片の富士コラム

(2024.1.15開設、2024.3.24更新)

Part1

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メールはこちらへ:katagiri@kansai-u.ac.jp

同好の士は少ないですが、大相撲について語りたくて仕方がないので、新コーナーを創ることにしました。

<目次>

第21号 伊勢ケ浜部屋よい力士当然2024.3.24

第20号 大変なことになってしまいました2024.3.23

第19号 霧島推しをやめます2024.3.22

第18号 今後1〜2年で勢力図が大きく変わりそう2024.3.20

第17号 尊富士、思った以上に強いなあ2024.3.18

第16号 霧島は休場した方がいい2024.3.17

第15号 今後の展望2024.3.15

第14号 王鵬が強くなったのか、照ノ富士の調子が悪いのか2024.3.14

第13号 すっかり自信を失ってしまった霧島2024.3.13

第12号 大の里が優勝争いに絡みそう2024.3.11

第11号 春場所が始まりましたね2024.3.10

第10号 照ノ富士、優勝!2024.1.28

第9号 やっぱり照ノ富士は強い2024.1.26

第8号 期待のシナリオ通りになりつつある2024.1.24

第7号 琴ノ若の実力勝ち2024.1.23

第6号 朝乃山休場2024.1.22

第5号 早く関脇以上と当てないと、大の里の新入幕優勝もありうる2024.1.21

第4号 宮城野親方(元・白鵬)の解説はよくわからない2024.1.20

第3号 霧島にはまだ横綱の強さはないですね2024.1.17

第2号 今日はなんとか勝ったけれど…2024.1.16

第1号 照ノ富士は持たなさそう2024.1.15

21号 伊勢ケ浜部屋はよい力士が育つのは当然ですね(2024.3.24

 尊富士が頑張って出場し、かつ豪ノ山を圧倒し110年ぶりの新入幕優勝を決めました。昨日の怪我の様子からすると出場してもまともな相撲を取れないのではないかと思っていたので、驚きました。しかし、いい形で終わってよかったです。もしも尊富士が負けていたら、大の里も負けたので、2人とも負けて尊富士の優勝という、なんか締まりのない終わり方になるところでした。そうならなくてよかったです。

 さて、春場所最後のこのコラムは、本日の解説者だった伊勢ケ浜親方についてです。尊富士の師匠でもある伊勢ケ浜親方は今日の解説は喋りにくいのではと思いましたが、どの力士に対しても的確な指摘をしていました。表面的な解説者としてのパフォーマンスはトーンが低すぎて今一つなのですが、しっかりその解説の中身を聞くと、言っていることは理論的で納得の行くことばかりです。尊富士に関しても、相撲を取り終わるまでは足の状態はあまりよくないというだけでしたが、終わってからは「筋が伸びてしまっているので、土俵に上がるのは無理だと思ったが、本人がどうしても取りたいというので認めた。こんな歴史的な記録のかかった一番を取らせないわけにもいかないと思った」と正直な気持ちを話してくれて、静かに感動している姿を見せてくれました。他方で阿炎にあっさり負けた熱海富士には「今日の相撲は0点」と厳しいコメントをしていました。愛情を持って厳しいことも的確に指摘していく伊勢ケ浜親方がいるから、伊勢ケ浜部屋の力士は育つんだなと改めて思いました。横綱に日馬富士と照ノ富士、関脇に安美錦、宝富士、幕内上位に翠富士、熱海富士、錦富士、そして来場所には尊富士も上がってきます。他にも、照強、誉富士など4力士も関取になっています。10人以上関取を育て、横綱を2人も作るのは、かなり指導力です。解説を聞いていると、指摘が的確なので、力士がちゃんと伸びるんだろうなとしみじみ思いました。

