研修期間:A日程(2002年8月1-17日) 所属:関西大学商学部3回生(長谷川ゼミ)

テクノセンターで気づいた事(M)

 テクノセンターインターンシップが今日で終了する。この2週間の研修を通して様々なことを学び、見て感じ、気づきがあった。私はどこか1つのテナントに密着取材したいと考え、入居したてで面白い企業があるよ、と紹介されたのがヒサダであった。訪中前に名古屋にある本社の方にも取材させていただき、久田社長の人としての魅力や、深センテクノセンターに対する熱い想いを聞くことで自分の目で早くテクノセンターを見てみたい、と一層感じるようになった。が、実際テクノセンターに足を踏み入れて初めて、私がいかにこれまで日本で作られたイメージで中国という国を見てきたかということに気づかされた。私が実際見た中国・深センは思っていた以上に街だった。街では多くの飲食店、衣料品店や今時の格好をした女の子たちを見ることができ、テクノセンターの周りもお店が並び建物が建設され、開発が驚異的なスピードで進んでいる。ワーカーたちは仕事が終わると周辺の屋台で自分のものを買ったり、公衆電話で話したりと自分の時間を楽しんでいるように見えた。しかし、仕事の面になるとやはり過酷に感じてしまう時もあった。まだ20歳にもならない子たちが一日中仕事を黙々とこなす姿にはやはり切なさを覚えた。

  滞在中、久田社長に密着取材させていただきながらずっとヒサダの工場にいることで、日本では絶対経験できないことを経験でき、多くのことを感じることができた。ワーカーと共に仕事をしたり、営業に同行したりしたこともそれらの一つだが、一番私が魅かれたのは中国で言葉もわからず奮闘している日本人の姿だった。立ち上げたばかりのヒサダは日本人が他の工場より多く、考えを多く聞くことができたというのもよかったと思う。中国語はわからない。仕事の勝手もちがう。思うように材料が手に入らない。トラブルの連続。しかし彼らの顔はいつも輝いていた。生き生きしていた。ヒサダだけでなく私がテクノセンターで出会った人たちは全員いい顔をしている。「中国に行ったら元気がでるんです」と久田社長は言っていたが、今ならその意味がわかるような気がする。私も中国で多くの人と出会いたくさんのエネルギーをもらって、日本にいるときより元気になれた。また、日本での自分の生活や考え方を冷静に振り返り、だめな自分を改めることができた。中国はエネルギーがあり、皆輝いていてすごいと思う反面、日本はどうなのかと真剣に考えるきっかけにもなった。考えると同時に気づいたことは、私は日本のことを何も見ていなかったということである。何も知らないし、見ようとも思っていなかった。日本の企業の多くが中国に生産をシフトしている状況だけを見て、何故中国なのかということだけに焦点を当てていたように思う。中国にいることによって、日本を全く見ていなかった自分に気づけたことは今回の研修を通しての大きな収穫だと思っている。日本に戻って国内で頑張っている中小企業、そして身近なところから見ていき、再度テクノセンターに来た時には、違う発見や気づきができればいいなと思う。

 最後になりましたがテクノセンター関係者の皆様、各テナントの皆様、本当にありがとうございました。研修に参加させていただいた経験は絶対次につなげていきたいと思っています。


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