄」 鏡の世界と陰影礼賛 奥行きとフレーム
15 総括と到達度の確認(森)

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知へのパスポート1(文化共生学)

授業科目名 知へのパスポートIa(1組)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  文化共生学の知へのパスポートでは、おもにヨーロッパと日本の文化に関する多様なテーマを研究することができます。
 最初に、授業のオリエンテーションをおこない、異文化理解、ヨーロッパと日本の文化の比較、祭りと習俗、女性論、文化共生学など、5つの主要テーマの概要を解説しますので、各人はその中から自分の関心のある個別テーマ見つけてください。その後、順番を決めて、ほぼ全員が報告できるようにプログラムを組みます。ただしすぐテーマが決まらない人のために、それと並行して私が下記のテーマからピックアップして、多少詳しく説明します。毎時間、ゼミ形式で授業をおこないますが、クラス仲間の報告を聞いて、知識や関心がさらに広がるような授業を目指します。 毎年、入学時にテーマが定まっていなかった学生のうち、1年生の授業を受けて、2年次の専修分属の際に、文化共生学に関心を示し、われわれの専修を希望する人もかなりいます。
 なお授業の到達目標は、多様な文化共生学の概要を理解し、入門的な知識を習得することに置いています。
講義計画 1回目:授業のオリエンテーションと以下のテーマの概要説明
2回目:テーマ選択とレジュメ作成、参考文献の使用方法の説明
[テーマの例示]
* 異文化理解:コーヒーと紅茶の文化 パンとパスタの文化 ヨーロッパ世界遺産紀行
  ツーリズム モードとファッション 占星術 中世都市の文化 大聖堂と塔の文化
  ケルトとゲルマンの文化 フリーメーソンと秘密結社 移民とムスリムのスカーフ問題
* 比較文化:色彩とイメージの比較 ヨーロッパの結婚式と日本の結婚式 ヨーロッパの庭
  園と日本の庭園 ヨ ーロッパの伝説・童話と日本昔話 ヨーロッパの巡礼と日本の巡礼
* 祭りと習俗:クリスマス カーニヴァル ハロウィーン バレンタインデー 祭りと仮面  鬼と竜
  日本の祭り ナマハゲの習俗  諏訪の御柱祭
* 女性論、ジェンダー論:女神信仰 娼婦という職業 マグダラの リアと聖母マリア
  黒いマリア 魔女狩り 非婚と婚外子 香りの文化 ハイヒールとコルセット 
  化粧の文化 ダイエットと整形  フランスのパックスという制度
* 文化共生学:ボランティア EUと多文化共生 マイノリティと外国人問題  自然エ
  ネルギーの利用 ゴミと環境問題 市電と自転車 食の安全

3回目ー4回目の授業:異文化理解についての学生のプレゼンテーション、討論
5回目ー7回目の授業:比較文化についての学生のプレゼンテーション、討論
8回目ー9回目の授業:祭りの習俗についての学生のプレゼンテーション、討論
10回目ー12回目の授業:女性論、ジェンダー論についての学生のプレゼンテーション、討論
13回目ー14回目の授業:文化共生学についての学生のプレゼンテーション、討論
15回目の授業:春学期の総括

授業科目名 知へのパスポートIa(文化共生学)(2組)
授業形態 溝井 裕一
担任者名 春学期
講義概要  この授業では、各自がヨーロッパおよび日本に関する研究テーマを選び、調べた結果を口頭発表やレポートで報告します。これをとおして、世界にはまだまだ自分が知らない考え方や価値観があることを学び、異文化理解にともなう驚きや楽しさを知ってもらえたらと思います。また自分の意見や感想
を述べることで、考える力を養うのも狙いとしています。 
 最初の授業では、プレゼンテーションの方法、レポートの書き方などを解説します。また、各自扱いたいテーマを選び、発表の順番を決定します。この授業で選択できるテーマは、下記のとおりです。
 
【授業の到達目標】 
@ 口頭発表とレポート作成を通じて、文化研究に必要な基礎知識を身につける 
A 文献の探し方、資料収集の方法を学ぶ 
B 自分で考え、自分の意見を言う力を養う
講義計画 第1週〜第3週 − メルヘン文化論 
  グリム兄弟のメルヘン収集 
  メルヘンと服飾品 
  メルヘンにおける男と女 
 
第4週〜第6週 − 神話と伝説の世界 
  『迷信事典』を読む 
  ヨーロッパの魔法信仰と『ハリー・ポッター』 
  現代の神話:H.G.ウェルズの『宇宙戦争』 
  都市伝説の日欧比較 
  異界と日本人 
 
第7週〜第9週 − アウトローと社会 
  ロビン・フッドと森 
  海賊と交易と戦争 
  現代の海賊 
 
第10週〜第12週 − マイノリティ問題 
  ヨーロッパ人とユダヤ人 
  中世の放浪者たち 
  アイヌと日本人 
 
第13週〜第15週 − 人と動物・人と植物 
  人魚物語 
  グリーンマン 
  西洋のドラゴンと東洋の龍 
  毛皮と服飾 
  自然保護の歴史 
  ヨーロッパの捕鯨・日本の捕鯨 
  日本の狩猟伝承

授業科目名 知へのパスポートIb(文化共生学)(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 柏木 治
講義概要  この授業では、具体的な事例や個々のテーマをとりあげて、関係する問題を演習形式で掘り起こします。演習形式というのは、たとえばあるテーマについて自分で調査したことを発表したり、意見交換するといった大学生の研究スタイルを指します。
 とり上げるテーマと授業の進めかたは「講義計画」に示すとおりです。大きく言って、EUや環境問題を素材に、それを「文化と共生」というテーマで考え抜くこと、また、ごく日常的な生活文化の比較をとおして日欧の文化的差異を議論し、そこから文化のバックボーンを推論すること、の二点を中心的な課題とします。
 なお、この授業の到達目標は、あるテーマについて情報を収集し、それを整理し、じぶんの視点を定めて分析を加え、その結果を報告(口頭と文章)できるようになることです。
講義計画  授業は以下の点を中心に展開します。とりあげるテーマについては、授業の進み具合、履修者数によって若干の変更が加えられることもあります。
1. 授業の概要とねらい(第1回)
  ガイダンス 演習の進めかたと注意点 「文化と共生」のまわりにはどんなテーマがあるのか
2. 具体的なテーマについて考える テーマを設定するとはどういうことか(第2〜3回)
3. インプットとアウトプットの方法について(第4〜6回)
  a 図書館をどう使うか
  b 新聞記事をどう扱うか
  c インターネットをどう利用するか
  d 参考書や研究書をどのように利用するか
  e 発表のしかた、レジュメのつくりかた
4. 学生による研究発表〔グループ発表〕(第7〜13回)  
  テーマへのアプローチ(1) 生活文化の東西
   @ 石の文化と木の文化  A 街並と景観
   B バスルームの周辺  C トイレ文化   
  テーマへのアプローチ(2) 若者文化から考える
   D ひとりランチ  E KYと文化背景
   F 文化としての集団主義と個人主義  G 草食系文化と肉食系文化 
  テーマへのアプローチ(3) グローバリゼーションとローカリゼーション
   H マクドナルドとスターバックス  I 英語中心主義
   J 抵抗するマイノリティ文化  K 「留学」の文化的意味   
5. 発表した内容からレポートの作成へ(第14回)
6. 総括(第15回)

授業科目名 知へのパスポートIb(文化共生学)(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  文化共生学の知へのパスポートでは、おもにヨーロッパと日本の文化に関する多様なテーマを研究することができます。授業内容は春学期とほぼ同様ですが、みなさんの選択するテーマが多様ですので、授業展開は異なります。
 まず最初の授業で、異文化理解、ヨーロッパと日本の文化の比較、祭りと習俗、女性論、文化共生学など、5つの主要テーマの概要を解説しますので、各人はその中から自分の関心のある個別テーマ見つけてください。その後、順番を決めて、ほぼ全員が報告できるようにプログラムを組みます。ただしすぐテーマが決まらない人のために、それと並行して私が下記のテーマからピックアップして、多少詳しく説明します。その後、テーマを決めてもらってもかまいません。毎時間、ゼミ形式で授業をおこないますが、クラス仲間の報告を聞いて、知識や関心がさらに広がるような授業を目指します。 毎年、テーマが定まっていなかった学生も、1年生の授業を受けて、2年次の専修分属の際にわれわれの専修を希望する学生がかなり多くいます。
 なお本授業の到達目標は、多様な文化共生学の概要を理解し、入門的な知識を習得することに置いています。
講義計画 1回目:授業のオリエンテーションと下記の例示テーマの概要説明
2回目:テーマの選択とプレゼンテーションの方法説明
[テーマ例示]
* 異文化理解:ヨーロッパの飲食文化 ヨーロッパ世界遺産紀行 モードとファッション 
  占星術 中世都市の文化 ケルトとゲルマンの文化 フリーメーソンと秘密結社 移
  民とムスリムのスカーフ問題
* 比較文化:ヨーロッパの結婚式と日本の結婚式 ヨーロッパの庭園と日本の庭園 ヨ
  ーロッパの伝説・童話と日本昔話 ヨーロッパの巡礼と日本の巡礼 森の文化と里
  山の文化
* 祭りと習俗:クリスマス カーニヴァル ハロウィーン バレンタインデー 祭りと仮面
  日本の祭り ナマハゲの習俗  
* 女性論、ジェンダー論:女神信仰 母権制と父権制 娼婦という職業 マグダラの
  マリアと 聖母マリア 魔女狩り 非婚と婚外子 香りの文化 ハイヒールとコルセット 
  化粧の文化 ダイエットと整形
* 文化共生学:ボランティア EUと多文化共生 マイノリティと外国人問題  自然エ
  ネルギーの利用 使い捨てと環境問題 市電と自転車 食の安全
3回目−4回目:異文化理解についての報告と討論
5回目ー7回目:比較文化についての報告と討論
8回目ー10回目:祭りの習俗についての報告と討論
11回目ー12回目:女性論・ジェンダー論についての報告と討論
13回目−14回目:文化共生学についての報告と討論
15回目:秋学期の総括

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知へのパスポート2(文化共生学)

授業科目名 知へのパスポート2a(文化共生学)
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  この授業では、具体的な事例や個々のテーマをとりあげて、関係する問題を演習形式で掘り起こします。演習形式というのは、たとえばあるテーマについて自分で調査したことを発表したり、意見交換するといった大学生の研究スタイルを指します。
 とり上げるテーマと授業の進めかたは「講義計画」に示すとおりです。大きく言って、EUや環境問題を素材に、それを「文化と共生」というテーマで考え抜くこと、また、ごく日常的な生活文化の比較をとおして日欧の文化的差異を議論し、そこから文化のバックボーンを推論すること、の二点を中心的な課題とします。
 なお、この授業の到達目標は、あるテーマについて情報を収集し、それを整理し、じぶんの視点を定めて分析を加え、その結果を報告(口頭と文章)できるようになることです。
講義計画 授業は以下の点を中心に展開します。とりあげるテーマについては、授業の進み具合、履修者数によって若干の変更が加えられることもあります。
1. 授業の概要とねらい(第1回)
  ガイダンス 演習の進めかたと注意点 「文化と共生」のまわりにはどんなテーマがあるのか
2. 具体的なテーマについて考える テーマを設定するとはどういうことか(第2〜3回)
3. インプットとアウトプットの方法について(第4〜6回)
  a 図書館をどう使うか
  b 新聞記事をどう扱うか
  c インターネットをどう利用するか
  d 参考書や研究書をどのように利用するか
  e 発表のしかた、レジュメのつくりかた
4. 学生による研究発表〔グループ発表〕(第7〜13回)  
  テーマへのアプローチ(1) 身体文化の日欧比較
   @ 顔と表情の文化  A 椅子の文化 畳の文化
   B しぐさ 身のこなし  C 服飾 モード 流行 
  テーマへのアプローチ(2) 環境と共生
   D 環境問題の文化的側面  E 捕鯨問題
   F 環境難民  G さまざまな「エコ」
  テーマへのアプローチ(3) EUの文化的諸問題
   H 各国の移民問題  I 文化政策とグローバリゼーション
   J イスラームへの視線   
5. 発表した内容からレポートの作成へ(第14回)
6. 総括(第15回)

