E-mail Tips for Seminarist

この文書は,長谷川ゼミ生向けに2002年2月1日に作成されたものです。


1.メールは「葉書」

1.1.セキュリティ:メールは葉書と同じセキュリティレベル。葉書に書かないことはメールには書かないこと(例:クレジットカード番号)。

1.2.マナー:メールは葉書と同じく,むやみに第3者に見せてはいけない。一部引用する場合にも本人の承諾が必要(公表されている文献からの引用とは異なる)。

2.メールの書き方:メールは正確・簡潔・明瞭に

2.1.ヘッダ:表題(Subject):用件がぱっと見てわかる表題をつける

 メールの表題は,メールの内容を具体的にかつ簡潔に(悪い例:「こんにちは」「ご挨拶」「お願い」「はじめまして」「失礼します」「お返事」「了解しました」)。

2.2.ヘッダ:宛先指定(To/Cc/Bcc)

 To/Cc/Bccの使い分け方。

 ccする場合,より明示的にccしていることを示すことが必要です。「CC:長谷川」などと本文冒頭に記してください。

 cc指定するときは,メールの本文にも誰に送っているか明記するようにして下さい。そうしないと,なぜ他のひとにccで送っているのかToで指定されたひとが怪しみますし,ccで指定されてメールを受け取ったひとが困ります。

2.3.本文:冒頭に宛名を書く

 宛名は初めての相手にメールを出す場合には必ず書きましょう。やりとりが始まれば不要になる場合もあります。

宛名例:

関西大学商学部
長谷川伸さま

※この場合「関西大学商学部御中」としないことに注意。

2.4.本文:正確・簡潔・明瞭に,Be simple and smart.

 学生の文章は,無駄に長い(冗長な)わりには言葉足らずのものが多い。慣れない敬語の多用も不細工です。時候の挨拶も不要なので,用件にすぐ入ってください。

 改行は多過ぎても少な過ぎてもいけません。一文毎や句読点毎に改行する学生がほとんどですが,こうした本文は思いつくままに書き連ねた印象があり,好ましくありません。一方で,改行を一つも入れずに20行も書き連ねるのも問題です。本文は正確・簡潔・明瞭を心がけてください。

 メールの本文はディスプレイ上で読むのがほとんどですので,段落をつける,段落毎に空行を一つ入れる,箇条書き・ナンバリング,ワードラップをするなど,見やすくすることが必要です。整理されている本文は返信もしやすい。ただし,ワードラップの桁数が多すぎるとかえって見にくくなります。半角(1バイト)文字で60字(全角文字で30字)程度が適当でしょう。下手なワードラップをするよりも,しない方がいいかも知れません。また,一行毎に空行を入れるのもかえって読みづらいのでやめましょう。

2.5.本文:メールのやりとりができるだけ少なくて済むように書く

 瞬時にメールが届くといっても相手はいつ読む(読める)かわかりませんし,メールを送信する手間を考えれば,メールのやりとりは2回(第1信→相手からの返信→第2信)で用件が済むのが理想です。そのためには,できるだけ用件を具体的に5W1H(いつ・どこで・だれが・なぜ・なにを)で書くことが必要です。ただし,こちらの都合を押しつける印象を与えてはならず,相手に失礼にならない文面にする必要があります。

2.6.本文:引用は必要最小限に

2.7.本文:末尾にメールの発信日と署名は必ずつける

 メールの発信日付と連絡先(署名欄)は全てのメールにつけるようにしてください。メールソフトで署名欄を設定すれば自動的に末尾につけてくれるはずです。ただし,実際の発信日付と記入した日付が異なると信頼性が下がるので,送信する前に見直す習慣をつけてください。

 署名欄には最低限,氏名(フルネーム),メールアドレス,所属は必要です。所属は,「関西大学商学部商学科」でも間違いではないのですが,この場合スタッフ(教職員)か学生の区別がつきません。学生であることを明記するようにしましょう。長谷川ゼミのメンバーであれば「長谷川研究室」を名乗っても構いません。

(発信日・署名欄例)

2006年3月27日
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関西大学商学部長谷川研究室3回生
手久野学(てくの・まなぶ)
da99999@edu.kansai-u.ac.jp
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2.8.メールに使用してはいけない文字がある

 半角カタカナは使用してはいけません。丸数字,ローマ数字などのOperating Systemに固有な文字も使用してはいけません。いずれも文字化けの原因になりますが,特に半角カタカナはメールシステムにも悪影響を与えることがありますので使わないようにしてください。

3.メールアカウント

3.1.わかりやすく間違いにくいメールアドレスをつける

 わかりやすく,間違いにくいメールアドレスをつけてください。一文字ぐらい間違っただけで他人に届くようなメールアドレスにはしないことです。姓か名が入るものが望ましい。長すぎるものは望ましくない。