20号 大変なことになってしまいました(2024.3.23

 今14日目が終わったばかりですが、尊富士が怪我をしてしまいました。たぶん捻挫ではないかと思いますが、救急車で運ばれたので、かなり深刻な状態なのかもしれません。休場はせずに出てくるとは思いますが、力は出ないでしょう。豪ノ山あたりが相手になるように思いますが、勝てないでしょう。(もしかしたら立ち合いに変化をして勝機を求めるかもしれません。)ただし、3敗で追いかけるのは大の里しかいませんので、大の里が千秋楽に負ければ、尊富士は負けても優勝になります。たぶん、明日の大の里の相手は豊昇龍ではないかと思います。豊昇龍が今日勝っていれば、必ずどちらかが3敗で尊富士と同点になり、優勝決定戦になり、その場合は尊富士が勝つことはないので、大の里か豊昇龍のどちらかということになったわけですが、豊昇龍が今日負けてしまったので、下手をすると、怪我したままの尊富士が優勝という可能性もあります。最後になって誰も予想していなかったような展開になってしまいました。ただ、私は先場所終了後に、尊富士の膝から下の脚が細いのが気になる、いつか致命的な怪我をしてしまうのではないかと予想していたので、なんか自分の予想が当たった感じで怖いです。

19号 霧島推しをやめます(2024.3.22

 新十両の時から伸びる力士だと思って応援してきた霧島ですが、今場所の霧島が休場せずにふがいない負けを続けているのを見て、応援する気がなくなりました。力が出ないのに出場することが正しいと思っているとしたら大間違いです。力が出ずに負けるだけの大関なんかファンは見たくありません。とっくのとうに休場しておくべきだったのに、このまま千秋楽までふがいない姿を見せ続けるのかと思うと、ほとほと嫌になりました。今場所負け続けたことによって負けるイメージがついてしまいましたので、来場所も負け越して大関陥落ということも十分ありそうです。親方や協会首脳部もこんなふがいない相撲を取り続ける大関にはむしろ休場勧告でもすべきなのです。明日はきっと貴景勝が休場すると思うので不戦勝でしょうが、千秋楽は番付通りなら豊昇龍と結びの一番を取ることになります。霧島の勝ち目はゼロで、つまらない勝負です。万一尊富士が明日、明後日負けたら豊昇龍にも優勝の目があることになりますが、今の霧島ではそんな取組を組まない方がいいと言いたくなるほどです。そのくらいひどい相撲を取っています。今場所限りで定年になる陸奥親方が適切なアドバイスをできていないのも不快です。

 霧島問題は置いておいて、明日、尊富士に朝乃山を当てたのは実に正しいです。私が一昨日期待した取組が組まれました。NHKは貴景勝か豪ノ山か、なんて的外れなことを言っていましたが、さすがに審判部はわかっていました。まだ尊富士と当たっていない力士で一番勝つ可能性が高いのは、朝乃山です。朝乃山も立ち合いは鋭いので、立ち合いから一気に持っていかれることはないはずですし、ともに右四つなので朝乃山得意の右は入るでしょう。ただ、尊富士は相撲が早くて上手いので、立ち合いからの出足は止められても朝乃山が上手をつかむ前に二の矢で一気に走って勝つということもありそうです。まあでも、阿炎、大の里、琴ノ若、朝乃山と破るなら、文句ない堂々たる幕内最高優勝です。希望としては、明日は朝乃山が勝ち、大の里、豊昇龍も勝ち、一差で千秋楽を迎えることです。ただし、その場合も千秋楽で尊富士に勝てそうな相手探しは難しいですが。高安は力はありますが、尊富士のスピードには対応できなさそうです。しいて言えば、何をやるかわからない宇良でしょうか。まあでも、決定戦も含めてこれから3連敗しない限り、尊富士の優勝ですから、99.9%新入幕力士の優勝で間違いないでしょう。

