応用物理研究室 ナノ班
指導教員:新宮原 正三 教授
TEL : 06-6368−0881
メール: 新宮原メールアドレスへ
自己紹介:
広島県生まれ、2005年4月より関西大学に勤務しています。今日までに、流体物理(渦巻きの自己組織化)、LSI微細配線技術、半導体極微細加工技術、ナノ構造の自己組織形成とデバイス応用、等の研究を行ってきました。
現在の主な研究テーマは、ナノ構造の自己組織形成と電子デバイスや各種センサーへの応用、三次元立体配線技術、及びナノスケールの極微細素子や金属配線の信頼性物理などです。最近はナノテクブームですが、ナノマテリアルが持つ様々な機能を真に役立たせるためには、ナノからマイクロまでを如何につないでいくかが重要なポイントだと思っています。そこで、新たなナノマテリアル形成法や物性の探索研究を行うのみでなく、その機能を最大限に引き出すためのシステムの構築にも今後力を注いで行きたいと思っています。
略歴: 東京大学教養学部基礎科学科卒業(1980)
東京工業大学理工学研究科応用物理学専攻博士課程修了(1985)、理学博士
東芝ULSI研究所勤務(1985-1990)
広島大学工学部二類電子物性大講座 助教授(1990-2001)
広島大学先端物質科学研究科 助教授(2001-2005)
2005年4月より関西大学工学部 教授
趣味:山歩き と クラシックギター

研究テーマの紹介
1.自己組織化アルミナ・ナノホール配列を用いた高機能ナノ構造体形成
陽極酸化アルミナは様々なサイズのナノホールの規則配列を自己組織的に形成することが可能な物質です。古くからアルマイト処理として用いられてきた材料ですが、1990年代後半よりナノ構造形成のための鋳型に利用するための様々な研究がなされてきました。特に2000年以降は関連研究者数も世界的に増加しており、かなりポピュラーになってきました。
電圧一定条件での陽極酸化によりナノホールの間隔が10nm-1000nm程度の範囲で制御できます。下図のホール配列は規則化条件で形成したものですが、ホール配列の規則化は限られた電圧条件でしか達成できないという制約があります。さらに規則化可能な電圧条件を拡げる事も、現在重要な技術課題となっています。
我々はナノホール配列をシリコンなどの半導体基板上に形成する技術を世界に先駆けて確立しました。最近では、ナノホールに強磁性体を埋め込んで高密度磁気記録媒体の形成を行ったり、半導体を埋め込んでナノサイズの発光素子の研究などを行っています。
関連発表文献
J nanoparticle research 2003.pdf へのリンク (陽極酸化アルミナに関するレビューです)
Surface Science 2003.pdf へのリンク(SiO2上のAlドット形成と伝導特性に関する論文です)
2.三次元微細配線の高性能めっき技術(無電解ボトムアップめっき)
LSIの配線技術は三次元化、微細化の一途を辿っています。2005年時点で最小線幅65nm(開発レベル)、配線層数10、さらには薄いLSIチップを縦に積み重ねた三次元実装の実用化の機運も高まっています。銅やバリアメタルのめっき技術はその技術的基盤の根幹をなすものです。めっき技術は一昔前まではローテクと呼ばれていましたが、現在ではナノテクを牽引する重要なハイテク技術です。
我々は無電解銅めっきでもボトムアップ堆積が可能なことを世界で初めて見出しました(IEDM 2003発表)。この研究成果は当時私のグループのポスドクだった王増林博士(現在は中国、Shaanxi
Normal Universityの化学科 教授)の真摯な努力によるものでした。電解銅めっきによるボトムアップ堆積技術は既に確立しておりましたが、今後の更なる微細化においては、無電解ボトムアップめっきの果たすべき役割は大いに期待されます。その理由は、電解めっきが必要とするCuスパッタシード層は、無電解めっきでは不必要となるからです。線幅50nm以下の将来技術においては、バリアメタル上への触媒なし無電解ボトムアップ銅めっきの重要性が高まるのではないかと予測しております。
また、最近では三次元実装のシリコン基板貫通孔での銅電極埋め込み形成への、電解・無電解めっき技術の適用を検討しております。
関連発表文献
J ECS 2004 DEC wang.pdf へのリンク
ECS lett 2003 march.pdf へのリンク
3.微細金属配線の原子マイグレーション問題
パーソナルコンピュータや携帯電話などの心臓部にはLSI(大規模集積回路)が多数使用されています。LSI技術においては、銅やアルミニウムなどの多層配線が用いられており、その最小線幅は100nm以下であり、年々さらに微細化しています。このような極微細金属配線には通常の電気器具の1000倍程度以上の高密度電流が流れています。極微細金属配線においては、電子流によって金属原子や不純物イオンなどが押し流される現象(エレクトロマイグレーション)があり、長期間の使用においては徐々に抵抗増加を引き起こし、ひいては断線不良を起こします。また、応力のみによっても同様な不良が引き起こされる現象(ストレスマイグレーション)も最近明らかになってきました。これらの原子マイグレーション現象に関して、不良発生箇所の同定と観察、不良メカニズムの解析、不良予測モデルの提案、高信頼構造の提案などを研究しています。実験においては、収束イオンビーム加工・観察装置、透過電子顕微鏡、高周波エレクトロマイグレーション評価装置などを駆使しています。
関連発表文献:Appl.Phys.Lett 1991, J.Appl.Phys.1991, AIP Conf.proc.1997-2005 など
JAP-EM1991.pdf へのリンク
4.ナノスピントロ二クス素子・超高密度記録材料研究
磁性体超薄膜やナノ構造においては、外部磁界の変化に対して特徴的な磁化スイッチング現象が起きます。
2層の強磁性薄膜を非磁性金属や絶縁体の超薄膜ではさんだ構造においては、巨大磁気抵抗効果やトンネル磁気抵抗効果が発現することが1990年代に明らかになりましたが、今日ではMRAM(グネテイック・ランダムアクセスメモリ)やハードデイスクの磁気ヘッドなどに用いられています。今後のさらなる磁気記録の大容量化において、これらのスピントロニクス素子は、いっそうの微細化・高密度化の道をたどっています。本研究室では(1)の自己組織化アルミナ・ナノホール配列を用いた超高密度磁気デイスク応用に向けたパターンド記録メデイアの研究や、ナノ構造のスピントロ二クス素子の提案と作成を行っています。
関連発表文献:
JMMM 2004へのリンク (高密度磁気記録媒体の論文です)
メンバー
ポスドク: 尾形健一、清水智弘
M1 河上茂
西河丞
原田優作
山下尊史
B4
浮 田 真 司
清 水 陽 太
高 橋 祐 太
森 裕 紀
松 田 亜 弓
奥 村 典 昭
實 吉 要 文
共同研究先
奈良女子大学 岩渕修一教授
大阪大学基礎工学部 若家助教授
ソウル大学ナノシステム研究センター、 センター長 Prof.Young Joon Park
ソウル大学材料科学科 Prof.Ki-Bum Kim
中国 Shaanxi Normal University
School of Chemistry and Materials Science
Prof. Wang Zengling (王増林教授)
マックスプランク研究所 at Hale
その他 会社との共同研究:3件
外部資金・共同研究
主要論文リスト
主要特許リスト