授業科目名 知へのパスポート2b(文化共生学)
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要 授業タイトル:『劇場版 鋼の錬金術師』の舞台設定を読み解く
 『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(監督:水島精二2005年)はTV版を引き継いだオリジナルのストーリーですが、それゆえに、スタッフのこだわりがよくわかるほど、物語のディテールには第1次世界大戦後のヨーロッパ文化がなかなかうまく散りばめられています(史実とちがう部分もありますが)。この時代の西欧文化は、大正時代の日本にも多くの影響を与えたものでもありました。
 本授業では、この作品で描かれているヨーロッパの文化(および日本とも関係する文化)をひとつずつ取り上げて、授業履修者のみなさんに自由な発想で発表してもらうことになります。それゆえ、この映画の背景の細部に目が行き届くようになることも、授業の目的のひとつだといえます。
 到達目標は、1923年のミュンヘンを中心にしたヨーロッパの歴史と文化に関する知識を増やすことと、スライドソフトをつかったプレゼンテーション能力を養成することです。
講義計画  授業の第1回目はオリエンテーションで、授業の進行や成績評価について説明したり、発表担当を決めます。第2回目は発表の準備や段取りについての説明をします。
 第3回以降は、授業履修者による口頭発表となります(履修人数が多い場合は、グループで発表)。
 この作品で見られるヨーロッパの文化や歴史のトピックをもとに、発表テーマとして考えられるものの例を以下に挙げます。
@錬金術、占星術、魔術:パラケルスス、オカルトと科学、西欧のさまざまな科学や学問など
Aロックとビジュアル系:L'Arc-en-Ciel、音楽性、ファッション、ゴスロリとの関係など
Bジプシー(ロマ):マイノリティ、少数民族の問題など
Cトゥーレ協会:秘密結社の現実、フリーメイソン、宮殿騎士団、薔薇十字など
D映画文化:フリッツ・ラング、映画会社ウーファ、映画史、ハリウッドとの関係など
Eナチスとユダヤ人:ホロコースト、ファシズム、アンネ・フランク、杉原千畝など
F不老不死とタブー(禁忌):人体錬成(人工生命)、ホムンクルス、キリスト教でのタブー、未開民族のタブーなど
Gドラゴン:さまざまな幻獣、ジークフリート、聖ゲオルギウス、リヴァイアサンアジアの龍など
H白バラ:学生の反戦運動、映画『白バラの祈り』、ゾフィー・ショル、権力への市民抵抗の歴史など
I分身とドッペルゲンガー:鏡像、影、分身と闘う物語、映画『プラーグの大学生』など
Jシャンバラ:エデンの園、シャングリラ、桃源郷、さまざまな楽園とユートピアの神話
K空を飛ぶ技術:気球、飛行船、ロケット、ツェッペリン、オーベルト、フォン・ブラウンなど
Lミュンヒェンとベルリン:都市化と大衆化、伝統文化と祝祭、対立の歴史、アンチ都市物語『アルプスの少女ハイジ』など

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文化共生学専修研究

授業科目名 文化共生学専修研究1
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史/澤井 茂夫
講義概要 この授業は、専修での本格的な学びのいわば入門編の講義です。「文化共生学」という広範な領域の海図(チャート)を獲得するためのもので、さまざまな知識と視点とともに、自分はこの専修に属しているのだというアイデンティティをつちかうものでもあります。
 到達目標としては、興味深い卒論テーマを発見する視点ならびに、異文化理解の契機をみいだせるような思考を養成することです。
講義計画 担当者は、前半7回が澤井、後半8回が森です。以下に毎回のテーマを挙げます。
1.光の文化
ステンドグラス 自然光 遠近法
2.味覚
  五味 メタファー 美味学
3.造形・図像学
  マリアの絵 キリストの血 十字架
4.心(理)
  キューピット ヴィーナス 四つの試練
5.系譜(神話)
  ゼウス オリンポス 福音書
6.分類
  命名 収集 分類の分類
7.言語
  話し言葉  書き言葉  ラングとパロール
8.ドイツの町の歴史と物語
  ブラウンシュヴァイクとオイレンシュピーゲル デトモルトとヘルマン記念碑
9.文化研究理論
  「文化」の概念 社会学とカルチュラル・スタディーズ 「カルチャー」の語源
10.18世紀の修学旅行
  イギリス貴族と大学教育 古代イタリアへの憧れ イギリス国教会とカレッジ
11.時計と天文学
  経度測定と地図 月の羅針盤 航海時計の発明
12.ラビリンスと迷宮庭園
  迷路の誕生 クノッソスとアリアドネの神話 愛の迷宮
13.中心の樹と世界樹
  ユグドラシル 知恵の樹と生命の樹 樹木変身の神話
14.人体を可視化する
  劇場としての解剖 皮膚の裏側 CTスキャンと輪切り
15.総括と到達度の確認

授業科目名 文化共生学専修研究2
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志/溝井 裕一
講義概要  異文化理解や比較文化論に関するテーマを中心に講義します。みなさんが関心を
もって文化共生学を学べるよう、この授業が今後の学習目標の手引きになることを
願っています。今年度は浜本が前半7回、溝井が後半8回担当します。興味ある
テーマを取り上げますので、たんに出席するという受身の態度でなく、積極的にテーマ
にかかわり、後で自分でさらに調べるという姿勢で臨んでもらいたいと思います。
 なお授業の到達目標は、文化共生学の方法論を習得することに置いています。
講義計画 前半「異文化理解・比較文化論」:浜本隆志担当
1.アクセサリーが消えた日本史::どうして日本には1100年もの長い間、装身具文化の空
  白期があるのか。
2.プレゼントの思想:クリスマス、ナマハゲ、ポトラッチ、クラ、ボランティア
3.ヨーロッパの庭園と日本の庭:自然観の比較
4.女神信仰から魔女狩りへ
5.窓と障子の思想史:永遠性と一回性から見えてくるもの
6.身体加工の歴史:古代から現代への変遷
7.身体運動におけるヨーロッパの「回転」と日本の「すり足」の文化

後半「伝説とその世界」溝井裕一担当
8.「ハーメルンの笛吹き男伝説」と中世音楽
9.「ファウスト伝説」とヨーロッパの魔法信仰
10.「シンダーハンネス伝説」と近代のアウトロー
11.「フリーメーソン伝説」とモーツァルト
12.「野獣の主伝説」と狩猟文化
13.「都市伝説」と現代ヨーロッパ
14.「異界」のイメージ − 伝説とスピルバーグ映画
15.総括

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文化共生学専修ゼミ

授業科目名 文化共生学専修ゼミ1(1組)
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要 テーマ:衣食住の「ガジェット」について考える
 本授業はゼミという演習科目であるために、パワーポイントなどのスライドソフト使用による口頭発表を原則とします。発表のテーマは講義計画に掲載しておきます。
テーマにある「ガジェット」とは、IT分野のユニークな機能をそなえた携帯用機器をさす語として、最近、よく耳にしますが、元来は、「目新しい道具」、「おもしろい小物」という意味でもありました。こうしたものは、衣食住に関していうと、じつはもっと昔からずっと、洋の東西を問わず、われわれのごく身近に存在してきたのではないでしょうか。ヨーロッパと日本を中心としたさまざまな文化の身近な道具、設備などを比較して、その多様なちがいを発見し、なぜそのようなちがいが生じるのかを考えるのが、この授業の目的です。
 到達目標としては、日常的な道具や事物から、文化のちがいを認識し、それについて考察できる視点をやしなうことです。
講義計画 第1回目はオリエンテーションで、発表者とテーマと発表日を決めるので、欠席しないようにしてください。第2回目は、プレゼンテーションの方法や発表の段取りについてのガイダンスです。毎回の発表テーマの例を以下、おおざっぱにカテゴライズして挙げておきます。もちろん、これらとはべつのテーマ、発表者がアレンジしたものでもかまいません。
 第3回目以降は、毎回、履修者による口頭発表になります。
◎ 衣:第3回から第6回まで
 ふとんとベット、敷きもの、靴とブーツ、帽子、刺青など
◎ 食:第7回から第11回まで
 調味料、台所、食器、包丁(はさみ)、歯ブラシと歯など
◎ 住:第12回から第15回まで
 トイレ、お風呂(シャワー)、(携帯)電話、テレビとラジオ、時計など

授業科目名 文化共生学専修ゼミ1(2組)
授業形態 春学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  2年次生必修の科目です。テーマはこちらで用意していますので、そのなかで関心のあるもの、知ってみたいとおもうものがあれば出席して、積極的に研学してください。テーマは各自で自由にいくつでも選択できます。担当者はレジュメを作成してきて配布ののち、みなさんにプレゼンテイションしてもらい、質疑応答をします。 
 この授業の到達目標は、文化の幅の広さと深みを自分で掘り当て掘り下げていくことにあります。
講義計画 1.食文化(第1回―第3回) 
2.喫茶の東西文化比較論(第4回―第6回) 
3.お酒の東西比較論(第7回ー第9回) 
4.スポーツと地域の文化の関係(第10回) 
5.明治時代に生まれた日本語[翻訳文化論](第11回) 
6.魔術とは何か (第12回)  
7.魔法とは何か(第13回) 
8.ヨーロッパとは何か(どこまでがヨーロッパなのか)(第14回―第15回)

授業科目名 文化共生学専修ゼミ1(3組)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  1年次の「知へのパスポート」をさらに深めるために、入門ゼミより少し深く掘り下げた、ヨーロッパと日本にかかわる文化共生学のゼミ形式の授業をおこないます。初回の授業ではこのゼミの狙いや文献調査の方法を説明します。以下に例年、学生諸君の希望の多いテーマを記述しますが、もちろんこれ以外からでもかまいません。みなさんには、自分の関心のあるテーマを選んでもらいますが、しかし学生諸君はまだ文化共生学の全体像を把握していない人もいると思われますので、授業の2回目で私が研究方法の事例を示します。
 なお授業到達目標は、2年次で自分のテーマを確立し、3年次の本格研究の橋渡しをすることに置いています。
講義計画 1回目 授業の狙いと、文献調査方法の説明
2回目 具体的なレジュメのつくり方、研究方法の例示
3回目 例年、希望の多い研究テーマ例の説明

* ヨーロッパ生活文化研究
  コーヒー、紅茶の文化、パスタの文化、ファストフードとスローフード、ヨーロッパのファッショ
  ン、世界遺産、ツーリズム
* 祭りと習俗研究
  ケルトの祭り、クリスマス、カーニヴァル、結婚式、フリーメイソン、秘密結社など
* ヨーロッパと日本を比較する
  ヨーロッパの建築と日本の建築 魔女と山姥、ヨーロッパの竜とアジアの竜、ヨーロッパの
  庭園と日本の庭、横顔と正面顔の文化、ヨーロッパのスポーツと日本のスポーツ
* 共生研究
  EUの行方、森の文化、リサイクル、ユダヤ人・移民問題、風車と水車、自然エネルギ
  ー、ペットと安楽死、捕鯨と共生
* ジェンダー研究
  魔女狩り、黒いマリア、少子高齢化問題、非婚と婚外子 、整形とダイエット

授業は4回目から14回目までは、学生のプレゼンテーション、その後討論というかたちでおこないます。最後の15回目は総括をします。

授業科目名 文化共生学専修ゼミ2(1組)
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  下記の個別テーマに関する調査・発表・レポート作成をとおして、考える力を養うことがこの「演習」のねらいです。
 具体的な作業としては、テーマにかかわる参考書の一部をとりあげ、@そこに書かれてあることを的確に読み取る、A使われている用語を調べる、B内容を要約する、C書かれている内容について自分の意見を述べる、という一連の作業をまず行います。つぎに、この問題について意見交換をおこなったうえで、何を調べたらおもしろいかを考えてもらいます。それが決まったら、各自調査してその結果を報告するというやり方です。なお、多くの作業はグループ単位で行うことになります。
 「演習」の主役はみなさんです。大切なことは「考える」こと、そして積極的に授業に「参加する」ことです。たんに出席することではありません。
 なお、この授業の到達目標は、テーマを発見する基礎的な力を養うこと、さらにあるテーマについて議論し、グループ作業をとおして研究成果を発表するための基本を身につけることです。
講義計画 1 授業のねらいと進め方(第1回)
2 グループワークの準備(第2回)
3 グローバリゼーションを考える(第3〜5回)
  文化帝国主義 マクドナルド化 他者へのまなざし 現代日本文化の世界的受容
4 EU諸国における移民問題(第6〜8回)
  報道にみる移民問題 グローバル化とマイノリティ イスラーム 言語紛争 環境問題
5 身体文化の諸相(第9〜11回)
  モードと階級 身体表象とジェンダー スポーツと社会 しぐさの文化
6 娯楽の文化史(第12〜13回)
  酒場 アルコール飲料 カフェ文化 歓楽都市パリ
7 レポートの作成について(第14回)
6 総括(第15回)