18号 今後12年で勢力図が大きく変わりそう(2024.3.20

 尊富士が昨日の大の里に続き、琴ノ若も撃破してしまいました。立ち会いさえ止めれば琴ノ若の勝利だろうと思って見ていましたが、尊富士、二の矢も鋭かったですね。膝から下が細いのが気になっていましたが、あの脚だからこそスピードがでるのかもしれません。まるで陸上選手のような脚です。もうほぼ新入幕優勝は間違いないです。明日は豊昇龍ですが、その後はもう三役とは当てない方がいいです。残りの大関、関脇ではまったく相手にはなりません。残り3日の相手としては、朝乃山、高安という体が大きく力の強い元大関、あるいは宇良や翔猿のようなトリッキーな相撲を取る力士の方がまだ勝つ可能性がありそうです。でも、明日を含めても2敗しそうな感じは全然しません。豊昇龍は立ち合い変われば、勝てるかもしれませんが、そんな相撲を取って勝ったら、ものすごく批判を受けますのでしないでしょう。となれば、立ち合いから尊富士が一気に土俵際まで持っていくことは確実です。わずかなチャンスは、豊昇龍は足腰がいいので、そこで残して突き落としでも決まればと思いますが、尊富士は土俵際も割と上手いので、ガチっとまわしを引いて寄り切られるというイメージの方が湧いてきます。もう関心は、誰が尊富士を止めるのだろうという雰囲気になってきました。

 それにしても、大相撲界は最近は毎場所のように新入幕や幕内経験の浅い力士が優勝にからみます。今場所の尊富士、先場所の大の里、その前2場所は熱海富士、さらには伯桜鵬でした。伯桜鵬は宮城野部屋問題でやる気を失ってしまった感じで、しばらく下の方にいそうですが、他の3力士はすぐにみんな三役になり、さらには大関になる人も出てくるでしょう。大の里が早いと思っていましたが、今場所の尊富士を見ていたら、近いうちに大の里・尊富士時代になるのかなと思わざるをえません。1〜2年経ったら、番付はがらりと変わっていそうです。

 霧島はこのまま今場所で続けたら、すっかり自信を失い、来場所も負け越すという可能性もかなりありそうです。休ませるべきです。陸奥親方が今場所で定年で場所後に式典とか行われるので、それに出席するためには休場できないというような事情ではないでしょうか。今日の相撲なんて、まったく力が出ていません。自信喪失は怖いです。休ませてやってほしいです。

17号 尊富士、思った以上に強いなあ(2024.3.18

 新入幕の尊富士、上位に当てられたら勝てないのではと思っていましたが、阿炎を一蹴してしまいましたね。あの出足、そこまですごいのでしょうか?明日の大の里との一番もわからなくなってきました。立ち合いの馬力は、大の里の方があるとは思いますが、尊富士が今日の阿炎戦くらいの立ち合いができたら、大の里も一気に持っていけないかもしれません。そうなると、大の里の方が相撲が荒削りな分、尊富士が勝つということもありそうです。もしも明日大の里に勝つようなら、10日目終えて星2つの差の単独トップになります。新入幕優勝の可能性も高まります。うーーん、そんなに強い力士なのかな?希望としては、明日は大の里に勝ってもらって1敗で若手2人が並び、星ひとつの差で琴ノ若が続くというパターンがいいのですが、、、明日の結果次第ですが、優勝争いはこの3人になっていくのではないかと思います。とりあえず、大の里と尊富士には大関4人とすべて対戦させてその壁を突破できるかどうか確認させてほしいと思います。突破できれば堂々たる優勝です。

16号 霧島は休場した方がいい(2024.3.17

 すっかり自信を失った霧島が6敗目を喫しました。少し負けてもいずれ復活するだろうと思っていましたが、今場所はもうだめですね。このまま出続けて負け続けると、勝てないという悪いイメージだけが染みつきそうです。この際休場した方がいいです。

 さて、今日は春場所のことより、片桐塾生のHS君に教えてもらった相撲のサイトがあまりに素晴らしかったので、このコラムを読んでくれるような相撲好きならきっと関心があるだろうと思い、それを紹介させてもらいます。「大相撲の歴史 動くランキング」というサイトで、1807年から2020年の各場所の直近15場所の勝ち星をデータとして示したものです。各時代にどの力士が強かったのかが明確にわかる非常に興味深いデータです。このデータを作るのにどれほど時間をかけたのでしょうか。すごいです。

