・比較宗教学とは?



  古代宗教や先住民の宗教から、仏教、キリスト教、イスラームの世界宗教、さらに民族宗教、民間信仰、新宗教まで様々な宗教について、それぞれの信仰、教義や宗教思想、祭り、儀礼、供犠、祈り、修行、巡礼などの宗教行為、戒律や律法、教団や教会、宗教と社会や政治との関係にいたるまで、すべて比較宗教学の研究対象となります。文献(研究書)を読むだけでなく、祭り、寺社、聖地などのフィールドワークも交えて宗教とは何かを考えます。たとえば、神と人間、聖と俗、死生観、救い、穢れと祓い、葬儀や墓といった問題を扱うことができます。
  比較宗教学を学ぶことができる大学は少なく、希少価値があります。宗教研究には、哲学的な思想研究もあれば、宗教心理学や宗教社会学という分野もあり、文化人類学とも一部重なります。宗教学というマイナーな学問がこれほど広範囲な研究分野と関係するのは、宗教が驚くほど多様で多面的だからです。