V.成功要因〜無印良品の成功の秘策〜

 

 

 無印良品には、色々な成功要因が挙げられるが、その中で3つの要因について取り上げ

 

たいと思う。

 

 

 @低価格商品路線

 

 

  無印良品は、「百貨店の7割の価格で販売する」という、低価格商品路線をとってい

 

  る。小売業界では価格破壊の言葉に象徴されるように、低価格指向の消費者ニーズに

 

  対応すべく、激しい低価格競争を繰り広げている。この流れに対応するために、無印

 

  良品は積極的に低価格政策を打ち出した。1994年は、景気の低迷による個人消費を逆

 

  手にとって販売価格を15%から20%に引き下げた。95年も「価格見直し宣言」をし、

 

  230品目について、20%から40%も価格を引き下げた。これは、海外からの生産に加

 

  え、国内でも工場へ直接注文し、問屋の介入を極力避けたため実現した。

 

 

 

 A工程・素材・包装の見直し

 

 

  無印良品には工程・素材・包装の見直しといった3つのコンセプトがある。

 

 

  A.工程の見直し

 

 

  工程の見直しでは、生産工程での商品本来の質に関係のない、ムダな作業を徹底して

 

  省き、本当に必要な工程だけを活かすということである。無印良品の商品全般に言え

 

  る、大きさを揃えることや、全く同じ形にすること、そして飾りなどをつけるという

 

  ような手間を極力省いた実質本位のものづくりを心掛けるということである。

 

 

    B.素材の見直し

 

 

  無印良品では素材を見直し、そのまま活かすことで、良いものをつくることができる

 

  としている。高品質でも見栄えのために捨てられている素材・業務用の素材・安価な

 

  旬の材料など見過ごされている素材を活かして、低価格で質の良い商品を開発してい

 

  る。

 

 

  C.包装の見直し

 

 

    過剰な包装を控え、一括包装にすることによって、飾らず、そして地球に優しいもの

 

  づくりを心掛けている。無印良品の商品を見ても、どれも最小限のパッケージであっ

 

  さり包まれており、包装の簡素化が図られているのが分かる。

 

  この、3つのコンセプトに沿ったものでなければ、「無印良品」というラベルを付け

 

  るべきではない。そういう意味では、むしろ、「無印良品」というブランドとして意

 

  識しなければならない。

 

 

 

 B無印良品のブランド化

 

 

  無印良品は、依然人気が衰えない。シンプルなつくりが、主なターゲットである若者

 

  だけでなくお年寄りまで幅広い支持を得ている。無印良品はその名が示す通り「ノー

 

  ブランド」の象徴として、とらえられてきたが、認知度が上昇するに連れ、今や無印

 

  良品は、「無印良品」という、一種のブランドとなっているというのが現状である。

 

   無印良品は今後、時代の変化に対応した新しい商品を開発し、新しい時代に向けて、

 

  新しい生活の基本をきっちり考えていくことにより、さらに成長していくであろうと

 

  思われる。