https://www.youtube.com/watch?v=MNCuezVZ_zs

15号 今後の展望(2024.3.15

 照ノ富士が3連敗となりました。たぶん明日から休場でしょう。6連勝は入幕2場所目の大の里と新入幕の尊富士の2人です。大の里に関しては第12号に書いたように、今場所の優勝争いに絡んでくるどころか、中心になっていくでしょう。初優勝の可能性も高くなってきた気がします。新入幕の尊富士はそこまで強いかなと思っていましたが、幕内下位ではあの出足で勝ってしまいますね。ただ、大の里ほどの体と馬力はないので、このまま勝ち進んでいって、幕内上位の実力者と当てられたらまだ勝てないと思います。三役陣では阿炎が51敗でもっとも成績がいいですが、あのバタバタ相撲では今後勝ち進むのは難しいと思います。大の里の馬力を受止められそうなのは琴ノ若くらいでしょうか。他には大の里を止められそうな力士が思いつきません。土俵際の逆転負けとかで2つくらいは星を落としそうですが、132敗でザンバラ髪の大の里の初優勝となるのではないでしょうか。

14号 王鵬が強くなったのか、照ノ富士の調子が悪いのか(2024.3.14

 照ノ富士が5日目で3敗となってしまいました。今場所は残す腰がないですね。たぶん休場することになるでしょう。他方、王鵬もかなり力をつけてきたことが実証された感じです。なかなか相撲が進歩せず幕内下位から中位に留まっていましたが、先場所あたりから突きの威力が増してきました。北の富士さんが、「王鵬は右手が使えてない」とずっと嘆いていましたが、今の王鵬は右手もしっかり出るようになりました。この突っ張りを中心に前に出る相撲を取り続ければ、これからは幕内上位で活躍できるでしょう。明日は、今日ようやく初白星をあげた霧島とです。霧島は今日もまだ本来の相撲ではなかったので、今日のような相撲を王鵬が取れたらいい勝負になりそうです。

13号 すっかり自信を失ってしまった霧島(2024.3.13

 なんと霧島が4連敗してしまいました。昨年は年間最多勝、2度の優勝、綱取りまで経験した大関が目も当てられない姿です。体がどこか悪そうには見えないので、基本的には精神的な問題だという気がします。すっかり自信を無くして、前に出てまわしをしっかり取って勝つのだというイメージが自分で湧かないのでしょうね。すぐに引き技を使い墓穴を掘る、ないしは足が思うように出ず、逆に前に落とされるという相撲が交互に出て4連敗となりました。こうなると、休場ということも頭に浮かんでくるでしょうね。でも、体は悪くなさそうなので、ズル休みはせずに、この逆境を跳ね返してなんとか勝ち越しまで持って行ってほしいものです。まあでも、今の精神状態では無理かなあ。明日の明生にも負けるようなら、休場を選択しそうです。

12号 大の里が優勝争いに絡みそう(2024.3.11

 2日目が終わりました。昨日、今日と見てきて、大の里の強さが本物になってきたなと感じています。今日は当たりの強い豪ノ山を立ち合いから圧倒し一気に押し出しました。このパワーは本物です。勝ち進んでいって上位とも当てられていくでしょうが、今の大の里なら大関、横綱とも五分以上の勝率を示しそうな気がします。先場所も上位と当てられて3連敗しましたが、今場所は同じ轍は踏まないでしょう。あの体力とあの出足は脅威です。今場所の優勝争いに絡んでくる気がします。

 さて、私が若い時から推してきた霧島が場所前の好調だという噂とまったく異なる2連敗の出だしになりました。まあ、このままずるずる行くことはないと思いますが、2連敗は痛いです。彼は落ち着いたような顔をしていますが、まだまだ自分に自信を持てていないですね。絶対引かずに前に出て勝つんだという信念が持ててないです。今日も熱海富士に小手投げで崩された後、我慢すればもう一度態勢が作れそうだったのに、安易に引いて墓穴を掘ってしまいました。霧島は安易に引かないという意識を持つことがまずは必要です。明日の相手は宇良で頭が低いので、引きたくなると思いますが、もしも引いたら宇良の思うつぼです。3連敗もありえます。まあ、前傾姿勢を維持する宇良を起こすのは難しいので、引くのではなく、たぐったり、かわしたりできるといいのですが。

