大洗町の天妃神社などについて

二階堂 善弘


・天妃神社

水戸より近くの大洗町に、天妃神社があることは知られています。

天妃神社は、現在は本尊は弟橘媛(オトタチバナ尊)になっていますが、元来は、媽祖を祭ったものです。


媽祖神は、中国の南方で盛んに祭祀される航海守護の神で、特に台湾では人気の高い女性神です。その祭りの規模は、台湾全土の中でも最大級のものが多々あります。

大洗はむろん港町ですから、その航海守護の役割が期待されるのはもちろんです。そして、この神社は、水戸光圀が元禄三年に建てさせたものだということです。これについては、窪徳忠センセの「徳川光圀と媽祖」(月刊しにか1998年8月号)に詳しい記事があります。


実際、天妃神社は小高い山の上にあります。那珂川の河口付近で、おそらく航海の目印として使われたものでしょう。見通しのいい土地からか、現在は放送局のアンテナがあったりします。

ただ、神社自体はほとんど観光地としての扱いを受けておらず、あまり管理もされていないようでした。自分が訪れた時も、全くヒトの気配がありませんでした。そもそも、どこから入るのかわかりにくいですね。

場所は、大洗から那珂湊へ行く橋のすぐ横です。大洗水族館が改装してアクアワールド大洗になりましたが、そのさらに先のところにあります。茨大前からはバスが出ていますので、始点から終点まで乗っていきました。

しかし、それにしても場所が分かっていても、どこから入るのかが分かりにくいです。いささか周辺を歩き回ってしまいました。

入り口の鳥居


天妃神社


隣に碑文があり、そこにこの神社の由来が書いてあります。それによれば、この神社は元禄三年に、明の心越禅師が持ち来たった媽祖の像を、徳川光圀が安置して祭ったのが創始であると。

しかし、天保二年に徳川斉昭の手により、媽祖像は引き下げられ、代わりに弟橘媛を祭ったとのこと。それより、一般の神社と同じようになったようです。残念ですが、現在は媽祖を祭った場所ではなくなっているわけです。

ただ、中国の神が日本で祭祀された遺跡として、大変重要なものであると思います。万福寺の華光像の如く、もう少し重要性と意義が知られてもよいかもしれません。


・大洗磯前神社

こちらは全国的にも有名で、観光地となっている大洗の磯前神社です。

祭られているのは大己貴命(大国主命)や少彦名命などの神です。

この神社で有名なのは、まずその海岸にある神磯鳥居でしょうか。あいにく天気が悪かったのですが、荒波の中、なかなか見応えがありました。

 

神磯鳥居


伝によれば、斉衡三年(856)にこの場所に大己貴命が降り立ったとのこと。その後神社は荒廃していたようですが、やはり江戸時代に再興されたみたいです。大洗付近は、徳川光圀によって興されたものが多いですね。

後殿の建物なども非常に見事です。ここは是非見ておくべきでしょう。

磯前神社


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