授業科目名 文化共生学専修ゼミ2(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、「知のナヴィゲーター」で学んだスキルをいかしながら、文化共生学専修で選べるテーマについて調べていきます。はじめに、文献や資料の探し方、の調べ方、プレゼンテーションの方法、レポートの書き方を復習します。つぎに、この授業で調べることのできるテーマを与えますので、各自テーマを選び、それについて調査し、発表してもらいます。ただ、個人的に特に調べたいテーマがある場合は、それを選んでもかまいません。 
 発表、それについての質疑応答、レポートでの集約を通じて、大学だけでなく社会全体で通用する能力を身につけていきましょう。 
 
【授業の到達目標】 
@ 文化共生学における基礎知識を習得 
A 卒論に使える文献や資料を開拓 
3 プレゼンテーションとレポート執筆に必要な能力をさらに発展させる
講義計画 第1週 
授業の概要 
資料の集め方、プレゼンテーションの方法、レポートの書き方 
各自テーマを選択 
 
第2〜13週 
口頭発表と質疑応答 
 
1.異文化へのまなざし 
  万国博覧会の歴史 
  ジュール・ヴェルヌと帝国主義の時代 
 
2.服飾の文化史 
  化粧の歴史 
  記号としての衣服 
  靴の文化史 
 
3.神話・伝説における「異界」と「異人」 
  ケルトの妖精と日本の妖怪 
  キリスト教と悪魔 
 
4.人と自然の共生 
  グリーンマンとシーラ・ナ・ギグ 
  中世ヨーロッパの薬草学 
  メルヘンにおける森のイメージ 
 
5.ヨーロッパのジェンダー 
  聖女譚と魔女伝説 
  ハプスブルク帝国とジェンダー 
  世界を旅したレディ・トラベラーたち 
 
第14〜15週 
これまでの総括とレポートの準備・執筆

授業科目名 文化共生学専修ゼミ2(3組)
授業形態 秋学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  2年次生の必修科目です。文化共生学で扱うテーマの数々を当方が用意していますので、興味を抱いた人は参加してください。授業は、各自の関心のあるテーマを自由に選択してもらい、自己研究をしてもらって、みなさんの前で発表してもらいます。そのとき、プレゼンテイションの指導もします。レジュメを作成してきて、配布しながらの発表もいいでしょう。 
 この授業の到達目標は、文化共生学の幅の広さと、テーマを掘り下げることの醍醐味を味わうことにあります。
講義計画  1.ヨーロッパの秘密結社(第1回目ー第2回目) 
 2.理想都市―ユートピア論(第3回目ー第5回目) 
 3.ルネサンス文化各種(第6回目ー第8回目) 
 4.錬金術(第9回目ー第11回目) 
 5.ペット論(第12回目) 
 6.同性愛(第13回目) 
 7.キャラクターとは?(第14回目) 
 8.移民・難民(第15回目)

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文化共生学専門演習

授業科目名 文化共生学専門演習a(1組)
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要 この授業は、4年次の「卒業演習」(卒業論文作成指導)への橋渡しとなる科目です。少人数演習形式でおこなわれ、受講生の積極的な授業参加が求められます。
 個々のトピックについて指示されるリーディング資料(文献の一部、報道記事、映像・図版資料など)をあらかじめ読み(予習)、その内容をグループでまとめて報告発表し、その問題について全員で共同討議をする――これを基本的な授業構成とします。資料の読解と討議をとおして、@論述にどのような術語が使われているか、Aどのような順序で論理が展開されているか、Bどのような資料を用い、どのような手順で結論を引き出しているか、C引用や出典の明示がどんな形式でなされているか、などを吟味しつつ、レポートや卒業論文作成に必要な事柄を実践的に学んでいきます。
 とりあげるトピックは講義計画(春学期)に示されているとおり。
 なお、論文とはどういうものかを理解すること、さらに論文作成に必要な文献の読み方を身につけることがこの授業の到達目標となります。
講義計画 1. ゼミの進め方と年間計画・グループ作業の手順(第1回)
2. グループでのテーマ確定・リーディング資料の読解の手順と準備(第2〜3回)
3. グループごとの報告発表〔本年度にとりあげる予定のトピックは以下のとおり〕
T 文化接触論的観点から(第3〜6回)
 @ 文化としての「留学」
 A 食と衣における文化接触 
 B ジャポニスムとジャパニメーション 
 C EUの移民問題と文化接触(イスラーム問題、スカーフ、ブルカなど)
U 比較文化論的観点から(第7〜10回)
 D 顔加工と表情の比較文化
 E 衣装・ファッション・化粧 
 F 女らしさと男らしさ 
 G トイレ文化の東西
 H 「空気を読む」から文化を考える
V 文化政策と文化イデオロギーの観点から(第11〜13回)
 I 国際政治のなかの環境 
 J 捕鯨鯨問題の現在
 K 博覧会、展覧会、美術館という文化装置
4. 報告発表の講評と総括(第14回)
5. 前期レポートの作成〔春学期のまとめ〕(第15回)

授業科目名 文化共生学専門演習a(2組)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  1、2年次で学んだ文化共生学のテーマをより深め、それを卒業論文に展開するための橋渡しとする演習です。この授業の最初に決めたテーマを掘り下げていくのが好ましいのですが、やむをえない場合には、変更も可能です。その際には、相談してください。
なお授業は演習形式ですので、各人の報告が中心となりますが、その後、討論をおこないます。報告の手がかりとなる文献の紹介を含め、プレゼンテーションの仕方、論文作成のための基礎的訓練をします。
 なお授業の到達目標は、秋学期の演習を合わせ、3年の終了時に8000−10000字程度の卒論の基礎となるレポートを作成することに置いています。
講義計画 各人の選択したテーマのプレゼンテーションの後、討論をします。
順番は前もって授業中に確定しますが、各人、最低2回は報告しなければなりません。
この授業でも最初に次のような基礎作業をします。
1回目 共通する基本文献を呈示し、各人がそれに対してコメントをつけること。読解力の訓  練をおこないます。
2回目 1と異なる基本文献を呈示し、同様な作業をします。
3回目 資料の整理、分類の方法説明
4回目から14回目まではプレゼンテーション形式の授業となります。
15回目は総括をおこないます。

授業科目名 文化共生学専門演習a(3組)
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要  この授業の趣旨は、卒業論文制作の準備をするためのゼミとのことなので、個人的には、やはり卒論のテーマをみつけるための授業として位置づけたいと思います。
 良質な卒論を書くためには、テーマの選びかた、卒論全体の構想、論文用文章のスキルなどを身につけるために、それなりに時間をかける必要があると考えます。その一方で、優れた研究者たちの著作を担当者が紹介することによって、卒業論文制作に不可欠とされる、興味深い視点や刺激的な考え方に触れたりできるような授業運営も、同時におこなっていくつもりです。
 到達目標は、卒論のテーマと、論文全体の枠組みを決定し、序論を書き上げることです。
講義計画  履修者の希望も取り入れますので、流動的ではありますが、以下のようなテーマやトピックを取り上げていく予定です。第1回目はオリエンテーションで、顔合わせや連絡先の登録などをおこないますので、休まないようにしてください。
 第2回目以降は、図書館での演習も含めて、以下のものを取り扱います。
■卒業論文制作スキルのために:第2回から第8回まで
@論文とほかの文字メディアとのちがい
A論文の決まりごと
Bスケジュール管理
C論文の枠組みと展開
D考察と結論の関係
E説得力のある文章
F文章の引用のしかた
G表現のメディアとしての論文
■卒業論文のテーマをみつけるために:第9回から第15回まで
@生活空間の文化
A病気の歴史
B食べ物の文化史
Cサブカルチャー研究の視点
D資料としての図像や映像
E空間の移動とレジャーの歴史
F「性」をめぐるテーマ
Gイメージとシンボル
H神話と歴史と物語の研究
春学期のうちに、だいたいの卒論テーマを決定する予定です。

授業科目名 文化共生学専門演習a(4組)
授業形態 春学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、卒業論文を書くための準備をおこないます。具体的には、自分がとりあげるテーマを選択し、関連する文献や資料を読んで発表します。そしてその内容やスタイルについて、担当者とゼミの学生が質問したり、感想を述べていきます。ただし、他の学生の発表を聞くこともスキルアップには必要なので、毎回積極的に参加してください。さらに学期の終わりにレポートを書くことによって、論文執筆の訓練をします。 
 
【到達目標】 
 
なお、この授業の到達目標は、文化共生学専修で学んだスキルを完成させるとともに、卒業論文の準
備を終わらせることです。
講義計画 第1週 
 授業進行について解説 
 
第2週〜第3週 
 プレゼンテーションの方法、資料の読み方 
 発表テーマの選択 
 
第4週〜第13週 
 各テーマの発表 
 
発表テーマ(※これ以外に、自分の希望するテーマをとりあげることも可能です) 
@ 伝説・メルヘン − 心性史的アプローチ 
【中世の放浪芸人と『ハーメルンの笛吹き男伝説』】 【魔法信仰と『ファウスト伝説』】 【近世の犯罪と『義賊伝説』】 【ヨーロッパ・メルヘンの世界観】 【世界の『都市伝説』】 
A 人と自然の共生 − 文化史的アプローチ 
【ケルト人の樹木崇拝】 【熊と毛皮の文化史】 【グリーンマン】 【ヨーロッパの狩猟文化】 【動物裁判】 【動物園の歴史】 【ダーウィニズムと人種差別】 【自然保護の歴史】 【モンスターの博物誌】 
 
第14週〜第15週 
 発表に関するコメント 
 春学期のレポート執筆

授業科目名 文化共生学専門演習a(5組)
授業形態 春学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  3年次生必修の科目です。1年次・2年次と勉強してきたことの、ある意味でまとめに入る時期がこの授業です。参加者は、各自専門分野を決めて、これまでの研鑽を生かして、レジュメなどを作成・配布の上、発表してもらい、質疑応答をおこないます。教員からも積極的なアドヴァイスがあり、ときには辛辣をきわめることもあるでしょうが、それにめげずに頑張ってください。 
 この時間の到達目標は、自分の発表が、他人にどれだけ訴える力をもっているか試して、自己の力を向上させることにあります。
講義計画 1.自己紹介 
2.図書館研修 
3.研究発表の順番の決定 
4−7.卒業生の卒論を読む会 
8−15.以下、ゼミの人数にもよるが、毎回2名ずつ研究発表

授業科目名 文化共生学専門演習b(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 柏木 治
講義概要  受講生自身が選んだテーマについて各自が研究発表をおこない、それを論文形式にまとめる基礎訓練が予定されています。
 講義計画にある「準備論文」の作成が授業の到達目標です。
講義計画 1. 卒業論文とは(第1回)
2. 論文の形式について(第2回)
3. 卒業論文に向けて研究テーマの確定(第3〜4回)
4. 学生自身が選んだテーマによる研究発表(第5〜13回)
5. 準備論文の作成のために〔3年次終了時に7,000〜10,000字の「準備論文」をめざす〕(第14回)
6. 講評と総括〔秋学期のまとめ〕(第15回)

