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映像文化専修について


  1. 何を学ぶのか?
  2. どのように学ぶのか?
  3. どんな能力を身につけるのか?
  4. 映像文化専修の3つの特徴
  5. カリキュラムについて 2009/04/04追加
  6. 映像文化専修Q&A

何を学ぶのか?

 2006年度に新専修としてスタートする映像文化専修は、映画を中心とするグローバルな映像文化の歴史的展開や文化的背景を総合的に学習する専修です。

 「映像文化」という言葉は、狭い意味での映画だけでなく、写真、絵画、漫画、アニメーション、広告、コマーシャル、テレビドラマ、プロモーション・ヴィデオ(PV)、ヴィデオ・アートなど、さまざまな視覚芸術を含みうる言葉ですが、やはり映画がわれわれにとって最も身近で、最も豊かな映像芸術であることから、私たちの専修で中心的に学習するものは、映画になります。

 講義や演習では映画を中心に視覚芸術を幅広く積極的に取り上げます。演習においては、映画はもちろんのこと、映画以外の映像文化について履修者個別のテーマを設定し学習を進めることも可能です

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どのように学ぶのか?

映画の2つの特徴

 映像文化専修では、映画をどのように学ぶのでしょうか? おおざっぱに言って、映画には、地域性と越境性という二つの大きな特質があります。

 一方で、映画という芸術は、言うまでもなく、それが作られた地域の文化に根ざしています。たとえば、中国映画を理解するには、ある程度、中国の風習や歴史を知らなければなりませんし、アメリカ映画やヨーロッパ映画についても基本的には同じことが言えます。これが映画の「地域性」という側面です。

 しかし他方で、映像というものは一種の普遍言語的な性質を持っていて、たとえ文化的背景などを知らなくても、眼で見るだけである程度の知識が伝わります。実際、どの地域で作られたものであっても、映画の基本的な文法(映画技法のリテラシー)は、ある程度共通しています。その結果、世界各国の映画には、地域横断的な相互影響関係が見られます。これが映画の「越境性」という側面です。


メディア史のなかの映画

 同時に、映画がそれ以外の映像文化とどのような関係にあるのかを考えておく必要もあります。例えば、映画が出現した19世紀末の世界は、どのようなメディア環境にあったのでしょうか。インターネットはもちろん、テレビもラジオもなく、かろうじて電話や蓄音機が発明されていた当時の視聴覚環境は、現在とはおよそ異なるものではありましたが、感覚的な刺激に満ちあふれた近代的な都市体験が生まれつつあったという点で、現在と連続的な要素もまた見られました。テレビの登場によって、シネマスコープの大型スクリーンを導入するなど、映画も変容を被らざるを得ませんでしたが、YouTubeやニコニコ動画で簡単にネット上の動画が見られる現在、映画がメディア環境の中に占める位置も異なってきているのではないでしょうか。ともあれ、映画とは何かをより真剣に考えるためにも、19世紀以降の映像メディア史を振り返っておくことは必要不可欠な作業です。(2009/04/04追記)

下位年次で学ぶこと

 映像文化専修では、映画の地域性と越境性という2つの特質の両方を重視していきますが、まずは地域をどこか一つに限定することなく、大きく分けて3つの文化圏の映像文化をバランスよく学んでもらいます。その3つの文化圏とは、

  • ハリウッド映画を中心とするアメリカの映像文化
  • フランス映画をはじめとするヨーロッパの映像文化
  • 中国語圏の映画を中心とする東アジアの映像文化
 です。

 アメリカ、ヨーロッパ、東アジアという3つの文化圏の映像文化を広く見渡すことで、いずれにも共通する映画技法の基本的なリテラシーを身につけ、同時に映像文化の地域横断的な広がりを体感することが主に2年次までの目的になります。


上位年次で学ぶこと

 次の段階として、各自の関心に応じて、地域を横断して複数の文化圏の映画を比較するアプローチを学習することもできますし、逆に、特定の地域の映画の歴史的展開や文化的背景をより専門的に探究することもできます。あるいは、映像文化研究に有用なさまざまな理論的ツールを習得したり、映像文化を取り巻くさまざまな社会的制度や実践的な活動への理解を深めたりすることができるカリキュラムが用意されています。

 同時に、3年次から始まる少人数の演習(ゼミ)では、担当教員との緊密な連携の下に、各自が研究テーマを決め、自分で調査・考察したことを発表するという発信型の学習をすることになります。これらを踏まえた上で、4年次の卒業演習では卒業論文執筆へ向けてテーマを設定し、個別に研究を進めていきます。

 私たちの専修は、芸術系大学の映画学科とは違って、映像制作を学ぶ場所ではありません。とはいえ、デジタルヴィデオカメラとパソコンを使って、自分で短編を作ってみることは、映画技法の基礎を理解するために大いに役立ちますので、なるべく実習の機会を設ける予定です。

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どんな能力を身につけるのか?

