著書・論文・研究ノート

もともと、修士論文でエドマンド・バーク(18世紀後半英国の代表的政治家)の初期(政界進出以前)の文明社会認識をテーマに選んだこともあって、バーク研究者として学界にデビューしました。最初の2本の論文は、修士論文をヴージョン・アップさせたものです。1996年度のマルサス学会大会の受付をお手伝いしたことがきっかけとなって、マルサス学会に入会、期せずしてバークとマルサスの知的影響関係という新たなテーマに遭遇しました。このテーマへの最初のアプローチが3本目の論文です。この論文は、締切の1週間前になってもうまくまとめることができず、ギブアップ寸前まで追い詰められましたが、最終的には、まるで神風が吹いたかのように、まとまってくれました。関西大学への就職の決め手にもなった、いちばん思い出深い論文です。以後、バークと同時代の経済学者・思想家との知的影響関係についての研究を継続させています。ここ数年、いちばん強い興味を覚えているのが、当時の救貧政策の諸類型、および、そうした政策を背後から支える理念(統治者像・貧民観)の解明です。21世紀の新しい福祉国家を構想するうえで、不可欠の基礎研究だと自分では信じています。
Edmund Burke
   
   
         
【著書(単著)】
・『イギリス保守主義の政治経済学――バークとマルサス――』ミネルヴァ書房, 2009. 2 ※正誤表はこちら
【共編著】
・永井義雄・柳田芳伸・中澤信彦編『マルサス理論の歴史的形成』昭和堂, 2003. 6
・佐藤光・中澤信彦編『保守的自由主義の可能性――知性史からのアプローチ――』ナカニシヤ出版, 2015.10
・中澤信彦・桑島秀樹編『バーク読本――〈保守主義の父〉再考のために――』昭和堂, 2017. 8
【著書(共著・分担執筆)】
・「バークとマルサス――脱ラピュータ島のポリティカル・エコノミー――
  中矢俊博・柳田芳伸編『マルサス派の経済学者たち』日本経済評論社, 2000. 6, 第1章, pp.1-24
・「フォックス派ウィッグとしてのマルサス――初版『人口論』成立史の一断面――
  永井・柳田・中澤編『マルサス理論の歴史的形成』第5章, pp.75-98
・「リーダーシップ・人事評価・ビジネス倫理――経済思想史の視野から――
  ビジネス・エシックス研究班『ビジネス・エシックスの諸相と課題』
  (関西大学経済・政治研究所研究双書第142冊), 2006. 3, 第VI章, pp.133-158
・「働きすぎの時代を超えて」
  ビジネス・エシックス研究班『ビジネス・エシックスの諸相と課題』
  (関西大学経済・政治研究所研究双書第142冊), 2006. 3, 補章, pp.213-223
・「政治家の条件――エドマンド・バークとシヴィック・ヒューマニズム――
  田中秀夫・山脇直司編『共和主義の思想空間――シヴィック・ヒューマニズムの可能性――
  名古屋大学出版会, 2006. 7, 第4章, pp.109-136
・「経営戦略としてのコミュニケーション――「適正規模の組織」による「働くことの意味」の再発見――
  ビジネス・エシックス研究班『ビジネス・エシックスの新展開』
  (関西大学経済・政治研究所研究双書第147冊), 2008. 3, 第VI章, pp.139-170
・「組織と仕事――誰のために働くのか――
  佐藤方宣編『ビジネス倫理の論じ方』ナカニシヤ出版, 2009. 4, 第3章, pp.85-117
・「人間の権利は存在するのか?――バーク、ペイン――
  中村健吾編『古典から読み解く社会思想史』ミネルヴァ書房, 2009.10, 第2章, pp.25-45
・「《需要定義問題》とマルサスにおける経済学方法論の形成――先行者としてのステュアートおよびスミスとの関連で――
  只腰親和・佐々木憲介編『イギリス経済学における方法論の展開――帰納法と演繹法――
  昭和堂, 2010. 6, 第2章, pp.63-96
  ※単著『イギリス保守主義の政治経済学』第8章を加筆・修正したもの
・「ハイエクの保守主義――ハイエクはバークをどのように読んだのか――
  桂木隆夫編『ハイエクを読む』ナカニシヤ出版, 2014. 3, 第2章, pp.35-61
・「マルサスのペイン批判――啓蒙の野蛮化との戦い――
  田中秀夫編『野蛮と啓蒙――経済思想史からの接近――』京都大学学術出版会, 2014. 3, 第18章, pp.593-624
◎「反革命思想と経済学――マルサス『食糧高価論』に関する一考察――
  坂本達哉・長尾伸一編『徳・商業・文明社会』京都大学学術出版会, 2015. 3, 第11章, pp.261-282
・「エドマンド・バーク――「義務」なき「選択の自由」の帰結――
  佐藤・中澤編『保守的自由主義の可能性』第1章, pp.29-60
・「T・R・マルサス――農工バランス重視の経済発展論の今日的意義――
  佐藤・中澤編『保守的自由主義の可能性』第3章, pp.87-117
・「〈保守主義の父〉再考のために――まえがきに代えて
  中澤・桑島編『バーク読本』序章, pp.1-18
・「政府の「なすべきこと」と「なすべからざること」――ケインズはムーアとバークから何を学んだのか――
  只腰親和・佐々木憲介編『経済学方法論の多元性――歴史的視点から――
  蒼天社出版, 2018. 7, 第10章, pp.313-340
【論文】 ◎は査読あり 〇は招待あり
◎「バーク『自然社会の擁護』再考」
  『経済学雑誌』(大阪市立大学経済学会)第97巻第1号, 1996. 5, pp.67-77
◎「真の文明社会と偽の「文明社会」――初期バークの思考法――
  『経済学雑誌』(大阪市立大学経済学会)第98巻第1号, 1997. 5, pp.80-95
◎「エドマンド・バークの救貧思想――マルサス・初版『人口論』の時代――
  『マルサス学会年報』第7号, 1997.11, pp.25-44
・「「モラル・エコノミー」とアダム・スミス研究
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第48巻第4号, 1999. 3, pp.55-71
・「1790年代英語圏における《革命》概念――バーク対ペイン論争の一断面――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第49巻第4号, 2000. 3, pp.59-72
・「初版『人口論』におけるスミス――救貧法批判の方法論的基礎――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第53巻第2号, 2003. 9, pp.55-76
