・スタッフ紹介




井上克人 教授         【専門分野】宗教哲学、日本思想、東西比較思想

新入生へのメッセージ


 大学は、教師から与えられ、予め準備されたテキストを、いかに正確に理解し、要領よく覚えるかということに労力を費やすところではありません。自分で取り組むべき課題を見つけ出し、それに関するいろいろな文献を渉猟し、調査し、自分でまとめ上げていく、つまり〈勉強〉ではなく、〈研究〉をするところです。そして、もう一つ言えば、大学とは自分をじっくりと見つめ直す場所でもあります。つまり自己発見の場なのです。そのためには、日常の些事ばかりに拘泥され、流されてしまうのではなく、社会問題、時事問題にも積極的に取り組み、自分なりのしっかりした考えを持つことも重要です。そして、もう一つ大事なこと、それは、生涯を通じて語り合えるような真の友人見つけること、そして大学時代にしか味わえないような自分の「古典」を見つけることです.。





小田淑子 教授    【専門分野】イスラーム思想、比較宗教学方法論、宗教社会学

新入生へのメッセージ


 何となく大学生になり、受験勉強から解放されて遊びたいかもしれない。だが、最近は就職活動の時期が3年生から始まるため、うかうかしてられない。大学での勉強は受験勉強とは異質である。特に人文学の分野では「正解が唯一ではない問題」を考えねばならない。文学部の学問は就職後の知識と直結しないが、宗教、思想、歴史、文学など人間が築いてきた営みを理解することは人間への理解を深める。不思議だが、地味な文献研究によって思考力が訓練され、社会人になってもっとも必要とされる総合的判断力が養われる。何か関心をもてるテーマを見つけ、大学生らしい勉強を楽しんでほしい。





宮本要太郎 教授             【専門分野】宗教学・民衆宗教・比較宗教論

新入生へのメッセージ


 私は2008年度の1年間、ロンドン大学およびハワイ大学にて在外研究に従事しました。外国で暮らしてみて改めて感じたことですが、現代世界はかつてない速度で変化しています。インターネットの普及はそれをさらに加速させているといえるでしょう。しかし、そのような状況であるからこそ、新入生の皆さんには、氾濫する情報に振り回されることなく現実に何が進行しているのかをしっかりと見極め、同時に大局的な立場から変化の方向性をきちんと見定めることが求められます。その意味で、在学中は複眼的な視点の構築に取り組んでみてください。