総合講座

  「日本学」1

菅原慶乃・堀 潤之・笹川慶子・森貴史

秋学期

水5

 

【講義概要】

現在、日本映画はかつてないほどの活況を呈している。例年、国際映画祭にていくつもの作品が高い評価を得、ジャパニーズ・ホラーがハリウッドで次々とリメイクされる一方、国内市場においても、ハリウッド大作と並ぶ観客動員数を得る作品が定期的に製作され、またいわゆる「ミニシアター系」の作品群もその質と多様性において豊かな展開を示している。また、日本のアニメーション映画が、世界の市場で高い評価を得ていることは言うまでもない。  

 本講座では、上記の状況をふまえつつ、リレー講義形式により、近年の日本映画のさまざまな潮流やテーマを解説する。また、ゲスト講師により、TV放映・保存といった映像文化を支える仕事に関する紹介も行う予定である。

 

 

【講義計画】

近年、とりわけ1980年代以降の日本映画の全般的な状況を概説した後、監督・現象ごとの各論に入る。以下のようなトピックを扱う予定である(順不同)。  

 

 

1990年代の日本映画(笹川)

 かつて日本映画といえば「暗い」「つまらない」というイメージがつきまとっていた。ところが今、日本映画のヒットが続き、日本映画の復活などといわれるまでになった。日本映画にいったい何が起こったのか。90年代に焦点を当て、日本映画産業のあり方がどう変わったのかを多面的に検討するとともに、そういった状況の中で、どんな作家が、どういった作品を作るようになり、それが現在の日本映画ブームとどう関係するのかについて考えてみたい。  

 

 

・日本文化の多様化と日本映画(菅原)

  

岩井俊二、三池崇史、中江裕司といった監督の作品を取り上げ、1980年代後期以降大きなトピックとなった「エスニック・ブーム」や「アジア・ブーム」とのかかわりについて講じる。  

 

 

・実相寺昭雄〈怪獣と宇宙人のいる風景〉 −ウルトラセブンとウルトラマンマックスを江戸川乱歩で結合する−(森)

 第1次怪獣ブームを生み出した初期ウルトラシリーズの監督である実相寺昭雄は200611月末になくなったが、その人気が風化する兆しはいまだみえない。本講義では、その幻想的な映像の魅力を味わいながら、分析することにしたい。  

 

 

・庵野秀明〈演出と手抜きのはざまで〉 −手法としてのアニメ演出−(森)

 本放送から10年たって、さらに4部作の新作としてリメイクされる『新世紀エヴァンゲリオン』。本講義では、アニメフリークのみならずSFファンまでも魅了する、かれの演出テクニックの本質を紹介しながら考察することとする。  

 

 

・ホラー映画の演出(堀)

 1990年代後半以降、たくさん作られるようになった日本製のホラー映 画、特に黒沢清の作品を

取り上げ、恐怖を演出するとはどういうことな のか探ってみたい。  

 

 

・テレビ局のアーカイヴ事業について(ABCリブラの吉田太郎氏によるゲスト講義、予定) 

 

 

・テレビ局の映像製作の現場について(朝日放送の方々によるゲスト講義、予定) 

 

 詳しい講義日程表は、授業開始時に配布する。

 

 

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