「マルチメディアと図書館」研究グループ

第42回研究例会報告


テーマ:「外国雑誌の価格政策」

発表者:由良信道(京都大学附属図書館)

日時:2000年5月13日(土)15:00〜17:00

会場:京都大学工学部図書室


<はじめに>

今回は京都大学附属図書館総務課長の由良信道氏より、外国雑誌の価格政策を特に国立大学図書館の立場から論じていただいた。

<外国雑誌の価格問題>

近年の外国雑誌の高騰は図書館の蔵書構築に多大な影響を及ぼしている。これに対して国立大学図書館協議会はエルゼビア社に対して抗議文を送付するなどしているが、こうした対応が、価格の引き上げ引き下げの指導を禁じた公正取引委員会のガイドラインに抵触しないとの立場で、この問題を取り上げられた。

2000年の外国雑誌価格は前年度比平均35%高であったが、このうち本体価格の上昇率は4.5%にすぎず、30.6%が為替差損であった。しかし実際ギルダと円は連動しておらず、また円安の時期にはジャパン・プレミアムレートが課せられるなど、矛盾点は多い。一般消費材ではない学術雑誌の価格問題については、引き続き国立大学図書館協議会で検討されることになっているが、矛盾点の解消や有利な通貨で購入できる可能性など追求していく必要があることなどが指摘された。

(文責:村上泰子)

(文責:村上泰子)