経済理論学会第58回大会 報告募集
経済理論学会会員各位
2010年3月2日
第58回大会準備委員会
委員長 森岡孝二
2010年度経済理論学会第58回大会の開催について
Call for Papers
2010年度経済理論学会第58回大会は、本年10月23日(土)、24(日)の両日、関西大学において開催されます。
2010年1月24日開催の幹事会は、今年の共通論題を
社会経済システムの変革と政治経済学の課題――日本は変わるか――
とすることにいたしました。
今年の共通論題の問題意識は、国際金融危機とそれによる実体経済の大きな収縮、さらには雇用危機を契機にして新自由主義(あるいは金融資本主義)というひとつの歴史が終わり、
ポスト新自由主義の構想とパラダイムが求められているという認識に立ち、日本を舞台にして社会経済システムの新しい可能性と変革のゆくえを探ることにあります。日本を研究と討
論の場として設定するからといって、日本経済を孤立的に扱うのではなく、アメリカ中心の世界経済のバランスが崩れ、世界の実体経済の重心が中国やインド、ブラジル、ロシアといっ
たBRICsに急速に移りつつあるという世界経済の構造変化のなかで日本の現状と明日の変革可能性を問いたいのです。言い換えれば、今年の共通論題は、歴史的には新自由主義の破綻、
構造的にはBRICsの躍進に見られる世界経済の構造変化を背景としつつ、日本を主たる舞台にして、「われわれはこれからどうしていくべきか」という関心から生まれたものです。
「変革」の視点から社会経済システムの現在と可能性を問うことは、経済理論学会の共通論題では初めてのことです。これは、「哲学者たちは世界をさまざまに解釈したに過ぎない。
大切なことはそれを変えることである」(フォイエルバッハ・テーゼ11)の精神を現代の文脈で蘇らせる試みとも言えます。日本の現在は古いものは滅びたが、まだ新しいものが見え
てこない状況にあります。ここで古いものとは大企業中心の輸出主導成長と自民党政権による公共事業を通じた再分配政策、さらにはこのシステムの行き詰まりを打破しようとした小泉
政権による新自由主義的構造改革のことです。2009年の歴史的な政権交代は、国民の古いものにたいする変革期待の大きさを示しています。
しかし、今日の日本はグリーン・ニュディールのような新しい産業政策の立案においても、雇用保障や生活保障などの労働市場・福祉政策においても、これらと密接に関連する膨大な
財政赤字の再建の見通しにおいても、行き詰まり状態にあります。この閉塞状況を打開するには、個々の領域や問題の分析では不十分であって、金融、雇用、福祉、環境をいわば同時に
解決するような仕組みについての議論が必要です。求められているのは、ポスト新自由主義パラダイムの日本版、あるいは、フォーディズムや金融資本主義を超える新しい生活の仕方の
オルタナティブではないでしょうか。
以上の概括的な議論によっても、「社会経済システムの変革と政治経済学の課題」という問題設定が政治経済学に提起する問題は多岐にわたります。この課題にチャレンジする、会員
諸氏からの積極的な自薦・他薦の報告を期待いたします。共通論題の時間帯は、昨年同様、2 日目午後に設定しました。
分科会に関しては、幹事会で以下のことが確認されました。
イ. 「環境」と「ジェンダー」の2つの特設分科会を設置します。ここで議論する「環境」とは環境経済学というよりも「環境の政治経済学」を意味します。
ロ. 英語分科会は今年も設置します。
ハ. 会員諸氏の自由テーマでの報告希望に基づき、幹事会でテーマ別の一般分科会を編成します。また例年通り、共通論題の報告希望者が多数の場合には、関連分科会を設置する場合が
あります。
ニ. 特設分科会、一般分科会、英語分科会とも、会員3名が自薦の形でテーマ設定し、分科会を企画し、セットで申し込むことも可能です。なお、「環境」「ジェンダー」分科会の場合
は、2名の会員と1名の非会員でも企画することができます。
ホ. 各報告にコメンテーターをつけます。報告者希望者は各自でコメンテーターを依頼し、承諾を得てください。
共通論題または分科会の報告を申し込まれる会員は、同封アンケートの書式(大会HPからダウンロード可能)にしたがって、できるだけEメールで、
大会準備委員会事務局長、若森章孝(wakamori@kansai-u.ac.jp)宛に、件名を「58回大会報告希望」
と明記して、3 月31 日までにご回答ください(文字編集の便宜上なるべく添付にせず、本文中に記入または貼り付けて送信してください)。
その際、共通論題については、自薦・他薦の別、他薦の場合は本人了承の有無、他薦報告者の氏名・所属とともに、@論題、A報告要旨(200字程度)、
B関連業績を記入してください。また分科会については、その種別を選択したうえで、@、A、Bに加えて、C予定コメンテーター(氏名と所属)を
記入してください。
とくに郵送による報告の申し込みを希望される会員の方は、同封のアンケート用紙に上記の事項を記入して、ご負担ですが同封の返信用封筒に切手
を貼って3月31日までお送りください(締切日消印有効)。
報告集に関しては、昨年同様、冊子体の「報告要旨」ではなくCDを配付しますので、報告者には報告要約と報告本文(A4、20 枚以内)の提出をお
願いすることになります(締め切り等の詳細は後日連絡いたします)。