研修期間:A日程(2002年8月1-17日) 所属:関西大学商学部3回生(長谷川ゼミ)

テクノセンターで過ごして(T)

 「日本ではものづくりの大切さが忘れられてしまった。全てはものづくりから始まるのに」とおっしゃった方がいた。この言葉がどれほどの深刻さを帯びたものなのか今の私にはわからない。今まで日本にそう目を向けることもなく、海外にばかり興味をもってきたからだ。テクノセンターで過ごして今思うことは、もっとここにいたいということと、日本に帰って早く日本の現状を知りたいということだ。将来の日本を私たちが担っていくなんて大それたことは考えていないが、これから自分がどういう生き方をしていくのかを決める上でもっと知識を深め、考えなければならないことがあるとこの半月で気づいた。

 私はテクノセンターで、海外における日本人の職場環境の作り方と技術移転について特に学びたいと考えていた。それならMJH総経理の國島さんに伺うのがいいのではということで國島さんに取材をお願いした。実際にお会いして話をしていくうち、何かとても引きつけられるものがあり結果的に密着取材のような形になってしまった。毎日MJHへ足を運び、國島さんの隣に座らせてもらった。國島さんのおられるMJHはとても楽しく、勉強になる場所だった。ある問題が起こった時、國島さんが「解決のための指示を与えるのではなく、原因をまず考えさせる。本当の原因を見極めて対応しなければ意味がない」と教えてくださったことがあった。このことから何となく私の感じていた楽しさの理由がわかったような気がした。原因を考えさせることは問題の再発を防ぐことの他に仕事の中における自分の位置、役割を考えさせることでもあるように思う。自分がどのように動けば製品、結果に表れてくるのか、自分のしていることにどんな意味があるのか。これがわかれば仕事に対する意識も変わっていくだろう。私はこの言葉から國島さんは仕事の仕方とともに仕事の楽しみ方をも教えておられるのかなと思った。そして國島さん自身も仕事を楽しんでおられるように感じた。

 テクノセンターで働いている人達は大変そうではあるが概して生き生きとしておられる印象を受ける。日本ではこういう仕事の仕方をしている人は少ないと思う。中国で本当の日本人のあり方を見たような気がする。自分、そして周りの人が楽しんで働けるようにするにはどうすればいいのか。これから自分なりのやり方を探していこうと思う。

 最後に、このような貴重な学びの環境を与えてくださった皆さんに感謝します。ありがとう。謝々。

(2002/08/17)


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