長谷川ゼミ(演習I)履修要項(99年度)


1 テーマ

生産のグローバル化と現地化―発展途上国と日本

2 演習内容

【題材】今日,生産のグローバル化と現地化がかつてなく進行している下で,多くの発展途上国の産業は発展を遂げる一方,日本は産業の空洞化と技術基盤の衰退に直面している。こうした現状を「モノ造り」の視点から考えてみたい。

【スタイル】学生参画型,すなわち教師の教育的配慮のもとに,ゼミ生が主体的に,ゼミの企画・実施・伝承に参画するゼミを目指す。

【スケジュール】4-5月期は,図書館実習やコンピュータ実習をゼミの時間とは別に行いつつ,このゼミでとりくみたい研究企画を各自出し合い,年間スケジュールや役割分担をゼミで決定する。以後のスケジュールはこの決定内容次第だが,一つの作品を完成させることを1年間の目標とする。ちなみに98年度は,日本の大企業と中小企業の海外進出について,東京都大田区の中小企業への聴き取り調査を含む企業・産業研究を行なっている。

【こだわり】今ほど「大学とは何か」「学びとは何か」が教職員と学生に問われている時代はない。私の意見を述べよう。大学は問題発見・解決能力を高める空間,学ぶ方法を学ぶ空間である。「学び」とは佐伯胖氏が言うように「自分探しの旅」であり「文化的実践への参加」である。では「自分探しの旅」とは?「文化的実践への参加」とは?ゼミで大いに議論したい。

 「学び」を支えるツールの習得もゼミの目標である。学ぶためのツールにはいろいろあるが,ゼミでは特に図書館とインターネットを重視し,これらを効率的・積極的に活用できるようになることをめざす。それにとどまらず,学ぶためのツールをより使いやすく変えていくことも試みたい。

 ゼミを学ぶ集団へと進化させるためにも,いろいろな行事を「遊び」を含めて企画していこう。また,Web(ホームページ)を通じてゼミでの議論や活動をゼミ日誌として発信し,ゼミ外のさまざまな人々との交流にもチャレンジしたい。

【参考】長谷川研究室ホームページ http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~shin/

3 教科書

  • 佐伯胖『「学ぶ」ということの意味』岩波書店,1995年。
  • 高等教育研究会『大学を学ぶ』青木書店,1996年。
  • 川喜田二郎『発想法』(中公新書136)中央公論社,1967年。
  • 吉田健正『大学生と大学院生のためのレポート・論文の書き方』ナカニシヤ出版,1997年。

    …以上4冊は初回までに入手しておくこと。

4 参考書・推薦図書

  • 林義樹『学生参画授業論 : 人間らしい「学びの場づくり」の理論と方法』学文社,1994年。

5 応募者への要望

  1. 初回のゼミまでに上記『「学ぶ」ということの意味』『大学を学ぶ』の2冊をこれまでの学生生活を振り返りながら読み,感想をワープロでA4版2ページ(2000字程度)にまとめ,初回時に持参すること。
  2. 初回のゼミまでに電子メールの送受信ができるようにしておくこと。

6 申し込み条件

毎回出席でき,ゼミ運営及びゼミ行事に真剣にとりくむことができること(ゼミよりアルバイトやサークルを優先する学生,ゼミを毎週1コマだけのつきあいで済ませようと考える学生は応募しないこと)。

7 履修すべき授業科目

中南米経済論。

8 履修を希望する授業科目

国際関係論,貿易論,アジア経済論。


shin@ipcku.kansai-u.ac.jp
Updated: 21 Dec. 1998.