- 目標
- レポート・論文作成の基本的・初歩的なスキルを習得させること
- パソコン―ワープロの操作方法
- 文献の利用の仕方
- 学生同士で協力し合う経験を積ませること
- 全体の流れ
- (前期)パソコン実習(クラス名簿づくり)―ワープロが操作できるレベルまで
- 夏期レポート
- 高等教育研究会(編)『大学を学ぶ』(青木書店,1996年)を読みレポートにまとめる。
- 経済・経営に関わりのある任意のテーマについてレポートにまとめる。
- (後期)夏期の経済経営レポートのブラッシュアップ
- レポートテーマに基づき研究グループの編成。
- 引用のマナーとルール(引用と自説の区別,引用方法)の習得。
- 京大式カードによる文献管理の方法の習得。
- 工夫
- ワープロ操作,文献カード作成など,手を使う作業を重視。
- 班を組織し,毎回班日誌を書かせるなど,学生同士で協力し合うように指導した。
- 前期における班の組織方法 ->
浅野誠『大学の授業を変える16章』大月書店,1994年,26-28頁。
- 後期における研究グループの編成方法 ->キーワードマップ方式。
- 毎回個人レポート(A5サイズ)を出席確認を兼ねて提出させ,クラス全体を把握するようにした。
- ※出欠確認についてはできればマークシート方式にして効率化したい。
- ※97年度は,京大式カード(B5)でレポート用紙を作成することに決定した。
- 理由1:ファイル(整理)しやすくなる(通常のコピー用紙では薄くて並べ替えやカード繰りがしにくい,ファイリングのための穴を空けなくてはならない)。
- 理由2:京大式カードの活用例を学生に示すことができる。
- 理由3:作成コスト(というより用紙代)が問題となるが,1クラス50名
x 25回 x 3.6円(関大生協価格)=
4500円。基礎演習規模での利用であれば問題ないと言える。
- 東海大学湘南校舎のように minute paper が利用できる環境であれば, minute paper
を使った方がよいかもしれない。
- 遅刻については,名札をつくり授業時にカゴから取って身に付けさせることで,遅刻者の把握を試みた。しかし,作業中心の授業では,遅刻(欠席もだが)は作業の遅れとなって表れるので,遅刻者の把握をしなくても,作業の進捗状況や結果としてでてくるレポートを見れば,自ずと明らかなので遅刻者の把握は後期からやめた。もちろん名札を付けることの目的にはもう一つ,クラスやグループ内のコミュニケーションの支援があった(現実には学生は名札をカゴからとるだけで付けはしなかったのでこの目的は達成されなかった)。
- 授業の場を適時変更し,その時点での作業に適した場を選択した。
- 通常の教室(レクチャー)
- CAL教室(パソコン実習) …前期7回,後期3回使用
- 図書館のグループ閲覧室(文献カードの作成) …前期1回,後期5回使用
- オフィスアワーを設け,研究室訪問を促した。
- 研究室で飲めるソフトドリンクメニューを適時提示したり,授業で何度もオフィスアワーの性格について文書でアナウンスし,研究室訪問を促した。
- (例)オフィスアワーは,研究室を訪れる際に事前の約束・連絡が不要な時間帯で,原則として必ず私が応対ができる時間帯です。このことは,オフィスアワー以外の時間帯は応対できないことを意味していません。オフィスアワー以外の時間帯についても,可能な限り応対しますし,突然研究室を訪れても応対できる可能性はあります。もちろん,研究室に私がいても,接客中の時や授業の準備に追われて切羽詰まっている時には,応対できないことがあります。ですから,オフィスアワー以外の時間帯に訪問したいときは,できるだけ電話をかけて私が研究室にいることを確かめ,訪問してよいか聞いて下さい。私が在室なら80%以上の確率で訪問OKなはずです。研究室の内線電話は
****,直通電話は ***-****
です。何の気兼ねも入りませんから気軽にどんどん電話して下さい。私は土日以外ほぼ毎日,特別な用事がない限り,遅くとも11時ごろまでに研究室に来て,20時(時として23時)ごろまで学内(多くの場合研究室)にいます。訪問の際には茶菓子の差し入れがあるとウレシイ。
- 前期5月に班での面接を研究室で実施し,研究室訪問と班での協力・交流を促した。また顔と名前を一致させ覚える機会とした。
- 面接日程の決定方法:授業時間内に,班で相談して共通して空いてる時間を探し,長谷川に報告する。
- 面接内容
- これまでの授業についての意見の聞き取り
- これからの授業方針についての意見の聞き取り
- 班内の様子の聞き取り
- 班コンパの設定 ->実施したのは1班だけ。
- 面接時間:1時間程度。
- 6班の内,1班は面接できず(面接日程の調整に手間取り,なおかつ設定した日時に来たのは1名だけであった)。
- 自宅での「茶話会」を3回実施し,学生同士の交流を行った。
- (実施日)6月22日・29日・7月6日(いずれも土曜日)
- (工夫)「コンパ」ではなく「茶話会」として,酒の飲めない者が参加しやすく,「騒ぎ」にならない雰囲気にした。一応開始時刻は決めたが,飛び入り・出入り自由,遅刻早退?自由とし,気軽に参加しやすい雰囲気にした。準備の手伝いもあわせて募集して,学生に腕をふるってもらった。
- (規模)参加者は毎回10名程度。日頃からオフィスアワーなどに研究室にやってくるメンバーが中心で,顔ぶれは固定化ぎみであった。
- (評価)この茶話会でクラス内における新しいつながりができ,クラスの活性化に貢献した。学生の本音を含めて,たくさん話ができ,学生の意識や現状を知ることができた。ただし体力的にはきつい。
- データーベース化したクラス名簿,グループ教材データベースを活用した。
- 成果
- 9割の受講生が,基本的なワープロ操作,文献カードの作成ができるように。
- 5割以上の受講生が,引用と自説の区別が明確にできるように。
- 問題点
- 生産性(負担)
- 他クラスとのバランス
- 情報処理論との関係
- 教室使用上の問題
- 40-50人を収用でき,机が移動できる教室がない。
-> グループでの協同作業が困難。
- CAL教室や図書館グループ閲覧室を自由に使うためには,カリキュラム上の工夫が必要。
- 提案
- 情報の共有化
- 教材の共有化
shin@kansai-u.ac.jp
Updated: 4 Apr.1997.