 4年間を通じて、地域性と越境性をあわせもつ映像文化を幅広く学習することで、専門的かつ複眼的な見地から映像を批判的に読み解く能力を磨くことが、映像文化専修の最終的な目標です。この能力は、かつてなく多種多様な映像が氾濫する現代社会において、どのような進路をたどるにせよ、非常に重要な能力です。

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映像文化専修の3つの特徴

映画の人文学的研究が中心であること

 総合大学において、映像文化を専門的に学習できる場所は、全国的にも決して多くはありません。もちろん、多くの芸術系大学には、映像の制作を主な目的とする学部や学科が存在していますが、映像文化の人文学的研究を本格的に学習することのできる組織は、日本においては多いとは言い難いのが現状です。映像文化専修の専任教員は、日本と海外の両方の高等研究機関で映像研究に従事した経歴を持っていますので、諸外国の例も参考に、日本の実情に合わせた柔軟かつ充実した教育内容を提供します。

複数の文化圏を横断的に学習できること

 これまでの関西大学文学部にも、映像文化を学習する場は存在しましたが、それはどちらかと言えば地域文化研究の一環という傾向が強いものでした。本専修の設置によって、地域という枠組みにとらわれずに、幅広く映像文化を学習することができるようになります。映像文化専修は、単に一つの地域の映像文化しか知らない学生ではなく、複数の文化圏の映像文化を比較考察でき、そこから発見的な知を紡いでいくことのできる柔軟な知性と感性を持った学生を養成していきます。

時代が求める知識を修得できること

 現在、映画をはじめとして、放送番組、アニメーション、ゲームをも含む、いわゆる「映像コンテンツ産業」がますます重要になってきています。その際、映像制作技術を持ったクリエーターはもちろん、世界に広がる映像文化についての専門的な知識と感性を持った人材も社会からますます求められるようになると考えています。映像文化専修は、クリエーターを養成する場所ではありませんが、より巨視的かつグローバルな観点から映像コンテンツ産業の発展に貢献しうる人材も養成していくつもりです。

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カリキュラムについて

 映像文化専修のカリキュラムは、アメリカ、ヨーロッパ、東アジアを中心とするグローバルな映像文化を無理なく学んでいけるように作られています。

 1年次配当科目の「学びの扉」では、世界の映像文化の多様性を知り、また映画を研究するとはどういうことなのかを理解することができます。「知へのパスポート」はもう少し分野を特定して、より掘り下げた形での演習を行います。2006年度に限って言えば、他にも「フランス文化論」、総合講座「日本学」(秋学期)などの科目で、映画に関する内容が扱われます。

 2年次配当科目の「映像文化論基礎研究」では、どの地域の映画にも共通する、映画技法の基本的なリテラシーを身につけます。また、「映像文化論基礎演習」は、少人数による演習科目です。その他、異なる地域の映像文化を比較研究する「比較映像文化論」、映像文化の歴史的展開を学習する「映像文化史」などの講義科目があります。

 3年次配当科目の「映像文化論専門研究」では、テーマや地域を限定して、より深く映像文化を学びます。また、「映像メディア制作論」では、できれば実際に短編映画を作るながら、映像技術や、映画製作の制度的な側面への理解を深めます。3年次から「映像文化論演習」(いわゆるゼミ)も始まり、学生が一人ずつテーマを定め、指導教員と相談しながら本格的な研究を進めていくことになります。

 4年次には、学習の総まとめとして、「卒業演習」(ゼミ)において各自のテーマをさらに追究して、卒業論文を作成することがメインになります。

 *カリキュラム概念図における配当年次は変更の可能性もあります。

(2009/04/04追記)2009年度入学生より、新しい科目が増えることになりました。

  • 映像メディア研究a/b(2〜3年次配当科目)
  • 映像文化論専門研究1a/b、2a/b(3年次配当科目)

     詳しくは『大学要覧 Handbook 2009』でご確認ください。

    2007年度シラバス

    映像文化専修が提供する1年次生向け科目、およびそれに関連する授業のシラバスです。

    最新の情報は関西大学シラバスシステムから参照できます。

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    映像文化専修Q&A

    1. 映像文化専修では、映画を作ることはできますか?
    2. 芸術系大学の映画学科との違いは何ですか?
    3. 映像文化の人文学的研究とは何ですか?
    4. アニメーションの研究をすることはできますか?
    5. 映像文化を学ぶにあたって、外国語運用能力は必要ですか?
    6. 映像文化専修でとることのできる資格はありますか?
    7. 卒業後の進路として、どのような道がありますか?