11号 春場所が始まりましたね(2024.3.10

 本日から春場所が始まりました。照ノ富士、霧島、豊昇龍が負けましたね。ただまだ1日だけなので、今後どうなるかはまだ全然わかりません。なのであまり書きたいなあと強く思うことがありません。しいて言えば、錦木ってやっぱりいい力士だなということくらいです。照ノ富士と真正面からぶつかり合って、真正面から寄り切れるのって錦木くらいです。インタビューを受ける姿もかわいいです。昨年名古屋場所に初日から10連勝した再現がなったら面白いなと思いますが、そこまでは難しいかなと思います。でも、ちょっと期待してみたいと思います。

10号 照ノ富士、優勝!(2024.1.28

 結局、15日間出れば、照ノ富士がやはり圧倒的に強いんだということを確認させられた場所になりましたね。霧島は浮いてしまいましたし、決定戦の琴ノ若にもまったく勝機はなかったです。以前「つらつら通信」に書きましたが、江戸時代の雷電はこういう強さだったんだろうなと思ってしまいます。大関、関脇がまったく歯が立ちません。来場所も出てくるのかどうかわかりませんが、出場さえすれば圧倒的な第1人者としての地位は変わらないでしょう。霧島の横綱挑戦は白紙に戻りました。あと10s体重を増やし、照ノ富士と五分に渡り合えるようにならない限り、横綱にはならない方がいいでしょう。もっとどっしりとした重みが欲しいです。来場所から大関になる琴ノ若の方が横綱への道が近いかもしれません。

 この1年以内で、霧島、豊昇龍、琴ノ若と3人の大関ができました。大栄翔と若元春は関脇止まりで終わりそうです。朝乃山も怪我が多いので、大関に戻れるかどうかは今の時点では厳しいと言わざるをえません。むしろ、次の大関候補は大の里になりそうです。あの力士は、数十年に1人の逸材です。すぐに三役になり、大関候補になるでしょう。照ノ富士の後継者は大の里かもしれません。(令和6年初場所千秋楽)

9号 やっぱり照ノ富士は強い(2024.1.26

 照ノ富士、強いですね。照ノ富士は、過去の対戦成績で、琴ノ若、豊昇龍、霧島に一度も負けたことがないわけですが、今場所は万全ではないので、もしかしたら琴ノ若にもチャンスがあるかもと思って見ていましたが、歯が立たなかったです。こうなると、明日の豊昇龍にも勝つでしょうから、ぜひ霧島も琴ノ若に勝ってもらって、千秋楽最後の一番で優勝と横綱をかけて霧島が照ノ富士に挑戦するという、私のシナリオ通りに進んでほしいものです。できれば、そこで霧島が勝って優勝と横綱をつかむとなったら最高なのですが。照ノ富士の壁を乗り越えてこそ、横綱になる資格があると思います。楽しみです。(令和6年初場所13日目)

8号 期待のシナリオ通りになりつつある(2024.1.24

 上位4力士が実力通りに勝ち、1差の中にこの4力士がいるという期待のシナリオ通りになりつつあります。明日の12日目は全員下位力士が相手なのですべて勝ってもらって13日目以降の総当たりをぜひ楽しみたいものです。明日は琴ノ若が阿武咲、豊昇龍が隆の勝、この辺は番狂わせはありえません。霧島は玉鷲、照ノ富士は大の里です。たぶん、ここも大丈夫だと思いますが、琴ノ若や豊昇龍よりは多少の落とし穴もありそうです。まあでも大丈夫だと思います。そうなると、13日目が照ノ富士−琴ノ若、霧島−豊昇龍、14日目が照ノ富士−豊昇龍、霧島−琴ノ若、千秋楽が照ノ富士−霧島、豊昇龍−琴ノ若になります。私が一番期待するシナリオは、13日目、14日目ともに照ノ富士と霧島が勝ち、最後は千秋楽結びの一番で霧島が優勝と横綱をかけて同星の照ノ富士と対戦するというシナリオです。なおかつ霧島が熱戦の末に勝つというのが、私の期待するシナリオですが、照ノ富士は強いので跳ね返される可能性も高いです。でも、123敗の準優勝なら、来場所にもう一度横綱をかける場所になるはずです。琴ノ若は豊昇龍に勝って123敗なら大関に昇進させてもらえるでしょう。久しぶりに上位力士が上位力士らしい相撲を見せてくれているので、終盤の盛り上がりが尋常ではないです。(令和6年初場所11日目)

