テーマ:「神戸大学における電子ジャーナルサービス〜歩みと現状」
発表者:渡邊隆弘(神戸大学附属図書館)
日時:2001年9月1日(土)14:30〜17:00
会場:大阪市立大学学術情報総合センター
<はじめに>
今回は、神戸大学附属図書館の渡邊隆弘氏に、神戸大学における電子ジャーナル導入の状況と今後の展開について報告いただいた。
<神戸大学における外国雑誌購入>
神戸大学附属図書館は1992年より組織機構は一元化されているが、中央図書館を持たない7館・室で構成されている。また、人文・社会科学分野の外国雑誌センターが設置されている。
神戸大学における外国雑誌購入には、
<神戸大学における電子ジャーナルサービス>
電子ジャーナルへの取り組みは1996年ごろから、自然系・医学系を中心に館室レベルで行われていたが、全館的な本格対応は1999年のElsevier SD21プログラムへの参加が契機となってはじまった。2000年には、全購読誌を調査して、統合リンク集をサービスしている。2001年度からは、「情報リテラシー掛」を新設して利用支援やリンク集のメンテナンスなどの継続的体制を整えた。また、2001年度よりJSTORも契約している。
現在、全文を閲覧できる電子ジャーナルはElsevierを筆頭に計約1900タイトルである。(うち約半数が未講読雑誌である。)
利用者支援としては
<今後に向けて>
現状では、JSTORを除くと有料電子ジャーナルの契約はほとんどしておらず、冊子体購読機関向けの無料サービスに依存している。2002年度からは、Elsevier, Wileyの無料サービスがなくなるため、いよいよ本格的に経費負担問題の検討を迫られることとなった。現在附属図書館運営委員会にワーキング・グループを設置して検討中である。SD21の利用統計にも全文アクセス回数の多さ、非講読誌へのアクセス度の高さがあらわれており、電子ジャーナルの利用度はきわめて高いことが分かった。後戻りはもうできないという認識では一致している。財源問題の安定した解決が早急に求められている。
(文責:村上泰子)