中国語電脳道場 その4
プルーフィングツールズ活用
プルーフィングツールズとは
マイクロソフトオフィス(MS Office)には、本来はもっと多くの多言語機能が搭載されてよいはずでした。
各国言語版のオフィスの機能が統合されているわけですから。しかし、例えばアラビア語のスペルチェッカーなどを搭載しても、使うユーザは限られていると思います。また、必要でもないフォントを入れれば、それだけパソコンの処理速度も遅くなります。そのため、いま売られているオフィスからは、多言語機能のかなりの部分が省かれているのです。
しかしそれももったいない話なので、そういった多言語機能をまとめて、一つのパッケージソフトとして発売しているのがこのプルーフィングツールズ(Proofing Tools)です。
Office XPに対しては、そのバージョン2002を使う必要があります。また、Office 2003については、バージョン2003があります。
なお、日本語版はありません。英語版だけですので、大手ソフト店か、あるいはアマゾンなどで入手してください。大学生協などでは注文できると思います。むろん日本語Officeの上で、ちゃんと動きます。
プルーフィングツールズ2003
これには四十以上の言語について、フォントやスペルチェッカーなどの様々なツールが含まれています。
ここではもちろん、中国語を使うための様々な機能について紹介します。OSはウィンドウズを使うものとします。
自動ピンイン機能
ワード(Word)の日本語ルビ機能については、結構使われている方も多いと思います。
「書式」>「拡張書式」>「ルビ」と選択し、特定の漢字を指定すると、そこに自動的にルビをふってくれる、というものです。もっとも、日本語に関しては、音読みと訓読みがかなりバラバラに設定されて、おかしなルビがふられたしまったことも多いと思います。
プルーフィングツールズをセットすれば、この自動ルビ機能が中国語でも使えます。そして中国語の場合は、ピンインが自動的にふられます。ワードで適当に中国語を打ち込んでみてください。その後、日本語のルビふりと同様に、ルビを設定します。
ワードのルビ設定でピンインを付加
この場合、設定が中国語(中国)であればピンインがふられ、中国語(台湾)であれば注音符号がふられます。ただ、注音符号は縦書きが想定されているようで、バランス調整が必要になるかもしれません。 また、破音字の場合は、必ずしも意図した通りのピンインがふられない場合もあります。しかし、プルーフィングツールズは辞書を持っていますので、一般的な語彙であれば、かなり正確にふられます。
例えば、中国語の授業で学生の名前にピンインを振るとき、かなり面倒ですが、これを使えばかなり楽に出来ます。
また教材にピンインを振るのも楽です。どんどん活用しましょう。
ワードを使ってピンインや注音符号をふる
簡体字・繁体字データ変換
中国語の簡体字から繁体字へデータを変換する時は、これまでは文意を無視して、機械的に一律に置き換えることが多く、不便でした。
例えば、よく使われる例ですが、「皇后在后面吃面包」という文書を変換した場合、「后」「後」「面」「麺」がちゃんと変換されませんでした。
「皇后」も「皇後」などといったおかしな形に変換してしまいます。
しかし、プルーフィングツールズは、辞書機能を有しており、これによって文章をチェックしながら、簡体字・繁体字変換を行ってくれます。
ワードの「ツール」>「その他の校正ツール」>「中国語の翻訳」を選んでください。すると、簡体字・繁体字の変換指定画面が出てきます。
簡体字・繁体字変換ツール
これを使って、上に挙げた文例を処理してみましょう。すると、正確に「後」や「麺」などに変換してくれます。
ツールを使って簡体字を繁体字に変更
漢字7万字フォントを使う
プルーフィングツールズには、様々な中国語のフォントが付属しています。ただ、その中でもっとも意義が大きいのは、ユニコード(Unicode)拡張漢字のフォントが入っていることでしょう。
ユニコードは、当初収録漢字数は約2万字でした。しかし、その後エリアが、拡張され、いまでは約7万の漢字が定義されています。ところが、定義されたものの、漢字のフォントが存在しないために、この拡張漢字は、使いたくても使えない状態だったのです。
中国大陸で発売されたオフィスXPには、この拡張漢字のフォントが付いていました。そして、その後発売されたプルーフィングツールズの中にも、このフォントが収録されていました。
ワードの記号と特殊文字を使って7万字の漢字を使う
プルーフィングツールズをセットすると、幾つかのフォントとともに、「Simsun(Founder Extended)」というフォントがセットされています。
ATOKの文字パレットなどで表示させただけでは、このフォントは普通のSimsunとそう変わらないように見えるでしょう。 しかし、ワードで、「挿入」>「記号と特殊文字」を使ってこのフォントを貼り込んでみてください。膨大な数の漢字が、ワードで使えるようになっているのがわかると思います。
もっとも、漢字7万字の全部のエリアが埋まっているわけではありません。なお、これらの漢字については、ワード以外のソフト、エクセルやパワーポイントでも使えます。さらに、ブラウザでも表示できますので、インターネットでデータを公開することも可能です。ただし、すべてのユーザが見られるとは限りませんので、ご注意を。
なお、この約7万字のエリアとは、ユニコードの拡張漢字AとBというエリアです。
ATOK17を使って拡張漢字Bのエリアを表示する