授業科目名 文化共生学専門演習b(3組)
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要  この授業の趣旨は、卒業論文制作の準備をするためのゼミとのことなので、個人的には、やはり卒論のテーマをみつけるための授業として位置づけたいと思います。
 良質な卒論を書くためには、テーマの選びかた、卒論全体の構想、論文用文章のスキルなどを身につけるために、それなりに時間をかける必要があると考えます。その一方で、優れた研究者たちの著作を担当者が紹介することによって、卒業論文制作に不可欠とされる、興味深い視点や刺激的な考え方に触れたりできるような授業運営も、同時におこなっていくつもりです。
 到達目標は、卒論のテーマと、論文全体の枠組みを決定し、序論を書き上げることです。
 基本的には、春学期とおなじです。
講義計画  履修者の希望も取り入れますので、流動的ではありますが、以下のようなテーマやトピックを取り上げていく予定です。第1回目はオリエンテーションで、顔合わせや連絡先の登録などをおこないますので、休まないようにしてください。
■卒業論文制作スキルのために:第2回から第8回まで
@論文とほかの文字メディアとのちがい
A論文の決まりごと
Bスケジュール管理
C論文の枠組みと展開
D考察と結論の関係
E説得力のある文章
F文章の引用のしかた
G表現のメディアとしての論文
■卒業論文のテーマをみつけるために:第9回から第15回まで
@生活空間の文化
A病気の歴史
B食べ物の文化史
Cサブカルチャー研究の視点
D資料としての図像や映像
E空間の移動とレジャーの歴史
F「性」をめぐるテーマ
Gイメージとシンボル
H神話と歴史と物語の研究
 予定としては、春学期に決定したおおよその卒論テーマをより具体的にして、全体のアウトライン(構成)と序論を考えていくことになります。

授業科目名 文化共生学専門演習b(4組)
授業形態 秋学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  秋学期には、卒業論文の書き方についてより細かい指導をしていきます。また各自選んだテーマについて研究発表をおこないます。 
 
【到達目標】 
 なお、この授業の到達目標は、文化共生学専修で学んだスキルを完成させるとともに、卒業論文の準備を終わらせることです。
講義計画 第1週 
  発表テーマの確定 
 
第2週〜第3週 
  卒業論文の形式 
  構成、執筆の際のルールなど 
   
第4週 
  執筆計画の決定 
  今後の展開、執筆のスケジュールなどを決めます 
 
第5週〜第14週 
  研究発表 
  (研究テーマについては、「文化共生学専門演習a」を参照のこと) 
 
第15週 
  総括

授業科目名 文化共生学専門演習b(5組)
授業形態 秋学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  3年次生の必修科目です。3年の秋学期は、研究成果が少しずつ表面化してくる時期に相当します。各自、レジュメなどを作成して、すでに自分のものとなているテーマをより深めて、いっそうの専門性をもたせていくことが求められますし、授業もその方向で進められます。 
 この時間の到達目標は、自分の研究に専門性が加味されて、みなの知的関心をおおいに惹き寄せるまでに至るように、発表の水準を上げることにあります。
講義計画 1.近況報告、発表の順番の決定 
2−13.研究発表。 
14.論文の書き方などの講義。 
15.冬休みに小論文をかいて、年明けに提出してもらう。それを春休みに返却するので、返信用封筒に140円切手をはって、提出のこと。拝読・評価して春休みに返信。この小論文が卒論の素となる―そのような小論文をかいてほしい。小論文は、400字詰め原稿用紙20枚前後。

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卒業演習

授業科目名 卒業演習
授業形態 通年
担任者名 柏木 治
講義概要  この授業は、卒業論文作成のための演習指導科目です。これまで勉強してきたことを基礎に、担当教員と議論を重ねながら4年間の集大成ともいうべき卒論を書き進めていきます。したがって、全体としては受講生のテーマに応じた授業展開がなされます。
 春学期は、卒業論文についての約束事など全体的な説明にはじまり、各受講生のテーマ設定および方法論の吟味、さらに中間発表が予定されています。秋学期は、本格的な執筆時期ですので、時間を区切って個別指導を中心に据える予定です。
 なお、到達目標はいうまでもなく卒業論文の完成です。
講義計画 春学期
1 卒業論文の概要説明とタイムスケジュール〔計画〕(第1回)
2 図書館の個別利用手続き等(第2回)
3 各受講生が設定したテーマと方法論(アプローチ)の吟味(第3回)
4 資料収集に関して(第4回)
5 中間報告と共同討議(第5〜14回)
6 春学期の総括(第15回)

 秋学期
1 個別指導のガイダンス(第1回)
2 個別指導(第2〜7回)
3 卒業論文の形式についての全体注意(再確認)(第8回)
4 個別指導(第9〜13回)
5 卒業論文の最終確認(第14回)
6 総括と反省(第15回)

 秋学期は、論文執筆の進捗状況にもよりますが、基本的に各学生のテーマに即した個別指導が中心となります。どうしても時間が不足しますので、最低限添付メールのやりとりができる環境は整えておいてください。

授業科目名 卒業演習
授業形態 通年
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  卒業論文執筆を控え、それにそなえるためにどうすればよいかを具体的に学びます。小論文の執筆や新聞の社説の要約を、それに論文執筆の解説書などを参考にしながら、研究内容をどうすれば、簡潔明瞭に文章化できるか、構成はいかにすれば相手に伝わりやすいかを研鑽します。 
 この時間の到達目標は、自分の文章力や構成力を熟知するくらいの分量の鍛錬をつむことにあります。
講義計画 1.近況報告、発表の順番の決定 
2−12.すでに、自分のテーマについて小論文にしてあるので、今度は卒論を想定して、「目次」を発表してもらう。 
13.夏休みに卒論第1稿を書いて、秋学期の初回のゼミのとき提出。 
14.以後、個人研究室を利用して、一人ずつ呼び出して指導。完成稿に至るまで(12月20日ころ)まで指導を受ける。つまり、書き直し。 
15.冬休みに完成稿をつくって、年明けに教務に提出。 

授業科目名 卒業演習
授業形態 通年
担任者名 浜本 隆志
講義概要  1年次の入門ゼミ、2年次の基礎ゼミ、3年次の専門ゼミでの学習の集大成として、卒業論
文を作成することを授業目的とします。文化と共生に関するテーマを学生諸君が決め、報告を重ねながら、ゼミを進めます。わたしの専門領域はヨーロッパ文化論、比較文化論、ジェンダー文化論、文化共生学ですが、テーマは学生諸君の最も関心のあるものを自由に選んでください。授業は主として学生諸君の発表を中心に展開されますが、仲間の発表に対しても積極的なコメントが求められます。それが自分の論文作成にも大いに参考になるからです。到達目標はいうまでもなく、卒業論文 の完成です。
講義計画 1 卒論を書くにあたっての基本的なルールの説明
2 参考文献の利用の方法
3 各人のテーマに関する報告
4 討論およびアドヴァイス
5 テーマ関連事項の補足講義
6 卒論のプレゼンテーションおよび個別指導
以下、15回まで6の繰り返し。

授業科目名 卒業演習
授業形態 通年
担任者名 森 貴史
講義概要  本演習の最終目標は、卒業論文を完成させて、無事に提出日に提出するということなので、担当者の仕事としては、それまでのすべての作業の面倒をみるということになるでしょうか。
 とはいえ、一番大事なのは、履修者自身による自分が楽しんで執筆できるテーマの選定と、文章を論理的に書くための主体的な取り組みです。そのために、担当者としてはできるかぎりのお手伝いをするつもりです。担当者の基本姿勢としては、やはり「知のナヴィゲーター」卒論版を心がけます。
 到達目標は、担当者の指導によって一定以上の評価がなされる卒業論文の完成です。
講義計画  履修者のさまざまな事情を考慮しますが、だいたいの予定は以下のとおりです。
春学期:最終的な卒論テーマの確定と、最低限の構成および結論の雛形のようなものがある程度はできあがっているような進度を目指します。
 そのあと、夏季休暇の課題として、卒業論文のだいたいの輪郭となるようなものを縮小版で仕上げてもらう予定です。この課題の成果が卒論完成版のプロトタイプでガイドラインになるはずです。

@文献の収集と読み込み:第1回から第3回
A全体構成と結論の方向づけ:第4回から第6回
B基本的な文章作法:第7回から第9回
Cほかのゼミ履修者の書き方の比較検討:第10回から第12回
Dアウトラインの完成:第13回から第15回

 秋学期:実際に書いた原稿の検討と手直しを中心におこなって、最終的な卒業論文全体の完成を目指します。というのも、冬期休暇までに、ぼくが一度、目をとおして、さらにブラッシュアップするための時間を確保しできるよう、考慮してのことです。そして、冬期休暇中に手を入れてもらったものを年明けに提出するという進行を理想にしたいと考えています。

@原稿の実際的な検討:第1回から第3回
Aほかのゼミ履修者の原稿の比較検討:第4回から第6回
B文献と図版の引用方法と脚注:第7回から第9回
C目次とサブタイトルの校正:第10回から第12回
D全体および最終チェック:第13回から第15回

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【選択科目】


文化共生学基礎研究

授業科目名 文化共生学基礎研究a
授業形態 春学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  近年、マスメディアでは食のリスクに関する報道が多い。例えば、BSE問題、 食品表示偽装問題、クローン牛の問題、輸入食品の残留農薬問題、遺伝子 組み替え問題等。
 私たちは、食のリスクの現状をどれほど知っているのだろうか? 食による健康管 理は基本的に各自に委ねられているので、自分の健康管理には、食のリスクの現状をよく把握することが大切です。そして、食のリスクを学び、うまくリスク対応することが必要です。食のリスク知識がなければ、健康管理に必要な食のリスク判断も、リスク対応もできません。それで、食のリスクについて、この授業で考えてみたいと思います。
 本講義の目標
 @平素見過ごしている食のリスクの現状を認識すること
 A食のリスクを学び、自分なりのリスク判断とリスク対応ができるようになること
講義計画  次のテーマについて講義します。
第一週 〜 第四週
 私たちは、リスクをどのように認知するか? 
 日常食べているものは安全か?
 自動車と原子力発電所とはどちらが危険か?
 専門家のリスク認知と一般の人々のリスク認知
 リスクとはなにか?
第五週 〜 第ハ週
 私たちにリスクはどのよっに伝えられているか?
 マスメディアが伝える情報をどのように読み、判断するか?
 ネガティヴ情報とポジテイヴ情報について
 情報の伝わり方
第九週 〜 第十二週
 BSE問題から何を学ぶか? 輸入食品におけるリスクの現状とその問題
 クローン牛の問題、食品表示の問題、遺伝子組み換えの問題、食の自給率
 とフードバンク、残留農薬の問題

第十三週 〜 第十五週
 Risk communication、 EUにおける食の安全への取り組み

授業科目名 文化共生学基礎研究b
授業形態 秋学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、歴史のなかで人が自然とどうかかわってきたか、自然との共生は可能かを考えます。具体的には、グリーンマン、メルヘン、動物園など、ヨーロッパ文化のさまざまな表象を手がかりとしながら、その背景にある自然観を見ていきます。さらに、そこから何を学ぶべきかを問います。また人と動植物のかかわりを見ていくなかで、ヨーロッパ文化の知られざる一面もあきらかとなるでしょう。
 豊富な図像・映像とともに、ふしぎの森をのぞいてみませんか。  
 
【本講義の到達目標】 
1.表象をもとに、異文化を理解する方法を身につける 
2.環境問題を文化論の立場から考えるという、新しい視点を導入する 
3.人文科学と自然科学の知識を融合することで、より広い視野に立ってものを考える力を獲得する
講義計画 1.自然との共生を考える 
2.グリーンマンと森のヨーロッパ@−樹木崇拝とキリスト教  
3.グリーンマンと森のヨーロッパA−中世の人びとから見た森 
4.変身物語のふしぎ@−メルヘンにおける人と動物  
5.変身物語のふしぎA−人狼奇譚 
6.驚きの中世ヨーロッパ@−仰天判決!動物裁判 
7.驚きの中世ヨーロッパA−象徴の森に生きる人と動物  
8.動物園の文化史@−メナジェリーと「驚異の間」  
9.動物園の文化史A−植民地支配と動物園  
10.ビーグル号がゆく−ダーウィニズムとヨーロッパ社会 
11.ナチス・ドイツの自然観@−進化論と人種差別  
12.ナチス・ドイツの自然観A−動物保護と支配のかたち  
13.ロード・オブ・アニマルズ@−狩猟文化のメッセージ 
14.ロード・オブ・アニマルズA−伝承で学ぶ自然との共生 
15.総括

