[春][秋]D文化交渉学(東アジアの言語と表象),D中国文学特殊研究(1)(2)A,B


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 この演習は敦煌曲子詞、とくに『雲謠集』に注釋を加える。2023年度春学期は「拜新月」から始める。
4月13日は、まず冒頭に担当教員・長谷部が敦煌曲子詞研究の方法について説明する。受講生は予習として、高國潘『敦煌曲子詞欣賞』(1985)(南京大學出版社,2001)p.311-319「拜新月」を読んでおくこと。
ただし、この演習では、高國潘『敦煌曲子詞』に書いてある"欣賞"以上の學術的研究を遂行するので、受講生は今後、十分な研究時間を設けたうえでこの演習に出席すること。
具体的には、上記の赤い字の資料は必ず用いる。
4月13日の研究の焦点:[1]「拜新月」:冒廣生[校]『新覯雲謠集雜曲子』:此調若以聲響求之,即《安公子》。[2]【押韻】(〔 〕内は『廣韻』の韻目)歸〔上平聲8微〕・迷〔上平聲12齊〕・明〔下平聲12庚〕・閨〔上平聲12齊〕・知〔上平聲5支〕・衣〔上平聲8微〕・斯〔上平聲5支〕・伊〔上平聲6脂〕→饒宗頤「敦煌曲韻譜」平聲第七部(支脂之微齊)・第十一部(庚耕清青蒸登)通用者。
4月13日以降、この「拜新月」の訳注稿を作って行くことになるが、その際には過去の講義で閲読した『全唐五代詞』p.812-814「雲謠集雜曲子・傾杯樂」訳注稿を参照すること。これ以前の敦煌曲子詞の日本語による注釈は、
  水原渭江「敦煌詞」(『近代上代における中國文學・上』,1970)
  敦煌作品研究會「敦煌歌辭譯注」1(『敦煌作品研究』創刊号,2009年4月)
  長谷部剛,橘千早「敦煌曲子詞訳注稿(一)」(「関西大学東西学術研究所紀要」51,2018)および同「(二)」(同52,2019)
などがある。
唐宋詞と音楽(2023年4月14日)講義:[1]饒宗頤『敦煌曲』詞與樂府關係之演變表,[2]村上哲見「詞源流考」(『宋詞研究-唐五代北宋篇』,創文社,1986),[3]施議對『詞與音樂關係研究』,[4]王昆吾「從詞體形成的條件看詞的起源」