3.2.無料メールアカウントはゼミ活動では使わない,無料メールアカウントと上手く使い分ける

 無料メールアカウント(yahoo.co.jp/hotmail.comなど)はゼミ活動では使用しないこと。これは特に,取材先とのメールのやりとりで問題となるからです。誰でも無料で取得できるメールアカウントは,裏を返せばいつ消滅するかわからないものであり,「あなたとのメールのやりとりにはコストをかけたくない」という態度表明と受け止められてしまいかねません。

 しかも,スパムメールの送信元として利用されることが多い無料メールアカウントからのメールは,スパムメールとして判断されて自動的に削除されるか迷惑メールとしてマークされ,相手の目に触れない(触れにくい)という場合すらあり得ます。

 関大生であれば,情報処理センターの学生用メールアカウントを使用するべきです。一文字ぐらい間違っただけで他人に届くようなメールアドレスであることは欠点ですが,このメールアカウントを使用すれば,受信相手に「確かにこの人は関大の学生だ」とわかる証拠になります。

 ただし,いつでもどこでも情報処理センターの学生用メールアカウントを使用するというのも危険です。このメールアカウントは,あなたが関西大学商学部の学生であることとあなたの学籍番号を示しています。これは大事な個人情報です。これを知られたくない相手・ケースの場合には,無料メールアカウントを使うべきです。無料メールアカウントと上手く使い分けることが必要です。

3.3.関西大学情報処理センターの学生用メールアカウント/Active!mailを使え

 大学の学生用メールアカウント(da*****@edu.kansai-u.ac.jp)はインターネットにつながれたパソコンがあれば,自宅からでも外国からでもメールの送受信ができるようになっています。

 ただし,学外からも利用する場合,Active!mailというWebメールシステム*を使用することになりますが,このActive!mailと,従来から学内で利用されてきたメールシステムであるWinYATでは受信したメールの保存方法が異なるため,併用できません。したがって学内でもActive!mailを利用してください。

*https://mailgate.edu.kansai-u.ac.jp/active-mail/

4.メールをめぐるトラブル

4.1.コンピュータウイルス対策:ワクチンソフトを必ずインストールし有効にしておく

 現在,添付ファイルを開かなくても,メール本文を閲覧しただけで感染するコンピュータウイルスが存在します。メール経由のウイルスには,プロバイダのウイルスチェックサーバを利用(情報処理センターのメールアカウントは設置済み)することである程度防ぐことができますが,WEB経由で感染する場合もあるのでワクチンソフトを必ずインストールし,アクティブ(有効)にしておき,しかも定期的に更新する必要があります。そうしなければ,被害者になるだけでなく,ウイルスをまき散らす加害者になる可能性が高くなります。

 Windowsマシンで,メールソフトはOutlook,WEBブラウザはInternet Explorerという構成(よくありがちな構成)は,コンピュータウイルスに感染する危険が最も高いので注意してください。

4.2.迷惑メール(スパム・メール,ジャンク・メール)は無視すること

 迷惑メール(スパム・メール,ジャンク・メール)は無視する(送信者名と表題で判断して削除する)こと,Websiteでメールアドレスを公開しない(公開するとしてもメールアドレスを収集されない工夫をする)ことが最大の対策です。クレームや登録解除をしようとしてメールを返信すると,あなたのメールアドレスが実在し「生きている」ことが相手にわかってしまい,より多くの迷惑メールが舞い込むことになります。

4.3.チェーンメールは無視すること

 「このメールをできるだけ多くの人に送信してください」とするチェーンメール(chain mail)は悪意のあるものはもちろん,善意からのものであっても無視し,何もしないことが唯一の正しい対策です。「このメールをできるだけ多くの人に送信してください」との指示にしたがってメールを送信すると,インターネットの一部であるメールのシステムが麻痺する可能性があります。「こういうチェーンメールに注意しよう」というメールも送信してはいけません(そのメール自体がチェーンメール化する危険があるからです)。

4.4.その他トラブル:無視し相談すること

 最近「最終和解案」などという表題で身に覚えのない情報利用料の請求がメールでされるケースが多発しています。こうした請求行為は犯罪ですから請求に応じる必要はありません。無視するのが正しい対策です。むやみに返信するとあなたのメールアドレスが実在し「生きている」ことが相手にわかってしまうどころか,メール配信ルートなどの情報を与えることになります。こうした情報をもとにあなたの身元を調査し接近を図ろうとしますから,返信してはいけません。不安に感じたりトラブルになりそうであれば,私長谷川か,大学の情報処理センターないしは警察に相談しましょう。

作成者:長谷川伸
作成日:2002年2月1日
修正日:2006年3月27日


Author: Shin Hasegawa
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