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    1 映像文化専修では、映画を作ることはできますか?

     私たちの専修は、映画制作を学ぶための場所ではありません。映画を作るのではなく、どのように映画を「見る」のかを中心に学習します。とはいえ、3年次配当の「映像メディア論」や、担当教員によっては3年次からの「映像文化論専門演習」(ゼミ)においても、デジタルヴィデオカメラとパソコンを用いて、簡単な制作実習を行う予定です。また、映画制作を行っているサークルは複数ありますので、課外活動として映画を作るチャンスもあります。


    2 芸術系大学の映画学科との違いは何ですか?

     映像文化専修は、あくまでも文学部総合人文学科のなかの専修の一つとして、映像文化の人文学的研究を学習する場所です。また、文学部ではカリキュラムの自由度が高い(必修科目が少ない)ので、2年次に自分が所属した以外の専修が提供する多数の科目を、自由に選んで履修することができます。それによって、単に映画のことしか知らない「映画オタク」になるのではなく、もっと幅広い人文学的立場から、映画をはじめとする文化のことを考えることができるようになるはずです。これが関大文学部で映像文化を学ぶことの大きな利点と言えるでしょう。


    3 映像文化の人文学的研究とは何ですか?

     映像の制作ではなく、映像を人文学的に研究すると言っても、イメージが湧きにくいかもしれません。特に、日本の大学では、非制作系の映画学科が数えるほどしかないので、そのような疑問が出てくるのもなおさらです。しかし、美術史や芸術理論を学ぶのと似たような感じで、「映画のどこをどのように読み解くか」といったことを学んだり、映画を通じて何らかの文化的現象(たとえば、欧米映画における日本人のイメージ、東京という都市の映画的表象の変遷など)を研究したりすることのできる学科は、欧米諸国の大学にはほぼ必ずと言っていいほど存在します。「学びの扉」を受講することで、映像研究の豊かさの一端が理解できると思います。


    4 アニメーションの研究をすることはできますか?

     本専修には、アニメーションを狭い意味で専門としているスタッフはいませんが、アニメーションも映像文化の重要な構成要素ですから、3年次以降のゼミでアニメーションをテーマに選ぶことはもちろん可能です。ただし、半期の授業全体を使ってアニメーションを講じるような授業が今後、開講されるかどうかは不確定です。


    5 映像文化を学ぶにあたって、外国語運用能力は必要ですか?

     映像文化専修では、特定の外国語を必ず学ばなければならないということはありません。しかし、映像文化に関する掘り下げた研究を行うためには、少なくとも1つの外国語はきちんと習得する必要があります。それに加えて、特に興味のあるエリアに関しては、ごく初歩的な知識を身につけるだけでもいいので、積極的にチャレンジしましょう。また、語学教材として、英語・フランス語・中国語などの各言語で、多くの映画シナリオや対訳シナリオが出版されています。気に入った映画を見ながら学習するのも、外国語の上達に有効な手段です。


    6 映像文化専修でとることのできる資格はありますか?

     文学部の他の多くの専修と同様、教職科目を履修することで、中学1種・高校1種の教員免許を取ることができるほか、必修科目を履修することで司書資格を取ることもできます。映像に関連した資格としては、株式会社キネマ旬報社/キネマ旬報映画総合研究所が主催する「映画検定」(4級〜1級)が存在します。第1回検定日は、2006年6月25日(日)です。本専修で学習することで、こうした資格取得がよりたやすくなることは間違いありません。

    (映画検定ホームページ:http://www.kinejunsoken.com/eigakentei/
    7 卒業後の進路として、どのような道がありますか?

     映像文化専修を卒業したからといって、誰もが映像に関する仕事に就くわけではありません。文学部で幅広く学んだ事柄を活かして、さまざまな業種に進むことができるでしょう。とはいえ、映像関連業界に就職したい人も少なくないと思います。しかし、近年、「映像コンテンツ産業」が発展しているとはいえ、映画業界への就職はきわめて狭き門であることは肝に銘じておいた方がよいでしょう。その上でアドバイスすれば、@映画に関して、偏った知識ではなく、時代、制作国、ジャンルなどの点で幅広い教養を持つこと、A常日頃から、映画の中身はもちろん、予告、宣伝、封切り期間などといった制度的側面にも注意を払って観察しておくこと、そして何よりもB高いコミュニケーション能力(日本語はもちろん、外国語も)を身につけることの3点は最低限、必要不可欠な事柄と言えるでしょう。


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