テーマ:「電子図書館のめざすもの」
発表者:北克一(大阪市立大学)
日時:1998年8月1日(土)15:00〜17:00
会場:大阪市立大学学術情報総合センター
<はじめに>
今回は、大学図書館にとってのいまを「受難とチャンスの時代」ととらえ、大学図書館にとっての電子図書館とは何か、という問題についての視点が示された。
<電子図書館とは>
電子図書館の前提として、デジタルの意味とネットワークの現在に触れられた後、電子図書館を「図書館の持つ情報の収集(アクセスの保証も含む)・蓄積・提供機能をコンピュータに実装し、ネットワークを介してサービスを提供しようとするもの」と位置づけ、現在さまざまなアプローチがなされている「電子図書館」なるものについて例示があった。
<図書館と電子図書館>
業務の効率化と表裏をなしていた図書館の機械化とは違い、外的な与件としていたものをも含み込むものとしての電子図書館の役割として、
<大学と大学図書館>
大学図書館が大学の「心臓」であるとした場合、電子図書館という観点から、図書館の機能はどのように再定義できるか、すなわち電子図書館がどのように研究・教育体制をサポートしてゆくのか、という問題について、大学における情報の生産・組織化・流通過程への参画という役割を以下の観点から分析された。
<さいごに>
大学図書館における電子図書館は目的ではなく、構築すべき手段(ツール)の抽象的名辞ではないか、そして技術と社会的仕組みへの積極的関与が必要とされているのではないか、との提言でしめくくられた。
(文責:村上泰子)