TNCに来て自分のことが見えた(A)

　今回私がTNCでさせて頂いたことは、TNC斉藤愛子さん密着取材である。なぜ斉藤愛子さんに取材をお願いしたかというと、私は中国で働く日本人女性がなぜ中国で働くことを選んだのかに興味があり、TNCに日本人女性で年も近い斉藤さんがおられることを知り、斉藤さんがどういう気持ちで中国で働くことを選び、どんな思いでこちらで働いておられるのかを知りたくなったからだ。

　日本にいる時は、中国で働くことは私にとって別世界のことのように考えていたが、斉藤さんのお仕事を手伝わせていただいたり、お話をきいているうちに、これは別世界のことではなく、少しの決断力とやる気があれば私にもチャンスは来るのではないかと考えるようになった。

　斉藤さんは私に仕事をさせてくれる時、やり方は私に任せてくれた。最初はそのやり方にとまどって、できなくても当たり前だし仕方ないと、何もしないうちから考えていた。

　でも、やってみてそれは大きな勘違いだということに気づいた。やり方を知らないからって何もできないなんて絶対ないし、むしろ何も知らずにやってみて得るものの方が何倍も大きかった。テナントに見学のアポイントを取るにしても、私は中国語が話せないから無理だと思い込んでいた。でも、とりあえず電話をかけてみた。相手は日本語がぜんぜん話せない中国人だった。でも、一生懸命応対してくれた。何とか伝わった。うれしかった。うだうだ考えるより、まずやってみる。日本での今までの自分は、何でもうまくこなそうと考えてばかりで、自分の思うように動いていたつもりだったが、すべて受身であった。

　同じくらいの年の斉藤さんは、自分の好きな場所で、自分の好きなように一生懸命働いておられた。斉藤さんは本当にいつもニコニコ笑って楽しそうだった。それに引き換え私はこんなでいいのか？と焦ったりもした。でも、この２週間で斉藤さんをはじめ、TNCやテナントの社長や工場長や、A日程で一緒になったメンバーに色んな刺激を受けて、本当に貴重な時間を過ごさせて頂いた。21年間生きてきた中で、1番濃い2週間ではなかったかと思う。たくさんの人に出会い、みなそれぞれに素敵な人生を歩んでおられた。私は日本に帰ってこれからどうしたいのか？このままではだめだと本気で思った。でも、急に自分を変えるなんてことできない。だから、TNCでの学びを日本に帰ってこつこつ実践しようと思う。それは小さい変化だけれど、このようなことに気づいてそれを続けることができれば、TNCでの学びは私にとって大きな変化につながるだろう。最後になりましたが、TNCの皆様、各テナントの皆様、この2週間本当にありがとうございました。きれいな宿舎、おいしいごはん、在りえないほどの贅沢をさせて頂いて申し訳ありませんでした。また、来年もこちらにお邪魔させていただくことになるかもしれませんが、よろしくお願いします。本当にありがとうございました。