7号 琴ノ若の実力勝ち(2024.1.23

 琴ノ若−大の里戦はあっけなかったですね。今の大の里は立ち合いからの馬力だけで勝っているので、そこが通用しないとまだ全然駄目ですね。明日は豊昇龍です。琴ノ若よりは押し込めるでしょうが、豊昇龍もだいぶ体が動くようになってきているので、そのまま土俵を割ることはなく、まわしを取って逆転という感じになりそうな気がします。

 照ノ富士−金峰山戦は昨日予想したように、なんでこんな取り組みを組んだの?と言いたくなる予想通りの凡戦でした。下位の力士で当てるなら玉鷲でした。残念です。明日も、1敗でトップを走る琴ノ若の相手が王鵬です。ありえません。王鵬が勝つ可能性はゼロです。ここも玉鷲を持ってきてほしかったです。取組編成部、ちょっとずれています。琴ノ若の12日目はたぶん阿武咲でしょうが、これも琴ノ若にとっては楽な相手でしょう。朝乃山が再出場したら当てるかもしれませんが、体が完全でない朝乃山なら玉鷲の方が面白いです。13日目以降は上位4力士の総当たり戦になりますので、琴ノ若の対戦相手は、13日目は照ノ富士、14日目は霧島、千秋楽は豊昇龍で決まりです。13日目を迎えるまでこの4人が勝ち続けてほしいものです。

 照ノ富士、霧島、豊昇龍が2敗で、琴ノ若が1敗で、13日目以降の4人の総当たり戦になるというのが、最高のシナリオですが、大の里が万一明日の豊昇龍戦に勝ち、明後日当てられそうな霧島にも勝つなんてことになったら、豊昇龍戦を崩して照ノ富士と大の里という取り組みを組むかもしれません。まあ、それはそれで興味深いですが。いずれにしろ、見どころの多い初場所です。(令和6年初場所10日目)

6号 朝乃山休場(2024.1.22

1敗でトップを走っていた朝乃山が昨日の取り組みで怪我をして休場してしまいました。北勝富士も休場です。かつて「つらつら通信」(第695号 大相撲界への提言(2019.1.25))で書きましたが、大相撲はやはり土俵を改善して怪我が少なくなるようにしないと、よい素質を持った力士が伸びきれなくなってしまいます。伝統にこだわらず、土俵下にマットを敷くことはすべきです。

まあとりあえずそれは置いておいて、相撲自体についてです。朝乃山が休場したために、私が予想していた朝乃山―大の里が組めなくなったので、どうするかなと思ったら、しっかり10日目に琴ノ若―大の里を組んでくれました。そして、今日、朝乃山に不戦勝で1敗を守った阿武咲を霧島に当てる取り組みを組んだのは、相撲協会のヒットです。ただ、明日の照ノ富士の相手が金峰山というのは残念です。どこから見ても、照ノ富士が負ける相手ではなく、もう少し誰かいなかったかなと残念に思います。まあ、翠富士、熱海富士とは同部屋ですから、番付順に行くと金峰山になってしまうのですが、朝乃山がいてくれたら、照ノ富士―朝乃山だったのにと残念です。

とりあえず、明日の琴ノ若―大の里が大注目です。琴ノ若なら大の里に一気に持っていかれないとは思いますが、ありえなくはないです。11日目の大の里は、照ノ富士と当てられるのではないかと思います。(令和6年初場所9日目)

5号 早く関脇以上と当てないと、大の里の新入幕優勝もありうる(2024.1.21

 朝乃山が負けて全勝がいなくなりました。トップに並ぶ1敗は、琴ノ若、朝乃山、阿武咲、大の里の4人です。昨日も書きましたが、この中では大の里が大注目です。すでに三役の力を持っている大の里をこのまま幕内下位、中位と当てていたら、このまま勝ち続けてしまいます。明後日あたり、まずは朝乃山と当てられそうですが、朝乃山にも勝ってしまうのではないかという気がします。今、大の里を止められるとしたら、関脇以上の5力士くらいです。でも、終盤戦に入ると、この5力士同士の取り組みも組まなければいけないので、大の里や朝乃山との取り組みを作れなくなります。この何年間か、よくやってきたような上位力士同士の割を崩して、成績の良い下位力士を当てるとうのも、今場所は関脇以上の5力士はみんな成績がよいので、割崩しも簡単ではありません。

