テーマ:「『日本目録規則1987年版改訂版』
第9章コンピュータファイル改定案の検討」
発表者:北克一(大阪市立大学)
日時:1998年12月26日(土)15:00〜17:00
会場:大阪市立大学学術情報総合センター
<はじめに>
今回は『日本目録規則1987年版改訂版』(以下NCR94R)第9章コンピュータファイルの改定案について、改訂の概要と問題点について話された。
<改訂の概要>
今回の改訂は主として次の3点についてなされている。
<規則的用の優先性>
NCR94Rの章だてには周知の通り、資料の刊行特性や提示形式など複数の区分軸が用いられており、複雑な構造となっている。第9章と他章との関係を整理しつつ、その問題点とその対処法について指摘がなされた。
<「記述の基盤」概念と書誌単位>
ここではインターネット上に公開されているホームページの具体例をもとに、ホームページには階層性があり、書誌作成を行なう際にはこのうちのどの単位を最小単位として考えればよいのか、いわゆる書誌単位の概念を適用することの難しさ、について言及された。またこの問題についての現時点での対処法についての提案もなされた。
<その他>
上記の問題のほか、次の諸点についても言及された。
内部情報源優先採用の原則が採用された点への言及と複製物の場合の追加条項私案の提案。
バージョンやリリースなど様々な版に類似した表示のうち、版表示とするものの範囲規定の問題点についての指摘がなされた。さらに頻繁に内容が変更されるリモートファイルに関してはさらなる検討を要する。
圧縮方式をそのバージョンとともに記録することの必要性について指摘された。
また、今回の改定案作成後にリリースされたと見られるISBD(ER)との整合性を保持する作業が今後目録委員会によって行われるものとの推測が述べられた。
<質疑>
非逐次刊行物のコンピュータファイルの問題や、記述の情報源が得られにくい事例等について活発な質疑があり、現場で生じている問題点などについての報告もあった。
(文責:村上泰子)