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異文化接触論


授業科目名 異文化接触論a(1組)
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要 講義タイトル:「シンボルと記号とイメージと」
 本授業では、ヨーロッパを中心にさまざまなシンボルや記号について論じます。紋章や国旗のほか、さまざまな図像やマークには、多くの意味がこめられているのはすなわち、いろいろな文化がそれぞれ独特の記号やシンボルをもっていることの表れです。このようなシンボルや記号をさまざまな文化事象・現象から発見し、その不思議さやおもしろさを論じていく予定です。
 到達目標は、日常生活のなかから、シンボルや記号をみいだし、これについて考察できる視点を養成することです。
講義計画

  1回ごとの講義テーマは、以下のとおりです(予定)。
@記号とシンボルの世界
  しるしと記憶 意味と象徴 メディアとしてのシンボル
A18世紀の絵本の記号
  コメニウス 絵とシンボル 子どもの視覚教育 ファンタジーとシンボル
B都市の文化と歴史
  市章のデザイン ベルリンの交通機関 ケルンのシンボル
Cシンボルの集合体としての庭園
  さまざまな要素 人工・技術と自然 記号を隠す 庭園と人間
D秘密結社のシンボルと記号
  フリーメーソン 象徴から感じること シンボルと儀式 モーツァルト『魔笛』
Eヨーロッパ中世のイメージとシンボル
  生と死 十字架とキリスト教 神と悪魔 排泄物のイメージ
Fサブカルチャーにみるオタクの記号
  ガンダムの顔という記号 メイドカフェと「萌え」 流行のメカニズム
G世界地図の歴史と記号
  TO図 木でつくった地図 地図と現実のトレース 地図に歴史を描きこむ
Hシンボルとしての「美しいモノ」
  美の公式 ヴィーナスの歴史 醜の理論 ヒエロニムス・ボス「快楽の園」
I幻獣の描かれ方
  ドラゴンとバジリスク なぞの四足動物たち 「怪物」の定義
J野生人とサルのイメージ
  啓蒙主義 オランウータンは人間か 文明とはなにか
K〈大きな世界〉と〈小さな世界〉をあらわすシンボル
  オンラインの世界 縮尺の原理 カオスとコスモス モノの宇宙をこの手に
Lお守りのシンボル
  お守りのアクセサリー 魔除けの風習 宝石と意味 さまざまな手のかたち
M人間が認識するための記号とシンボル
  アステカ文明の人体シンボル 両性具有と性別 異文化理解とは
N授業全体のまとめと確認


授業科目名 異文化接触論a(2組)
授業形態 春学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、日本でもすっかりなじみとなっていたり、ヨーロッパを旅すれば必ず目にしたりするものをとりあげます。クリスマス、カフェ、星占いなど、みなさんもよく知っているものが、過去の異文化接触をつうじて生まれてきたことを学ぶでしょう。1〜2回ごとに、新しいテーマをとりあげていく予定です。 
 
【授業到達目標】 
@ 身近なものの歴史を通じて、異文化接触の経緯とその結果を知る 
A 講義の内容を通じて、異文化理解の具体的な方法を学ぶ 
B ヨーロッパにおける多様な考え方や価値観を知ることで、視野を広げる
講義計画 第1週 【異文化理解とは何だろう】  
第2〜3週 【祝祭の宇宙】 
 ハロウィーンの謎 
 不気味なクリスマス 
第4〜5週 【ヴェルサイユ宮殿の秘密】 
 城塞から宮殿へ 
 ヴェルサイユ宮殿とルイ14世の計画 
第6〜7週 【西洋占星術・その起源と伝承】 
 星占いの理論とは 
 星占いとヨーロッパの日常生活  
第8週 【マイセン磁器と錬金術】 
 東西貿易とマイセン磁器の誕生 
 錬金術の理論と歴史 
第9〜10週 【カフェ文化と市民社会】 
 カフェの起こりと異文化交流 
 カフェとヨーロッパ市民社会 
第11週 【イギリス人はお酒好き−パブの社会史】 
 古代〜中世の飲酒文化 
 イギリス社会におけるパブの機能 
第12週 【旅行ガイドが教えてくれない教会の謎】 
 教会の様々な怪物たち 
 黒いマリアの秘密 
第13〜14週 【物語 アイルランド音楽】 
 アイルランド音楽の特徴 
 イギリスによる支配とナショナリズム 
第15週 【総括】

授業科目名 異文化接触論b(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業では、日本でもすっかりなじみとなっていたり、ヨーロッパを旅すれば必ず目にしたりするものをとりあげます。クリスマス、カフェ、星占いなど、みなさんもよく知っているものが、過去の異文化接触をつうじて生まれてきたことを学ぶでしょう。1〜2回ごとに、新しいテーマをとりあげていく予定です。 
 
【授業到達目標】 
@ 身近なものの歴史を通じて、異文化接触の経緯とその結果を知る 
A 講義の内容を通じて、異文化理解の具体的な方法を学ぶ 
B ヨーロッパにおける多様な考え方や価値観を知ることで、視野を広げる
講義計画 第1週 【異文化理解とは何だろう】  
第2〜3週 【祝祭の宇宙】 
 ハロウィーンの謎 
 不気味なクリスマス 
第4〜5週 【ヴェルサイユ宮殿の秘密】 
 城塞から宮殿へ 
 ヴェルサイユ宮殿とルイ14世の計画 
第6〜7週 【西洋占星術・その起源と伝承】 
 星占いの理論とは 
 星占いとヨーロッパの日常生活  
第8週 【マイセン磁器と錬金術】 
 東西貿易とマイセン磁器の誕生 
 錬金術の理論と歴史 
第9〜10週 【カフェ文化と市民社会】 
 カフェの起こりと異文化交流 
 カフェとヨーロッパ市民社会 
第11週 【イギリス人はお酒好き−パブの社会史】 
 古代〜中世の飲酒文化 
 イギリス社会におけるパブの機能 
第12週 【旅行ガイドが教えてくれない教会の謎】 
 教会の様々な怪物たち 
 黒いマリアの秘密 
第13〜14週 【物語 アイルランド音楽】 
 アイルランド音楽の特徴 
 イギリスによる支配とナショナリズム 
第15週 【総括】

授業科目名 異文化接触論b(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要   ヨーロッパ文化をずっと支配しつづけてきたキリスト教文化に対抗する形で地下の鉱脈を生きてきた「錬金術」に焦点をあてて、錬金術とは何かを講義したいとおもいます。キリスト教文化とはまったく別の文化に遭遇するでしょう。エジプト、ギリシア、アラビア、ヨーロッパと、その歴史をたどるだけでも異文化との接触を如実にあらわしています。多少、難解な個所がありますが、「賢者の石」が入手可能かどうかも興味がわくところです。「金」はいったい人工でできるのか?! この時間の到達目標は錬金術を糧として地中海の文化をまなんでみることです。
講義計画 1.錬金術の起源 
2.「黒い土地の技」 
3.錬金術の思想的文化的位置 
4.錬金術の原理 
5.さまざまな作業 
6−9大いなる作業 
10−11自然と病気 
12−15.自然の営み

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風俗文化史

授業科目名 風俗文化史a(1組)
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  「風俗」とは、ある集団に属する人びとに共通する慣習、社会が暗黙のうちに課している規範やふるまいの作法、宗教的儀礼や習俗など、幅広い意味をもつ言葉です。この講義では、とくにフランス、イタリアを中心とするヨーロッパ地中海地域に焦点を定め、近代以降の「風俗」を文化史的な視座から検討します。
 具体的なテーマは講義計画に示すとおりですが、これらをとおしてヨーロッパ文化の一面を自分なりの視点で捉える訓練をしてください。一見表層的なトピックがならんでいるようにみえますが、問題はその背後にある文化の構造を読み解くことです。
 授業の到達目標としては、@授業内容をしっかり理解すること、Aそれぞれのテーマごとに示される関係文献にできるだけ目を通す努力をすること、です。
講義計画 1 授業をはじめるにあたって
  授業の目的とねらい 授業の進めかた 評価について 注意点 
2 「風俗」という語を考える
   「風俗」 「世俗」 「習俗」 「フーゾク」 「MOS」(ラテン語)
3 入浴の風俗
  共同風呂 浴室空間の東西 清潔と衛生の思想 身体を管理する 
4  トイレ文化の今昔
   「流す」と「ためる」 「拭く」と「洗う」 汚物処理 トイレと差別 トイレの神様
5 礼儀と作法の文化
  革命とマナー ヨーロピアン・マナーの黄金時代 内なるエチケット 公共の場では 無礼への罰  
6 娯楽のなかの風俗
  ムーラン・ルージュをつくった男 モンマルトルの光と陰 トゥールーズ=ロートレックが描いた人びと
7 カフェ文化再考
  カフェとは 歴史のなかのカフェ文化 カフェとジェンダー 文化人とカフェ
8 嗜好品文化
  チョコレートを旅する コーヒーと紅茶 タバコの威力とマナー 禁煙の思想と文化
9 衣装と化粧の風俗
  拘束と解放 顔を変える 男服と女服 戦争と衣服 スポーツと衣服
10 ヨーロッパのなかの「アメリカ」
  新大陸がもたらしたもの ヨーロッパ人はアメリカをどうみてきたか アメリカ対ヨーロッパ
11 博覧会のなかの風俗文化
  植民地の風俗 見せ物という装置 博覧会と差別 人間動物園
12 オペラが語る
  イタリア人とオペラ 19世紀オペラ文化 オペラのなかの異文化 オペラを観る人びと
13 バレーと踊り子たち、女優たち
  バレーのルーツ ルイ14世 オペラ座のねずみ 女優とパトロン 踊り子の生活 女優の地位
14 性風俗と文化史
  娼婦の位階 性風俗のなかの女と男 性風俗がうみだした文化 性と病
15 総括および到達度の確認

授業科目名 風俗文化史a(2組)
授業形態 春学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  色彩を文化、歴史、心理から考える。
 色彩が持つ識別性に、人々がおこなう意味付けによって色彩のイメージが構築されるが、そこには民族の色とのかかわり方や地域性などさまざまな要素が反映されている。色彩が持つ力や色彩から受ける感情など、色が心におよぼす影響、色彩力、色彩文化や色感などについて考えてみたい。
本講義の目標
@色彩による民族のイメージ・評価の相違を知る。
A色彩効果を学ぶ:カラーセラピー、心のケア―と色、色彩戦略(色彩と消費行動)
講義計画  授業では、主として下記テーマを取り上げる。
1 色彩の歴史と文化
 色のイメージ、花言葉と色、国旗と色、紋章と色、色と言葉、男性色と女性色、色の好き嫌い、色彩の歴史的評価など様々な視点から、色彩を考える。
 第一週 〜 第四週
 赤の歴史、赤の評価、赤と花言葉、赤のイメージ、国旗と赤、赤と言葉(英英辞書、仏仏辞書などに表れた赤)、赤と心理、ピンク色の歴史、ピンクと花言葉、ピンクと言葉、ピンクとイメージ、ピンクと評価、ピンクと心理
 第五週 〜 第ハ週
黄色の歴史、黄色の評価(西洋と東洋)、黄色と花言葉、西洋における黄色の復権、
国旗と黄色、黄色のイメージ、黄色と金色、黄色と言葉、青の歴史、青の評価、国旗と青、宗教と青、青のイメージ、青と心理
第九週 〜 第十二週
白の歴史、白のイメージ、白と花言葉、国旗と白、白と喪服、白と言葉、白と心理、
黒の歴史、黒と宗教、黒のイメージ、黒と喪服、黒の評価、ココ シャネルと黒、黒と心理、紫色と評価、紫色のイメージ、紫色と心理、グレーとイメージ、グレーと心理
2 色彩調査
第十三週 〜 第十五週
 言語色彩同定法の調査結果から、色と感情や色のイメージを考察する。色彩心理の視点から色を考え、カラーセラピー、企業の色彩戦略など色彩効用の面を考察したい。
@ 言葉と連想色
A 連想色と色感
B 日本の大学生とアメリカの大学生の連想色比較
C 日本の大学とアジアの大学生の連想色比較