今日の遠藤戦なんて組む必要のない取組でした。今場所の遠藤に、大の里に勝つ見込みななんてゼロでしたので。明日の明生も大の里が圧勝するでしょう。これも要らない取組でした。10日目以降は、朝乃山、熱海富士あたりとまずぶつけるでしょうが、私は大の里が勝つ可能性が十分あるような気がします。そうなったら、12日目以降は関脇以上と組まなければなりません。朝乃山もそれなりには勝つでしょうから、大の里、朝乃山を関脇以上5人に加えた7人の総当たりという感じで、10日目以降の6日間の取組をしっかり作ってほしいものです。大の里が幕内下位力士だからと言って、幕内上位力士あたりとの取り組みでもいいのではと甘く考えていたら、新入幕優勝とかの可能性も出てきます。とにかく強いです。(令和6年初場所8日目)

4号 宮城野親方(元・白鵬)の解説はよくわからない(2024.1.20

 照ノ富士が正代に負けてしまいましたね。やはり突進力のある力士に一気に攻め込まれると、今の照ノ富士に残せる足腰はないですね。明日は、四つ相撲の竜電ですからたぶん負けることはないでしょうが、残り8日間果たして休場せずに済むかどうか微妙なところです。

 今日時点で、7銭全勝は朝乃山だけで、1敗に霧島、琴ノ若が続きます。照ノ富士の腰や膝が厳しそうなので、この3人が優勝争いの中心になりそうです。あと、ダークホースとして新入幕の大の里を挙げておきたいと思います。後半戦になったら上位力士とも当てられるでしょうが、大の里の馬力と腰の備えなら、上位力士とも十分渡り合えるでしょう。今の時点で、三役並みの力をすでに持っています。10日目以降あたりから朝乃山も大の里も上位力士との取り組みが組まれるでしょうが、非常に楽しみです。

 さて、本日のタイトルについてですが、本日正面解説をしていた元・横綱白鵬の宮城野親方の話は、聞いていてあまり納得ができません。妙なところに目をつけてそれを自信を持って語りますが、アナウンサーも元大横綱の発言だけに「なるほど」とか相槌を打っていますが、実際は全然わかっていない感じです。喋り方は暗いですが、元・横綱旭富士の伊勢ケ浜親方や、元・安芸乃島の高田川親方の解説は、確かにそうだなと思うことが多いですし、元・横綱鶴竜の音羽山親方の解説は一番歯切れもよく内容も納得の行くものですが、宮城野親方の解説はさっぱりわかりません。あんな独特の感覚で指導していたら、宮城野部屋の力士は伸びてこないのではないかと思います。白鵬は「名選手、名監督たらず」のタイプのような気がします。(令和6年初場所7日目)

3号 霧島にはまだ横綱の強さはないですね(2024.1.17

 霧島に土がつきましたね。相手が小兵の翠富士というのは、ちょっと印象が悪いです。横綱になろうという力士なら負ける相手ではないと思われるくらいの力士です。やはりまだ霧島には横綱を張るほどの強さは備わってないですね。まあ、それなりには勝ってはいくでしょうから、二桁以上上手く行けば12勝くらいはするかもしれませんが、優勝には届かず横綱昇進は見送りという可能性が高くなってきたように思います。

 特にそう思わせるのは、今日の照ノ富士の落ち着いた相撲です。豪ノ山が突っ張って来るのをあっさりたぐって投げ飛ばし余裕の勝利でした。腰や膝が痛くならずに落ち着いて取れば、今の大相撲で照ノ富士に勝てる人はいません。15日間出られるなら、やはり優勝候補No.1です。照ノ富士にはまさに横綱のどっしりとした強さがあります。