・「バークとマルサスにおける階層秩序と経済循環――「存在の連鎖」受容の一断面――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第56巻第3号, 2006.12, pp.75-101
◎「「保守」主義者としてのマルサス」
  『マルサス学会年報』第19号, 2010. 3, pp.1-28
◎“The Political Economy of Edmund Burke: A New Perspective,”
  Modern Age: A Quarterly Review
, Vol. 52, No. 4, FALL 2010, pp.285-292(実際に公刊されたのは2011年8月)
・「生存権・福祉国家・共和主義――バーク対ペイン論争を再考する――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第61巻第3・4号, 2012. 3, pp.1-33
  ※分担執筆「人間の権利は存在するのか?――バーク、ペイン――」を加筆・修正したもの
◎“Malthus's Political Views in 1798: A ‘Foxite’Whig?,”
  History of Economics Review, No. 56, Summer 2012, pp.14-28
  ※分担執筆「フォックス派ウィッグとしてのマルサス――初版『人口論』成立史の一断面――」を加筆・修正し英語化したもの
・「ハイエクはバークをどのように読んだのか?――ハイエクの保守主義観の特質と意義――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第64巻第3・4号, 2015. 3, pp.33-55
  ※分担執筆「ハイエクの保守主義――ハイエクはバークをどのように読んだのか――」を加筆・修正したもの
・「「バークとマルサス」はどのように論じられてきたのか?――研究史から見えてくるもの――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第65巻第4号, 2016. 3, pp.35-59
〇「18世紀中葉〜19世紀初頭のイングランド社会の結婚パターンとその思想史的意義――ハードウィック結婚法をめぐるバークとマルサスの見解を手がかりにして――
  『経済論叢』(京都大学経済学会)第191巻第1号, 2017. 3, pp.1-18
◎“What Attracted Keynes to Malthus's High Price of Provisions?,”
  Erasmus Journal for Philosophy and Economics, Volume 10, Issue 2, Fall 2017, pp.24-44(実際に公刊されたのは12月)
◎“Reviewing Edmund Burke's Concept of ‘Revolution’: An Overlooked Aspect of the Burke-Paine Controversy,”
  Studies in Burke and His Time, Volume 27, 2018, pp.41-55(実際に公刊されたのは8月)
  ※論文「1790年代英語圏における《革命》概念」をupdateし英語化したもの
◎“Milton’s Paradise Lost and Malthus’s An Essay on the Principle of Population: A Neglected Intertextuality,” (with Yoshifumi Ozawa)
    History of Economics Review, Volume 79, Number 1, August 2021(ページ未定)
【研究ノート】 ◎は査読あり  〇は招待あり
・「人権・教育・市場――広田照幸『教育』を読む――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第55巻第4号, 2006. 3, pp.91-98
・「『かの高貴なる政治の科学』とその後――バーク研究およびマルサス研究との関連で――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第56巻第1号, 2006. 6, pp.77-86
・(太子堂正称氏との共著)「自由主義は「勝利」したのか?――間宮陽介『増補 ケインズとハイエク』に寄せて――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第57巻第1号, 2007. 6, pp.57-70
・「グローバリゼーションの中の労働と教育――「異質な他者」とどう向き合うべきか?――
  『セミナー年報 2007』(関西大学経済政治研究所), 2008. 3, pp.113-124
・「アダム・スミスにおける視覚と道徳と経済――堂目卓生著『アダム・スミス』に寄せて――
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第59巻第4号, 2010. 3, pp.49-61  
◎「「バークとマルサス」研究と小林昇経済学史研究」
  『マルサス学会年報』第26号, 2017. 3, pp.95-117
・「『バーク読本』(昭和堂、2017年8月)の編集から見えてきたこと
  『関西大学経済論集』(関西大学経済学会)第67巻第3号, 2017.12, pp.161-172
〇「バーク経済思想研究の最前線――「バークとスミス」はどのように論じられてきたのか――
  『経済学史研究』第60巻2号, 2019. 1, pp.102-105
◎(王量亮氏との共著)「サウジーのマルサス批判――「貧民の敵」マルサス像の起点を探る――
  『マルサス学会年報』第28号, 2019. 3, pp.127-141(実際に公刊されたのは9月)
◎“‘As One of the Swinish Multitude’: A Note on Malthus's Allusion to Burke's Reflections
  The History of Economic Thought, Volume 62, Issue 1, 2020. 7, pp.78-86
拙著・拙論に対する学界の反応はこちらに集めました。

トップページへ戻る