授業科目名 風俗文化史b(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  色彩を文化、歴史、心理から考える。
 色彩が持つ識別性に、人々がおこなう意味付けによって色彩のイメージが構築されるが、そこには民族の色とのかかわり方や地域性などさまざまな要素が反映されている。色彩が持つ力や色彩から受ける感情など、色が心に及ぼす影響、色彩力、色彩文化や色感などについて考えてみたい。
本講義の目標
@色彩による民族のイメージ・評価の相違を知る。
A色彩効果を学ぶ:カラーセラピー、心のケア―と色、色彩戦略(色彩と消費行動)
講義計画  授業では、主として下記テーマを取り上げる。
1 色彩の歴史と文化
  色のイメージ、花言葉と色、国旗と色、紋章と色、色と言葉、男性色と女性色、色の好き嫌い、色彩の歴史的評価など様々な視点から、色彩を考える。
 第一週 〜 第四週
 赤の歴史、赤の評価、赤と花言葉、赤のイメージ、国旗と赤、赤と言葉(英英辞書、仏仏辞書などに表れた赤)、赤と心理、ピンク色の歴史、ピンクと花言葉、ピンクと言葉、ピンクとイメージ、ピンクと評価、ピンクと心理
 第五週 〜 第ハ週
黄色の歴史、黄色の評価(西洋と東洋)、黄色と花言葉、西洋における黄色の復権、
国旗と黄色、黄色のイメージ、黄色と金色、黄色と言葉、青の歴史、青の評価、国旗と青、宗教と青、青のイメージ、青と心理
   第九週 〜 第十二週
白の歴史、白のイメージ、白と花言葉、国旗と白、白と喪服、白と言葉、白と心理、
黒の歴史、黒と宗教、黒のイメージ、黒と喪服、黒の評価、ココ シャネルと黒、黒と心理、紫色と評価、紫色のイメージ、紫色と心理、グレーとイメージ、グレーと心理
2 色彩調査
 第十三週 〜 第十五週
 言語色彩同定法の調査結果から、色と感情や色のイメージを考察する。色彩心理の視点から色を考え、カラーセラピー、企業の色彩戦略など色彩効用の面を考察したい。
@ 言葉と連想色
A 連想色と色感
B 日本の大学生とアメリカの大学生の連想色比較
C 日本の大学とアジアの大学生の連想色比較

授業科目名 風俗文化史b(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 柏木 治
講義概要  「風俗」とは、ある集団に属する人びとに共通する慣習、社会が暗黙のうちに課している規範やふるまいの作法、宗教的儀礼や習俗など、幅広い意味をもつ言葉です。この講義では、とくにフランス、イタリアを中心とするヨーロッパ地中海地域に焦点を定め、近代以降の「風俗」を文化史的な視座から検討します。
 具体的なテーマは講義計画に示すとおりですが、これらをとおしてヨーロッパ文化の一面を自分なりの視点で捉える訓練をしてください。一見表層的なトピックがならんでいるようにみえますが、問題はその背後にある文化の構造を読み解くことです。
 授業の到達目標としては、@授業内容をしっかり理解すること、Aそれぞれのテーマごとに示される関係文献にできるだけ目を通す努力をすること、です。
講義計画 1 授業をはじめるにあたって
  授業の目的とねらい 授業の進めかた 評価について 注意点 
2 「風俗」という語を考える
   「風俗」 「世俗」 「習俗」 「フーゾク」 「MOS」(ラテン語)
3 入浴の風俗
  共同風呂 浴室空間の東西 清潔と衛生の思想 身体を管理する 
4  トイレ文化の今昔
   「流す」と「ためる」 「拭く」と「洗う」 汚物処理 トイレと差別 トイレの神様
5 礼儀と作法の文化
  革命とマナー ヨーロピアン・マナーの黄金時代 内なるエチケット 公共の場では 無礼への罰  
6 娯楽のなかの風俗
  ムーラン・ルージュをつくった男 モンマルトルの光と陰 トゥールーズ=ロートレックが描いた人びと
7 カフェ文化再考
  カフェとは 歴史のなかのカフェ文化 カフェとジェンダー 文化人とカフェ
8 嗜好品文化
  チョコレートを旅する コーヒーと紅茶 タバコの威力とマナー 禁煙の思想と文化
9 衣装と化粧の風俗
  拘束と解放 顔を変える 男服と女服 戦争と衣服 スポーツと衣服
10 ヨーロッパのなかの「アメリカ」
  新大陸がもたらしたもの ヨーロッパ人はアメリカをどうみてきたか アメリカ対ヨーロッパ
11 博覧会のなかの風俗文化
  植民地の風俗 見せ物という装置 博覧会と差別 人間動物園
12 オペラが語る
  イタリア人とオペラ 19世紀オペラ文化 オペラのなかの異文化 オペラを観る人びと
13 バレーと踊り子たち、女優たち
  バレーのルーツ ルイ14世 オペラ座のねずみ 女優とパトロン 踊り子の生活 女優の地位
14 性風俗と文化史
  娼婦の位階 性風俗のなかの女と男 性風俗がうみだした文化 性と病
15 総括および到達度の確認

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文化共生学専門研究

授業科目名 文化共生学専門研究a
授業形態 春学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  16世紀ヨーロッパのマナーを考える。当時ヨーロッパで広く読まれ、ヨーロッパの人々に強く影響を与えた、二冊のマナー書、エラスムス著、『少年の礼儀作法論』とイタリア人、デッラ カーサ著、『ガラテーオ』を取り上げる。
 両マナー書の和訳記述内容を、当時の時代背景に触れ、マナー行為に潜む時代精神を紹介してみようと思う。そして、これらのマナー書が持つ意味を考察する。随時、現代の西洋のマナールールと比較する。
 本講義の目標
 この講義では、マナールールに潜む、民族の知恵や心を学ぶことである。なぜ、そのマナー行為を行う必要があるのか? その理由を理解することをこの講義では目標としている。
講義計画  次のテーマについて講義します。
 第一週 〜 第四週
  食事のマナーについて、 フォーク、食卓ナイフ、スプーンの歴史
  食卓ナプキンの歴史、 ポタージュの歴史
 第五週 〜 第ハ週
  16世紀ヨーロッパの食事風景、 手で食べる食事からナイフ、フォークへ
  食事の不作法 現代の食事マナー(西洋料理)との比較
 第九週 〜 第十二週
  会話のマナーについて、 「おべっか使い」について、会話と目線のマナー
  会話の不作法  儀礼について            
 第十三週 〜 第十五周
  エラスムスのマナー書とデッラ カーサのマナー書の記述法yの比較、ルネッサンス期
  におけるマナー及びマナー書の持つ意味

授業科目名 文化共生学専門研究b
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要 講義タイトル:エロスの庭園文化史
 本講義は、さまざまな図版や映像などを提示しながら、ヨーロッパやオリエントの庭園を中心に、人間と植物との関係の歴史をお話しするものです。人間の性愛や恋愛がいかに植物や庭園と結合しているかをテーマにした「庭園の文化史」として、太古から近代までの時代を通史的にあつかいます。
 到達目標は、さまざまな文化事象・現象のなかに、庭園(植物)と、人間の緊密な関係を発見し、これを論じることができる視点を養成することです。
講義計画 毎回の予定されるテーマを以下に挙げます。
@導入として:古代の豊穣崇拝
  授業方針と成績評価 講義のメインテーマと注意 映画『ノッティングヒルの恋人』のラストシーン
A原子自然宗教と巨石遺跡
  豊穣の儀式  豊穣の女神像 植物と穀物神 神々の「聖なる結婚」
B古代エジプトの神々と庭園
  女神イシスとオシリス神への信仰 豊穣の神ミン パピルスと庭園
C古代ギリシアの神話と庭園
  バビロニア神話と『ギルガメシュ叙事詩』 3大一神教の楽園 バビロンの空中庭園
Dアフロディテ信仰とキプロス島
  ギリシア神話での庭園イメージ キプロス島の島都パフォス 母権制の没落
Eアフロディテとアドニスの愛の儀式
  父権制の台頭 アドニスの庭 アテナイでのアフロディテ信仰と儀式
F神殿奉仕奴隷と愛の儀式
  古代都市キティオンでの神殿発掘 ヘロドトスとストラボンによる儀式の記録 花瓶の図版からの神殿奉仕解釈
Gローマの庭園とポンペイ
  ポンペイとヘラクラネウムの発掘 ディオニュソス(バッカス)崇拝 バッカス祭の秘儀 ギリシア時代の女性
H庭園神プリアポス
  庭園の守護神 プリアポス神殿 ペトロニウス『サテュリコン』 竈の女神ウェスタ
I中世の愛の庭園
  『トリスタンとイゾルデ』と悦楽境 イスラム文化での楽園 インド哲学でのリンガとヨニ
Jルネサンス庭園の悦楽
  ボッカッチョ『デカメロン』 ボマルツォの聖なる森  キリスト教人文主義と愛の庭園との対立 マニエリスム
Kバロック庭園と太陽王
  愛の迷宮(迷路庭園) ペグニッツの花協会 ヴェルサイユ宮殿の庭園
L啓蒙専制君主の庭園1
  ロココの庭園 フリードリヒ大王 ポツダムのサンスーシ宮殿
M啓蒙専制君主の庭園2
  デッサウ=ヴェルリッツの庭園王国 城館のモチーフ ふたたびノッティングヒルへ
N授業全体のまとめと確認

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ジェンダー文化論

授業科目名 ジェンダー文化論a
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志/森 貴史
講義概要  この授業では、ヨーロッパのジェンダーの問題を歴史的に古代にまでさかのぼって検討します。というのも、ヨーロッパにおいては古代には地母神や女神信仰が明らかに存在し、尊敬された女神が大きな権力をもっていたからです。その後、女性に対する価値転換が起こり、女神も蔑視されるようになります。これに関して重要な役割を果たしたのが、父権的なキリスト教です。結局、女性は二極分化し、一方で魔女として貶められ、残酷に処刑されますが、その対極に聖母マリア信仰が花開きます。したがって春学期は、古代の女神像の概要把握と、その後、女神が時代の経緯とともにデフォルメされるプロセスをたどることにします。授業については、前半7回を森が、後半8回を浜本が担当します。なおそれ以降は、秋学期のジェンダー文化論bで展開します。したがってジェンダー論a,bは、通年でセットになった構成であるといえます。
 この授業の到達目標は、ヨーロッパ・ジェンダー論の歴史的プロセスのうち、古代から近代までの流れを理解することにあります。これが現代のヨーロッパにおけるジェンダー論理解の前提になるからです。
講義計画 森貴史担当分
1 ヨーロッパ・ジェンダー論とは
2 古代メソポタミアの「神殿娼婦」
3 ファルス(男根)信仰とイシス崇拝
4 ギリシア・ローマの地母神と豊穣の儀式
5 『ギルガメッシュ叙事詩』が語りかけるもの  
6 美の女神ヴィーナス像の変遷
7 デフォルメされる古代の女神たち:リリトとメドゥーサ

浜本隆志担当分
8  「マグダラのマリア」の正体とは
9  聖母マリア信仰と騎士道
10 黒いマリアの謎、ケルトとのかかわり
11 女神のデフォルメから魔女狩りへ
12 農村における男女交際と結婚の習俗
13 女性の非婚と修道女の生活
14 ヨーロッパにおける娼婦の世界
15 総括

