■ そもそも「映画カード」とは何ですか?
「映画カード」とは、自分が見た映画にかんする情報や感想などを、1枚のカードに書き込んだものです。1本の映画につき、原則1枚のカードを使用します。たまってきたら、バインダーに綴じて保管します。 映画カードは、後述するようにインデックス(目印)をつけて分類するので、1本につき複数のカードがあれば管理が煩雑になってしまいます。最低限の情報を沢山蓄積するようにしましょう
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■ 何のために作成するのでしょう?
映画カードを作成するのは、見た映画を忘れないようにするためです。しかし、単なる備忘録ではありません。カードを蓄積させ、インデックスをつけて分類することで、自分だけの映画データベースとして活用できます。時間がある時にぱらぱらめくってみると、自分が興味を持っている分野や自分自身の問題意識の所在を明らかにすることができます。こうした作業を継続していけば、レポートや論文のテーマを的確に設定できるようになるでしょう。
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■ パソコンのデータベース・ソフトやウェブログを使ってはいけないのでしょうか?
もちろん問題ありません。データベース・ソフトは検索機能が充実していますし、ウェブログを使えば他の人との交流が期待できます。しかしここではあえて、アナログな手書きでの作成をおすすめします。 映画カードは、自分の考えを練り上げるためのツールです。ですから、できる限り頻繁に目を通した方がよいのです。パソコンを使うとなれば、映画カードを閲覧するためにいちいち電源を入れなければなりません。しかし手書きのコンパクトなカードならば、電車の中でもベッドの中でも見ることができ、便利です。
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■ どのように作成するのでしょうか?
まず、カードとバインダーを入手します。大学生協などの文房具コーナーで販売しています。カードの大きさや罫線あり・なしなど様々な種類がありますが、自分が好きなもので結構です。ただし、綴じ穴がついているものにしましょう。わたしは、B6サイズ(128センチ×126センチ)の罫線ありのタイプをつかっています。
次に、カードの書式を考えます。書式は自由ですが、例を下に示します

右上の色の部分は、インデックスです。バインダーに綴じる時に、同じインデックスを持つカードを一つのグループとして分類し、綴じます。インデックスの内容は好きなように設定し、「赤はジャンル」「青は制作国・地域」などという具合にマーカー・ペンで色づけします。バインダーに綴じたときのことを考えて、カードに色づけする位置を初めから決めておきましょう。色づけが面倒なら、代わりに監督名や作品名のアルファベットを書くだけでもよいでしょう。
「まだどのように分類すべきかがわからない」という場合、とりあえずカードが一定程度蓄積するまで、インデックスをつけなくて結構です。インデックスによる分類は後でもできます。映画カードは分類方法が大切ですから、あせって分類する必要はありません。
重要なポイントは3点あります。- 全てのカードの書式を統一すること。
あらかじめ「これだけははずせない」という項目があれば、決めておきましょう(たとえば、「女優さんが好き」であることがはっきりしている場合は、すべてのカードに女優情報を記録するようにします)。 - 項目やインデックスを煩雑にしないこと。
長続きさせるためにも、また後で分類する時に混乱を生じさせないためにも、できるだけ簡単な書式にします。特に作品情報にかんしては、今はウェブ上のデータベースをいつでも参照できますから、それほど詳細でなくともよいでしょう。 - ニーズに合わせて何度も分類すること。
時々カード全体を見直し、似たような項目や感想が書かれてあるものを適宜グルーピングしていきます。その時々の関心にあわせて柔軟にグルーピングを繰り返すことで、自分の関心に合わせた分類が自然に出来上がってきます。面白いグループができあがったら、新しくインデックスを作成すると便利です。作りっぱなしではだめなのです。
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■ 具体例
ここまでの記述ですでに「難しい」「面倒だ」と思った人のために、今から10年以上前に大学生だったS原さんが作ったカードを紹介します。彼女の例を見て、「この程度のものなら自分でもできる」と考え直してもらえたら幸いです。
まず、比較的まともなカードを下に示します。

「かおがやらしくて云々」という記述は「どうか?」と思いますし、せめて「顔」くらい漢字で書いておきたいものです。けれどもこのカードのいいところは、『パシコムおじさん』という映画は、漫画が原作であること、そしてインドネシアでは映画で政治批判を行うことが困難であったことを調べて書いている点です(本当は、調べた本などの名前も書いておくのが理想です。)。このような情報を書き込んでいけば、他のカードで似たような情報を持つものと一緒のグループにまとめられます。そうすることで、自分がどのようなテーマに関心を持っているかがはっきりとわかりますし、この場合たとえば「映画における表現の規制」という大まかな研究の方向性を定めることが可能でしょう。
次に、悪い例を示します。

このカードからは、『アニー・ホール』という映画がどのような映画だったのかが全くわかりません。「良かった」「楽しかった」という感想さえ書かれていません。ただ、「もう1度みるべき映画」との記述から、S原さんはこの映画が気に入ったということは推測できます。また、「ウッディ・アレンはナーズだ」という下りは全く意味不明です。おそらくS原さんはこの時期自分で「ナーズ」というキーワードを設定して「研究」していたらしいのですが、今では「ナーズ」が何であるか、全然覚えていないそうです。後々繰り返し閲覧することを考えたら、あまりに個人的な言葉を使うのは避けたほうが無難でしょう。
ただ、映画カードは継続し、蓄積していくことが一番大切です。はじめのうちは色々と試行錯誤を続け、作成することを楽しむようにしましょう。映画を見るたびにカードを作るのが面倒ならば、数本分の映画カードをまとめて作ってもいいですし、必要な映画のカードだけ作成するのでもかまいません。あわてずあせらず、ゆっくり構えて作っていきましょう。映画カードは、必ず「宝物」になりますよ。
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■ カード作成のための参考文献
ここで紹介した方法は、以下の書籍を参考にしたものです。いずれもカード分類によるアイデア整理の古典的文献です。オリジナルの方法を編み出したい時は、是非参考にしてください。 関西大学図書館蔵書検索システムKOALA
ここではアナログな方法を紹介しましたが、「パソコンで作りたい!」という人はもちろんパソコンで作ってもOKです。そのための技術にかんする書籍も沢山あります。自分のやりやすい方法を自由に作っていきましょう。
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