「マルチメディアと図書館」研究グループ

第41回研究例会報告


テーマ:「大型計算機センターの変遷」

発表者:堀池博巳(京都大学大型計算機センター)

日時:2000年3月18日(土)15:00〜17:00

会場:大阪市立大学学術情報総合センター


<はじめに>

今回は堀池氏より大型計算機センターの変遷と最近の動向について、ご自身の経験も交えながら報告していただいた。

<大型計算機センターの変遷>

大型計算機センターの歴史は、1963年の日本学術会議による勧告「学術研究用大型高速計算機の設置と共同利用体制の確立について」にまで遡ることができること、1966年に、前年に発足していた東京大学大型計算機センターが全国共同利用を開始したのを皮切りに、全国旧7帝大で共同利用が始まったこと、当初は大学院生以上の研究者に利用が限定されていたが、やがて4回生以上の卒論利用や図書館職員の代行検索も可能となったこと、利用負担金が徴収されること、などに触れられたあと、図書館、博物館等と異なるのは「物」を一切扱わず、計算処理、情報加工処理、情報提供等のみを業務とする点にあることが指摘された。

<大型計算機センター改組の動向>

大型計算機センターは発足後次第に「全国共同利用施設」という性格に、「学内共同利用施設」という性格が加わるとともに、学内組織的には、東京大学が1999年4月よりいち早く「情報基盤センター」への改組転換を図り、大阪大学と九州大学も2000年4月よりそれぞれ、「サイバーメディアセンター」、「情報基盤センター」への改組を予定するなど、大きな変革期を迎えていることが指摘された。京都大学の場合には「総合情報メディアセンター」があるが、概算要求事項としての組織案が正式に出来上がっていない状況、とのことであった。

(文責:村上泰子)