関西大学 孝忠研究室

Research Life of Professor Dr. N. Kochu

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最近の著書より2

『「マイノリティ」へのこだわりと憲法学』(関西大学出版部、2010年1月)

まえがき

 本書は、2009年7月、還暦を迎えた筆者がこれまでの研究生活、教員生活を振り返り、そのささやかな研究成果と、大学教育にかかわる中で書いてきたものの一部をとりまとめ、「半生の記」(反省の記?)として編んだものである。
 研究者としての道を歩み始めるまでには、若干の紆余曲折があったが、今振り返ってみるとそのことが逆に、地味ではあるが継続的に研究成果を生み出し、学部、大学院での教育にそれなりの「個性」を発揮できたように思う。
 本書のタイトルを「『マイノリティ』へのこだわりと憲法学」とした。「マイノリティ」研究は、現在、関西大学マイノリティ研究センターにおける共同研究プロジェクトとして展開できるまでになったが、「序章」に記したように、研究者の道に入るよりもかなり以前から問題意識を持ち、関心を抱き続けてきたものを表すキーワードである。また、「こだわり」は、研究者として研究活動を続ける上で、それぞれの研究テーマに対して持つ不断の「こだわり」であり、まちづくりの実践にかかわるときの「こだわり」でもある。さらに、「憲法学」は、まさに、研究・教育生活のこの半生を集約する言葉であろう。この3つのキーワードがそれぞれに持つ重い意味と意義を込めてタイトルをつけた。

 序章は、本書のために新たに書いたものである。自分の人生の歩みをキチンと振り返ってみるほどの度胸もないが、還暦を迎え、人々に祝ってもらい、感想を聞かれたりすると人生の少なくとも折り返し点を通過したことを認めざるを得ない。そこで、第一章以下の論考の前提となっている「私というもの」を知ってもらうのに必要最小限のことは明らかにしておくのが現時点での責任でもあると考えた結果の文章である。
第一章は、4つの節からなる。第1節は、序論的な性格をもっており、以下の3つの節が、主要研究分野、すなわち、国政調査権(第2節)、アジアの憲法とマイノリティ(第3節)、そして、まちづくり(第4節)となっている。第二章は、研究・教育にかかわる中で書いてきたものであり、法学部(第1節)、政策創造学部(第2節)、そしてマイノリティ研究(第3節)からなる。最後の第3章は、これまでの略歴・研究成果を示したものであり、同様の内容は、私の還暦のために関西大学法学会が編んでくださった『還暦記念論文集』の末尾にも掲載されている。

目 次

 ――「人を裁く」ことのない憲法研究者に

第一章 「マイノリティ」へのこだわりと憲法学
第1節 「マイノリティ」へのこだわり
(1)宗教的少数者の人権――異なる1人ひとりの自由を保障
第2節 国政調査権の憲法的性質をめぐる研究
(2)国会による政府・行政統制
(3)浦和充子事件(1948年)――議院の国政調査権と司法権の独立
(4)証人尋問(国会の公開)
第3節 「インド憲法とマイノリティ」研究を中心とするアジア法研究
(5)世界「最大」の憲法をつくり、育むインドの人々
(6)「アジア法」研究の意義と意味
(7)アジア法研究の新たな地平
(8)アジアにおける『公益』訴訟の現状と展開可能性
(9)グローバル市民社会における平和、安全、そして安心
第4節 市民の自治と「まちづくり」
(10)まちへの『こだわり』から『かかわり』へ
(11)市民共和型自治とまちづくり
(12)市民自治の「まちづくり」をめざして

第二章 研究・教育の歩み ――いまだ「発展途上人」との自覚を新たに
第1節 法学部における教育活動
(1)『知LAW人』創刊にあたって
(2) 評価するものとされるモノ
(3)熟議し、討議できる「市民」へ
第2節 政策創造学部における教育活動
(4)着実に培われつつある「実践的政策立案」力
(5)外国語で学ぶ政策学
(6)誇りある歴史、文化の「発掘」を手がかりとした「まちづくり」
第3節 「マイノリティ」研究と「マイノリティ研究センター」における研究活動
(7)今を生きるM.K.ガンディー vs. B.R.アンベードカル
(8)研究の意義とその独創性――「グローバル市民」社会論、グローバル市民国家像の解明
(9)”Constitution”とマイノリティ研究


第三章 これまでの研究の歩み ――略歴および研究業績
第1節 略歴
第2節 研究業績

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