基礎演習でパソコン実習をする意味

 最近よりよい就職めざして,パソコン操作を習得したり,インターネットを利用しての採用情報を入手したり,企業に自分をアピールしたりする動きが広がっている。「就職に有利だから」と基礎演習で私がパソコン実習をやっていると考える学生は少なくないと思う。以下で私がなぜ,基礎演習でパソコン実習を重視するのかを説明したい。

インターネットで自分をアピール

 インターネットのホームページを利用して,企業に自分をアピールする動きが広がっている。これは「超氷河期」と呼ばれるほど厳しい就職戦線を乗り切る策として期待されているからだが,実際には学生たちが期待するほどの効果はない(新聞記事参照)。

インターネットで企業(採用)情報を入手・資料請求

 一方企業側の動きとしては,採用情報をインターネットのホームページで公開し, その場で資料請求ができるようになりつつある。これまでは,ハガキや電話等で請求しなければならなかった採用情報(就職セミナー開催案内等)が,簡単に入手できるようになっている。その点では,忙しい就職活動のさなかにある学生にとっては相当の負担軽減(時間や労力の節約)になり,その限りにおいて「就職に有利」と考えられる。当然のことながら,そうしたホームページを見るには,パソコンに対するアレルギーを払拭しなければならないし,キーボードやマウスの基本的な操作ができないといけない。また資料請求をするためには,自分の名前や住所等を日本語で入力しなければならない。

「パソコンできないと就職できないって本当ですか」

 パソコンの操作自体は,若いうちであれば短期間で修得できるし,パソコンの操作が必要とされる企業では,内定後の事前研修や入社後の研修でパソコン実習をやらされるから,心配することはない。コンピュータ産業や通信産業ですら,そうした制度が用意されている。ただし,長期的には「パソコンができて当然」という方向に現在進んでいるので,パソコン操作能力がほとんどの職業にとって要求されることになることだけは念頭に置いておいてほしい。

大学で学ぶために

 これまでワープロソフトの修得を中心にパソコン実習をしてきたが,今後の基礎演習でも,これを重視していく。なぜ基礎演習でパソコン実習をこれほど重視するのか。その最大の目的は,大学で学ぶためである。大学で学ぶ際に必要となる道具(ツール)としてパソコンなりコンピュータネットワークが必要になってきている。資料収集やレポート作成における不必要な労力をできるだけ削減し,効率的に行うためにはもはやパソコンやコンピュータネットワーク必要不可欠である。レポート作成の場合,ワープロを使えば編集が簡単にでき,後で再利用できるし,図書館で本を探す場合にも,カードを繰って探すよりも,検索端末(パソコン)を使って検索する方が時間を節約できるし,また最近のものはカードにはなっていないので,パソコンの基本操作がわかっていないと本が探せないという事態になっている。

なぜ基礎演習でパソコン実習か

 大学で学ぶ際に必要となる道具(ツール)はパソコンのほかにいくつかあり,図書館,英語などがそうである。英語については,授業があるのであえて基礎演習でもやる必要はない。パソコン実習については情報処理論があるが,これについては希望者が多いのにも関わらず限られた人数しか履修できない。図書館については,(1)月1限の時間帯は検索端末が使用できない,(2)44人では図書館利用技術を教えるにはやりにくい→各自図書館が主催する説明会に出席すること,夏休みレポートの作成途上での個別的対応で対応するほかない。


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