テーマ:「大阪大学附属図書館システム管理掛の業務について」
発表者: 岡田綾子(大阪大学附属図書館)
日時:1999年2月13日(土)15:00〜17:00
会場:大阪市立大学あべのメディックス
<はじめに>
今回は大阪大学附属図書館のシステム管理掛で3年めとなられる岡田氏をお招きし、その業務の内容、日頃感じておられる問題等についてお話いただいた。
<システム管理掛の仕事>
<図書館業務システム管理>
図書館業務システムは1971年に一部業務を紙テープ方式で機械処理したのを端緒として、その後80年代に全学業務に拡大され、さらに学術情報センターの目録システムにも接続されるようになった。1990年代前半にはパッケージシステムが導入され、処理集中が目指された。1997年以降はOSにUNIXが採用され、学内LANを利用した分散型の処理システムとなっている。
現在の業務システム運用方針の特徴は、業務ワーキンググループ単位に担当業務についての責任を負い、システム管理掛はそれら全体の管理面のみを担当する、という役割分担を明確に打出している点にある。システム面でもこの役割分担を支援する形で、帳票出力など日常業務に必要な作業は各職場で簡単に行なえるようになっている。
<ODINS関係業務>
図書館内のネットワークへの接続管理と、基幹LANに関わる機器接続等の申請手続きを担当している。つまり、基幹LANから枝分かれしている図書館ネットワークの維持管理業務をシステム管理掛が行なっている。
<メール・ネーム・WWWサーバ等の管理業務>
アカウント管理・メーリングリスト管理・ログチェック・セキュリティ管理・統計管理などを行なっている。
<DB検索システム用CD-ROMサーバの管理業務>
現在UNIX、NT、Macサーバを利用して、合計20前後のDBが提供されている。阪大での運用上の特徴は10年度から採用されている課金の仕組みである。本館、吹田分館、生命科学分館以外からの利用については研究室等の単位ごとに申請を受けつけ、利用者IDを発行、年間固定料金(15000円〜30000円)を徴収する、というものである。
<その他>
その他日常的なパソコントラブル等への対応を行なっている。
最後に、買い取りサーバについてはバージョンアップなどの負担が大きい、パスワード管理を厳しく行なうように言っているが、重要性がどこまで認識されているか疑問である、掛長1名、掛員1名という体制のため、今後の業務の引継ぎ等に支障が出てくるのではないか、といった問題について感想が述べられた。
<質疑>
大学によってシステム管理の方法にも違いがあることが分り、参加者には非常に興味深く受けとめられた。特にCD-ROMデータベースサービスの内容への関心が高く、細かな運用方法についてもつっこんだ質問があった。コンテンツの購入にかかる費用とのバランスについては、ほぼ同額程度が収入として得られるということであった。
また電子ジャーナルの取扱いについて質問があり、この窓口は参考調査掛であるとの回答がなされた。
パスワードを非常に厳しく管理されていることが報告されていたが、その点について利用者からの反応や、運用についての考え方について意見の交換が行なわれた。
なお大阪大学附属図書館の詳細については、http://www.library.osaka-u.ac.jp/のホームページをぜひご覧ください。
(文責:村上泰子)