授業科目名 ジェンダー文化論b
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏/溝井 裕一
講義概要  古代〜中世のジェンダーをあつかった前期の授業に続いて、後期では16世紀〜それ以降の時代のジェンダーをとりあげます。はじめにグリムのメルヘンを手がかりとして、16〜18世紀ヨーロッパ社会におけるジェンダーについて考え、ついでフランス革命期、現代社会におけるジェンダーへと話を進めていきます。ヨーロッパの歴史を通じて、ジェンダーがどのようにとらえられ、どう変化してきたかを感じとってくれたらと思います。
【授業到達目標】
@ 宗教、思想、生活形態とジェンダーの関係を、具体例を通じて理解する
A 異文化におけるジェンダーの歴史と比較することで、日本社会の性差を考える力を獲得する
B 現代ヨーロッパ社会におけるジェンダー問題について、知識を深める
講義計画 1.ジェンダーとは? / メルヘンとは?
2.メルヘンで見る男性と女性の職業
3.メルヘンにおける男性の「まなざし」
4.男性の権利を侵害する女性キャラクターたち
5.メルヘンにおけるモノとジェンダー@ − 鏡のシンボリズム
6.メルヘンにおけるモノとジェンダーA − 記号としての衣服
7.メルヘンにおける結婚と現実
8.フランス革命と女性
9.時代に逆行したナポレオン法典の夫婦関係法
10.ナポレオン法典の見直し
11.今日のフランス的カップル形態、パックスを考える
12.ヨーロッパの売春の現状
13.結婚制度と同性婚
14.ヨーロッパの婚外子
15.総括

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文化共生学特殊講義

授業科目名 文化共生学特殊講義a
授業形態 春学期
担任者名 溝井 裕一
講義概要  この授業のテーマは「ケルト」です。ケルト人全体の歴史や、アイルランドにおける英国の支配などを常に視野に入れながら、異文化接触や文化共生について考えます。みなさんもよく知る映画や音楽もとりあげていく予定です。授業進行は以下のとおりですが、履修者の希望と合わせてフレキシブルな授業運営をおこなうつもりです。 
 
【授業到達目標】 
@ ケルト文化の起こり、変容、伝承の過程を見ながら、異文化接触とは何か、文化共生とは何かを学ぶ
A ケルト文化に関する知識を深めると同時に、日本文化を省察する力を養う 
B 身近な映画や音楽の背景にある歴史を知ることで、異文化にたいする理解を深める
講義計画 第1〜3週 【「ケルト」とは何か】 
  ケルト系住民の歴史 
  ハルシュタット − ケルト文化発祥の地 
第4〜6週 【ケルト人の世界観】 
  ドルイド教と死生観 
  聖なる泉、聖なる森、聖なる動物 
  ケルト人の装飾 
第7〜9週 【ケルト圏の神話・伝説・メルヘン】 
  妖精のいる風景 
  ケルト人と異界 
  ゲゲゲのケルト − ラフカディオ・ハーンと水木しげる 
第10〜12週 【ケルトとキリスト教】 
  ケルティック・クロスとケルズの書 
  シーラ・ナ・ギグの謎 
  “聖杯”をもとめて − 中世文学とケルトの夢想 
第13〜15週 【現代社会におけるケルト】 
  タイタニック − 悲劇への航海 
  「チーフタンズ」とケルト音楽 
  総括

授業科目名 文化共生学特殊講義b
授業形態 秋学期
担任者名 伊藤 誠宏
講義概要  女性にとって衣服が持つ意味を、衣服の歴史とからめて考えようと思う。第一次世界大戦以前と第一次世界大戦以後に大別し、女性と衣服のかかわりを検討する。とくに、ヨーロッパ近世(フランス、イギリス)における女性の社会的地位と衣服の視点から、女性にとって衣服が持つ意味を考えてみたい。

本授業の目的
 @服が持つ意味を知ること
 A衣服とT.P.O.をより深く知る。
 B衣服による自己主張を考える。
講義計画  この授業では、次のテーマについて講義します。

 第一週 〜 第四週
 ヨーロッパ16世紀・17世紀の女性の社会的地位と衣服、衣服と色彩、衣服令、 
 レースとリボン、コルセット, 靴、女らしさと衣服

 第五週 〜 第ハ週
 ヨーロッパ18世紀・19世紀の女性の社会的地位と衣服、女性の髪形、英国風衣服へ の傾倒、東洋風衣服の登場、衣服の自由・平等、上昇志向の市民と流行、社会階  級への帰属意識と衣服、クリノリン スカートと女性の自我

 第九週 〜 第十二週
 ヨーロッパ20世紀の女性の社会的地位と衣服、ポール・ポワレと衣服、 ジャンヌ・ランヴ ァンと衣服、マリアーノ・フォルチュ二―と衣服、ココ・シャネルと衣服、ココ シャネルの衣  服による主張、衣服の色(白と黒)、仕事着、スカート、女性のライフスタイル、スカート  丈

 第十三週 〜 第十五週
 衣服は多義的であること 自己表現としての衣服、衣服とT.P.O

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【大学院 授業科目】


M文化共生学研究 演習1

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(1組)
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  文化共生学では異文化接触論、ヨーロッパと日本の比較文化論、ジェンダー論、マイノリティ論、自然との共生など、多様なテーマをあつかいますが、本演習では最初、これらに関する全体的な概要を紹介します。そのなかから学生諸君の興味のあるテーマをいくつか選択し、これを中心に演習形式で授業を展開していきます。プレゼンテーションのための準備作業に追われるでしょうが、これが重要な研究の第一歩です。
 なおこの授業の到達目標は、次年度、修士論文を書くための前段階として、資料収集の方法、論文の書き方、参考文献の利用の方法を習得することに置いています。
講義計画 1回目:最初に学生諸君にこの授業の目標、狙いを説明します。テーマは決まっている人
  が多いと思いますが、さらに関心を広げるために、異文化理解や文化共生学に関する
  テーマをいくつかピックアップします。   
2回目−4回目::食文化、モード、研究の例示旅行論、祭りの基本文献を読み、討論
5回目ー8回目:魔女狩り、ユダヤ人、外国人問題の基本文献を読み、討論
9回目ー10回目:異文化理解、環境問題の基本文献を読み、討論
11回目ー14回目:学生諸君のテーマのプレゼンテーションと討論
15回目:春学期のまとめ

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(2組)
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  この授業では、とくにフランスを中心とする移民問題に関する文献を読みながら、ヨーロッパ近代において「人種」「文明」イスラーム」といった観念がどのように作られ、定着してきたかを検討します。
 文献を読む目的は、そこにあらわれるさまざまなタームを理解すること、論文の論述形式を学ぶこと、論理展開のしかたを検討・吟味すること、どのように資料を利用しているかを観察すること、などです。読むことをつうじて書く技術を学んでいきます。
 読む文献は、日本語以外では、英語もしくはフランス語のいずれかになりますが、受講生と相談した上で決定したいと思います。

 授業の到達目標は、以下のとおりです。
 @ 研究に必要な文献的知識を獲得すること
 A テーマをうまく設定するための問題意識をもつこと
 B 修士論文執筆のための基礎的な知識と技術を身につけること
講義計画 1 修士論文の概要説明とタイムスケジュール〔計画〕(第1回)
2 テーマについてのフリーディスカッション(第2回)
3 各受講生が設定したテーマと方法論(アプローチ)の吟味(第3回)
4 資料収集に関して(第4回)
5 文献の講読と書く技術の習得(第5〜13回)
6 レポートについて(第14回)
7 春学期の総括(第15回)

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(3組)
授業形態 春学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要 95歳で2004年に他界した、ルネサンス研究の泰斗E.ガレン著『ルネサンス文化史』を輪読し
ます。この授業の到達目標は、イタリア人の書いたルネサンス文化論を読んで、ルネサンス発祥の地
では、どのようにルネサンスが考えられているかを知ることです。
講義計画 1.ルネサンスと文化(第1回目―第3回目) 
2.新しい時代という意識(第4回目ー第5回目) 
3.古典の発見(第6回目ー第8回目) 
4.ギリシア人とルネサンスの起源(第9回目ー第11回目) 
5.人文主義とルネサンス(第12回目ー第13回目) 
6.図書館と印刷術の発明(第14回目) 
7.新しい教育(第15回目)

授業科目名 M文化共生学研究 演習1A(4組)
授業形態 春学期
担任者名 森 貴史
講義概要 演習タイトル:文学研究から文化研究へ
 本演習の内容を単刀直入にいうと、文系大学院における文学研究の不人気さの原因を追究していく一方で、それでは、今後はどんな研究をしていくべきなのかを考えていこうとするものです。
 それゆえ、同時代的に日本および世界の大学で文系の学部に所属する(あるいは所属していた)研究者のいくつかの著作を読んで、その研究の内容や視点の分析して発表してもらうといったゼミ形式をとります。
 第1回目には、履修者全員にご自分の予定する研究内容と視点を、これまでの先行研究と関連づけて、ご説明いただきます。これによって、本授業で取り扱う著作をしぼる予定です。
 到達目標は、文献を精読できて、いささかなりとも、自分なりの研究の視点を確立し、研究領域について開拓できるようになることです。
講義計画  授業担当者が取り扱うべきだと考える研究者を、以下に適当に列挙します(順不同)。かれらの著作が本授業での、いわば研究対象で、このなかから、毎回の授業で発表してもらって、討論するという段取りにします。
高山宏、巽孝之、富山太佳夫、松浦久輝、工藤庸子、鹿島 茂、種村季弘、藤代幸一、池内紀、若桑みどり、四方田犬彦、岡田温司、中野 美代子
 以下、便宜的に回数を割り振ります。
@オリエンテーション
A−C高山宏
D−F巽孝之
G−I富山太佳夫
J−L松浦久輝
M−N工藤庸子

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(1組)
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  文化は社会規範をつくり出しますが、とくにヨーロッパでは、キリスト教的な厳しい共同体の規範が設けられ、そこから逸脱した場合、差別や排除の対象となりました。この授業では、ヨーロッパ文化の中で、逸脱したものやデフォルメされたものを取り上げ、その社会との関係を考察することにします。これは逆説的な意味において、ヨーロッパの共生社会を考える第一歩となります。 以下に提示したのは一例ですが、ただし受講生の関心あるテーマが別途ある場合、相談に応じます。
 なおこの授業の到達目標は、次年度の修士論文の準備をする前段階としての、論文の書き方、参考文献の調査、研究方法の習得においています。
講義計画 1 デフォルメされた古代の男性神(1)
2 デフォルメされた古代の男性神(2)
3 デフォルメされた古代の女性神 (1)
4 デフォルメされた古代の女性神(2)
5 悪魔と創造主の二元論
6 メルジーネ伝説と異教的世界
7 妖怪と妖精
8 異端と異端狩り
9 狼人間 と変身
10 魔女と魔女狩り
11 権力装置としての処刑
12 儀礼としての処刑
13 移民と外国人問題
14 ヨーロッパのマイノリティ
15 まとめ

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(2組)
授業形態 秋学期
担任者名 柏木 治
講義概要  修士論文への足がかりとして、受講生の研究発表を中心に授業を進めます。まず、自分の研究テーマについてこれまで進めてきた研究内容を、口頭発表という形で提示してもらいます。それをもとに、テーマと方法論の吟味、参考文献の扱い方、論の展開等について担当教員と議論しながら、最終的な研究レポートへとまとめていきます。

 授業の到達目標は、以下のとおりです。
 @ 修士論文の形式(構成、文献、注など)を理解すること
 A 修士論文に向けての研究テーマを確定すること
 B 修士論文の原型となる研究レポートを作成すること
講義計画 1 受講生のテーマの再吟味(第1回)
2 方法論、アプローチの再検討(第2回)
3 関係資料の収集と文献目録の作成について(第3回)
4 資料の講読と議論(第4〜10回)
5 中間報告と共同討議(第11〜13回)
6 研究レポートの作成について(第14回)
7 秋学期の総括(第15回)

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(3組)
授業形態 秋学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  テキストの『ルネサンス文化史』の読み込みをいっそう深めて、あらためてルネサンスは現代の我々にとっていかようなものだったかをかんがえてみます。 
 この時間の到達目標は、ルネサンスの現代的意義を自己に引き寄せてかんがえることにあります。
講義計画 1.政治的省察に関する主題と問題(第1回目ー第3回目) 
2.批判と宗教的刷新の動機(第4回目) 
3.新しい哲学(第5回目ー第7回目) 
4.新しい科学(第8回目ー第10回目) 
5.人文主義文化と国民文学(第11回目) 
6.美術(第12回目ー第13回目) 
7.映像(第14回目) 
8.まとめ(第15回目)

