研修期間:2003年3月6-19日 所属:関西大学商学部2回生

人生の転換地点 (N)

 私がテクノセンターへ行きたいと決意してからここへ来るまでの期間というのは、本当に短く、準備も不十分なまま来てしまいました。テクノセンター自体どういうものなのか何も分かっておらず、行けばどうにかなるかという気持ちが大きかったというのが事実です。先生や先輩方のお話を聞いて、とりあえずテクノセンターへ行く目的を考えては来ましたが、実際自分が何をしたいのか、何を考えてここへ来たのかは分かっていなかったように思います。とりあえずここへ来て、自分を大きく成長させて、何かを感じたいという経験が欲しかったのかもしれません。しかしここへ来て、たった二週間という短い期間でしたが、考え方が大きく変わったように思います。大きな会社、名のある会社に就職したいという大半の学生が思うような考えは全くなくなってしまいました。小さな目標でも何でも、何か目標を持って自分のやりたい事をしたい。例えそれが一生涯続けることができない仕事だとしても、一年でも二年でも自分が納得することをしたいと思うようになりました。目標を持って行動するということがどんなに大切なことか思い知らされました。私が出会ったワーカーの人全員が目標を持っていました。その子たちの目はイキイキしていて、どんなに疲れていてもそんな姿を見せずに温かく私たちに接してくれました。板の間で毎日生活し、時給たったの40円で決して楽とはいえない仕事をこなし、たったバケツ一杯のお湯で寒い日も乗り切り、単調な日々をずっと続ける。たった二週間生活しただけの私には計り知れない厳しさがあるというのに、彼女たちの笑顔からはそういうものが感じられませんでした。彼女達からは、元気とパワーをもらい、努力することと目標をもつこと、物事を投げ出さないことを学びました。
 ここへ来てたくさんの人に出会いましたが、人とのつながりがこんなに素晴らしいものだと言う実感を今までで一番強く感じたように思います。中国人の、人に対する思い入れにはとても感動しました。そして、テクノセンターの皆さんに、とても温かく接してもらい、何も関係のない私にたくさんの経験を与えてくださったことを本当に感謝しています。私にとってここでの経験は人生の中でかなりの大きな転換地点となりました。私は今までの大学生活の中で何かを学んでいると言う実感が無く、ただ日々の生活を無難に過ごしていくだけのもので、やりがいというものを感じられずにいました。ここへ来て全てに関して変わったと、大きなことを言うことはできませんが、残りの大学生活を、やりがいのある、意味のある二年間にする自信を持つことができました。生活して行く上で一番大切なことを思わせて下さった皆さんにとても感謝します。二週間ありがとうございました。


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