因子軸の回転

直交因子回転 orthogonal factor rotation

 主因子法で抽出された因子解(因子負荷(factor loadingともいう)をA、直交のVarimax解をVVarimax解への直交変換行列(orthogonal factor transformation)をと表す。

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斜交因子回転 oblique factor rotation

斜交のPromax解の因子パターン行列(factor pattern)を因子構造行列(factor structure)を、そして因子間相関行列(correlation matrix among factors)をと表す。また、Promax解への斜交の因子変換行列をと表す。

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Thrustone(1947)は、直交因子解からの回転を、準拠軸(reference axis)でおこない、この結果からを因子軸へと変換する方法を採用している。最近のPromax法についての解説で、この2つの軸体系の混乱があるものある。この2つの軸体系に関する詳細は、別な機会とする。参考文献:清水和秋 (1978) 斜交因子分析について 関西大学大学院『人間科学』, 11, 39-56

 斜交への回転前の直交解において、共通因子分析モデルを示すと、それぞれ次のように表すことができる。

    

    

ここで、直交の因子得点行列は、  であり、そして、独自因子得点とは独立していると仮定する。すなわち、このような共通因子分析モデルでは、観測変数を、共通因子空間と独自因子空間との和として表現しているわけである。これらの式と前ページの式とを比較すればわかるように、因子軸の回転とは、共通因子空間に関しておこなわれているわけである。

 共通性を確定すること(実際の解析では推定すること)は、この2つの空間を定義することでもある。共通因子空間の次元の数はmであるが、この次元数を保持した形式での回転の方法は無限に存在する。主因子解、Varimax解、Promax解は、それぞれ互いに変換可能であることは、直交因子回転あるいは斜交因子回転の説明からも明らかである。このように、共通因子空間では、いずれの因子軸の回転解でも、共通因子空間を定義することができるわけであり、ここであげた解以外にも無限に存在する可能性がある。これを共通因子モデルの不定性(indeterminacy)問題という。因子軸の回転方法に関して、多数の方法が提案されてきているが、決定的な回転方法はないといわざるを得ない。Thuresone(1947)の単純構造(simple structure)の提案は、この不確定性の解決する方策の1つと考えることができる。Promax法は、この単純構造に近似した解を提供してくれるわけであっても、決定的な解法とはいえない。