データマイニング・オリンピック



 

データマイニングオリンピックとは、・・・・

現実の経営データを利用して、学生、すなわち消費者独自の観点から分析し、そのおもしろさを互いに共有する交流の場である。大学機関の研究には、多くの壁が存在する。産業界と大学間の壁、大学間の壁、国の違いによる壁などである。我々は、データマイニングオリンピックを通して、それらの壁を壊し、新しい知識を発見するコミュニティを創造し、研究やビジネスに新しい可能性を求めていきたい。

データマイニング・オリンピックは、ビジネス・マイニングワークショップ(BMW)として生まれ変わりました。詳しくはBMW2003HPをご覧ください。

 

概要

    各大学の学生(院生も含む)が、POSシステムによって蓄積される膨大な販売履歴データを独自の視点から分析し、「おもしろい」ルールや知識を発見し、発表する。ここで、「おもしろい」とは3つの意味を持っている。第1の意味は、商品を効果的・効率的に販売するための有用性という意味である。第2は、もの作りのための潜在的な消費者ニーズを表している潜在性という意味、そして第3の意味は、消費者の観点からこれまで意識してこなかったルールや傾向を顕在化させるような、新規性という意味である。もちろん、これらの意味はそれぞれ重なる部分を持っているが、発見されるルールはこうした「おもしろさ」を持っていることが期待される。これらの意図は、データ分析を金銭的な利益に結びつけることだけを重視するのではなく、巨大なデータから知識を発見することの可能性をあらゆる角度から追求したいというところからきている。したがって、これらの分析の評価は、利益に結びつけられるかどうかではなく、上記の3つの視点から評価される。
    評価は上記の3つの視点から、実務家と研究者の両者の立場から行われる。ただし、できる限り、メーカーや流通といった実務家の目を通した評価が望ましい。様々な領域の複数の審査員によって、プレゼンの評価を行い、簡単なコメント、ディスカッションなどを通して、交流がもてるよう進める。上記の意図を強く強調するのは、研究者、実務家がともに歩みよる必要があると考えたためである。つまり、この会議を通し、実務家に対して、技術的な興味を得るチャンスを提供することが重要であり、分析者は技術的な話題に偏ることなく、一般聴衆にも容易に理解できるプレゼン能力が求められる。
    データマイニングオリンピックは、ビジネスデータにおける知識発見のコミュニティとして機能し、国境を越えたネットワークを構築していきたい。やがては、このコミュニティでの交流を源として、多くの企業家が育ち、多くのベンチャー企業がスタートアップしていくことを希望している。データマイニングオリンピックは、そうした人たちのインフラ、インキュベーターとして、非営利目的の組織として運営されるものと考えている。

経緯

現在、発見科学、KDD(データベースからの知識発見)、データマイニングなどの研究領域は、多くの研究者、実務家の注目を集めている。特にビジネス領域からの関心には切実なものが多い。過去に開催された「ビジネス応用におけるデータマイニングと知識発見」に関するワークショップは、多くの研究者、実務家を集め、おかげさまで好評をいただいている。この企画は、こうしたワークショップをさらに進化させ、産学共同の礎にまで発展させようとするものである。

目的

この企画の目的は、データ分析を通して、実務と教育の現場、研究者と実務家、学生と社会人、理系と文系の学生・研究者、そして日本とアメリカの学生といった、異なる領域の人間が交流し、新しい手法やアイデア、考え方を相互に学び合うことを目的としている。その結果として、発見科学、データベースからの知識発見、データマイニング研究など情報化に関わる研究領域に寄与し、産学協同の礎になることを目指している。

会議で利用されるデータの特色

現在、研究機関等に公開されているデータのほとんどは、わずかなサンプルデータもしくは、加工済みの限定されたデータである。この会議では、企業から無償で提供された現実の販売データを公開させていただくことになった。大学研究機関に関しては、無償でこのデータを利用し、様々な分析を行うことが可能である。そのデータは、数十GB以上におよび、現実の経営データとしては他に類を見ないものである。こうしたデータは、当研究領域の貴重な財産であり、研究の発展に大きな貢献を提供できるものと考えられる。

分析対象データ

ドラッグストアの販売データ
地域:全国
年度:1995年?1999年
データサイズ:数十GB以上
*必要に応じて、部分的に使用することになる。
 

主催

DMBA (Data-Mining in Business Application)研究グループ
 

プログラム委員候補

加藤直樹(京都大学)
宮野悟(東京大学)
羽室行信(大阪産業大学)
矢田勝俊(関西大学)
宮崎平(G&Gファルマ株式会社)
竹内裕之(G&Gファルマ株式会社)

お問い合わせは、下記まで。
E-mail:yada@ipcku.kansai-u.ac.jp