 豊昇龍は今日も運動神経と足腰の良さで逆転勝ちましたが、毎日危ない相撲です。それに比べたら、琴ノ若は本当に強いです。横綱を狙う霧島よりはるかにどっしりした強さを見せています。小兵にもかき回されないし、大型力士にもパワー負けしません。12勝すれば大関当確でしょうが、確実にその可能性は高くなってきています。

 朝乃山も4連勝ですね。前半戦は幕内上位力士と当たらないですから連勝の可能性もあります。下位ではやはり大の里ですね。今日は全勝の島津海を一直線で持っていきました。彼も前半戦勝ちこんでいくでしょうから、朝乃山とも当たるでしょう。結構いい勝負になると思います。この力士はすでに幕内上位の力を持っていますので、上と当てられても勝つ可能性も十分あると思います。いずれにしろ、期待されていた力士が確実に勝ち星を積み重ねている感じで、非常に楽しみな場所になってきています。(令和6年初場所4日目)

2号 今日はなんとか勝ったけれど…(2024.1.16

 照ノ富士、阿炎の上突っ張りをなんとかかわして勝ちましたね。照ノ富士は大柄な割に器用です。ただ、最初にかわしたところで勝負を決められず、土俵上でかなり動くことになりましたので、膝や腰への負担はかなりあったのではないかと思います。こういう相撲が続くと、だんだん厳しくなってくると思います。

 3日目を終えて全勝は、霧島、豊昇龍、琴ノ若、朝乃山、島津海の5人になりました。人気の朝乃山が入っているのでファンの期待は大きいでしょうが、今の朝乃山の相撲はスピードはあるけれど重みがないので、土俵際の突き落としなどを喰いやすいです。連勝もそういつまでも続かないような気がします。新入幕の島津海は非常にいい相撲を取っていて今場所それなりの成績をあげそうですが、ずっと勝ち続けるほどの力はないです。とりあえず明日の大の里との取り組みは注目です。上位3人は実力通りですが、相撲っぷりを見ると、やはり豊昇龍はじきに土がつくだろうなと思います。昨日書いたように、霧島と琴ノ若の優勝争いになっていきそうです。

高安の休場は驚きました。場所前絶好調だったと聞いていたので、その力をそのまま出せば優勝の可能性も十分あるのではと思っていたのですが、2日目の朝の稽古で腰を痛めたということで休場となりました。怪我さえしなければ、大関に戻りさらには横綱の可能性のあるような実力者ですが、怪我が多すぎます。それも膝や足首のようなわかりやすい箇所ではなく、腰なのでどのように怪我しているのかがよくわからないし、休場明けの翌場所とかでもめちゃくちゃ強い相撲を見せたりするので、ファンはもやもやするでしょうね。でも、このままでは「本当はべらぼうに強かった元大関」といった肩書で終わりそうです。(令和6年初場所3日目)

1号 照ノ富士は持たなさそう(2024.1.15

 場所ごとに相撲好きが高じてきていて、場所が済んでから1本だけ「KSつらつら通信」に書く程度では物足りなくなってきたので、お休みが続いている「北の富士コラム」に代わって、「片の富士コラム」を随時書きたい時に書くことにします。では早速始めます。

 今日の結びの一番、照ノ富士-若元春の相撲を見て、照ノ富士の今場所皆勤は難しいだろうと感じました。あの若元春の寄りを残せなかったのは、やはり腰が痛いのでしょう。この後、明日の阿炎をはじめとする激しい突き押し相撲の力士との対戦では厳しいのではないかと思います。前半戦で3敗くらいしたら休場ということになりそうです。

 他方、横綱をめざす霧島は落ち着いています。場所前の稽古で負け続けた高安を圧倒しました。この落ち着きぶりと相撲っぷりなら、優勝候補の一番手です。他の大関、関脇も2連勝ですが、強いのは関脇2人ですね。琴ノ若と大栄翔は絶好調です。貴景勝はじきに土がつくでしょう。豊昇龍も相撲が軽いので、どこかで土がつくでしょう。霧島と琴ノ若の優勝争いというのが、相撲協会的にも望むところでしょうね。

 新入幕の大の里も相当勝つでしょう。幕内中位には朝乃山もいますし、今場所の幕内は下位、中位、上位とずっと目が離せません。おおいに楽しみです。(令和6年初場所2日目)