関西大学 孝忠研究室インド憲法(研究室訪問)Research Life of Professor Dr. N. Kochu |
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インド憲法(研究室訪問)
インド憲法―非西欧世界からの発信
「かわった感じ」っていうのは、法学・憲法学の研究対象として「変わった」ということなんですか。それとも、私のことをいってるんですか? ―もちろん、研究対象としての話です。 それは、ヨーロッパ、アメリカ合衆国などの憲法を研究することを、一般的、あるいは「常識」のように思って聞いているんではないですか? ―言われてみると、そうですね。 私としては、「ドイツの憲法を研究しています。」と言うときと同じ質の問題意識・関心をもっているだけです。日本人には、インドに対する一種の思い込みのようなものがありますが、これは学問をする上で、まず取り除かなければならない「偏見」だと考えています。それと、法学の、アジアを含めた非西欧に対する学問的関心の薄さでしょうか。 ―インド憲法の特質を簡単に教えてもらえませんか。 そうですね。よく、世界最大の民主主義国家の世界最長の憲法典だといわれます。さまざまな言語、宗教などをもった人々が一つにまとまって国家をつくり、維持していくこと自体が大変な作業だということを、今世界の多くの人々(もちろんヨーロッパをも含めて)が実感していると思います。インドは、このことを50年前からやっています。インド憲法前文は、インドが社会的・政教分離主義的な民主共和国であることを明記しています。西欧法を継受しただけじゃなくって、西欧へも「発信」しているんです。 ―「国家と自由」をめぐる課題に一つのあり方を示しているというわけですか。 国家のあり方だけではなく、基本的人権の保障のあり方についても、少数者の権利保護、アファーマティヴ・アクションを明記するなどの特徴をもっています。 ―独立50年を報道する新聞の中で、旧不可触民出身の大統領が選ばれたという記事があったと記憶しているんですが。 インド憲法起草委員会の委員長をつとめたB.R.アンベードカルも旧不可触民です。ガンディーと鋭く対立した人物であり、この人のことも研究してきました。 ―先生の講義やゼミではインド憲法の話が出てくるんですか? 直接に講義するという機会はありません。憲法の講義などで展開する解釈論の前提となる研究といえます。法律解釈論がどれだけ説得力と深みをもったものになるかは、その研究者の問題意識や比較法研究などに依拠しています。私は、なかなかそこまではいきませんが。
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