授業科目名 M文化共生学研究 演習1B(4組)
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要 演習タイトル:文学研究から文化研究へ
 本演習の内容を単刀直入にいうと、文系大学院における文学研究の不人気さの原因を追究していく一方で、それでは、今後はどんな研究をしていくべきなのかを考えていこうとするものです。
 それゆえ、同時代的に日本および世界の大学で文系の学部に所属する(あるいは所属していた)研究者のいくつかの著作を読んで、その研究の内容や視点の分析して発表してもらうといったゼミ形式をとります。
 第1回目には、履修者全員にご自分の予定する研究内容と視点を、これまでの先行研究と関連づけて、ご説明いただきます。これによって、本授業で取り扱う著作をしぼる予定です。
 到達目標は、文献を精読できて、いささかなりとも、自分なりの研究の視点を確立し、研究領域について開拓できるようになることです。
講義計画 授業担当者が取り扱うべきだと考える研究者を、以下に適当に列挙します(順不同)。かれらの著作が本授業での、いわば研究対象で、このなかから、毎回の授業で発表してもらって、討論するという段取りにします。
高山宏、巽孝之、富山太佳夫、松浦久輝、工藤庸子、鹿島 茂、種村季弘、藤代幸一、池内紀、若桑みどり、四方田犬彦、岡田温司、中野 美代子 以下、便宜的に回数を割り振ります。
@オリエンテーション
A−C鹿島 茂
D−F種村季弘
G−I藤代幸一
J−L池内紀
M−N若桑みどり

授業科目名 M文化共生学研究 演習2B
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  この授業は修士論文を作成するための演習です。それゆえ選択したテーマに 関する先行研究を調べておかなければなりません。文献調査、その引用の方法、 修士論文の書き方など、細部にわたって指導します。しかし修士論文は、独自の 視点によるオリジナリティも求められますので、たえず自分で考え、全体の骨組みを つくって、肉付けをしていくことが大切です。積極的な学習態度が必要です。 授業の到達目標はもちろん修士論文を完成させることです。
講義計画  個別のテーマに関する論文指導をおこないますが、具体的には基礎文献の 調査報告、それに対する討論をふまえ、論文の添削をもおこなう予定です。 しかし自力でどこまでやれるか、チャレンジ精神が論文の質を決定することになるでしょう。 少人数ですので、文献の解読と論文へのフィードバックいうかたちで15回の授業を進めます。
1回目:論文の骨組みの検討
2回目:参考文献の収集と利用方法の説明
3回目ー6回目:論文に関係する各種参考文献の解読、討論
7回目:論文の中間報告
8回目ー10回目:追加文献資料の解読と討論
11回目ー13回目:論文の最終報告と添削
14回目:論文の内容と注の再点検
15回目:秋学期の総括

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M文化共生学研究(1) 講義

授業科目名 M文化共生学研究(1)A 講義
授業形態 春学期
担任者名 柏木 治
講義概要  18世紀から第一次世界大戦まで、ヨーロッパ社会のなかで非ヨーロッパ人がどのようにイメージされてきたかを跡づけながら、その表象のまわりで生成、変遷していった文化イデオロギーを分析していきます。
 方法としては、絵画・図版等に残されたさまざまな民族や人種かかわる図像、骨相学の理論や黎明期の人類学をひらいた人びとの言説、さらには同時代の文学作品などを検討対象として、その背後にある「他者へのまなざし」を読み取ります。キーワードは、エキゾティシズム、人類学、人種、人種理論、植民地主義、イスラーム、オリエンタリズム、などです。
 授業スタイルは原則として講義ですが、適宜ディスカッションをまじえていきたいと思います。

 この授業の到達目標は、以下のとおりです。
 @ さまざまな表象分析をとおして、こんにちの文化的な対立や紛争を歴史的な視点から
   考える知的技法を学習すること
 A そのための基礎として、資料の読み方、ディスカッションの構築のしかたを身につけること
 B 設定された問題に対して自分なりにアプローチをし、レポートにまとめること
講義計画 @ 授業のねらいと進め方
A 18世紀の科学と分類学的思考
B 人種理論の展開と18世紀「人間科学」
C 頭蓋骨への執着
D 頭蓋学、骨相学、頭蓋測定学
E F.-J. ガルとその弟子たち
F 人類学の創設
G P. ブロカとその周辺
H 帝国主義と人類学
I 人種主義者たちのディスクール
J 人類学とジェンダー
K 文学とエキゾティシズム
L 植民地主義のカルチャーと博覧会思想
M オリエント・ハーレム・奴隷市とヨーロッパ芸術
N 総括

授業科目名 M文化共生学研究(1)B 講義
授業形態 秋学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  ヨーロッパと日本の文化的特質を比較し、それを踏まえて共生のあり方を考察します。授業はレジュメを配布して、講義形式でおこないます。今年度の取り上げるテーマは、ヨーロッパと日本の紋章ですが、話題の中心はヨーロッパに置いています。多少マニアックなテーマとはいえ、その背景には多様なテーマの広がりや、付随的な文化現象がみえてくるはずです。
 なお授業到達目標は、多様な文化共生学のうち、文化論の研究方法の習得を目指します。
講義計画 以下、2回づつセットで15回講義をする。
1−2 ワッペンとトーナメント(騎乗槍試合)
  城郭、市門、看板、ワッペン、ワインのラベル、切手、ロゴに描かれた各種ヨーロッパ紋章
  のルーツを探索。中世の騎乗槍試合、戦場での騎士と紋章とのかかわりを解説する。
3−4 ヨーロッパ紋章と日本の家紋
  ヨーロッパでは動物紋章が、日本では植物紋が多い。その理由を前者の「横顔の文化」と
  後の「正面の文化」という切り口から解明する。日欧の文化的相違をクローズアップした    い。
5−6  ヨーロッパ紋章学のルール
  ヨーロッパ紋章の構成、図形、分割、合成、加増、色彩、相続など、紋章学の基本的
  なルールを解説する。さらにルール違反を取り締まる紋章官や紋章院の役割を検証する。
7−8 ワシとライオン紋章の歴史
  ヨーロッパの主要紋章であるワシ、ライオン、薔薇、十字などのモティーフの歴史的経緯を
  たどる。王侯や封建制度と紋章、さらにキリスト教、芸術潮流とのかかわりを述べる。
9−10 奇抜な紋章
  ヨーロッパ紋章のモティーフに、日本ではみられない骸骨、ヌード、乞食など奇抜なモティ
  ーフが目に付く。ヨーロッパ史と紋章のシンボルをめぐる興味深いエピソードを紹介する。
11−12 政治的権威と紋章
  近代以降の統治者も紋章の文化を継承した。ナポレオン紋章と占領地支配の方法、
  ナチスによるシンボルの政治的プロパガンダの利用など、紋章を含めたシンボルの変遷を
  たどる。
13−14 共同体紋章の発展
  個人紋章は封建制の崩壊とともに衰退するが、それと逆比例するかのように、ギルド、
  商標、市紋、州紋、大学紋、国旗が興隆する。紋章の共同体や国家への拡大につい
  て述べる。
15 総括

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M文化共生学研究(2) 講義

授業科目名 M文化共生学研究(2)A 講義
授業形態 春学期
担任者名 浜本 隆志
講義概要  この授業はヨーロッパと日本の文化のあり方を、建築、とりわけ「窓」をキーワードにして比較します。たとえばヨーロッパの大聖堂は、垂直方向に石を高く積み上げ、上昇志向が強いのですが、日本の建築は、一般に平屋で水平方向志向です。またヨーロッパの窓は、日本の障子に相当しましたが、これらを比較していくと、興味深い文化構造を浮き彫りにできます。現在の日本の建築は洋風化していますが、日本文化の伝統は色濃く残っています。
 なお本授業の到達目標は、多様な文化共生学の研究方法を習得させることに置いています。
講義計画  授業は2回分をセットにして15回講義をおこないますが、個々の項目は以下のとおりです。
  
1−2 開閉のメカニズムと文化構造
     回転と押す文化:発信型のヨーロッパ、引き違い戸:受信型の日本
3−4 ヨーロッパ建築の垂直志向
     バベルの塔、オベリスク、大聖堂、サグラダ・ファミリアの思想、鐘楼と時間の支配
5−6 日本家屋の水平志向と縮み志向
     日本の家屋の構造と文化、四畳半の思想、茶室、枯山水と自然観
7−8 個室、縁側の社会学
     「廊下」の発明、ヨーロッパの個人主義、日本の縁側の機能
9−10 窓ガラスと障子紙の文化
     石とガラスの文化、ヨーロッパの永遠性、障子紙の文化、一期一会と一回性
11‐12 光と影と陰影
     ヨーロッパの光りと影の文化史、日本の陰翳、月見の文化
13‐14 窓と欲望の資本主義
     鉄とガラスとコンクリートの資本主義、万博の水晶館、ショーウンドウ、ヨーロッパ
     の中央駅の構造、ファシズム建築の特徴
15    窓のメタモルフォーゼ:総括
     窓の変貌:窓のスピード化と流線型、カプセル化、モバイル化、ミクロ化、マクロ化

授業科目名 M文化共生学研究(2)B 講義
授業形態 秋学期
担任者名 森 貴史
講義概要 講義タイトル:ヨーロッパからの異文化への視線
 本授業において考察対象となるのは、おもに古代ギリシア・ローマ以来のヨーロッパ人が、自分たちにとっての「異文化」を記したテクストである。したがって、授業内容は、これらのテクストにおける視点や思考の軌跡を通史的に追っていくものになる。講義という授業形態ではあるが、「研究者養成機関」であるという大学院の少人数授業であるのを考慮して、履修者とのインタラクティブな意見交換を授業中におこない、活発な討論が発生することを期待する。
 到達目標は、しっかりと文献を精読し、どんなテクストであれ、きっちりと考察し、興味深い内容の議論を展開できるようになることである。
講義計画  毎回の授業テーマのテクストは、以下のとおり。
@オリエンテーション
Aカエサル:ガリア戦記、タキトゥス:ゲルマニア
Bストラボン:ギリシア・ローマ世界地誌、クセノフォーン:ソークラテースの思い出
Cコロンブス関係の文献(特定テクストなし)
Dモンテーニュ:エセー、ルソー:人間不平等起源論
Eモンテスキュー:法の精神、メリメ:タマンゴ、ポウ:モルグ街の殺人事件
Fデフォー:ロビンソン・クルーソー、スウィフト:ガリヴァー旅行記
Gカンペ:新ロビンソン物語、ウィース:スイスのロビンソン
Hクック:太平洋探検、ジロドゥ:クック船長航海記異聞
Iブーガンヴィル:世界周航記、ディドロ:ブーガンヴィル航海記補遺
Jカンパー、ゼメリング、ヴィルヒョーの著作(翻訳テクストなし)
Kジュール・ヴェルヌ:グラント船長の子どもたち、十五少年漂流記
Lポール・ゴーガン:ノア・ノア
Mストウ:アンクル・トムの小屋
N総括と到達度の確認

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Mルネサンス学研究 講義

授業科目名 Mルネサンス学研究A 講義
授業形態 春学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  『ルネサンス展望』と題して、昨年度から輪読(精読)しはじめた洋書(英語)の別の章を読みます。第X章で「文学と学問」です。イタリア文学をはじめとしてルネサンス期の他国の文学作品や学問が登場予定です。つまり人文主義を検討します。英語力も徹底してつく授業をします。英文科のみならず、関心のある方は参集してください。テキストはコピーをしてわたします。 
 この授業の到達目標は、ルネサンス人文主義の理解と英語力の強化にあります。
講義計画 1.自己紹介  
2−15.1人が1文ずつ訳読しながら、そのつど、前置詞やコンマなどに拘りつつ進行します。

授業科目名 Mルネサンス学研究B 講義
授業形態 春学期
担任者名 澤井 茂夫
講義概要  人文主義のなんたるかをいっそう詳細に研究していきます。テキストの読み込みもふかまるくらいにみなさんの英語力もついてきているでしょうから、より深く個々の人文主義者にくいこんでいきましょう。 
 この授業の到達目標は、英語力の増強のみならず、真の人文主義の把握にあります。
講義計画 1.近況報告 
2−15 1人ずつ訳読(輪読)。

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